参議院選が開始され、投票日も間もなく訪れます。みなさま、すでに投票先は決めているでしょうか? 今回は報道では争点とされていないものの明確な投票理由となりそうな分野がいくつかあり、そちらで選択する人も多いかと思います。もちろんそうした重要項目で選択していただくのが一番ですが、もし「そんなのどうでもいい」「結局各党言っていることが同じでどこを選んでも変わらない」とお考えでしたら、別の分野から自分で争点を探すのは如何でしょうか。当ブログでは以前から独自の視点として放送やコンテンツ・メディアと言った分野の公約を各党から引っ張り出してきて掲載してきました。ただ、もう注目される分野ではないという判断からかどこの党も大きく公約で謡うことはなくなっています。ゆえに前回の衆議院選では取り上げる記事を書くこと自体やらなかったのですが、そのため当時は結党間もない立憲民主党らのこちらへの興味関心度を知ることが出来なかった(そもそも当時は公約になかった)ので、今回はやります。ただし、先も述べたように今回の参議院選向け公約で放送・メディア・コンテンツの件を重点政策として大きく掲げている党はありません。なので参議院選向け公約だけでなく、各党通常の政策一覧からそれ関連を抜粋して取り上げることにします。選挙に向け急遽作ったものでない分、各党の違いが明確でそれはそれで見て面白みを感じるものになっているのではないかと思います。ただし、わたしが見逃すなどしていて本来なら該当するべき政策が入っていない、などの場合もあるかと思いますので、出来ましたら各党の公式サイトで再確認していただき、自分の目で読んで確かめてくださるのが一番と思います。また、党ブログでは政策の中身ではなく、特定の思想で一部政党立候補者を批判するやり方は採用していません。あらかじめご理解願います。もう一つ、今回はあくまで"党"としての政策からのみ抜粋しています。一部立候補者が独自の政策としてこちら向き分野の公約を掲げている例はありますが、それを上げてしまうと全立候補者の公約や発言を全部調べて取り上げなくてはならなくなります。それはわたし一人では無理です。一部有名人だけを取り上げるのはわたしの主義に反しますのでやりませんでした。これもご理解願います。
自民党アニメ、マンガ、映画、ゲーム、放送など海外への発信力が高いコンテンツ産業は、クールジャパンの大きな推進力となっています。製作現場のデジタル化、書面契約の徹底や就業環境を含めた商慣行の改善、人材育成、資金調達の改善を進め、コンテンツ産業の振興と海外展開を図ります。Web3.0 時台におけるブロックチェ―ン・NFT、メタバース等の新たな潮流は、世界で愛されるキャラクターや作品などの知的財産を多く有するわが国にとって大きなチャンスであり、Web3.0 時代の新たなコンテンツビジネスの環境整備を進めていきます。
併せて、東京国際映画祭などコンテンツの中心としての日本の魅力を高める取組みを進めます。また、国内への大型映像作品のロケ誘致は、作品を通じて日本の魅力を発信するだけにとどまらず、海外の映像製作のノウハウを日本のコ
ンテンツ産業にもたらします。諸外国の制度も参考にしつつ、ロケ誘致の一層の推進を図ります。
あまねく日本全国において豊かで良質な放送番組を放送するなど、NHK が公共放送としての使命を引き続き果たしていくため、不断の改革に取り組んでいきます。このため、先の通常国会での改正放送法の成立を受け、還元目的積立
金制度により、受信料の適正かつ公平な負担を図っていくとともに、公共放送における放送番組等のインターネット配信の意義やサービスニーズを検証するため、テレビを保有・視聴しない方々を対象としたインターネット配信の社会
実証を推進します。
また、先の通常国会での改正放送法・電波法の成立を受け、放送・通信における外資規制について、電波の有限希少性等に加え、経済安全保障の観点からも、その適切な運用を確保するほか、スマートフォンの普及や視聴スタイルの
変化などにより放送を取り巻く環境が急速に変化する中、放送のユニバーサルサービスや放送コンテンツのインターネット配信などについて検討を進め、放送の将来像を示します。
