VitaだとかCSの認定だとかいろいろ書くこと多かったもので少し後回しになってましたが、ボチボチNW-Z1000シリーズのうち、最大容量64GBを持つNW-Z1070の使用感でも書こうかと思い(縦)73.9×(横)133.0×(厚さ)21.5mmます。他にもSK-MHD264のアプリがアップデートしたらしいので、そっちもいろいろ調べたいんですけど、先にこっちをやってしまいましょう。
なお、仮にもウォークマンのレビューではありますが、それにあるまじき行為を行います。音楽再生機能や音質については一切語りません。音楽プレイヤーに関しては全く知識がないからです。それ以外の部分で評価をします。
まず、このNW-Z1070は非常に持ち歩きやすく、持ちやすいサイズであるという点があります。商用サイトなどでは従来のスマートフォンと大きさを比べることが多いため、大きい印象はありますが、指の短いわたしでも大きすぎて不自由するなどということはありません。
それもそのはず、NW-Z1000のタテヨコは、Nintendo 3DSに近いサイズなのです。
初代NintendoDS
(縦)84.7×(横)148.7×(厚さ)28.9mm
DSlite
(縦)73.9×(横)133.0×(厚さ)21.5mm
DSi
(縦)74.9×(横)137.0×(厚さ)18.9mm
DSLL
(縦)91.4×(横)161.0×(厚さ)21.2mm
3DS
(縦)74×(横)134×(厚さ)21mm
NW-Z1000
最大外形寸法
(横)約70.9×(縦)約134.4×(厚さ)約11.1 mm
外形寸法
(横)約70.5×(縦)約134.2×(厚さ)約11.1 mm(最薄部:9.6mm)
いずれも公式サイトのデータより。
NW-Z1000がDSlite、DSi、3DSと似た寸法を採用しているのが分かります。厚さはほぼ半分になっていますが、当然DSシリーズの厚みはたたんだ状態。使うときは開きますから、NW-Z1000を横持ちした時と感触は非常に似通ったものになります(もちろん触感は違いますが)。
パッと見た感じではNW-Z1000の方がむしろ大きく見える気がしますが、それは体積が3DSの半分であるためにその分軽く、無意識に手が期待する重さと違うためにおこる錯覚でしょう。もちろん実際には小さいのに大きく感じるというのはモバイル機器にとってはプラスであり、評価すべき点です。ちなみに市販されているNW-Z1000専用カバーのうち、縦持ちした左右だけを覆い、上下は向き出しにするタイプのものを使うと、さらに近づいてほとんど同じになってしまいます。世界が持ちやすさを認めたサイズに近いわけですから持ちやすく、携帯もしやすくて当然というところですが、ソニーだけはこのサイズを採用してはいけなかった気がします、余計なお世話でしょうが。
ディスプレイはあまりディスプレイであることを感じさせない自然な印象を与えるもので、量販店などでサンプルを見ると、目の良くないわたしなど時々モックと間違えてしまうほどです。ただ、応答速度は決して速い方ではないようです。ブラウザを使ってサイトのテキスト部分だけを高速スクロールさせ、適当なところで止めようとすると動から静に移行する瞬間、かなりぶれのようなものを感じます。静止画はキレイなのでちょっと気になりました。それ以外はもちろんモバイルでのインターネットには十分で、iPodTouchと違い、ブラウザ画面からYouTubeの再生も出来ます。サイトにちょっと埋め込まれた程度の動画を見るのにいちいち別ソフトが立ち上がらないのは楽でいいです。画面が4.3インチと大きいこともあって、ブラウジングはかなり快適、わたしの手でも左手だけの片手持ちで操作出来るギリギリのサイズというところです。最近はニュースサイトくらいならこっちで見てしまうようになってしまいました。「スマートフォンによるPC離れ」の気持ちが分からなくもないです。もちろん積極的に情報収集をする、ブログを書くなどの用途に使う気はなりませんが。しっかり使うならPCの方がはるかに快適です。
ただ、NW-Z1000は結局モバイル音楽プレイヤーの高級機という位置づけのため、プリインストールソフトがそういう再生系のソフトに偏っており(正しいわけですが)いくつかマーケットからソフトを追加してやる必要がありました。わたしはとりあえず
