特撮の世界で"神"と称された人物が二人います。一人は日本の特撮の父、円谷英二。もう一人がレイ・ハリーハウゼン(RAYMOND HARRYHAUSEN)です。そのレイ・ハリーハウゼンが亡くなられたことが、本日明らかになりました。
「特撮の神様」レイ・ハリーハウゼンさん死去 92歳
92歳という高齢ですから、十分長生きをされた、と言っていいと思います。ただ、一特撮ファンとしては大きさ寂しさを感じずにはいられません。
ハリーハウゼンと言えばダイナメーションと宣伝された特撮技術。ミニチュアや爆破なども手がけましたが、その本領発揮はなんと言っても「ストップモーション・アニメ」と呼ばれる、人形などの造形物をひとコマずつ撮影しては動かしたものを編集でつなぎ、映写機でフィルムをまわしたときに動いて見えるようにする技術です。ストップモーション・アニメ自体はハリーハウゼンが祖というわけではなく、虫を使ってコマ撮りを行ったロシアのスタレーヴィチが祖という説が有力です。
スタレーヴィチ作品の一つ、「カメラマンの復讐」
また、レイ・ハリーハウゼンの直接の師匠であるウィリス・オブライエンはあの「キング・コング」や「ロストワールド」を撮りました。後発であるレイ・ハリーハウゼンが第一人者となったのは、一つには作品を作る機会に恵まれなかったオブライエンらと違い、非常に多くの作品にかかわれたこと。そしてなんと言っても人間と直接絡み合うことが出来るほどきめ細かな、「生命を吹き込まれた」とまで言われたほどきめ細かな演技を人形で表現した技術力にありました。しかも、事実上のデビュー作である「猿人 ジョー・ヤング」で早くもその技は存分に発揮されているのです。それ以降も常に俳優と画面内で直接演技をするキャラが登場するアニメを撮り続け、特に剣と盾を携えたガイコツ兵士と俳優の演じる英雄との戦いは、「撮り方が分かるからこそすごい」と感嘆するしかないできばえでした。手元には輸入ものの「RAY HARRYHAUSEN THE EARLY YEARS COLLECTION」という映画以外のCMやテストフィルムなどの作品集DVD(日本で発売されてないのになぜか日本語字幕付という俺得仕様)があるのですが、戦車は橋の材料などの無機物をアニメートするような場合でも、わざと遠回りしたりプルプルと震えさせたりと細かい芝居をつけるなど、デビュー以前の段階ですでに茶目っ気のある作品を撮っているのです、軍用のテストフィルムなのに。なんてユーモアにあふれた人なのかと関心してしまいました。
わたしは世代的にハリーハウゼンとはやや縁遠く、劇場で見ることが出来たのは最後の作品である「タイタンの戦い」だけでした。それでも、この作品でストップモーション・アニメで表現されたメデューサの不気味さ、怖さは強烈な思い出として残っています(ただ、ハリーハウゼンが全部アニメートしたわけではないようですが)。スタッフには悪いですが、演出もあわせて最近のリメイクのCGメデューサの100倍は素晴らしい出来になっています。
そのレイ・ハリーハウゼンも、ついにこの世を去りました。もうストップモーション・アニメは映画で使われなくなって久しく、すでに使われない技術となってしまってはいます。それだからこそ、現代人では決して再現できない「ダイナメーション」によって作られた映画の数々は、いつまでも新鮮な驚きを与え続けてくれるでしょう。
「特撮の神様」レイ・ハリーハウゼンさん死去 92歳
92歳という高齢ですから、十分長生きをされた、と言っていいと思います。ただ、一特撮ファンとしては大きさ寂しさを感じずにはいられません。
ハリーハウゼンと言えばダイナメーションと宣伝された特撮技術。ミニチュアや爆破なども手がけましたが、その本領発揮はなんと言っても「ストップモーション・アニメ」と呼ばれる、人形などの造形物をひとコマずつ撮影しては動かしたものを編集でつなぎ、映写機でフィルムをまわしたときに動いて見えるようにする技術です。ストップモーション・アニメ自体はハリーハウゼンが祖というわけではなく、虫を使ってコマ撮りを行ったロシアのスタレーヴィチが祖という説が有力です。
スタレーヴィチ作品の一つ、「カメラマンの復讐」
また、レイ・ハリーハウゼンの直接の師匠であるウィリス・オブライエンはあの「キング・コング」や「ロストワールド」を撮りました。後発であるレイ・ハリーハウゼンが第一人者となったのは、一つには作品を作る機会に恵まれなかったオブライエンらと違い、非常に多くの作品にかかわれたこと。そしてなんと言っても人間と直接絡み合うことが出来るほどきめ細かな、「生命を吹き込まれた」とまで言われたほどきめ細かな演技を人形で表現した技術力にありました。しかも、事実上のデビュー作である「猿人 ジョー・ヤング」で早くもその技は存分に発揮されているのです。それ以降も常に俳優と画面内で直接演技をするキャラが登場するアニメを撮り続け、特に剣と盾を携えたガイコツ兵士と俳優の演じる英雄との戦いは、「撮り方が分かるからこそすごい」と感嘆するしかないできばえでした。手元には輸入ものの「RAY HARRYHAUSEN THE EARLY YEARS COLLECTION」という映画以外のCMやテストフィルムなどの作品集DVD(日本で発売されてないのになぜか日本語字幕付という俺得仕様)があるのですが、戦車は橋の材料などの無機物をアニメートするような場合でも、わざと遠回りしたりプルプルと震えさせたりと細かい芝居をつけるなど、デビュー以前の段階ですでに茶目っ気のある作品を撮っているのです、軍用のテストフィルムなのに。なんてユーモアにあふれた人なのかと関心してしまいました。
わたしは世代的にハリーハウゼンとはやや縁遠く、劇場で見ることが出来たのは最後の作品である「タイタンの戦い」だけでした。それでも、この作品でストップモーション・アニメで表現されたメデューサの不気味さ、怖さは強烈な思い出として残っています(ただ、ハリーハウゼンが全部アニメートしたわけではないようですが)。スタッフには悪いですが、演出もあわせて最近のリメイクのCGメデューサの100倍は素晴らしい出来になっています。
そのレイ・ハリーハウゼンも、ついにこの世を去りました。もうストップモーション・アニメは映画で使われなくなって久しく、すでに使われない技術となってしまってはいます。それだからこそ、現代人では決して再現できない「ダイナメーション」によって作られた映画の数々は、いつまでも新鮮な驚きを与え続けてくれるでしょう。