ソニーは赤字、東芝は個人向けPCの大幅縮小(ビジネス向けは拡大、らしいですが)、パイオニア再編成、ビデオソフト前年比売り上げダウンと相変わらず明るい話題のないビジネス界。今の政策はすべてを踏み台にしてでもまず輸出産業を潤して、ほかの企業も個人もそのあとにお零れをもらって景気回復という流れだったはずなんですが、その輸出産業の代表格であるソニーがこの調子では、構造の底辺たるこのわたしなんぞに恩恵が回ってくるのはいつになることやら・・・。それまで生きてられないかも。
と、暗い話ばかりしていても仕方ないので、面白そうな新製品でも見てみましょう。Amazonが従来のKindle端末を拡充し、新型タブレットを発売する模様です。
Amazon、クアッドコアCPU搭載の6型タブレット「Fire HD 6」
〜5色ラインナップでAndroid 4.4ベースの「Fire OS 4」を搭載。7型や8.9型も一新
注目はなんと言っても新サイズの6インチモデル。何度でも書きますが6インチは最高のサイズです。しかし、市場ではこのサイズはなぜか製品が少なく、開拓しようという気が見られません。わたし愛用でほかのどの端末も眼中に入らなくなるほど相性がいいFone Pad Note 6も、なぜか発売されたはいいけど商業メディアにこれでもか、これでもかと叩かれ、早くも市場から姿を消してしまいました。なんで商業サイトとかって調べている人間は別なのにどこもそろって同じ評価しかしないんでしょうね。わたしがこれほど気に入ったのだから絶賛するサイトがひとつくらいあってもおかしくないのですが・・・。なんとなく業界上げて「この製品はほめる、こっちはけなす」って最初から決まっているような空気を感じます。ちなみにこのFonePadNote6、先日ファームウェアのバージョンアップでAndroid4.4になりました。まぁわたしの利用の仕方では4.2も4.4も大して変わらないのですが。UIもASUS独自だし。しいて言うなら音が小さくなったのが残念なくらい。
話をAmazonの6インチに戻します。解像度1280x800と低いのが残念ですが、機能は必要十分。なにより価格が16GBでも予価13800円、8GBモデルにいたっては発売記念価格で当面9980円と脅威の激安です。もし店頭で見かけたら手触りによっては衝動買いしてしまうかも知れません。ただ、OSがAndroid4.4そのものでなく、それをAmazonがカスタマイズしたFire OS。Amazonのサービスとの連動性の高さはいいのですが、例によってGooglePlayは使えないのでしょう。まぁAmazonサービスを使わなければ何もできないから、その分安いということで割り切る製品なので仕方がないのですが。Amazonのストアの品揃えに納得がいくかどうかが購入の分かれ目になりそうです。
もうひとつ目を引くのは従来のAmazonタブレットが「Kindle Fire」ブランドだったのに対し今回の新製品は「Fire」のみになっていること。もちろんAmazonはKindleビジネスを展開中ですから本来は外す必要はないはず。なのにやめたということは、Kindleすなわち電子書籍はAmazonですらあまりうまくいっていない・・・少なくとも「Kindleの名を使うことで電子書籍ビューワーに見られることはビジネスとしてマイナス要因」と思われるような成果しか残していないんじゃ・・・とうがった見方をしたくなります。
ちょっと前の日本の電子書籍市場はガラケー向けがほとんど、そのほとんどがマンガでさらにそのほとんどがエロ(理由は片手で操作しやすいかららしい)、というおそろしく偏った市場でした。今はさすがにそんなことはないでしょうが、マンガが多くを占めていることはそれほど変わっていないでしょう。
ただ、ここからはあくまでわたし個人の今まで使ってきた感想なんですが、正直そのマンガも電子書籍だと少々読みづらいんです。電子で読むことを意識してコマ単位で進むマンガならいいんですが、最近のマンガの中にはページをイラストのように見立てて全体を見て読ませるマンガが多い気がします。こういうマンガ、雑誌で読んでもわたしには読みづらいと感じるのですがまして拡大したりしながら読むマンガだともう中身がぜんぜん頭に入りません。マンガを電子書籍で買うのをやめた、というわけではありませんが買う気はあまり起きなくなってしまいました。
次に移ったのが新書。これもなんだかんだで読み捨ての部類に入る本が主流なので電子でもいいか、と思ったんですがこれはこれで読みづらい。文章だけなら6インチタブレットとの相性もよくて読みやすいんですが、後のほうになって書籍のもっと前の部分を参照したくなったとき、電子書籍だと非常に戻しづらいんです。紙の書籍だと、戻って参照したくなるような箇所は厚みの手触りでなんとなく覚えていますし、パラパラめくりながら探すのもやりやすい。電子だとそれが不可能ですしパラパラ読みは紙に比べてはるかに遅い。ちょっと気になったからといってそのつどブックマークをするのは読んでいて煩わしいだけ。結局これもうまくいきません。