5G、4K・8K 放送をはじめとした世界最高水準の ICT インフラの整備を目指します。国、地方、企業、個人、訪日する外国人も含め、それぞれがICT の恩恵 を受けられるよう「社会全体の ICT化」を進めてまいります。地域の様々なニーズに応じた 5G 基地局や光ファイバなどの情報通信インフラの全国的な整備を推進します。また、東京圏一極集中しているデータセンター、インターネット相互接続点(IX)、国際海底ケーブルの陸揚局等の重要な通信インフラの地方立地を支援することで、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に伴うインターネット上のデータ流通量の急増や、東京被災時に国内全域のインター
ネット利用に甚大な影響を与えるリスクへ対応するとともに、わが国が世界のデータを安心して預けてもらえる「データ集積地」となることを目指します。更に、鉄道トンネル等電波が遮へいされる場所においても携帯電話が利用でき
るようにします。このうち、九州新幹線西九州ルート及び北陸新幹線の延伸区間については、開業時において全てのトンネルで携帯電話が利用できるようにします。また、在来線トンネルの対策も推進します。2018 年 12 月から新 4K・8K 衛星放送が開始され、各家庭では臨場感あふれる高精細な映像を楽しむことができるようになりました。新 4K・8K 衛星放送を実際に視聴することができる受信機の出荷台数は、2022 年 2月末までの累計で約 1,200 万台まで拡大しました。東京オリンピック・パラリンピック競技大会では多くの視聴者が 4K・8K 番組を通じて大会の感動が共有されたところ、引き続き、4K・8K
放送の普及に向け、周知・広報等を進めてまいります。 また、4K・8K の高精細な映像技術は放送のみならず、幅広い分野への波及が期待されています。例えば医療分野においては、高精細映像を用いることで、 内視鏡等の検査・手術の精度の向上のほか、遠隔地 にいる専門医による診療といった遠隔医療の普及への寄与が期待されます。 このような 4K・8K の高精細な映像技術について、様々な産業分野での活用を通じ、地方創生や社会の 福祉の向上といった社会課題の解決を目指します。
セキュリティーに強い NFT(非代替性トークン)技術等をはじめとするブロックチェーン技術を活用し、次世代インターネット「Web3.0」に対応した新しいデジタル経済圏を確立するため、人材育成も含めた環境を整備し、国際社会でも主導的に推進します。具体的には、日本のアニメやゲームなどの国
際的にも競争力があるコンテンツを活かしながら、・インターネット上の財産となりうるデータを表し、金銭等(暗号資産の場合は「コイン」)に限らず、ゲームのアイテム、コンテンツ、契約書等々実生活で使うほとんどのものを表現でき、秘密鍵で守られたウォレットで管理されるトークン経済への移行・特定のプラットフォーマーを介さず、構成員が自律的に組織を運営する自律分散型組織である DAO の推進・ブロックチェーンでデジタル資産の唯一性と取引の真正性を証明し、デジタル資産に希少性を持たせて経済価値を高め、取引を行う NFT市場拡大を強く推進します。
上記の実現のため、政府における司令塔の設置、起業家・エンジニアに魅力的な税制の実現、人材育成を含めた Web3.0 時代を見据えた環境整備を進めていきます。
優れた文化的価値を有するマンガ・アニメ・ゲームをはじめとする日本のメディア芸術の更なる振興を図るとともに、日本ブランド構築の一翼を担うため、メディア芸術分野の人材育成や創作活動の充実、国内外への発信の強化、制
作者の待遇改善を図ります。また、わが国のメディア芸術に関するアーカイブ機能や国内外への発信機能の強化を通じた国際的な評価の向上などを図るため、「メディア芸術ナショナルセンターの整備及び運営に関する法律」を制定し、メディア芸術の情報拠点などの整備を進めます。
