
↑PCを組み立てる上でもっとも勇気の必要な作業 キャー!
どうも、はじめての方もいらっしゃると思いますので自己紹介を兼ねて挨拶させていただきます。
力はなくとも気は強し。身体的特徴は中途半端な左右両利き。趣味は怪獣映画と怪物映画の蘊蓄。好きなことはテレビ番組の録画と管理。長さだけなら一人前に9年もやってるブログ「録画人間の末路」の書き手、krmmk3と申します。今回は日本AMD様の主催による、"AMDアンバサダーコンテスト"ブログ記事部門向けエントリー第一回となります、どうぞよろしく〜。
さて、一応以前のブロガー勉強会でこの手のエントリーには経験のあるわたしではありますが、その時は当時発売前のAPUとそれが動作するマザーボードを渡されて「APUでいろいろやってブログに書いてください」と言われたのみで特に縛りが無く、ないだけに何をして良いか分からず、単なる新CPUの紹介みたいな記事になってしまっていました。一方、今回は
・AMD製APUの、既に発売されて流通しているA10-7800(これはAMDさんのご厚意により提供していただきました)を使う
・自作PCの面白さを伝えるブログ記事を書くこと
この二つがお題となっております。前者はともかく後者は前回なかったこと。一応AMDの良さが伝わればいいみたいな話もなきにしもあらずですが、今回は「自作PC用としてAMD製品を選択して欲しい」という趣旨のものではなく、「自作PCは面白いしメーカー製PC、特にノーパソやタブレットでは実現できない使い道があることを主張して欲しい」という趣旨のものではないかという判断、つまり普段PCを自分で組み立てない人向けの記事を書いた方がいいのではないかと。よーし、それなら今までみたいに既存のPCのキモのところだけ変えて組み込みました、今までのCPUや競合と数字で優位性を計るぞぉ! みたいな内容じゃなくて、全部購入(キーボード除く・・・だってわたしのお気に入りがもう売ってないのですよ)して自分がいま欲しいPCを組むぞぉ!ってテーマで行ってみたいと思います。何か前提が間違っているような気もしますが、もうわたしの頭の中で賽は投げられました。もう引き返すことは出来ません。テーマはワンパターンと言われようがなんだろうがわたしのPCに対する要求を叶える物。ズバリ、動画再生PCです!少なくとも必須条件であるA10-7800にとって不得意というテーマではないでしょう。
実はわたし、地方在住でありまして、正直地元で買い物しようと思うと東京などに比べると組み立てPC向けパーツなどいくらも売っていません。こういう言い方をするのもなんですがましてAMD向けなど・・・と言う状態です。無理矢理買ってきたとしても中型ミニタワーモデルをなんとか組むのがせいぜいです。今回の動画再生PCはAVプレイヤーとしてテレビに繋ぐものにするつもりなのでもうちょっと収まりのいいものがいいでしょう。そういう条件だと普段は通販です。それをいいことに数少ないパーツ取扱店である地元の電気量販店や通販での四苦八苦を記事にした方が面白く書けたのかも知れませんが、運悪く(?)コンテスト準備期間はちょうど東京へ行く予定が前からありましたので、今回の買い物は全部東京は秋葉原でしてしまうことにしましょう。
さて東京はあーきはーばらー。昔より大分狭くなった(趣味の範疇でない店が増えて行く店が減った)感のある秋葉原ですがそれでも地方数県分よりはるかにお店の数は多く、充実した地域です。さて、使うCPUはAPU A10-7800と決まっていますので、キモはケースとマザーボードということになります。テレビの横におきたいのでタワーの大型ケースはさけ、mini-ITXで組みたいと思います。ケースも「ちょっと小さいと感じるケース」にするつもりです。何を持って"小さいと感じるケース"と判断するかですが、わたしは奥行きのないケースに小ささを感じます。レコーダーとかそれを模したケースだと、取り出してみると広くて、フロントの印象より格段に大きく感じること、ありますよね? あれって結構置く場所を制限すると思うんです。なので厚みは多少あっても奥がなく、手に持ちやすくて圧迫感のないケースを購入する予定です。もちろんこれは人それぞれ。