最後にいきついたのは小説です。基本的にあまり前に戻って参照しなくてもいいものが多く、どんどん先へ読んでいくだけなのでこれはいいか・・・と思ったのですが、小説はマンガより読むのに時間のかかる娯楽です。正直インターネットにつながる端末だと余計な誘惑が多くて集中できないんですよ。なんとなくWEBにつなぎたくなりますしメールなんか来たらもうアウト。わたしが移り気なせいでしょうが本への集中のしやすさは紙の比ではなく、結構面白いと思った小説が気がついたら一回読んでもうぜんぜん読まなくなった、が大半でした。紙の本だと数回は必ず読むのに。
そういうわけで、いつの間にか電子書籍の新刊をチェックすることはなくなってしまいました。便利であるがゆえにかえって読まなくなるのが電子書籍というのがわたしの感想です。もちろんそうでない人もたくさんいると思いますが、わたしと同じような感想を持ってしまった人も少しはいるのではないでしょうか。一応簡単に調べると電子書籍市場は伸びているようですが、それでもAmazonがFireタブレットをKindleのブランドでなくしてしまったのは、たとえ今はよくても先を見越したら電子書籍ビューワーがメインという見方をされることを嫌ったような気がしてなりません。完全な書籍ビューワーはKindleの名を残していますからそれとの区別をはっきりさせ、多機能タブレットであることを主張したいのでしょうけど、だからこそ電子書籍に対する不安を感じさせます。とはいえ、Fire HD 6、わたしにはなかなか魅力的な製品に見えます。Amazonのストアでも一通りのアプリは手に入りますし、何よりまた市場から姿を消しつつある6インチの安い新型が出たのは個人的にはうれしいことです。実物を早く手にとって見たいものです。
追記:AmazonのKindleで購入した電子書籍のうち、雑誌とコミックにおいてPCのブラウザで読めるようになりました。
Amazon.co.jpがKindle Cloud Readerサービスを開始 〜Kindle コミックや雑誌をいつものコンピュータ画面で〜
小説などは読めないのですが、あれは小型タブの方が読みやすいのでむしろいい使い分けかも。Androidのエミュレーターを使い時と違い、Kindle Cloud Readerは端末としてカウントされず全部の購入済みコミックと雑誌にアクセスできるため、非常に快適に読むことができるようになりました。またKindleでマンガを買ってもいいかな? という気にさせてくれます。
と、暗い話ばかりしていても仕方ないので、面白そうな新製品でも見てみましょう。Amazonが従来のKindle端末を拡充し、新型タブレットを発売する模様です。
Amazon、クアッドコアCPU搭載の6型タブレット「Fire HD 6」
〜5色ラインナップでAndroid 4.4ベースの「Fire OS 4」を搭載。7型や8.9型も一新
注目はなんと言っても新サイズの6インチモデル。何度でも書きますが6インチは最高のサイズです。しかし、市場ではこのサイズはなぜか製品が少なく、開拓しようという気が見られません。わたし愛用でほかのどの端末も眼中に入らなくなるほど相性がいいFone Pad Note 6も、なぜか発売されたはいいけど商業メディアにこれでもか、これでもかと叩かれ、早くも市場から姿を消してしまいました。なんで商業サイトとかって調べている人間は別なのにどこもそろって同じ評価しかしないんでしょうね。わたしがこれほど気に入ったのだから絶賛するサイトがひとつくらいあってもおかしくないのですが・・・。なんとなく業界上げて「この製品はほめる、こっちはけなす」って最初から決まっているような空気を感じます。ちなみにこのFonePadNote6、先日ファームウェアのバージョンアップでAndroid4.4になりました。まぁわたしの利用の仕方では4.2も4.4も大して変わらないのですが。UIもASUS独自だし。しいて言うなら音が小さくなったのが残念なくらい。
話をAmazonの6インチに戻します。解像度1280x800と低いのが残念ですが、機能は必要十分。なにより価格が16GBでも予価13800円、8GBモデルにいたっては発売記念価格で当面9980円と脅威の激安です。もし店頭で見かけたら手触りによっては衝動買いしてしまうかも知れません。ただ、OSがAndroid4.4そのものでなく、それをAmazonがカスタマイズしたFire OS。Amazonのサービスとの連動性の高さはいいのですが、例によってGooglePlayは使えないのでしょう。まぁAmazonサービスを使わなければ何もできないから、その分安いということで割り切る製品なので仕方がないのですが。Amazonのストアの品揃えに納得がいくかどうかが購入の分かれ目になりそうです。