DX の推進は、文化芸術における創作・流通・利用にも大きな影響を与えており、DX 時代における社会・市場の変化やテクノロジーの進展に柔軟に対応したコンテンツ創作の好循環を実現する必要があります。そのため、DX 時代に対応した簡素で一元的な権利処理方策や、公的機関・企業等でのデジタル化に対応した基盤の整備等、コンテンツの利用円滑化とそれに伴う適切な対価の還元について取り組みます。また、著作権侵害に対する実効的な海賊版対策の実施、わが国の正規版コンテンツの海外における流通促進、デジタルプラットフォームサービスに係るいわゆるバリューギャップ等への対応、著作権制度・
政策の普及啓発・教育方策を進め、コンテンツの権利保護を図ります。
文化庁の京都への全面的な移転を着実に進めるとともに、地域の文化資源を活用した観光振興や地方創生の拡充に向けた対応の強化、わが国の文化の国際発信力の向上、生活文化の振興、科学技術を活用した新文化創造、文化政策調査
研究や文化政策の総合的推進など、新たな政策ニーズに対応できるよう、文化庁の機能強化を図ります。
主にリンク先最下部の「総合政策集2022-Jーファイル」から抜粋しています。個人的注目点は、結局4K・8K受信機普及が1200万台と発表された点です。東京オリンピックまでに普及50%という絶対不可能な目標(なにより今の日本企業にはそんな台数を作る製造能力がないし、日本独自の規制によって海外メーカーが簡単に参入できないからそろえるのが無理)には遠く足りませんが、個人的予想よりははるかに売れていると思います。やはり日本人、テレビ大好きですね。細かい政策には特に意見は述べませんが、本来ここで取り上げるべきでない文化庁の京都移転の政策がありましたのでついでに掲載しました。以前著作権管理の団体と揉めた時、文化庁が余計な仕事をした例が多々見受けられましたので、権力の地方分散として文化庁の京都移転を検討していると聞いたとき、わたしは「それはいい、これで立場がはっきりして余計なことに首を突っ込むことがなくなる。早くやってほしい」と思っていました。ところが、最新の政策集でも「移転を進める」と言っているということはまだやっていないということです。文化庁側の抵抗もあるのでしょうが、さっさとやってほしいという思いを込めて同時掲載しました。
立憲民主党民主主義の基本である放送の独立性を確保するとともに、公共放送の独立性確保のため、受信料制度の自律性を維持します。
工芸・芸能・祭りなど伝統文化の保護と後継者育成をはかるとともに、映画や音楽、アニメ・マンガなど幅広い分野での振興と助成を推進し、社会を豊かにします。
多様化する視聴者のニーズに応えるため、放送のインターネット同時配信のさらなる展開を図ります。
通信・放送⾏政を総務省から切り離し、放送免許の付与・更新や番組規制などを⾏う規制監督部⾨を独⽴性の⾼い独⽴⾏政委員会として設置する通信・放送委員会(⽇本版FCC)に移し、国家権⼒を監視する役割を持つ放送局を国家権⼒が監督するという⽭盾を解消するとともに、放送に対する国の恣意的な介⼊の排除を進めます。
国⺠の財産である電波の許認可・割り当てについては、透明・公平・公正に⾏う必要があることから、電波法・放送法の改正を検討します。
放送については、通信との融合の時代に⾒合うものにするとともに、地域社会・⽂化の振興、視聴者の利便性向上に資する施策を推進します。
表現の⾃由を尊重し、⼆次創作分野などの発展を図る観点から、著作
権法改正を含む検討を⾏います。
l著作権管理団体の権利者への権利料・使⽤料の分配については、若⼿や新⼈のアーティスト・演者・作家などに配慮し、⽂化の発展に資するという法の⽬的に沿うよう著作権管理事業法の改正を検討します。
立憲民主党基本政策およびリンク先下部の「政策集 2022」より抜粋しました。前回前々回と同党に関しては全く取り上げられなかったので、今回やっと掲載することが出来てほっとしています。自民党との最大の違いは電波・放送の管理を総務省が引き続き行うか、第三者委員会を作ってそこで行うか、でしょう。ここは意見の分かれるところと思います。
日本維新の会周波数帯によっては電波が有効に利用されていないことを踏まえ、周波数オークション導入のため必要な法改正を行います。
規制官庁である総務省が肥大化している弊害に鑑み、放送・情報通信に関する行政のうち、規制に関するものを総務省から分離し、新設する独立行政委員会に移管します。