奥行きはあっても棚に収めるのだからフロントの印象が小さい方がいい、広いということは内部にパーツを組み込むのがしやすいということに繋がるわけですからそっちがいいという意見ももちろんあるでしょう。ただここはわたしの趣味で行きます。ただ、最近はそういうケースって光学ドライブを搭載出来ないケース(二重の意味)が多いんですよ。ノーパソなんかで光学ドライブを搭載しないケース(ある意味二重)が増えたせいで組み立てPC用としても小型はそういう流れになっているんでしょうけど。個人的には実は外付けBDドライブを複数のPCで使いまわしており、内蔵にはこだわっていません。「BDドライブ搭載させるスペースがあったらそこにHDD入れるわ!」という主義なんですよ。ただ、今回は"自作"PC。ただ組み立てるだけとはいえ、"自作"の言葉を使う以上キーボードマウスディスプレイはしょうがないにしても一体型にこだわりたいですねぇ、今回に限って言えば。そういう内蔵の場合スリムドライブを使えるケース(二・・・もうやめよう)もありますが、あのスリムドライブ、「パスン」って出てきて円盤はめ込んである程度力づくで入れるやつ、AVプレイヤー用としてはカッコ悪いでしょう、どう考えても。可能ならば普通の5インチドライブ搭載といきたいですね。どうしてもスリムドライブでなければいけないときはスロットインタイプを使うことにしましょう。
えー、長々と書いたようでまだ今回のケースに関しては書き足りないんですが、この時点ではこのようなケースを所望して秋葉原を徘徊していたのです
・mini-ITX対応
・奥行きがあまりなくて小型っぽく見えるが、デスクトップCPUを入れるのでそこそこ空間も欲しい
・横置きで使いたい。縦部分は指の短いわたしでもつかめるくらいに抑えたい
・それなりに作りはガッシリ、ドライブの振動に共鳴したりしない
・普通の5インチドライブを入れたい。ただ、内蔵できるのならスリムドライブでも妥協はできる
というなかなか我がままな条件。なにせ今回使うのはデスクトップ用Kaveri。薄くて本当に小さいと思うケースも結構あるのですが、あれは同じAMDのAPUでもKabiniの範疇ではないかと思うのです。理屈よりも感性で「Kaveriが使える」って思えるケース・・・と考え考え歩いていたところろでピーンとひらめくものがあったのがトップでビニールをはがしているケース、SD-110であります。上記の条件をほぼ備え、天井はメッシュ状でなんとなく空気の循環もよさそう。これだろうとわたしの野生の勘が叫んでます。あちこちの店でさんざん眺めたほかのケースの時はどれも「うーん」で購入に踏み切れなかったのに、このSD-110はみた瞬間数秒としないうちにレジに頼みにいってしまいましたよ。さぁ、もうケースは買ったぞ。あとは残りのパーツだ〜!
・マザー GIGABYTE GA-F2A88XN-WIFI(Kaveri動作可にBIOSアップデート済)
HDMI出力端子2系統搭載かつ4K可(ただし1.4のため30/24Hz止まり)
今回は無線LANが最初からついてる方がいい(ちなみにIntel製チップ搭載)
・RADEON メモリ DDR3-2133 4GBx2
多分AMP対応で設定は簡単・・・なはず
・SSD CFD 128GB
これくらいあれば十分
・PIONEER製 BD/DVDコンボドライブ
BDなんて読めれば十分! それと今後PIONEER製ドライブが手に入らなくなるのでは・・・の感もあるので
・BlueTooth対応マウス
リビング用なんだから離れたところからの操作は必須
・Windows8.1(64bit)
Windows7の選択肢もありますが、AMDの最適化と最新機能の搭載している8.1の64bitがベスト。個人的に7はすでに新規に買う理由がないです

