徹マン明けで脳みその回転が厳しいんですが、ボチボチ書いておかないといけないかも、と思うので、取り上げておきます、ナナメになってますけど。
少し前にGIGAZINEなどでも取り上げられたのでまだ覚えていられる方も多いかと思いますが、
"無料で東京・大阪のテレビなど25チャンネルが見られるという謎のソフト"
というのが存在します。本来ならリンクでも貼って最低限の紹介をすべきなんでしょうが、最近はちょっとアングラなネタのリンクを貼るだけでもそのブログは警察の取り締まりの対象になりうるらしいので、控えます。全く・・・、今後ブログも書きにくくなっていきそうです。興味のある方は検索などして探してみてください、利用はお勧めしませんが。理由は後述。
で、そのソフトなんですが、放送をネット配信したものを受信するためのものらしいんですね。どうやらそのサーバーは中国にあるようなのですが、少なくとも一度、日本から送信されてはいるのでしょう。と、なれば、最初に送信している組織はまずアウト。あの「まねきTV」は厳格に1対1の送受信であったにもかかわらず「自動公衆送信権の侵害(ただし、放送局側が気に入らない場合に限る)」という理由で最高裁判所で田原睦夫裁判長によって違法とされました。今回は最終的には不特定多数ですから、当然一発アウトになるはずです。もちろん見つかれば、警察にその気があれば、の話ですが。
一方、受信側はどうなるでしょうか。現状では、有料放送でもない限り特に法律上の問題はないはずです、テレビの受信は誰でもやっていいものですし、地上波を遠距離で受信できないのはテレビ局側の構造利権の保護のために過ぎませんから。ただ、この10月1日から例の著作権法修正法こと「違法ダウンロード刑事罰化法」が始まるわけです。これで違法化されるのでしょうか?
これに関して出されている文化庁のガイドラインを参照してみましょう。
文化庁 違法ダウンロードの刑事罰化についてのQ&A
子ども用、なんてのもありまして中身は大幅に省略されているかと思いきや、少々簡易な文にしてあるだけで通常文と同等のものです。こういうところでは文化庁も仕事するんですね。
で、そこにこのような文があります。
"ドラマなどのテレビ番組は無料で放送されているため、刑罰の対象にはなりません。ただし、テレビ番
組であっても、DVDとして正規に売られているようなものについては、その番組の海賊版を、海賊版だ
と知りながらダウンロードすると刑罰の対象となります。(もっとも、無料で放送されるテレビ番組であっ
ても、作者(アーティスト)に無断でインターネット上に掲載(アップロード)されているものをダウンロード
することは、刑罰の対象ではないものの、法律違反となります。)"
文化庁ははっきりと提示しているわけです、もっとも違法ダウンロード刑事罰法は修正案の形で後から割り込んだ法律なので、文化庁はノータッチ、よって文化庁の見解イコール法律の解釈になるとは限らないわけですが。
それ以上にこの部分、完全なワナ。これを鵜呑みにして「ああ、まだDVD化などされていないテレビ番組なら少なくとも刑事罰の対象にならないんだな」なんて思って受信したら、刑事罰を前提に逮捕される可能性があるのです。
名目上の今回の著作権法のメインは所謂「日本版フェアユース」となっており、違法ダウンロード刑事罰化法へのカウンターとなれる部分があります。と、言っても「偶然映ったり音が入ったりした分には問わない」とか「研究機関が商品化のためにコピーをとる分には断る必要が無い」とか、どうしようもない項目であり、暴風を少しでも防ごうと泥に差して立てるベニヤ板よりも頼りないですが。
ただ、これら「緩和」の分は、実は2013年1月1日からの施行となっており、2012年10月1日から実施される「規制強化・違法化」とタイムラグが存在するのです(厳密には著作権法改定の実施は原則2013年1月1日からなのに、規制のみ先行して実施される)。つまり、10・11・12月のまるまる3ヶ月間には最低限以下のカウンターすら存在しない、著作権業界側のやりたい放題の期間になるのです。なにせ文章で決まった規制緩和部分がまだ施行されないことがはっきりしているのですから、逆を言えば施行前は同じことが起これば違法行為になると宣言されているようなものなのですから。たとえば先の「テレビドラマなどは刑罰の対象外」な部分も、その一部分でも著作権のある音楽が入っていれば、そっち面での"違法ダウンロード"とみなされてしまいます。もちろん素人が撮った映像でも、バックにCD音楽か何かが流れていたらインターネット経由で見るだけで違法ダウンロードになる可能性があります。「ストリーミングはダウンロード扱いにならない」「知らなければ有罪にならない」はずなのですが、ストリーミングはデータ上はダウンロードと全く違いがないので、アウト。「知らなかった」も「"知らなかった"ですむか!」と警察に恫喝されて終わりでしょう。いずれも国内に影響を及ぼしかねない人の行為を"無罪"扱いするための、警察や検察の判断だけで無罪扱いするための項目であり、われわれ一般人に適応されることはない、と考えるべきです、自衛のために。
