Quantcast
Channel: 録画人間の末路 -
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1571

8K放送前倒し、2018年より本放送、試験放送は2016年!

$
0
0
予想はしていましたが、8K放送における動きが一段と本格化してきました。2020年開始という当初の予定を大幅に前倒しし、本放送が2018年、試験放送においては2016年開始という予定を総務省が立ててきたのです。

8K放送は2018年開始、'16年に4K BS放送も。新ロードマップ策定

4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合

この2年おきの日付はいうまでもなく2016年のリオデジャネイロオリンピック・2018年ロシアFIFAワールドカップサッカーをターゲットに収めているのでしょう。「オリンピック・サッカーワールドカップを新テレビ普及の起爆剤に」という前世紀の遺物的発想からまだ抜けられないところに大いなる不安を感じますが、意気込みだけは伝わってきます。もちろんそれを理由に高騰してとどまることを知らない両イベントの放送料を実質国が手助けする可能性も大いにあります。
さて、そういう思惑を念頭に総務省サイトの配布資料を見てみるとなんとも取らぬ狸の皮算用。2016年半ば(たった2年後!)には2Kテレビと需要が逆転し、2020年における4K以上のUHDTVの普及率はなんと52%という予想です。8Kのようにテレビ市場全体の25%(当然金額ベースのことでしょう)ならまだ分からなくもないですが・・・。現状の普及率は知りませんが、ヒトケタ前半であることは間違いないでしょう。いくらプラズマをつぶし、有機ELを実質的に排除し、ハイエンドテレビ=高解像度テレビという選択肢以外を奪ってしまう日本お得意の普及作戦が実施されているとはいっても買う層はしょせん限られています。ちなみに地上デジタル放送の時の普及率上昇値は年間17%(より正確には、この数字の上昇率だと移行完了と同時に普及率100%になる、の数字)でした。ちなみに年間17%の半分の速度だと残り6年で51%になります。完全移行ではないので半分くらいはいけるだろう、という計算なんでしょうが、どちらかというと比較すべきはBSデジタルの普及率のほうではないかと。これを見誤ったことが今の日本のデジタル放送のマイナス面を引き出すB-CASカードの元凶になったことを考えると、なまじっか数値目標があるだけにこのときの二の舞になりそうです。昨今の動きを考えると新B-CASカードがないと地上デジタル放送が2024年くらいまでに見られなくなり、そのカードを使うには4K対応テレビやレコーダーが必須とかなんとか。うわーありそう。もっともそれをやったら本気でテレビを放送のために家に置く世帯の割合のほうが減っていきそうですが。それでも2020年の東京オリンピックをきっかけに新しい放送方式を世界に売り込むため、東京をUHDTVの巨大な見本市にするためには少々強引な手段を使うくらいは考えているでしょうね。
ま妄想はこれくらいにしておいて。実のところ4Kはともかく8Kは一般家庭には用なしだろうと思っています。小型化が事実上望めない8Kは医療やビジネス利用を前提とした映像技術にとどめておくべきではないでしょうか。少なくとも32型、出来れば24型まで小型化しない限り8Kだろうと4Kだろうと普及率50%を越えるのは不可能と思っています。そこまで小型化したら8Kはもちろん4K放送の意味あまりないですけどね。
それでも今回の資料はいろいろ踏み込んでいてなかなか面白いです。パブコメでは映像の高解像化よりもはるかに望まれていたロスレス音声にも触れられています(導入が決定しているわけではないようです)。また、1080pも映像フォーマットとして定義されました。多分使われないでしょうけどね。一度見ておくといいと思います。

なお、それ以外に110度CS放送におけるHD放送の割合を増やすことも触れられています。ただ、あくまで「可能な限り早期に」とあるだけで具体的な提案はゼロ。総務省は口を出すだけで努力は民間でしろということのようです。限られた帯域とお上からの通達の間でいろいろもめることが予想されます。チャンネルの淘汰が進むかも知れません。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1571

Trending Articles