全部は映ってないですが買いも買ったり。組み立てPCの何が楽しいかって、こうして一つのものを用意するのにたくさん品物を選んでは買う買い物ですよ。ポツンと一つ買うだけの出来合品とは充実感が違います。わざわざ一から自作PCにする意味の7割はこれにあるといっても過言ではないですね! ただ、こうして目の前に並ぶと急に現実に引き戻される・・・。組み立て作業が待ってるんですが、これが結構面倒・・・いやいやわたしが言っちゃいけませんけどね。小型ケースを選ぶ最大の難点がケースごとにドライブを装着するためのルールが存在するのでそれを把握するのが一苦労ってことです。まぁそれでも昔よりはるかに簡単になりましたけどね。一つしかない3.5インチベイは当たり前のようにSSDを装着するために2.5インチもアダプタなしでつけられるようになっているし、何よりフロントにつけるUSBが昔みたいに端子が9つバラバラでそれが3つも、なんてことがなく、指定の位置に装着するだけ。あのバラバラを全部つけるのにPCの物理的組み立ての半分の時間を費やすほどわたしにとっては大変な作業だったのですが今はそういうことはまず見かけません。まして今回のケースのフロントUSBは3.0ですからそもそも規格上差し込みコネクタはガッチリ作られています。そういえば今回選んだマザーはフロントUSB3.0用コネクタが付いていたので大丈夫でしたが、2.0しか持たないマザーでは放棄するしかないので危険かも。しかし、どれだけ規格統一が進んでもいまだ統一の気配を見せない、PC用マザー最大の謎、「なんで電源ランプコネクタは2ピンと3ピンが併存しているのか」はまだ解明されていないようです。そのせいで両対応マザーなんてのが珍しくなくなってきています。ちなみに今回のケースSD-110は2ピンと3ピン両方の電源ランプコネクタが搭載されていました。
マザーボードをケースに入れるのが少々力づくではありましたが、組み立てなんてのはようするに指定の位置に指定のものをドンドン差し込んでいくだけ。ようは気合いと経験だけでなんとかなります。夏休みの工作とどっちが難しいか、くらいの難度ですよ。なにせ不器用なわたしでもできますから。ただ、今回ここでちょっとトラブル・・・というほどのものでもないのですが、こだわりの5インチドライブを入れたときに少々難が。
奥行きがない小さ目のケースなだけに、5インチドライブがCPUのほとんど真上に来ちゃうんですよ。正直天井のメッシュも意味あるの? というくらいほとんど覆ってしまっています。今回のAPUはバルクではなく市販のもので純正のCPUクーラーが付いてきていました。AMDのクーラーというとFX 8350についてきた一部に銅を使っているゴツいクーラー(うるさいのが難点)のイメージがあるわたしとしてはちょっと心配になる小ささですが、たぶん大丈夫だろうとそのまま使用・・・しようとしたところ、上の5インチドライブとのスペースが数ミリあるかないか、くらいしかないんです! かろうじて接触していないのは確実と言えるくらい狭い。ありゃりゃこれで常用する気にはなりません。
選択肢は3つ
1.内蔵BDをやめて外付けにしてしまう
2.今回のケースをやめてもっと高さのあるキューブ型のようなケースを利用する
3.添付の純正クーラーをやめて薄型クーラーに差し替える
ここまでの買い物が無駄にならないケースは3だけです。3を選ぶしかないでしょう。はからずしもデスクトップ用APU利用としては放熱の面でスリムケースと大して変わらない条件の悪いものになってしまいましたが、しょうがありません。再び秋葉原へ! と言っても残念ながらAMD対応で比較的最近のスリムクーラーはそれほど多くありません。しかもわたしが欲しいと思ったのはその中でも一番背が低い、KODATIの愛称で売られているSCKDT-1000です。高さはわずか34mm。これなら間違いなく十分なスペースをとれますが、問題はA10-7800を冷やすに冷却性能は十分か? の一点・・・。うん、なんとなるさ。A10-7800の機能で「あまり使ってくれない」らしいcTDPがきっと切り札になるだろう。ダメならダメでネタになるさ、とこの時点でのわたしは開き直っていました。
再び組み立て作業に。前のCPUクーラーを外さなくてはいけませんが、この際ただ剥ぐようにCPUクーラーを持ち上げようとするとグリスがCPUとクーラーを密着させてしまっているのでくっついてしまい、ピンを痛める危険性があります。クーラーはねじるように何度も左右に動かし、少しずつ空気を流し込みながら取り外すようにしましょう。さてクーラーの交換も終わり、中に全部しまい込みます。まぁ王道ならケースに入れないうちに起動実験とか済ませるものなんでしょうが、あえて完成であることを重視します。PC組み立てで一番勇気のいる行為が買ったその日のケースのビニール剥がしなら一番緊張する行為が電源入れ。ちなみにわたし、以前二回連続で初期不良のマザーを引いたことがあります。一度目はともかく交換しても動かないので二度目は大変だった・・・結局マザー以外すべての部品を交換してもダメだったのでまた交換してもらうハメに。多分あのとき「初期不良じゃなくて壊しただけだろう」って思われていただろうなぁ・・・。まぁそれおいておいて。電源を入れましょう。頼む、一発で動いてくれ・・・。