・Google日本語入力Beta
・TaskControl
・Dr.Web Light
・MX動画プレイヤーと専用デコーダー
を入れておきました。Google日本語入力で日本語入力がQwerty配列で出来るようになり、TaskControlで実行中のアプリの終了がしやすくなります。Dr.Web Lightはアンチウィルスソフトですが、正直気休めです。無料で何がいいものなのか分からなかったので、とりあえず入れただけです。そもそもスマートフォンじゃないので抜かれて困る個人情報もあまり入っていないですしね。ここら辺も、こういうミニタブレットの利点なわけです。もちろん他にも少し無料ソフトを入れてありますが、省略します。アプリを入れすぎると遅くなるという話もありますので、ほどほどに。
さて、いよいよ動画の再生をしましょう。現在の手元のNW-Z1070には専用のビデオプレイヤー以外にMX動画プレイヤーと専用のソフトデコーダーが入っています。公式にはNW-Z1000の再生可能フォーマットは
動画部分:
MPEG-4
Simple Profile / Advanced Simple Profile 最大10Mbps 最大30fps 最大1920×1080
H.264/AVC
Baseline Profile レベル3.1 最大18Mbps 最大30fps 解像度:最大1920×1080
Main Profile レベル3 最大2Mbps 最大30fps 最大720×480
WMV
最大20Mbps 最大30fps 最大1920×1080
音声部分:
AAC-LC
24, 32, 44.1, 48 kHz 2ch 1chあたりビットレート最大288kbps(2chで576Kbps)
wma
32-192kbps(可変ビットレート(VBR)対応)44.1kHz
となっています。AVCのmainProfileのみ720x480まで、というのが気になりますね。まずは、Baselineで1920x1080の動画を作って入れてみます。専用ソフトもありますが、USBで繋いで出てきたVideoフォルダに放り込むだけでも十分です。
Baselineなら1920x1080の再生が可能だということで、手元の動画を同条件(インターレース解除)にして試して見ましょう。さすがに公式に認めるフォーマットだけあって、キッチリ再生できます。ですが・・・。
うーん、なんといいますか、動きが硬いんです。滑らかぬるぬるではなく、どこかコマを落としたような、そうでないような。そういう動画になっているんです。やはりあまり反応速度が速くない液晶パネルを使っているからでしょうか。若干残る不自然なブレがフレームを減らしているような印象を与えているのでしょう。うーん、やはりPS Vitaと比べてしまうと明らかに劣ります。比べる相手が悪いと言えばそれまでですが、近い時期に発売された同じソニーグループなだけに、比較されるのも仕方がないかと。
ちなみに再生できるH.264/AVCはBaselineだけでMainやHighは再生できないのか、と言うと、実は公式の限界を超えて再生できます。ただし、どちらのprioileも再生できた解像度は1280x720、Level3.1まで。それを超えると「対応していない」としてはじかれてしまいます。つまり、残念ながらMain@4.0で配信されているスカパー!HDの映像は自由化しても再生できないのです。
普段から1280x720でエンコードしている人ならそれでも使えるか、といいますと・・・。これが「再生できるだけ」と思った方がいいです。Baselineと比べると画面がかなり乱れたり、音とずれてしまったりとまともな再生ができないのです。これと比べると多少残像感はあってもBaselineはキチンと再生してくれます。公式の「720x480まで」というのは、ちゃんと再生できるという意味を含んでのことのようです。ただ、普段の保存用にH.264にエンコードしている人は少なくないとは思いますが、profileにBaselineを使っている人って、なんか少なさそうですよねぇ。たいていの人はあまり考えずにHighとかにしていると思いますし。NW-Z1000で再生するためにエンコードしなおすのなら、どうせ800x480しか解像度がないのですから、720x480あたりでやっておけば十分だと思います。