もうひとつ目を引くのは従来のAmazonタブレットが「Kindle Fire」ブランドだったのに対し今回の新製品は「Fire」のみになっていること。もちろんAmazonはKindleビジネスを展開中ですから本来は外す必要はないはず。なのにやめたということは、Kindleすなわち電子書籍はAmazonですらあまりうまくいっていない・・・少なくとも「Kindleの名を使うことで電子書籍ビューワーに見られることはビジネスとしてマイナス要因」と思われるような成果しか残していないんじゃ・・・とうがった見方をしたくなります。
ちょっと前の日本の電子書籍市場はガラケー向けがほとんど、そのほとんどがマンガでさらにそのほとんどがエロ(理由は片手で操作しやすいかららしい)、というおそろしく偏った市場でした。今はさすがにそんなことはないでしょうが、マンガが多くを占めていることはそれほど変わっていないでしょう。
ただ、ここからはあくまでわたし個人の今まで使ってきた感想なんですが、正直そのマンガも電子書籍だと少々読みづらいんです。電子で読むことを意識してコマ単位で進むマンガならいいんですが、最近のマンガの中にはページをイラストのように見立てて全体を見て読ませるマンガが多い気がします。こういうマンガ、雑誌で読んでもわたしには読みづらいと感じるのですがまして拡大したりしながら読むマンガだともう中身がぜんぜん頭に入りません。マンガを電子書籍で買うのをやめた、というわけではありませんが買う気はあまり起きなくなってしまいました。
次に移ったのが新書。これもなんだかんだで読み捨ての部類に入る本が主流なので電子でもいいか、と思ったんですがこれはこれで読みづらい。文章だけなら6インチタブレットとの相性もよくて読みやすいんですが、後のほうになって書籍のもっと前の部分を参照したくなったとき、電子書籍だと非常に戻しづらいんです。紙の書籍だと、戻って参照したくなるような箇所は厚みの手触りでなんとなく覚えていますし、パラパラめくりながら探すのもやりやすい。電子だとそれが不可能ですしパラパラ読みは紙に比べてはるかに遅い。ちょっと気になったからといってそのつどブックマークをするのは読んでいて煩わしいだけ。結局これもうまくいきません。
最後にいきついたのは小説です。基本的にあまり前に戻って参照しなくてもいいものが多く、どんどん先へ読んでいくだけなのでこれはいいか・・・と思ったのですが、小説はマンガより読むのに時間のかかる娯楽です。正直インターネットにつながる端末だと余計な誘惑が多くて集中できないんですよ。なんとなくWEBにつなぎたくなりますしメールなんか来たらもうアウト。わたしが移り気なせいでしょうが本への集中のしやすさは紙の比ではなく、結構面白いと思った小説が気がついたら一回読んでもうぜんぜん読まなくなった、が大半でした。紙の本だと数回は必ず読むのに。
そういうわけで、いつの間にか電子書籍の新刊をチェックすることはなくなってしまいました。便利であるがゆえにかえって読まなくなるのが電子書籍というのがわたしの感想です。もちろんそうでない人もたくさんいると思いますが、わたしと同じような感想を持ってしまった人も少しはいるのではないでしょうか。一応簡単に調べると電子書籍市場は伸びているようですが、それでもAmazonがFireタブレットをKindleのブランドでなくしてしまったのは、たとえ今はよくても先を見越したら電子書籍ビューワーがメインという見方をされることを嫌ったような気がしてなりません。完全な書籍ビューワーはKindleの名を残していますからそれとの区別をはっきりさせ、多機能タブレットであることを主張したいのでしょうけど、だからこそ電子書籍に対する不安を感じさせます。とはいえ、Fire HD 6、わたしにはなかなか魅力的な製品に見えます。Amazonのストアでも一通りのアプリは手に入りますし、何よりまた市場から姿を消しつつある6インチの安い新型が出たのは個人的にはうれしいことです。実物を早く手にとって見たいものです。
追記:AmazonのKindleで購入した電子書籍のうち、雑誌とコミックにおいてPCのブラウザで読めるようになりました。
Amazon.co.jpがKindle Cloud Readerサービスを開始 〜Kindle コミックや雑誌をいつものコンピュータ画面で〜
小説などは読めないのですが、あれは小型タブの方が読みやすいのでむしろいい使い分けかも。Androidのエミュレーターを使い時と違い、Kindle Cloud Readerは端末としてカウントされず全部の購入済みコミックと雑誌にアクセスできるため、非常に快適に読むことができるようになりました。またKindleでマンガを買ってもいいかな? という気にさせてくれます。