emanonさんからいただいた話ですが、なんと私的録画補償金を復活させよう、という話が出ているとか。と、いうことで緊急ですが記事を書いてみました。
【緊急提言!】 BD/HDDレコーダーや録画ディスクに補償金!? 「私的録画補償金」が十数年ぶりに復活しようとしている、その狙いとは
ただし、現状ではあくまで麻倉怜士氏独自の調査で聞いた話、というだけであり、正式に決まったものは何もない、ということだけは断言しておきます。
リンク先記事によると、"一般社団法人 私的録音補償金管理協会(sarah)が、名称を私的録音録画補償金管理協会に変更したこと"に疑問を持った麻倉怜士氏がととある関係者から「私的録画も対象にすることで、補償金の範囲を拡大しよう」という動きがある、という話を聞いた、とのことです。ご存じの通り、昔のDVDメディア、特に「録画用」として売られていたメディアには録画補償金がついており、データ用と比べて高額になっちました。記憶ではわたしが最初に意識してみた時はデータ用一枚400円強程度に対し録画用一枚500円くらいだったように覚えています。なお、この時点では機能的に全く同じで録画用は単に補償金のため高額なだけだったので、特にPCで録画を管理している人(わたし含む)は補償金付ではなくデータ用に録画番組を保存しているパターンが多かったと思います。明確な機能の差がついたときはCPRM、つまり規制録画に対応しているか否か、という機能差によっていつしかメディアの金額差は意識されなくなっていきました。現在も厳密に言えばDVDやBDと言ったメディアに関してあ録画補償金はついています。が、全く売れていないのでここから上がる収益は微々たるものです。理由は簡単レコーダーでの録画保存が規制によって楽しみ方のほとんどを奪われ、つまらないものにしかならなくなったからです。録画が大好きで各社の個性的なレコーダーの性能に一喜一憂していたマニアたちは特殊な規制回避チューナー搭載のPCに逃げるか、テレビ放送そのものからいなくなってしまい、あとには荒廃したボロボロの土地が残るばかりになっています。実際電気店に行ってもテレビはまだしもレコーダーはどうでもいい場所に追いやられ、売る気が見られない状況となっています。リンク先によるとすでにかつての1/4ほどしか売れておらず、回復の見込みは全くないようです。これは当然の帰結で、こうなるのをわかっていて規制をあきらめなかったテレビや著作権関係者のせいなので仕方ないですが、今回のテーマとは少々ズレがあるので置いておきます。問題となったのはその際に「レコーダーに補償金は不要」とメーカーに思われ、東芝をはじめとするメーカーがレコーダーの補償金の支払いを拒否したことにあります。一般社団法人私的録画補償金協会 、SARVHは反発し、やたら記者会見を開いて自分らの正しさを訴えようとしました。が、その主張の中身はあまりに酷く、やればやるほど世間から白い目で見られるものでした。個人的に忘れられないのは二つ1.BD・DVDメディアからの補償金を意図的に統計に入れないデータを持ってきて「収入がゼロになった」と訴えた。2・「メーカーが納めなければユーザーは直接補償金を納めなければならなくなり、余計な手間がかかるがそれでいいのか」と主張した。特に後者はまるで補償金を税金扱い、転じて自分らを一般人から集金できる権力者扱いです。彼らは公式サイトで自分らの主張を「Culture First」と呼んでいましたが、わたしは「Vulture First」と揶揄していました。補償金分配の不透明さを不信に思う人も少なからず存在し、結果世間の支持を得られず、かつ東芝ら相手の裁判も負けてしまいました。個人的な意見を言えばレコーダーは一時保存先に過ぎず、メディアとレコーダー両方に補償金を要求するのは一つの番組に対し補償金を二度要求するもので二重取りです。おまけに規制も引き続き行われていましたから制度的には三重取りでしたから裁判で負けて当然です。やがてSARVHは解散し、公式サイトも消えました。