電波利用料の引き下げにより、電波を電力のスマートメーター、遠隔医療はじめ多様な通信サービスにおいて活用できるよう促進します。
放送と通信の大融合時代に相応しい放送・電波制度のあり方を検討するとともに、NHK を公共 NHK と(民間とイコールフッティングで競争する)民間 NHK とに分割し、NHK 受信料制度の抜本改革を断行します。
表現の自由を最大限尊重し、マンガ・アニメ・ゲームなどの内容に行政が過度に干渉しないコンテンツ産業支援を目指します。MANGA ナショナルセンターの設置による作品アーカイブの促進、インバウンドを意識した文化発信やクリエイターの育成支援などを行います。
文化的コンテンツ等をデジタルデータとしてブロックチェーン上に記録したいわゆる NFT(非代替性トークン)について、イノベーションを阻害しないルール作りによる市場の拡大支援を行い、日本の強みであるマンガ・アニメ・ゲーム等のコンテンツ産業・アート市場のさらなる発展を後押しします。
日本維新の会政策提言より抜粋しました。見るとお判りいただけるかと思いますが、周波数オークション以外では立憲民主党と言っていることが非常に似ているというのが注目点です。ただ、他はどもかく周波数オークションは毎回謡っているにも関わらず議題に取り上げられた形跡がほとんどない(自民党は絶対反対ですから)ので、どこまで実行する気があるのかは疑問です。
日本共産党放送事業者の自主・自律の確立は、「放送の自由」に不可欠です
日本は、放送事業者に対する免許付与をはじめ、監督を政府(総務省)が行っています。しかし、世界各国では、放送における言論、表現の自由を徹底する観点から、政権が放送に介入しないよう第三者機関に委ねられています。
日本共産党は、政府から放送行政の監督を切り離し、新たに「放送委員会」(独立行政委員会)を設置するように制度改正を求めます。
NHKが公共放送としての役割を果たすことを求めます
2022年の通常国会で放送法が改定されました。この改定による受信料値下げのための原資積立の制度創設は、NHKの予算編成に政府・総務省の介入を招き、NHKの自律性を毀損させるものです。また、受信料契約の締結に応じない者を対象に割増金制度を導入することは、罰則的なやり方で、国民の理解と信頼を得ていくことに逆行するものです。
日本共産党は、放送法の本来の主旨にたちかえり、NHKが自主自律を確立し公共放送としての役割を果たすよう、国民・視聴者とともにその在り方をただしていきます。
芸術家、芸術団体の活動を支えます
映画やアニメなど日本映画の製作システムを支える財政支援を増額し、制度の拡充をはかります。
映画フィルムの保存を急ぐとともに、文化遺産であるフィルム作品の劣化や散逸、デジタル化に対応した映画作品の保存を進めます。フィルムアーキビストなど専門家の育成を進めます。
映画、アニメ、漫画、美術、デザイン、写真、音楽など、文化各ジャンルの貴重な遺産のアーカイブ(収集・保存・公開)を支援します。
著作者の権利を守り発展させます
著作権法を改正し、映画監督やスタッフ、実演家の権利を確立します。デジタル化、ネット配信など多様化する二次利用に対しては、著作者や実演家の不利益にならないよう対策を求めます。
私的録音録画補償金制度は、デジタル録音技術の普及にともない、一部の大企業が協力業務を放棄したことで、事実上機能停止してしまいました。作家・実演家の利益を守るために、私的複製に供される複製機器・機材を提供することによって利益を得ている事業者に応分の負担を求める、実効性のある補償制度の導入をめざします。
憲法を生かし、表現の自由を守ります
「アームズ・レングス原則」(お金は出しても口は出さない)にもとづいた助成制度を確立し、萎縮や忖度のない自由な創造活動の環境をつくります。
「児童ポルノ規制」を名目にしたマンガ・アニメ・ゲームなどへの法的規制の動きに反対します。青少年のゲーム・ネットの利用について、一律の使用時間制限などの法規制に反対します。
2022 参議院選挙政策より抜粋しました。なお、同党の公約文は前置きが長いのでシメの部分のみ掲載しています。出来ましたらリンク先の55や60を中心に読んでいただけると幸いです。概ね他野党の主張に加え、過去アーカイブの保全を訴えているのが同党の特徴と言えるでしょう。