実質的に、10・11・12月は、音と動画をインターネット経由でなんらかの形で閲覧した場合、どんなケースでも逮捕される可能性が存在する、と考えていいでしょう。有料配信も危険です。著作権業界はかつて有料配信・CDからのコピー・P2Pなどから入手した音楽をすべて区別せずに扱い、「損害」と下したことがある業界であることをお忘れなく。と、いうより、今までの記者会見では全く区別してません、あそこは。有料配信であろうとも、「CDを買わなかった分損害となる」と言い出すこともしないとは限りません。
ただし、これらのことを行ったとしても、おそらく有罪にはなりません、読んでいただけばわかるように、言いがかりばかりですから。ただ、著作権業界が欲しいのは「有罪の判決を受けた犯罪者」ではありません。「○○が違法ダウンロードを行って逮捕された」という報道です。どうせマスコミで報道されるのは「逮捕された」までであり、その人物が有罪になったか無罪で済んだか、などが報道されることは滅多にありません。見せしめとしての実名付逮捕報道さえされればそれでいいのです。そのためにこの3ヶ月のタイムラグは最大限に利用されることになるでしょう。そして、警察によって調べられた人物に対し、法外なほどの損害賠償を要求する民事訴訟が次々と行われ、それは大々的に報道されることになるでしょう。警察の捜査が著作権業界の民事訴訟に利用されるケースは先行して違法ダウンロード刑事罰化法が使われているドイツでは多発している現象ですし、当然日本でも起こります。ドイツではさすがに警察もよほどのことが無い限り取り扱ってもらえなくなっていますが、日本では特にこの3ヶ月、判例などができるまでは警察が最大限に利用されるのは確実です。
著作権業界は、刑事罰の"ミセシメ"と民事訴訟の"イケニエ"を求めています、血に飢えた狼のように。それによって恐怖で国民一人ひとりの音楽や映像に対する利用を制限し、放っておいてもお金がどんどん入ってくる夢のような体制を作ろうとするでしょう。そのために作った違法ダウンロード刑事罰化法ですから。
最初のソフトに戻りますが、ネット上ではすでに接続サーバーも確認されています。なら、そこへのアクセスイコール違法ダウンロードとみなすのは簡単。有罪にならないかも知れませんが、犯罪者扱いされて名前をさらされる報道はされるかも知れませんし、莫大な損害賠償を要求される民事訴訟の対象になるかも知れません。3ヶ月はそれだけのことができますし、判例ができるまではどうなるか本当に分かりません。そして判例の材料に好んでなりたがる人はいないでしょう。どこへ転ぶかはあまりにバクチに過ぎます。この先の生活という自分の命が惜しければ、イケニエになるような行為は慎んだ方がいいでしょう。
少し前にGIGAZINEなどでも取り上げられたのでまだ覚えていられる方も多いかと思いますが、
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で、そのソフトなんですが、放送をネット配信したものを受信するためのものらしいんですね。どうやらそのサーバーは中国にあるようなのですが、少なくとも一度、日本から送信されてはいるのでしょう。と、なれば、最初に送信している組織はまずアウト。あの「まねきTV」は厳格に1対1の送受信であったにもかかわらず「自動公衆送信権の侵害(ただし、放送局側が気に入らない場合に限る)」という理由で最高裁判所で田原睦夫裁判長によって違法とされました。今回は最終的には不特定多数ですから、当然一発アウトになるはずです。もちろん見つかれば、警察にその気があれば、の話ですが。
一方、受信側はどうなるでしょうか。現状では、有料放送でもない限り特に法律上の問題はないはずです、テレビの受信は誰でもやっていいものですし、地上波を遠距離で受信できないのはテレビ局側の構造利権の保護のために過ぎませんから。ただ、この10月1日から例の著作権法修正法こと「違法ダウンロード刑事罰化法」が始まるわけです。これで違法化されるのでしょうか?
