今回の衆議院選挙の争点の一つに、TPP参加問題があるのはご存知のとおり。テレビ問題に対しては政策・公約を一切示そうとしない各政党も、このTPP問題に関して触れていないところはありません。ただ、各政党の訴えは主に生産業に直結する輸出入に限られ、他の分野には触れられていない模様です。特に無視されがちなのが著作権問題。とはいえ、わたし自身もTPPにおける著作権問題は情報がなく、無知に等しかったのでここまでほとんど触れませんでした。が、thinkCとMIAU主催の「TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム」に関する記事が載っていましたので、ここでそれをベースに考えて見ましょう。
TPP問題は農業・医療だけじゃない 知財・著作権関連の論点は
なお、当ブログにおいてTPPはこの著作権問題以外は取り扱わないこととします。
「ニュートラル」と言いながら明らかに著作権問題に関してはTPP反対と言っているようにしか見えないこの会議ですが、実際はどうなのでしょうか。あくまで流出した案から拾ったものだそうですが
(1)著作権保護期間の20年延長
(2)著作権侵害の非申告罪化
(3)著作権侵害に対する法廷賠償金の導入
(4)いわゆる「3ストライクルール」を含む不正流通防止関連事項
と多くの懸念材料が含まれています。ただし今回の記事を見る限り、このフォーラムは「現在著作権側にある、グレーゾーンの判断が他者でも可能になってしまう」ことを懸念しているようにしかわたしには見えません。今までパロディなどを含め、グレーゾーンの判断は著作権側にとって「都合が良いか否か」で処理されてきました。たとえばパロディ同人誌などは、あきらかに行き過ぎやりすぎなものも少なくありません。見逃されているのはヘタに禁止すると反発をくらいかねないからです。同人誌を好む層と購買層がかぶるマンガやアニメなどは、少々顔をしかめつつも宣伝にもなるだろうと黙認の立場を貫いているといったところではないでしょうか。その判断が他者でも可能になってしまうのは、著作権保持者として許しがたい行為なのでしょう。そして、アメリカが日本に対して売り上げを伸ばしたいコンテンツは、ほとんど映画と音楽がすべてであろうと思われます。音楽はともかく映画に関しては、日本で露骨なまでのパロディ化される可能性はおそらく低いでしょう。そういうものを好む層と必ずしも一致しないからです。むしろ反発していて「パロディともとれないパロディ」で揶揄しているだけで、今後もそれは続くのではないでしょうか。よって、わざわざ盛り込む必要があるのか、そして真剣に討議されるのか疑問です。フォーラムがTPPに「知的財産権を盛り込むのに反対」、ではなく「透明化」を要求しているのも、自分たちのもつ事実上の権利がそのままならそれでよしと参加者も考えているからではないでしょうか。万が一を恐れてのことだと思われます。本気で懸念しているのなら、もっと大きく「反対」を唱えるでしょう」。
実のところ、わたしはそれほどTPPに強く反対しているわけではありません。著作権問題にしても、3ストライクルールのような許容しがたい部分もありますが、日本の改悪著作権法の方が個人に対しては厳しい部分が少なくなく、TPPも著作権業界にとって都合が悪くとも個人にとってむしろ都合が良くなる部分が無いとは限らないからです。アメリカの著作権保有者の発想は日本のそれとは違うのですから。「よく知らないので、しいていうなら安易に参加を決めない方がいいのかなぁ」程度です。もちろんアメリカと日本の悪いところ取りとなったら最悪だからで、その可能性は決して高くないとは思うのですが。
甘い考えでしょうか?
TPP問題は農業・医療だけじゃない 知財・著作権関連の論点は
なお、当ブログにおいてTPPはこの著作権問題以外は取り扱わないこととします。
「ニュートラル」と言いながら明らかに著作権問題に関してはTPP反対と言っているようにしか見えないこの会議ですが、実際はどうなのでしょうか。あくまで流出した案から拾ったものだそうですが
(1)著作権保護期間の20年延長
(2)著作権侵害の非申告罪化
(3)著作権侵害に対する法廷賠償金の導入
(4)いわゆる「3ストライクルール」を含む不正流通防止関連事項
と多くの懸念材料が含まれています。ただし今回の記事を見る限り、このフォーラムは「現在著作権側にある、グレーゾーンの判断が他者でも可能になってしまう」ことを懸念しているようにしかわたしには見えません。今までパロディなどを含め、グレーゾーンの判断は著作権側にとって「都合が良いか否か」で処理されてきました。たとえばパロディ同人誌などは、あきらかに行き過ぎやりすぎなものも少なくありません。見逃されているのはヘタに禁止すると反発をくらいかねないからです。同人誌を好む層と購買層がかぶるマンガやアニメなどは、少々顔をしかめつつも宣伝にもなるだろうと黙認の立場を貫いているといったところではないでしょうか。その判断が他者でも可能になってしまうのは、著作権保持者として許しがたい行為なのでしょう。そして、アメリカが日本に対して売り上げを伸ばしたいコンテンツは、ほとんど映画と音楽がすべてであろうと思われます。音楽はともかく映画に関しては、日本で露骨なまでのパロディ化される可能性はおそらく低いでしょう。そういうものを好む層と必ずしも一致しないからです。むしろ反発していて「パロディともとれないパロディ」で揶揄しているだけで、今後もそれは続くのではないでしょうか。よって、わざわざ盛り込む必要があるのか、そして真剣に討議されるのか疑問です。フォーラムがTPPに「知的財産権を盛り込むのに反対」、ではなく「透明化」を要求しているのも、自分たちのもつ事実上の権利がそのままならそれでよしと参加者も考えているからではないでしょうか。万が一を恐れてのことだと思われます。本気で懸念しているのなら、もっと大きく「反対」を唱えるでしょう」。
実のところ、わたしはそれほどTPPに強く反対しているわけではありません。著作権問題にしても、3ストライクルールのような許容しがたい部分もありますが、日本の改悪著作権法の方が個人に対しては厳しい部分が少なくなく、TPPも著作権業界にとって都合が悪くとも個人にとってむしろ都合が良くなる部分が無いとは限らないからです。アメリカの著作権保有者の発想は日本のそれとは違うのですから。「よく知らないので、しいていうなら安易に参加を決めない方がいいのかなぁ」程度です。もちろんアメリカと日本の悪いところ取りとなったら最悪だからで、その可能性は決して高くないとは思うのですが。
甘い考えでしょうか?