ちなみにWMVももちろん1920x1080で再生できますが、なんと埋め込まれたアスペクト比を有効にできません。つまり、1440x1080の映像をリサイズせずにwmvにエンコードすると、4:3の映像になってしまうのです。H.264/AVCはちゃんとアスペクト比を有効にできますので、wmvを使う意味はあまりなさそうです。
ちなみにH.264やwmvではなく、MPEG2、特にMPEG2-TSは使えるのでしょうか? 試したところ、標準のビデオプレイヤーではビデオファイルとすら見てくれません。そういうわけで、あらかじめ入れておいたMX動画プレイヤーを使うことにします。まずは適当なMPEG2-TSを放り込みます。ただ、NW-Z1000はファイルサイズ4GBまでのものしか転送できません(直接放り込むでも同じ、たぶんFAT32)ので、短い映像しか入れることはできませんでした。
うーん、1440x1080も1920x1080もサムネイルは見えるんですが、再生しても画面が出ません。どうやらTEGRA2のデコーダーはH.264/AVCやWMVしかハードデコードできないようなのです。モバイル機器なのでMPEG2は考慮に入っていないのでしょう。MX動画プレイヤーはソフトデコーダーを有効にできるのですが、おそらくCPUの処理能力がまったく足りないのだと思います。実際、H.264/AVCの映像だとHWとSW、SW(高速)が選べますが、HW以外だとあきらかに動作が重く、ゆっくりとした再生しかできません。ただ、SDのサイズのMPEG2ならSWの再生は可能です。e2のMPEG2-TSも自由化しているものならまったく問題なく再生できました。
MX動画プレイヤーは標準のビデオプレイヤーより便利です。先にWMVのアスペクト比が有効にならないと書きましたが、あれは標準ビデオプレイヤーの話、MX動画プレイヤーならHWでも正しいアスペクト比で再生できます。ウチ見てくれる人ではあまりいないと思いますが、ソニー製のレコーダーやtorneで録画した番組を転送して再生する場合には標準のビデオプレイヤーで再生することになるでしょう。それ以外なら、MX動画プレイヤーでもいいし、他にもビデオ再生ソフトはいくつかマーケットにおいてありますので、気に入ったものを探して使ってみてください。
と、いうわけで、簡単ですがNW-Z1000の使用感を書いてみました。完成度は決して悪くなく、がんばった方だと思います。何をやらせても70点はつけられる性能を持っていますから。他のAndroidプレイヤーは動画に特化した設計になっており、通常のアプリを利用するにはちと頼りない感じです。その点NW-Z1000ならカメラや電話機能必須のアプリ以外ならたいてい動きますし、必要十分な速度も出してくれます。ただ、わたしとしては再生機能は80点つけられる性能がほしかったかなぁと。併用しているPS Vitaと比べると無駄に動画詰め込むにはなぁという画質です。64GBじゃなくて安い32GBでもよかったかも知れません。MicroSDHCが使えればよかったのですが。
ただ、PS Vitaは動画に関しては画質もよくて残像感もなく、快適ですが、その代わりに少し大きくて重く、アナログスティックが少しひっかかることがあるのであまり気軽に携帯しようとは思いません。ブラウザの出来もよいとは言えませんし。
一方、NW-Z1000はほ小さくて軽く、ほとんど引っかかりがありませんので他の携帯電話はPHSなどと一緒に持ち歩いても荷物になりません。ブラウザの使いやすさも十分です。3G契約を結ぶ必要がなくてポケットに入りやすいAndroid端末としてはもっとも高性能であることは間違いないのです。これ以上を望むのならいわゆる白ロムのスマートフォンを買うしかありませんが、NW-Z1000以上の性能のものとなりますとかなり高価です。
このNW-Z1000にせよ、NW-Z1000にとっての仮想敵であろうiPodTouhcにせよ、ターゲットは若年層だそうです。これら3G契約不要の機種を下位におき、将来それを卒業して上級機種のスマートフォンにきてもらう。そんなことを考えてワンランク低く作られているらしいのですが、正直そんな使われ方はもったいないのNW-Z1000です。バッテリーは割りと早くなくなってしまうので本来の用途である音楽の流しっぱなしにはあまり向かないようですが、ミニタブレットとしての使い道には、現在のものでも十分です。出来れば動画再生機能を強化した次世代を早く出してほしいものです。
