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「電子書籍出版権」をめざし、著作権法改定検討

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スーパーハイビジョンを20年本放送開始検討 NHK

タイトルとは違って本項目から。本放送と言っても現在のBS放送などとおなじく一部深夜を除いたほぼ一日中の放送になるのか、かつてのアナログハイビジョンもごとく1日8時間のような限られた時間になるのかは分かりません。2020年と言う時間も決して早い時期とは言えませんが、日本放送協会が本気で8Kを放送で使いたがっている意志だけは伝わってきます。2020年は、おそらく4Kテレビはまだ普及したとは言い難い(あるいは普及期に入ってすらいない)時期のギリギリと思われます。東京が立候補しているオリンピックもこの年ですし、ある程度のテレビの売り上げが望める年でもあります。この時に8Kの放送が無ければを逃せば、AVメーカーもテレビを4Kを「普通機」として扱うようになり、8Kはごく一部の最上位機種だけが対応するウルトラハイエンド扱いになってしまい、アナログハイビジョンと似たような運命を辿ることになりかねません。逆を言えばそこにさえ間に合わせることができれば「4Kはつなぎ」の意識をメーカーはもちろんテレビ購入層にまで与え、「テレビ買い換えようと思ったけど、どうせなら4Kを飛び越して8Kにしよう」と思わせることもまだ可能です。だから、本気でスーパーハイビジョンを放送フォーマットとして使いたいのならどうしても最悪2020年には本放送しなければならないわけです。
デジタル放送の新方式は圧縮方式の向上などのタイミングもあり、導入が大変難しいものです。ひょっとしたらそのころには現状もっとも期待されているH.265/HEVCすら古い技術と見なされているかも知れませんし。先のことは分かりませんが、個人的には「不気味の谷」の粋にあるスーパーハイビジョンはちょっと放送用としてはオーバースペックじゃないかと思ってます。


さて、タイトルの件に戻ります。

「電子出版権」創設へ 文化庁 来年にも著作権法改正

あの文化庁主導で著作権法改定なんて、どうせただの看板作り。本命はまた審議の後に修正案で放り込む別の規制強化や罰則化だろうという考えが真っ先に頭の中に浮かんでしまい、これだけをまともに取り上げてもしょうがないとは思いますが、一応上げておきましょう。ちなみにリンク先は途中までしか読めませんが、この先は「今月中にも委員会発足、早ければ来年の通常国会に提出」程度のことしか書いてませんので、これで十分と思います。
ようするに、著作権違反で訴えたりする権利や、Amazonや楽天など販売側と交渉する権利を"著作者だけではなく出版社にも付加"、契約次第では"著作者ではなく出版社に譲渡"出来るようにする、というもののようです。もちろん具体的な案はまだこれからなので、この考えは間違っているのかも知れません。ですが、これが正しいと解釈して話を進めます。
読みようによっては、TPPで交渉の対象になると言われている「パロディなどの表現の自由の侵害」に繋がる物にも見えます。現在はその手の訴訟権は著者にあるために、よほどの場合を除いて半ば意図的に見逃されているものも、出版社が代わって行えるとなれば、「よほどの場合」の範疇がケタ違いに広がることは目に見えています。警察に逮捕権が生じる場合に比べれば小規模かも知れませんが、少なくとも今よりはパロディはやりにくくなるでしょう。
もちろん著作者が望めば、契約によっては従来通り訴訟を自分が行えるように出来るでしょう。が、逆に出版社側からの協力は期待出来なくなるでしょうから大物以外はそこまでやらないでしょうし、面倒でもありますから大半は出版社側に任せてしまうということになると思われます。法律が「出版社側からの訴訟は完全な海賊版のみ」などと権利を限定すればいいのかも知れませんが、そうなると実質ザル法と化して効力は無くなりますし。
日本の場合、「パロディ表現」があまりに独自発展を遂げすぎたためにそこら辺どう転べば一番いいのか、判断が難しいを通り越して不可能になりつつあるように思います。現状では出版社や著作者がある程度損をかぶった状態で来ています。あまりいいこととは思えませんが、法律改定で厳しくなると消費者にとって面白くない結果を迎えかねませんし。全てが人の善意でうまく行くのが最善ですが有り得ません。著作権法を改定するなら、逆に「適用外の範疇」もしっかりと整備しておくのが次善の考えでしょうか。


電子書籍の配信交渉権を出版社が持てる、という部分に関して(表題から見るとこっちが改定の本命扱いで訴訟権の方は付属品扱いになりそうですが)は、別にそこまで出版社を強くしなくてもなぁという程度の感想を持つだけです。そもそも電子書籍に方がまだ軌道に乗った、というには早い段階にあるように思えますし。
ただ、足場はかなり固まっているのは明らかです。ちょっと前はWEBブラウザでの閲覧権がある程度のものだったり、専用のリーダーでしか読めなかったりでサービス側がやめてしまったらその場で永久に読む権利は剥奪、という手を出す気にならないものでした。が、8インチ以下のタブレットがある程度市場を作った(これもかつてのネットブックの時のように「小さくて安いので初心者向けのPC」と勘違いされて買われた感もあるのですが)ため、専用リーダーもそれはそれで存在するけどAndroid向けのリーダーソフトも同時に提供する、が当たり前になりつつあります。おかげで電子書籍に興味を持つためのハードルはかなり低くなりましたし、わたしも買って数回しか読んでない本の山を見ては「これが電子書籍購入で全部クラウドに置いておいたものだったら・・・」という思いが頭をよぎり、急に電子書籍移行を考え出すことが、2ヶ月に1回程度の割合で訪れます。もっともだいたい5日で飽きるんですが。自分が本屋で見て「これ、電子書籍でもいいかなぁ」と思った本が売られていないと、途端に熱が冷めるんです。結局本屋で買うか現品を取り寄せるかしてしまい、未だ無料の本くらいしか見てません。さらに本音を言いますと、買うのは複数のストアでもいいんですが、本棚管理やリーダーは一つのソフト・・・じゃないアプリだけでやりたいですよ。買った後は買った場所を意識しなくていいようにして欲しいです。それでも「悪くないなぁ」と思えるようになっただけでずいぶん進歩を感じますので、是非次の段階に進んでもらいたいものです。

打倒アマゾン 楽天三木谷社長が電子書籍化を出版社に要請

その大きな勢力の一つが「打倒」とか言っている以上、まだまだ先は長いのかも。

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