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あ、点いた。
なぜか点くまで数秒かかりましたが無事点きました。このマザー、ブザーがないのでディスプレイの点灯しか確認手段がなのがちょっと怖いです。
さて、BIOSを立ち上げて初期設定を・・・。え? CPUの温度が・・・ 67度ぉ???? しかもまだ少しずつ上がってます、このままだと70度到達必至。まぁBIOS画面ってのは省電力機能が働いてないので温度が高めになりやすいんですが、それにしてもいきなりこの温度は高い。やはりCPUクーラーの冷却能力が少し不足だったかも知れません。ならばcTDPを・・・と思って探しても見つかりません。ひょっとしたらBIOSを最新のものにアップデートしたら出てくるかも・・・という期待を胸にOSのWindows8.1を入れます。70度に到達したか、あるいは超えたか、PCのわきから漏れる温風をよそにOSは割と順当、あっさりインストールが終わります。じゃぁドライバなど各種ツールを入れ、いよいよマザーボードのBIOSアップデート。幸い買ったときに入っていたバージョンF3より新しいF4がアップされています。これを入れて再起動・・・。
おお、無事終わりました。しかもF3ではなかったcTDPがちゃんと選べるようになってます。これを規定の65Wから45Wに変更すればこのクーラーでも温度が下がるはず・・・と設定すると、BIOS画面のCPU温度が一気に42度まで下がってました! 素晴らしい! cTDPバンザイ。しかもWindowsを起動すれば省電力機能が働きますので40度を切ってしまうことすらあります(このときの部屋の温度27〜8度くらい)。cTDPがこういうケース(二)でこれほど役に立つとは・・・。もうA10-7800では45Wを標準にして65Wモードは「ブーストモード」扱いにしましょう。
さてトップページのようにビニールをはがし、代わりに貼るものがあります。

これです! AMDから送付されてきたA10-7800に同封されていたあちらかのお手紙以外の唯一の品、RED TEAMのステッカーです。赤と言うとチームよりも個人のエースというイメージのあるわたしですが、やはりこれはカッコづけのためにも貼るべし!が・・・。

検証のパーツまで含め、赤どころか真っ黒なPCとなっておりました。ちなみにキーボードはトラックポイントが外れてしまったお古です。しょうがない、このPCはRB?世と名付けましょう。
さぁ、紆余曲折こそありましたが結局買い直しは一つもなく完成したニューPC。東京での作業はこれで終わりです。あとは実家に送って、帰ってからテレビにつなげてその能力を実感しましょう。と、最初のケースの箱に詰めなおし、隙間にいろいろ詰めて振動への耐性を高めたうえで近くのコンビニへ。宅配便で送ってもらいます。
店「パソコンは受付するな、と上から固く言われてるのでダメなんですよ」
ずるっ えええええ、まさかこれを手で持って帰れ、というの?(当然それ以外のお土産をいっぱいに抱えている) とても無理! なのでノートパソコンやタブレットじゃないんだから液晶パネルとか積んでないし、普通に壊れ物精密機器扱いにしてくれればいいと交渉しても取り付く島なし。
店「そこまで言うのでしたらね、どこどこにある便の配送センターでしたら受け付けてくれるかも知れませんのでそこまでご自分で持って行ってください」
だぁぁ、それでも自分のウチまで持っていくよりはマシか。結局炎天下の中、それなりに重いパソコンを片手にえっちらおっちら配送センターまで行くはめになりました、とさ。めでたしめでたし。さて、次回はPCによる動画再生の楽しさを語るとしましょうか。
あ、ちなみにさすが配送センター。ちゃんと受け付けて家まで届けてくれました。