なお、仮にもウォークマンのレビューではありますが、それにあるまじき行為を行います。音楽再生機能や音質については一切語りません。音楽プレイヤーに関しては全く知識がないからです。それ以外の部分で評価をします。
まず、このNW-Z1070は非常に持ち歩きやすく、持ちやすいサイズであるという点があります。商用サイトなどでは従来のスマートフォンと大きさを比べることが多いため、大きい印象はありますが、指の短いわたしでも大きすぎて不自由するなどということはありません。
それもそのはず、NW-Z1000のタテヨコは、Nintendo 3DSに近いサイズなのです。
初代NintendoDS
(縦)84.7×(横)148.7×(厚さ)28.9mm
DSlite
(縦)73.9×(横)133.0×(厚さ)21.5mm
DSi
(縦)74.9×(横)137.0×(厚さ)18.9mm
DSLL
(縦)91.4×(横)161.0×(厚さ)21.2mm
3DS
(縦)74×(横)134×(厚さ)21mm
NW-Z1000
最大外形寸法
(横)約70.9×(縦)約134.4×(厚さ)約11.1 mm
外形寸法
(横)約70.5×(縦)約134.2×(厚さ)約11.1 mm(最薄部:9.6mm)
いずれも公式サイトのデータより。
NW-Z1000がDSlite、DSi、3DSと似た寸法を採用しているのが分かります。厚さはほぼ半分になっていますが、当然DSシリーズの厚みはたたんだ状態。使うときは開きますから、NW-Z1000を横持ちした時と感触は非常に似通ったものになります(もちろん触感は違いますが)。
パッと見た感じではNW-Z1000の方がむしろ大きく見える気がしますが、それは体積が3DSの半分であるためにその分軽く、無意識に手が期待する重さと違うためにおこる錯覚でしょう。もちろん実際には小さいのに大きく感じるというのはモバイル機器にとってはプラスであり、評価すべき点です。ちなみに市販されているNW-Z1000専用カバーのうち、縦持ちした左右だけを覆い、上下は向き出しにするタイプのものを使うと、さらに近づいてほとんど同じになってしまいます。世界が持ちやすさを認めたサイズに近いわけですから持ちやすく、携帯もしやすくて当然というところですが、ソニーだけはこのサイズを採用してはいけなかった気がします、余計なお世話でしょうが。
ディスプレイはあまりディスプレイであることを感じさせない自然な印象を与えるもので、量販店などでサンプルを見ると、目の良くないわたしなど時々モックと間違えてしまうほどです。ただ、応答速度は決して速い方ではないようです。ブラウザを使ってサイトのテキスト部分だけを高速スクロールさせ、適当なところで止めようとすると動から静に移行する瞬間、かなりぶれのようなものを感じます。静止画はキレイなのでちょっと気になりました。それ以外はもちろんモバイルでのインターネットには十分で、iPodTouchと違い、ブラウザ画面からYouTubeの再生も出来ます。サイトにちょっと埋め込まれた程度の動画を見るのにいちいち別ソフトが立ち上がらないのは楽でいいです。画面が4.3インチと大きいこともあって、ブラウジングはかなり快適、わたしの手でも左手だけの片手持ちで操作出来るギリギリのサイズというところです。最近はニュースサイトくらいならこっちで見てしまうようになってしまいました。「スマートフォンによるPC離れ」の気持ちが分からなくもないです。もちろん積極的に情報収集をする、ブログを書くなどの用途に使う気はなりませんが。しっかり使うならPCの方がはるかに快適です。
ただ、NW-Z1000は結局モバイル音楽プレイヤーの高級機という位置づけのため、プリインストールソフトがそういう再生系のソフトに偏っており(正しいわけですが)いくつかマーケットからソフトを追加してやる必要がありました。わたしはとりあえず
・Google日本語入力Beta
・TaskControl
・Dr.Web Light
・MX動画プレイヤーと専用デコーダー