NHK党NHKのスクランブル放送の実現
抜粋も何もないので一文だけ掲載しておきます。そもそも立党の理由が日本放送協会なわけですから放送全体に関する提案など他にこちら関係があるかと思いきや全くなし、です。他にもあってもいいのに。
公明党今回これと言ったもの見つけることが出来ませんでした。"放送"で検索をかけても引っかかるのは憲法改正の国民投票法に関することくらいです。自民党との連立はこれからも続くということで、そちらに注力の必要はない、ということでしょう。それにしてもこの党のPDFは字が細かすぎて見づらいのは何とかしてほしいです。今回見つけることが出来なかったのはそのせいかも知れません。読ませる気ないんでしょうか。
国民民主党かなり細かい政策まで掲げている同党ですが、放送・コンテンツ関連は見当たりませんでした。同党にお願いしたいのは、政策の文章を画像ファイルにするのではなくテキストのままサイトなりPDFなりにしてほしいです。後で探しづらいったらありゃしません。それゆえに見逃した可能性もあります。
社民党こちらも何もありませんでした。仕方ないですね。
他に”諸派"に分類される党がありますが、いずれも何も書いていませんでしたのでリンクも貼りません。一部の党は以前は周波数オークションの実現を掲げていたのに、今は全くなくなっています。影響力がちいさな政党ほど放送やコンテンツ分野への興味がなくなる傾向にあるようです。
以上、貴重ない一票(比例を合わせれば二票)を投じる参考にでもなれば幸いです。
自民党アニメ、マンガ、映画、ゲーム、放送など海外への発信力が高いコンテンツ産業は、クールジャパンの大きな推進力となっています。製作現場のデジタル化、書面契約の徹底や就業環境を含めた商慣行の改善、人材育成、資金調達の改善を進め、コンテンツ産業の振興と海外展開を図ります。Web3.0 時台におけるブロックチェ―ン・NFT、メタバース等の新たな潮流は、世界で愛されるキャラクターや作品などの知的財産を多く有するわが国にとって大きなチャンスであり、Web3.0 時代の新たなコンテンツビジネスの環境整備を進めていきます。
併せて、東京国際映画祭などコンテンツの中心としての日本の魅力を高める取組みを進めます。また、国内への大型映像作品のロケ誘致は、作品を通じて日本の魅力を発信するだけにとどまらず、海外の映像製作のノウハウを日本のコ
ンテンツ産業にもたらします。諸外国の制度も参考にしつつ、ロケ誘致の一層の推進を図ります。
あまねく日本全国において豊かで良質な放送番組を放送するなど、NHK が公共放送としての使命を引き続き果たしていくため、不断の改革に取り組んでいきます。このため、先の通常国会での改正放送法の成立を受け、還元目的積立
金制度により、受信料の適正かつ公平な負担を図っていくとともに、公共放送における放送番組等のインターネット配信の意義やサービスニーズを検証するため、テレビを保有・視聴しない方々を対象としたインターネット配信の社会
実証を推進します。
また、先の通常国会での改正放送法・電波法の成立を受け、放送・通信における外資規制について、電波の有限希少性等に加え、経済安全保障の観点からも、その適切な運用を確保するほか、スマートフォンの普及や視聴スタイルの
変化などにより放送を取り巻く環境が急速に変化する中、放送のユニバーサルサービスや放送コンテンツのインターネット配信などについて検討を進め、放送の将来像を示します。
5G、4K・8K 放送をはじめとした世界最高水準の ICT インフラの整備を目指します。国、地方、企業、個人、訪日する外国人も含め、それぞれがICT の恩恵 を受けられるよう「社会全体の ICT化」を進めてまいります。地域の様々なニーズに応じた 5G 基地局や光ファイバなどの情報通信インフラの全国的な整備を推進します。また、東京圏一極集中しているデータセンター、インターネット相互接続点(IX)、国際海底ケーブルの陸揚局等の重要な通信インフラの地方立地を支援することで、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に伴うインターネット上のデータ流通量の急増や、東京被災時に国内全域のインター
