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Channel: 録画人間の末路 -
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珍しく着物に焦点を当てていた番組

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わたしはバラエティ番組の思考をぶった切るイライラCMがイヤで地上波をニュース以外ほとんど見なくなった人間なのですが、去る12月3日に珍しく普通のバラエティ番組を視聴しました。我が父が普段は見ていない「この差って何ですか」の放送に合わせてTBS系列の地元チャンネルを点けたためです。新聞の番組欄でチェックしていたときに「着物の古着を扱っているし、せっかくだから見よう」と思い立ったのだそうです。一応我らが商売にも関係があることだし。

一般家庭で眠っていた着物をテレビ越しに見て、我ら親子、どちらも値段を「こりゃ0円」と同時に判断

父「ありゃ昔の流行で現在じゃ古すぎる。長年タンスの肥やしになっていた状態もひどいだろうし、0円だろうな」
k「まだコーナー序盤、あっと驚く仕掛けは番組の構成上後にとっておきたいだろうし、0円だろうな」


「番組構成上」と判断はしましたが、これはあくまで新聞のテレビ欄に「値段が付く着物とつかない着物の差は?」などの文句が書いてあったためで、今までこうした中古品を取り扱う似たような番組が放送された場合、むしろ"0円"や”無理して500円"などという判断がされる品物が出てくるということはまずありませんでした。たいてい捨てようと思っていた品物にビックリするほど値段がつく"宝の山"をあおるケースがほとんどだったんです。あえて値段が全くつかない、のケースを連続して取り上げたのは、協力したお店の意向も小さくないんでしょうね。高値が付くのはごくマレなケースであると言うこともしっかり放送してもらいたかったんでしょう。

着物、と言えば昔は中古市場の華でした。良い着物を持っているというのは一財産持っていると同じことだったんです。ただ、洋装化が進む、着物は特別な時しか着ないものへと変わっていきました。その結果着付けが面倒ということもあって着物を着る習慣は加速度的になくなっていき、いつしか「タンスの肥やし」と呼ばれるようになってしまいました。それによって「まとめて処分したい、買ったとき高かったんだからきっと引き取り価格も高いだろう」と考える人が中古着物市場の圧倒的多数を占めるようになったんです。需要の加速度的減少と供給の圧倒的過多。値崩れを起こす程度ならまだいい方、本当にいいものを除いてほとんどすべてが買い取り対象外になってしまいました。ちなみに「本当にいいもの」とは「買ったとき高かった」ものではなく、「買った時高かったなんてのは当たり前。量産品ではなく手間暇かけて作られ、かつ状態が良くて染み一つないもの。できれば買った直後」くらいの状態のものですね。着物の染みはほとんどの場合取れませんので2~3年ほったらかしにしておいただけで値段は0になるほどあっという間に下がります。中間がなく、それなりの値段かゼロか、くらいの世界です。だから取扱業者も減りましたね。量り売りならぬ量り買い、つまり「品質でなくグラムいくら」買い取りをしているところもあるくらいです。ただ、それもその中に「パッと見値段が付きそう」なものが一つでもないとなかなか引き取ってもらえないんじゃないかなぁ。捨てるの隣みたいな激安で引き取ってその中で一つお宝があればなんとか儲けが出る、くらいの心構えでやらないと今中古着物なんてやってられないですよ。
ちょっと前ならこの手ので取り上げられるのは金・プラチナの指輪とかでしたが、これはほぼ日本の一般家庭から枯渇しましたね。近所の買い取り店も多くが撤退しましたし、登りも見られなくなりました。もう金やプラチナじゃ番組にならないんでしょう。でも一般家庭の身近なものがお金になるというものを年末年始の物入りの時期だから取り上げたい、として代わりに着物を取り上げたのかなぁという気がしてなりません。緊急企画、といいながら値段も含めて地味でしたし、如何にも代理という印象です。

なお、今回取り上げた「この差って何ですか?」は12月13日の18:59、つまり次回放送があるまで例のTVerで公開中。着物に関しては14:47ころから取り扱ってますので、お暇なら見てくださいませ。

URL:http://tver.jp/episode/10484893

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