を入れておきました。Google日本語入力で日本語入力がQwerty配列で出来るようになり、TaskControlで実行中のアプリの終了がしやすくなります。Dr.Web Lightはアンチウィルスソフトですが、正直気休めです。無料で何がいいものなのか分からなかったので、とりあえず入れただけです。そもそもスマートフォンじゃないので抜かれて困る個人情報もあまり入っていないですしね。ここら辺も、こういうミニタブレットの利点なわけです。もちろん他にも少し無料ソフトを入れてありますが、省略します。アプリを入れすぎると遅くなるという話もありますので、ほどほどに。
さて、いよいよ動画の再生をしましょう。現在の手元のNW-Z1070には専用のビデオプレイヤー以外にMX動画プレイヤーと専用のソフトデコーダーが入っています。公式にはNW-Z1000の再生可能フォーマットは
動画部分:
MPEG-4
Simple Profile / Advanced Simple Profile 最大10Mbps 最大30fps 最大1920×1080
H.264/AVC
Baseline Profile レベル3.1 最大18Mbps 最大30fps 解像度:最大1920×1080
Main Profile レベル3 最大2Mbps 最大30fps 最大720×480
WMV
最大20Mbps 最大30fps 最大1920×1080
音声部分:
AAC-LC
24, 32, 44.1, 48 kHz 2ch 1chあたりビットレート最大288kbps(2chで576Kbps)
wma
32-192kbps(可変ビットレート(VBR)対応)44.1kHz
となっています。AVCのmainProfileのみ720x480まで、というのが気になりますね。まずは、Baselineで1920x1080の動画を作って入れてみます。専用ソフトもありますが、USBで繋いで出てきたVideoフォルダに放り込むだけでも十分です。
Baselineなら1920x1080の再生が可能だということで、手元の動画を同条件(インターレース解除)にして試して見ましょう。さすがに公式に認めるフォーマットだけあって、キッチリ再生できます。ですが・・・。
うーん、なんといいますか、動きが硬いんです。滑らかぬるぬるではなく、どこかコマを落としたような、そうでないような。そういう動画になっているんです。やはりあまり反応速度が速くない液晶パネルを使っているからでしょうか。若干残る不自然なブレがフレームを減らしているような印象を与えているのでしょう。うーん、やはりPS Vitaと比べてしまうと明らかに劣ります。比べる相手が悪いと言えばそれまでですが、近い時期に発売された同じソニーグループなだけに、比較されるのも仕方がないかと。
ちなみに再生できるH.264/AVCはBaselineだけでMainやHighは再生できないのか、と言うと、実は公式の限界を超えて再生できます。ただし、どちらのprioileも再生できた解像度は1280x720、Level3.1まで。それを超えると「対応していない」としてはじかれてしまいます。つまり、残念ながらMain@4.0で配信されているスカパー!HDの映像は自由化しても再生できないのです。
普段から1280x720でエンコードしている人ならそれでも使えるか、といいますと・・・。これが「再生できるだけ」と思った方がいいです。Baselineと比べると画面がかなり乱れたり、音とずれてしまったりとまともな再生ができないのです。これと比べると多少残像感はあってもBaselineはキチンと再生してくれます。公式の「720x480まで」というのは、ちゃんと再生できるという意味を含んでのことのようです。ただ、普段の保存用にH.264にエンコードしている人は少なくないとは思いますが、profileにBaselineを使っている人って、なんか少なさそうですよねぇ。たいていの人はあまり考えずにHighとかにしていると思いますし。NW-Z1000で再生するためにエンコードしなおすのなら、どうせ800x480しか解像度がないのですから、720x480あたりでやっておけば十分だと思います。
