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Channel: 録画人間の末路 -
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ゴジラだ! 宇宙だ! ロボットだ!

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ボチボチ実家に帰らなきゃいけないので残ったことを一気にやることにしてました。普段ならのんびり秋葉原探索に使う休日をまるまる空けて遊びます。その一つ目は、昨日から上映が開始された第1作「ゴジラ」の4Kデジタルリマスター版です! 厳密にいうと4K解像度は16:9なんで4:3のスタンダードサイズである「ゴジラ」はピラーボックス化するんで3000ドットくらいしか使ってないと思いますが。
もう何回も見た作品で隅々まで知っているつもりでしたので、ある意味不安もありました。日本映画専門チャンネルで初めてHDリマスター版を見たときはその見え方に感激しました。が、それはすぐに冷めてしまったのです。むしろ見えすぎることで迫力はそれなりにあってもリアリティにどこか欠けるものを感じてしまったからです。むしろ傷だらけでくすんだ映像であるDVD版の方が、モノクロの映像ということもあってまるで記録映画のようにみえ、リアリティを感じることがあったくらいですから。それでも、映画特に怪獣映画は劇場で見るチャンス逃すべからず、がわたしのモットーですから行かないなんてことは考えられません。実家の近所の映画館は上映しないそうですしね。本当は舞台挨拶もある初日に行きたかったのですが7日はどうしても一日外せなかったため翌日になりました。それでも、どうせ行くなら聖地日比谷へ。日比谷や銀座近辺は第1作ゴジラの破壊の舞台でもある(松坂屋や時計堂が破壊されたのが有名)のですから。前々日のうちに席の予約を済ませ、いざ日比谷の東宝シネマシャンテへ! 初めて行く映画館ですが、Androidタブのナビさえあればつくことは不可能じゃないはずです。

で、少々迷いながらも無事たどり着いたのですが、なんかミニシアターに毛が生えたような(すっごく失礼)映画館なんですが、大丈夫なんでしょうか。全くルール知らなかったものですからエレベーターにいきなり乗り込んで「動かない!」って慌てたり(上映開始20分前になるまでエレベーターは動かない仕様)、どこで券を発券してもらうのかわからなかったので売り場で聞いてみたり(エレベーターが動いて上まで行けば発券機が使えます。まぁ下でも発券してくれますが)。この時点ですげー不安。だって



こいつの目と鼻の先にある東宝の名を冠した映画館ですよ。大劇場だと思うじゃないですか。まぁそういうのは日劇東宝が担う部分なんでしょうか。
ここには多くの著名な俳優のサインと手形もありますので、このゴジラ写真以外にも宝田明をはじめ、池辺良、夏木陽介、八千草薫、フランキー堺、沢口靖子らの手形写真を撮影して上映前の時間をつぶしてました。同じように時間が空いたのでゴジラの写真を撮っていた人はボチボチいましたが、俳優手形写真を撮っている人は全然いなかったような。お客さんは結構来ていましたが、中にはまだ公開前の新作GODZILLAと勘違いして見に来ていた人もいたような。
中はちょっと狭いけど思ったよりキレイ。間もなく開始された予告編を見る限り、画質音質とも及第点は十分取れそう。多少残像感はなくもないですけどね。
予告編の中には当然新作ゴジラの映像もありました。ちらりと映ったその姿は、背びれこそ間違いなくゴジラのそれでしたが、真正面からの様子は、よく言われていたデブとは全く印象の異なるマッチョな出で立ちで、ゴジラというよりキングコングの立ち姿のようです。頭部がやや四角な部分は1998年製のトラゴジを少し連想させますし、新GODZILLAは単にゴジラを作るのでなく、製作者の思い入れの怪獣の総決算として作り上げた「俺ゴジ」で勝負をしかける、そんな気合いが伝わってきます。そうでなくちゃ面白くありません。日本ではゴールデンウィークに間に合わなかったために夏休み興行に回されてしまい、ずいぶん上映が遅くなってしまいましたが、待たされただけ期待は高まるというものです。

でも今回見に来たのはあくまで1954年製作のゴジラ。さぁ、上映開始です。・・・思ったより画質音質とも普通、そりゃ古い映画だし現在のようなクリアな映像やサウンドは無理か。でも、これだと場面ごとのフィルムの画質がはっきりしすぎるし、サウンドもしっかりBGMとして聞くことができないなぁ・・・。冒頭はそう考えていました。
しかし、それこそが今回のリマスターの本当の狙いでした。先のリマスターに感じたキレイ過ぎ、映りすぎによるリアリティの欠如を、あえて残した荒い映像が見事補っているのです。たいへんキレイに映っているところはその場にいた人間の実際の体験のごとく、荒い映像はテレビの画面や記録フィルムを後日視聴した映像のごとく、それぞれが見事かみ合い、あえて臨場感を外した映像世代のリアリティを生んでいるのです。DVDやBDで家で見るとどうしてもミニチュア然として見える場面すらそうやって見ようとする隙を観客に与えない、メリハリの良さ。映画館ですから映像以外に光のない空間と、観客席から仰ぎ見る視点が否が応でも巨大感を作り出し、なまじっか見慣れているからこそ気が付かなかった作り手の演出の一つ一つがはっきりと伝わってきます。それをさらに盛り立てるのがもちろんBGM。多少曇り、現在の映画のようにBGMをBGMとして流さないからこそ、伊福部昭映画音楽の真骨頂、画面との一体化、まるでそこにサウンドがある世界なのが当たり前であるかのごとく存在する、セリフの一つ、SEの一つ、観客の心情の一つへと昇華していたのです。今では絶対できない人特音の一体化、まさかこれほど衝撃を受けるとは・・・。ただ、よくわかるようになっただけに「あれ?こうだったっけ?」なシーンも数か所。鉄条網とか実はかなり合成を多用していたとかもありますが、一番気になったのはゴジラが街を通過する被害を避けようと人々が路地に飛び込むシーン。最後の一人がまるで自分が路地に入るのは場違いだ、と言わんばかりに途中で動きを止め、メインストリート側、すなわちゴジラがいま通過している真横に隠れるように入っていく、そんな動きが見えたような気がします。あれはなんだったんでしょうか。これはあとで別ソースで確認しよう。