今回の件でもSARVHが復活するわけではなく、録音補償金を扱うSARAHに録画補償金の取り扱いを統合する、というものです。これは6月17日というひどく最近の話ですが間違いなく行われました。一応録画補償金という制度は残っているため、単に名目上統合しただけ、という可能性はあります。ですが麻倉氏はもっと大きな形で録画補償金を復活させようという話を聞いた、とありますし、なにより動いているとされているのがまたしてもあの文化庁です。だから京都に早く移せ、って言ってるのに・・・。なので余計な拡大解釈で割り込んでこないとも限らないので、仮にもっと大規模で取りに来た、と考えてみましょう。まず、一度裁判で判決が出ている以上それを覆してレコーダーに補償金を要求するのは極めて難しい・・・というよりほとんど無理でしょう。規制のおかげで弱体化した日本市場にはレコーダーを作るメーカーはいくつも残っていませんし、そこからとれる金などたかが知れています。かつての裁判相手だった東芝は実質外資の下に入りましたから余計無理です。おそらく狙いはHDD。録画環境は一応かつてよりは技術の進歩で少しマシになっており、テレビに外付けHDDなどに録画したものを一時キャッシュだけでなく、HDD自体を長期保存先として使う人もそれなりにいる様子です。DVDやBDが最終保存先として補償金の対象ならHDDやSSDも補償金の対象となるのではないか・・・として金を要求する、こういうところではないでしょうか。多分これが精いっぱいかと。ただ、いかにもVulture Firstらしいのがこの時期になって、というところ。ご存じの通り円安と世界的物価高のあおりで物の値段がどんどん値上がりし、あまりに連日のように値上がりの報道を見て、我々がいい加減値上がりにいちいち反応しなくなっています。今のうちなら値上げに便乗して補償金を載せても紛れてしまうのではないか、とこういう考えが起こっているとしたら最低の行為として軽蔑します。
なお、昨日の記事では唯一日本共産党が補償金に関して触れている箇所があり、ひょっとしたら麻倉氏の記事にある「この件にこだわっている国会議員がいて 」とあるところの国会議員とは日本共産党の議員のことであり、日本共産党に対してロビー活動が行われ、動いた結果では・・・と考える人がいるかも知れませんが、その可能性はほぼゼロです。日本共産党はもう何年も前から同じことを公約に謡っていますし、なによりロビー活動先として選ぶには日本共産党は勢力が弱すぎてやる意味がありません。実際以前SARVHは自民党議員に対してロビー活動を行っていましたし、今回も効率を考えたらそちらから意見を出させてくるでしょう。
正直正式な発表はまだ何もなく、今回書いたこともほぼ全部予想でしかありません。思惑はどうあれ統合しただけ、で終わる可能性も十分あると思います。ただ、SARVHは以前、補償金対象を契約などに記載せず、自分らが自由かつ無限大に拡大できる権利を要求したこともあります。もちろん相手にされませんでしたが、どさくさに紛れて以前失敗したことを全部飲ませるべく再び動く、と言う可能性もゼロではありません。一応注意しておきましょう。
【緊急提言!】 BD/HDDレコーダーや録画ディスクに補償金!? 「私的録画補償金」が十数年ぶりに復活しようとしている、その狙いとは
ただし、現状ではあくまで麻倉怜士氏独自の調査で聞いた話、というだけであり、正式に決まったものは何もない、ということだけは断言しておきます。
リンク先記事によると、"一般社団法人 私的録音補償金管理協会(sarah)が、名称を私的録音録画補償金管理協会に変更したこと"に疑問を持った麻倉怜士氏がととある関係者から「私的録画も対象にすることで、補償金の範囲を拡大しよう」という動きがある、という話を聞いた、とのことです。ご存じの通り、昔のDVDメディア、特に「録画用」として売られていたメディアには録画補償金がついており、データ用と比べて高額になっちました。記憶ではわたしが最初に意識してみた時はデータ用一枚400円強程度に対し録画用一枚500円くらいだったように覚えています。なお、この時点では機能的に全く同じで録画用は単に補償金のため高額なだけだったので、特にPCで録画を管理している人(わたし含む)は補償金付ではなくデータ用に録画番組を保存しているパターンが多かったと思います。明確な機能の差がついたときはCPRM、つまり規制録画に対応しているか否か、という機能差によっていつしかメディアの金額差は意識されなくなっていきました。現在も厳密に言えばDVDやBDと言ったメディアに関してあ録画補償金はついています。が、全く売れていないのでここから上がる収益は微々たるものです。理由は簡単レコーダーでの録画保存が規制によって楽しみ方のほとんどを奪われ、つまらないものにしかならなくなったからです。録画が大好きで各社の個性的なレコーダーの性能に一喜一憂していたマニアたちは特殊な規制回避チューナー搭載のPCに逃げるか、テレビ放送そのものからいなくなってしまい、あとには荒廃したボロボロの土地が残るばかりになっています。実際電気店に行ってもテレビはまだしもレコーダーはどうでもいい場所に追いやられ、売る気が見られない状況となっています。リンク先によるとすでにかつての1/4ほどしか売れておらず、回復の見込みは全くないようです。