Quantcast
Channel: 録画人間の末路 -
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1571

造幣局のホールマーク

$
0
0
ちょっと前は「金と白金の値段が逆転した」と業界ではちょっとした騒ぎになりましたが、いまや金が白金よりも高いのは当たり前になってしまい、誰も話題に上げなくなってしまいました。そんな貴金属業界にちょっとした情報が入ってきましたので、興味無いかも知れませんが報告を。

金のネックレスの留め金部分などに日本の国旗と"<750>"のようなマークが入っているものがあります。あれ、「ホールマーク」と言いまして、独立行政法人、造幣局の検査を受けて合格した品物に対してのみ刻まれるもので、国際的にも非常に高い信頼を得ているものです。
普通、白金の<1000>と<950><900><850>、金の<1000>と<750>くらいしか見かけませんが、造幣局によると他にもホールマークの種類は多く、銀のホールマークも存在するとか。

貴金属製品の品位区分と証明記号

銀のホールマークをほとんど見かけないのは、検査に手数料が掛かるため、安い銀の品質保証にお金を掛けたくないからでしょう。750より下の金も、<585>をたまに見る程度で他は出回っていないのも同様の理由でしょうね。
丸い豆知識。金のみ750を"18K"、1000を"24K"とも書くことがありますが、このKは「カラット」の頭文字(Karat)から取っています。普通カラットと言いますとダイヤモンドなど宝石の「重さ」を示す単位(1ct=0.200g 参考:中央宝石研究所 宝石用語集)で使われますが、こっちはCaratと書き、別物です。日本で"18K"を「じゅうはちカラット」と呼ばず「じゅうはちきん」と呼ぶのはその紛らわしさを避けるためです。こっちはこっちで別の「じゅうはちきん」と紛らわしいので、最近では「きん」と呼ばずに「けー」と呼んだりすることが多いです。一部に宝石の単位を「キャラット」あるいは短縮して「キャラ」と呼んで区別している人もいます。

その表記ですが。あくまで業者さんからの又聞きなのではっきりしたことではないのですが、一部表記が来年から変わるかも知れないそうです。金や白金の1000表記が999に、つまり

<1000> → <999>

となるんだとか。他にもあるようですが、この一点だけ抑えておけばいいそうです。
確かに、海外の純金のプレートなどは"FINE GOLD"表記の後に"999"、"999.9"と書かれているのが普通です。99.9%あるいは99.99%はGOLDであるという、一歩引いたものになっているのです。それに合わせたものなのでしょうか。もちろん来年から出荷される製品から変更になるだけで、中古市場は従来の<1000>表記のままの商品がほとんどでしょうけど。
表記が変更になるだけで検査基準は変わらないらしいですが、日本の造幣局のホールマークのは業者が自主的に入れたり他国が入れたものとは段違いの信頼を誇るモノです。他国と同じにする必要があるのでしょうか? それに、確か基準では99.99%以上の純度のものを<1000>表記にしていたはず。<999>では99.9%純度と見られかねず、品質がこれからは劣るモノであると判断されてしまいそうです。そういうリスクを負ってでも他国の表記に揃えようとするあたり、日本の貴金属の信頼性というのはすでに過去の話であるということなのでしょうか? 日本の貴金属の信用は、日本そのものの信用の証であるということを前に書いた覚えがあるのですが、最後の砦が崩れていくようです。

このルール変更、本当に行われるのでしょうか? 個人的には賛成しかねるので間違いならいいのですが。


最近貴金属の話が多いですね、すみません。最近安くなってきたワイヤレスのサラウンドヘッドホンとか新しいジャンルにでも手を出したいところなんですが、編集とエンコードと視聴とその他で精一杯なもので。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1571

Trending Articles