ちなみにWMVももちろん1920x1080で再生できますが、なんと埋め込まれたアスペクト比を有効にできません。つまり、1440x1080の映像をリサイズせずにwmvにエンコードすると、4:3の映像になってしまうのです。H.264/AVCはちゃんとアスペクト比を有効にできますので、wmvを使う意味はあまりなさそうです。
ちなみにH.264やwmvではなく、MPEG2、特にMPEG2-TSは使えるのでしょうか? 試したところ、標準のビデオプレイヤーではビデオファイルとすら見てくれません。そういうわけで、あらかじめ入れておいたMX動画プレイヤーを使うことにします。まずは適当なMPEG2-TSを放り込みます。ただ、NW-Z1000はファイルサイズ4GBまでのものしか転送できません(直接放り込むでも同じ、たぶんFAT32)ので、短い映像しか入れることはできませんでした。
うーん、1440x1080も1920x1080もサムネイルは見えるんですが、再生しても画面が出ません。どうやらTEGRA2のデコーダーはH.264/AVCやWMVしかハードデコードできないようなのです。モバイル機器なのでMPEG2は考慮に入っていないのでしょう。MX動画プレイヤーはソフトデコーダーを有効にできるのですが、おそらくCPUの処理能力がまったく足りないのだと思います。実際、H.264/AVCの映像だとHWとSW、SW(高速)が選べますが、HW以外だとあきらかに動作が重く、ゆっくりとした再生しかできません。ただ、SDのサイズのMPEG2ならSWの再生は可能です。e2のMPEG2-TSも自由化しているものならまったく問題なく再生できました。
MX動画プレイヤーは標準のビデオプレイヤーより便利です。先にWMVのアスペクト比が有効にならないと書きましたが、あれは標準ビデオプレイヤーの話、MX動画プレイヤーならHWでも正しいアスペクト比で再生できます。ウチ見てくれる人ではあまりいないと思いますが、ソニー製のレコーダーやtorneで録画した番組を転送して再生する場合には標準のビデオプレイヤーで再生することになるでしょう。それ以外なら、MX動画プレイヤーでもいいし、他にもビデオ再生ソフトはいくつかマーケットにおいてありますので、気に入ったものを探して使ってみてください。
と、いうわけで、簡単ですがNW-Z1000の使用感を書いてみました。完成度は決して悪くなく、がんばった方だと思います。何をやらせても70点はつけられる性能を持っていますから。他のAndroidプレイヤーは動画に特化した設計になっており、通常のアプリを利用するにはちと頼りない感じです。その点NW-Z1000ならカメラや電話機能必須のアプリ以外ならたいてい動きますし、必要十分な速度も出してくれます。ただ、わたしとしては再生機能は80点つけられる性能がほしかったかなぁと。併用しているPS Vitaと比べると無駄に動画詰め込むにはなぁという画質です。64GBじゃなくて安い32GBでもよかったかも知れません。MicroSDHCが使えればよかったのですが。
ただ、PS Vitaは動画に関しては画質もよくて残像感もなく、快適ですが、その代わりに少し大きくて重く、アナログスティックが少しひっかかることがあるのであまり気軽に携帯しようとは思いません。ブラウザの出来もよいとは言えませんし。
一方、NW-Z1000はほ小さくて軽く、ほとんど引っかかりがありませんので他の携帯電話はPHSなどと一緒に持ち歩いても荷物になりません。ブラウザの使いやすさも十分です。3G契約を結ぶ必要がなくてポケットに入りやすいAndroid端末としてはもっとも高性能であることは間違いないのです。これ以上を望むのならいわゆる白ロムのスマートフォンを買うしかありませんが、NW-Z1000以上の性能のものとなりますとかなり高価です。
このNW-Z1000にせよ、NW-Z1000にとっての仮想敵であろうiPodTouhcにせよ、ターゲットは若年層だそうです。これら3G契約不要の機種を下位におき、将来それを卒業して上級機種のスマートフォンにきてもらう。そんなことを考えてワンランク低く作られているらしいのですが、正直そんな使われ方はもったいないのNW-Z1000です。バッテリーは割りと早くなくなってしまうので本来の用途である音楽の流しっぱなしにはあまり向かないようですが、ミニタブレットとしての使い道には、現在のものでも十分です。出来れば動画再生機能を強化した次世代を早く出してほしいものです。