これに関して出されている文化庁のガイドラインを参照してみましょう。
文化庁 違法ダウンロードの刑事罰化についてのQ&A
子ども用、なんてのもありまして中身は大幅に省略されているかと思いきや、少々簡易な文にしてあるだけで通常文と同等のものです。こういうところでは文化庁も仕事するんですね。
で、そこにこのような文があります。
"ドラマなどのテレビ番組は無料で放送されているため、刑罰の対象にはなりません。ただし、テレビ番
組であっても、DVDとして正規に売られているようなものについては、その番組の海賊版を、海賊版だ
と知りながらダウンロードすると刑罰の対象となります。(もっとも、無料で放送されるテレビ番組であっ
ても、作者(アーティスト)に無断でインターネット上に掲載(アップロード)されているものをダウンロード
することは、刑罰の対象ではないものの、法律違反となります。)"
文化庁ははっきりと提示しているわけです、もっとも違法ダウンロード刑事罰法は修正案の形で後から割り込んだ法律なので、文化庁はノータッチ、よって文化庁の見解イコール法律の解釈になるとは限らないわけですが。
それ以上にこの部分、完全なワナ。これを鵜呑みにして「ああ、まだDVD化などされていないテレビ番組なら少なくとも刑事罰の対象にならないんだな」なんて思って受信したら、刑事罰を前提に逮捕される可能性があるのです。
名目上の今回の著作権法のメインは所謂「日本版フェアユース」となっており、違法ダウンロード刑事罰化法へのカウンターとなれる部分があります。と、言っても「偶然映ったり音が入ったりした分には問わない」とか「研究機関が商品化のためにコピーをとる分には断る必要が無い」とか、どうしようもない項目であり、暴風を少しでも防ごうと泥に差して立てるベニヤ板よりも頼りないですが。
ただ、これら「緩和」の分は、実は2013年1月1日からの施行となっており、2012年10月1日から実施される「規制強化・違法化」とタイムラグが存在するのです(厳密には著作権法改定の実施は原則2013年1月1日からなのに、規制のみ先行して実施される)。つまり、10・11・12月のまるまる3ヶ月間には最低限以下のカウンターすら存在しない、著作権業界側のやりたい放題の期間になるのです。なにせ文章で決まった規制緩和部分がまだ施行されないことがはっきりしているのですから、逆を言えば施行前は同じことが起これば違法行為になると宣言されているようなものなのですから。たとえば先の「テレビドラマなどは刑罰の対象外」な部分も、その一部分でも著作権のある音楽が入っていれば、そっち面での"違法ダウンロード"とみなされてしまいます。もちろん素人が撮った映像でも、バックにCD音楽か何かが流れていたらインターネット経由で見るだけで違法ダウンロードになる可能性があります。「ストリーミングはダウンロード扱いにならない」「知らなければ有罪にならない」はずなのですが、ストリーミングはデータ上はダウンロードと全く違いがないので、アウト。「知らなかった」も「"知らなかった"ですむか!」と警察に恫喝されて終わりでしょう。いずれも国内に影響を及ぼしかねない人の行為を"無罪"扱いするための、警察や検察の判断だけで無罪扱いするための項目であり、われわれ一般人に適応されることはない、と考えるべきです、自衛のために。
実質的に、10・11・12月は、音と動画をインターネット経由でなんらかの形で閲覧した場合、どんなケースでも逮捕される可能性が存在する、と考えていいでしょう。有料配信も危険です。著作権業界はかつて有料配信・CDからのコピー・P2Pなどから入手した音楽をすべて区別せずに扱い、「損害」と下したことがある業界であることをお忘れなく。と、いうより、今までの記者会見では全く区別してません、あそこは。有料配信であろうとも、「CDを買わなかった分損害となる」と言い出すこともしないとは限りません。
ただし、これらのことを行ったとしても、おそらく有罪にはなりません、読んでいただけばわかるように、言いがかりばかりですから。ただ、著作権業界が欲しいのは「有罪の判決を受けた犯罪者」ではありません。「○○が違法ダウンロードを行って逮捕された」という報道です。どうせマスコミで報道されるのは「逮捕された」までであり、その人物が有罪になったか無罪で済んだか、などが報道されることは滅多にありません。見せしめとしての実名付逮捕報道さえされればそれでいいのです。そのためにこの3ヶ月のタイムラグは最大限に利用されることになるでしょう。そして、警察によって調べられた人物に対し、法外なほどの損害賠償を要求する民事訴訟が次々と行われ、それは大々的に報道されることになるでしょう。警察の捜査が著作権業界の民事訴訟に利用されるケースは先行して違法ダウンロード刑事罰化法が使われているドイツでは多発している現象ですし、当然日本でも起こります。ドイツではさすがに警察もよほどのことが無い限り取り扱ってもらえなくなっていますが、日本では特にこの3ヶ月、判例などができるまでは警察が最大限に利用されるのは確実です。
著作権業界は、刑事罰の"ミセシメ"と民事訴訟の"イケニエ"を求めています、血に飢えた狼のように。それによって恐怖で国民一人ひとりの音楽や映像に対する利用を制限し、放っておいてもお金がどんどん入ってくる夢のような体制を作ろうとするでしょう。そのために作った違法ダウンロード刑事罰化法ですから。
最初のソフトに戻りますが、ネット上ではすでに接続サーバーも確認されています。なら、そこへのアクセスイコール違法ダウンロードとみなすのは簡単。有罪にならないかも知れませんが、犯罪者扱いされて名前をさらされる報道はされるかも知れませんし、莫大な損害賠償を要求される民事訴訟の対象になるかも知れません。3ヶ月はそれだけのことができますし、判例ができるまではどうなるか本当に分かりません。そして判例の材料に好んでなりたがる人はいないでしょう。どこへ転ぶかはあまりにバクチに過ぎます。この先の生活という自分の命が惜しければ、イケニエになるような行為は慎んだ方がいいでしょう。