これは当然の帰結で、こうなるのをわかっていて規制をあきらめなかったテレビや著作権関係者のせいなので仕方ないですが、今回のテーマとは少々ズレがあるので置いておきます。問題となったのはその際に「レコーダーに補償金は不要」とメーカーに思われ、東芝をはじめとするメーカーがレコーダーの補償金の支払いを拒否したことにあります。一般社団法人私的録画補償金協会 、SARVHは反発し、やたら記者会見を開いて自分らの正しさを訴えようとしました。が、その主張の中身はあまりに酷く、やればやるほど世間から白い目で見られるものでした。個人的に忘れられないのは二つ1.BD・DVDメディアからの補償金を意図的に統計に入れないデータを持ってきて「収入がゼロになった」と訴えた。2・「メーカーが納めなければユーザーは直接補償金を納めなければならなくなり、余計な手間がかかるがそれでいいのか」と主張した。特に後者はまるで補償金を税金扱い、転じて自分らを一般人から集金できる権力者扱いです。彼らは公式サイトで自分らの主張を「Culture First」と呼んでいましたが、わたしは「Vulture First」と揶揄していました。補償金分配の不透明さを不信に思う人も少なからず存在し、結果世間の支持を得られず、かつ東芝ら相手の裁判も負けてしまいました。個人的な意見を言えばレコーダーは一時保存先に過ぎず、メディアとレコーダー両方に補償金を要求するのは一つの番組に対し補償金を二度要求するもので二重取りです。おまけに規制も引き続き行われていましたから制度的には三重取りでしたから裁判で負けて当然です。やがてSARVHは解散し、公式サイトも消えました。
今回の件でもSARVHが復活するわけではなく、録音補償金を扱うSARAHに録画補償金の取り扱いを統合する、というものです。これは6月17日というひどく最近の話ですが間違いなく行われました。一応録画補償金という制度は残っているため、単に名目上統合しただけ、という可能性はあります。ですが麻倉氏はもっと大きな形で録画補償金を復活させようという話を聞いた、とありますし、なにより動いているとされているのがまたしてもあの文化庁です。だから京都に早く移せ、って言ってるのに・・・。なので余計な拡大解釈で割り込んでこないとも限らないので、仮にもっと大規模で取りに来た、と考えてみましょう。まず、一度裁判で判決が出ている以上それを覆してレコーダーに補償金を要求するのは極めて難しい・・・というよりほとんど無理でしょう。規制のおかげで弱体化した日本市場にはレコーダーを作るメーカーはいくつも残っていませんし、そこからとれる金などたかが知れています。かつての裁判相手だった東芝は実質外資の下に入りましたから余計無理です。おそらく狙いはHDD。録画環境は一応かつてよりは技術の進歩で少しマシになっており、テレビに外付けHDDなどに録画したものを一時キャッシュだけでなく、HDD自体を長期保存先として使う人もそれなりにいる様子です。DVDやBDが最終保存先として補償金の対象ならHDDやSSDも補償金の対象となるのではないか・・・として金を要求する、こういうところではないでしょうか。多分これが精いっぱいかと。ただ、いかにもVulture Firstらしいのがこの時期になって、というところ。ご存じの通り円安と世界的物価高のあおりで物の値段がどんどん値上がりし、あまりに連日のように値上がりの報道を見て、我々がいい加減値上がりにいちいち反応しなくなっています。今のうちなら値上げに便乗して補償金を載せても紛れてしまうのではないか、とこういう考えが起こっているとしたら最低の行為として軽蔑します。
なお、昨日の記事では唯一日本共産党が補償金に関して触れている箇所があり、ひょっとしたら麻倉氏の記事にある「この件にこだわっている国会議員がいて 」とあるところの国会議員とは日本共産党の議員のことであり、日本共産党に対してロビー活動が行われ、動いた結果では・・・と考える人がいるかも知れませんが、その可能性はほぼゼロです。日本共産党はもう何年も前から同じことを公約に謡っていますし、なによりロビー活動先として選ぶには日本共産党は勢力が弱すぎてやる意味がありません。実際以前SARVHは自民党議員に対してロビー活動を行っていましたし、今回も効率を考えたらそちらから意見を出させてくるでしょう。
正直正式な発表はまだ何もなく、今回書いたこともほぼ全部予想でしかありません。思惑はどうあれ統合しただけ、で終わる可能性も十分あると思います。ただ、SARVHは以前、補償金対象を契約などに記載せず、自分らが自由かつ無限大に拡大できる権利を要求したこともあります。もちろん相手にされませんでしたが、どさくさに紛れて以前失敗したことを全部飲ませるべく再び動く、と言う可能性もゼロではありません。一応注意しておきましょう。