これはゴジラに多少なりとも興味のある人にはぜひ、映画館で見てもらいたいものです、入場料1000円だし。どうしても映画館に行くのは嫌だ、そこまでゴジラに興味はないという方は日本映画専門チャンネルで・・・と言いたいところですが、NHK BSプレミアムでも第1作ゴジラを含む一部のゴジラシリーズをGODZILLAに合わせて放送するので、そちらでぜひ。第1作は「60周年記念デジタルリマスター版」となっていますので、今回の上映のと同じマスターを使っている可能性はあると思います。
7/8 ゴジラ(1954)
7/15 ゴジラ(1984)
7/21 モスラ対ゴジラ
7/22 三大怪獣 地球最大の決戦 ゴジラVSデストロイア
7/23 怪獣大戦争
7/24 ゴジラVSメカゴジラ
7/25 ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃
と抜出にしてはなかなかのラインナップ。他に7/6にやはりBSプレミアムで「ゴジラvs伊福部昭〜音で怪獣を描いた男〜」という特別番組もあるのでこちらも。


ゴジラに大満足したあとは、その足で大急ぎで押上へ。目的は東京スカイツリータウンです。いえ、スカイツリーが目的じゃないですよ。



こんな天気じゃしょうがないもの。それにしてもデカイですね、スカイツリー。雲に覆われて上が見えません。


間近で見ると全然現実感ないわ。

というわけでわたしの目的はソラマチの8階。ここに千葉工業大学スカイツリーキャンパスという一種のオープンキャンパスが運営されているので、一度来てみたかったのですよ。もちろん展示はわたし好みものです。くしくも現在は公開中の映画「キカイダー REBOOT」に同大学が協力したとかで、それに関する展示も行われています。と、言っても写真だけですけどね。「キカイダー REBOOT」は宿敵、ハカイダーの登場と行動があまりに唐突過ぎ、悪として純粋すぎるが故の己の美学に殉じたテレビ「人造人間キカイダー」のハカイダーとは似ても似つかぬものになってしまったので評価したくない作品ではありましたが〜と言っても設定を考えるとむしろ続編「キカイダー01」で登場した堕落したハカイダーに近いのでそれと思えば認めなくもないのですが〜主に研究シーンではるものの本物のロボットと架空のロボットが両方登場した、という点では「THE NEXT GENERATION パトレイバー」と共通したものがあり、あとで特撮映画史を語る上では興味深い話です。
ネットとか見たイメージではもうちょっと展示物、特にロボットがあると思っていたんですが少なくて残念。子供のころ、将来ロボット研究やりたいって夢持ってたんですよねぇ、わたし。恐ろしく不器用なのと数学の公式暗記主義についていけなくて挫折したんですが。今でも憧れあります。
今回一番の目的は、ここで上映されている映画を見ること。15分ほどの「宇宙138億年の旅 地球そして生命」という映画で、平日も上映されていますが日曜だと3D映写になるんです。映画の監督は「ゴジラVS」シリーズで特技監督を務めた川北紘一氏、という微妙なゴジラつながりで14:00からの上映に間に合いたかったのですが、割と余裕で到着。先の写真などをとって時間をつぶしたあと映写室へ。こっちはロボットでなくて宇宙です。宇宙の実験て面白いですよね。あんなマクロな世界の研究なのにやっている実験と言えばその真逆、粒子単位のミクロな物質とかを対象にしてるんですから。ああいうギャップを見ていると、自分らの住んでいる宇宙も実はそれよりもはるかなマクロの世界ではその一部分の物質を構成している粒子に過ぎない、なんて途方もつかない想像をしたりしてしまいます。あっと話はそれました。映画は宇宙の誕生から地球の誕生、そして生命の誕生と進化。CGを使ったVFXだけでなく、川北監督らしくアナログな特撮を織り交ぜて画面と展開が単調にならないよう工夫しているのはさすが、特撮ファンとしてもうれしくなります。そしてどうしても力入ってしまうは恐竜シーン。バトル入れたりしてノリノリです。製作者側としては、アーウィン・アレン監督の「動物の世界」ってセミドキュメンタリー映画みたいな感覚で作っていたんでしょうか? まぁ「動物の世界」って言っても恐竜シーンしかみたことないけど、ウィリス・オブラインとレイ・ハリーハウゼンの最後の合作で見応えあるんだわ・・・とまた話脱線。
この千葉工業大学スカイツリーキャンパスは無料で見られますので話しのタネにでもどうぞ。運営している学生さんもやたら気軽に話しかけてくれます。他に常時展示物としてアニメ「マクロスF」に登場する戦闘機兼ロボット、バルキリーVFー25Fのガウォーク形態の実物大模型もありますよ。余った時間でスカイツリータウンをブラブラするのもまた一興かと。わたしはしばらくブラブラしたあと別の目的地へゴーでした。いや今日は忙しくて楽しかった。


スカイツリーが映るガラス張りビルの姿、つい撮りたくなりますよね。

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