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AMD、HSAでHEVC対応を6月に発表か?

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最近のWOWOWのウルトラシリーズHDリマスター版、第一期と比べると画質改善が手抜きじゃないか? と思うほど残ったアナログノイズがひどくて、おかげで圧縮率も悪くなって細部が潰れてボロボロ。まるで電波の状態がイマイチな古いテレビを見ているような気分で、これをHDリマスターと呼ぶのは正直インチキくさいと思うくらい。まぁちゃんとした画質修正したやつが欲しければそのうち発売されるBD BOXでも買ってくれということなんでしょうが、今見る分ももう少し見やすくしたい、とは思うわけで。PCで再生する場合、この画質改善に威力を発揮するのがAPU、と言いますか内蔵のGPU、RADEON。ノイズ除去を有効にすれば、細部の潰れはどうにもならずともチリチリのアナログノイズに関してはかなり抑えられ、そこそこ見やすくなります。GeForceやIntelHDGraphicでは同様の機能がないのでこうはいきません。

と、やはりRADEONの動画再生が一番信頼できることを再確認したわたしですが、MPEG2やH.264/AVCのような現行フォーマットはこの機能で十分でも、今後メインになると思われるH.265/HEVCにはRADEONはもちろんGeForceも現状では対応していません。まぁ2K画質のデコードだけならCPUでもなんとかなるんですが、4K映像を扱うことも考えると少々心もとなく。さらにエンコードもしたいとなると、CPUだけでなくGPUも演算処理用として活用するHSA対応のAPUにどうしても期待してしまいたくなるものです。わたしはそういう環境を期待してAPUを使っています。
ただ、今までは多少触れられる程度であり、それが"現行"APUで対応、という話があったわけでもありませんでした。が

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こちらの記事で語られた記者会見で「数か月以内に,HSAベースでOpenCLを使ったH.265/HEVC向けのソリューションを公開する。COMPUTEX TAIPEI 2014に向けて,ある計画を準備中だ」とついにある程度具体的に述べられました。エンコードもデコードもHSAベースのOPEN CLでなにかする計画があることを明らかにしたわけです。
デコードというのは今までGPU内の動画再生専用に組まれた専用ハードウェアエンジンで対応しており、GPUが変更になったときに追加された新機能には旧GPUでは対応できないというのが常識でした。APUの場合でもUVDは同一でもTrinityやRichland(この二つは同等)に追加された新機能にはLlanoでは対応できませんでしたし、Kaveriでは動画再生エンジンのUVDが新しいものになった関係もあってまた新しい機能が追加されていますが、同じドライバを使ってもRichlandではその機能が有効になりません。その例にならえばHEVCはKaveriでは対応していないので、次世代がそのまた次世代あたりでGPUが進化して対応・・・なるのが当たり前です。が、それをOPEN CLを使ったGPU向けソフトウェアエンジンで対応させようというのですから、画期的です。もっともCPUのソフトコーデックではソフトだけで新しい再生エンジンが利用できるのは当たり前でしたから、GPUでもOPEN CLならできて当たり前ですけどね。ただ、珍しいと思うわけです。リンク先の記事では「将来的には,H.265/HEVC用の専用ハードウェアが組み込まれるだろう」とありますが、世代の古いGPUを搭載していてもある程度ついていける可能性があるのは大変好ましいです。デコードと言ってもCPUだけで処理するよりはずっと軽くできるようになるはずですしね。

ちょっと気になるのが「HSAベースのOPEN CL」と言っている点。HSAベースのOPEN CLが使えるのは現状Kaveriだけですよね? あまり詳しいことは知らないのですが、メモリ内のデータをコピーすることなく共通して使える"hUMA"とタスク上CPUとGPUを同列に扱う"hQ"の二つはHSAとして不可欠な機能のはずです。GPUを内蔵しいてもhUMAやhQには対応していない旧型APUやIntelCPU、それにGPUのないAMDのFXやIntelのハイクラス向けでは、同等以上のGPUを持ったグラボを外付けしてもHSA準拠にはなりませんから対応しきれないことになってしまいます。AMDの一般用途向けは今後HSA対応APU一本になるはずですからそれは良くても、Intel環境でもある程度使えるようになっておかないと、いくら優れた環境を構築しても普及しない、採用してくれるソフトが少なくて結局使ってもらえないことになってしまいかねません。まぁある程度は外付けGPUでも対応できると思いますが、hUMAだけはどうしようもないですからね。グラボのメモリで代用しようにもPCI-Expressのバスの速度がネックになって性能が出ません。現在のGPUが処理能力が高いのも、大容量のメモリをグラボに搭載しているのも、ゲームのCPUマルチタスク化が進まないのも、結局はボトルネックになりやすいバスをなるべく経由したくないというハード上の事情から来ていると思われますし。

PCI-Expressがグラボのバスとして採用されてずいぶんたちます。Genこそ上がってきていますが、ゲームはともかくプログラム実行用としても利用することを考えると不足が出てきたように思います。そろそろかつてのAGPのような専用バスが必要になる時代が近づいてきたのかも知れません。まぁ今回のHEVCのエンジンには絶対間に合いませんから、せめてKaveriユーザーの特権として使える日が来るのを楽しみに待ちましょう。

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