ネット利用に甚大な影響を与えるリスクへ対応するとともに、わが国が世界のデータを安心して預けてもらえる「データ集積地」となることを目指します。更に、鉄道トンネル等電波が遮へいされる場所においても携帯電話が利用でき
るようにします。このうち、九州新幹線西九州ルート及び北陸新幹線の延伸区間については、開業時において全てのトンネルで携帯電話が利用できるようにします。また、在来線トンネルの対策も推進します。2018 年 12 月から新 4K・8K 衛星放送が開始され、各家庭では臨場感あふれる高精細な映像を楽しむことができるようになりました。新 4K・8K 衛星放送を実際に視聴することができる受信機の出荷台数は、2022 年 2月末までの累計で約 1,200 万台まで拡大しました。東京オリンピック・パラリンピック競技大会では多くの視聴者が 4K・8K 番組を通じて大会の感動が共有されたところ、引き続き、4K・8K
放送の普及に向け、周知・広報等を進めてまいります。 また、4K・8K の高精細な映像技術は放送のみならず、幅広い分野への波及が期待されています。例えば医療分野においては、高精細映像を用いることで、 内視鏡等の検査・手術の精度の向上のほか、遠隔地 にいる専門医による診療といった遠隔医療の普及への寄与が期待されます。 このような 4K・8K の高精細な映像技術について、様々な産業分野での活用を通じ、地方創生や社会の 福祉の向上といった社会課題の解決を目指します。
セキュリティーに強い NFT(非代替性トークン)技術等をはじめとするブロックチェーン技術を活用し、次世代インターネット「Web3.0」に対応した新しいデジタル経済圏を確立するため、人材育成も含めた環境を整備し、国際社会でも主導的に推進します。具体的には、日本のアニメやゲームなどの国
際的にも競争力があるコンテンツを活かしながら、・インターネット上の財産となりうるデータを表し、金銭等(暗号資産の場合は「コイン」)に限らず、ゲームのアイテム、コンテンツ、契約書等々実生活で使うほとんどのものを表現でき、秘密鍵で守られたウォレットで管理されるトークン経済への移行・特定のプラットフォーマーを介さず、構成員が自律的に組織を運営する自律分散型組織である DAO の推進・ブロックチェーンでデジタル資産の唯一性と取引の真正性を証明し、デジタル資産に希少性を持たせて経済価値を高め、取引を行う NFT市場拡大を強く推進します。
上記の実現のため、政府における司令塔の設置、起業家・エンジニアに魅力的な税制の実現、人材育成を含めた Web3.0 時代を見据えた環境整備を進めていきます。
優れた文化的価値を有するマンガ・アニメ・ゲームをはじめとする日本のメディア芸術の更なる振興を図るとともに、日本ブランド構築の一翼を担うため、メディア芸術分野の人材育成や創作活動の充実、国内外への発信の強化、制
作者の待遇改善を図ります。また、わが国のメディア芸術に関するアーカイブ機能や国内外への発信機能の強化を通じた国際的な評価の向上などを図るため、「メディア芸術ナショナルセンターの整備及び運営に関する法律」を制定し、メディア芸術の情報拠点などの整備を進めます。
DX の推進は、文化芸術における創作・流通・利用にも大きな影響を与えており、DX 時代における社会・市場の変化やテクノロジーの進展に柔軟に対応したコンテンツ創作の好循環を実現する必要があります。そのため、DX 時代に対応した簡素で一元的な権利処理方策や、公的機関・企業等でのデジタル化に対応した基盤の整備等、コンテンツの利用円滑化とそれに伴う適切な対価の還元について取り組みます。また、著作権侵害に対する実効的な海賊版対策の実施、わが国の正規版コンテンツの海外における流通促進、デジタルプラットフォームサービスに係るいわゆるバリューギャップ等への対応、著作権制度・
政策の普及啓発・教育方策を進め、コンテンツの権利保護を図ります。
文化庁の京都への全面的な移転を着実に進めるとともに、地域の文化資源を活用した観光振興や地方創生の拡充に向けた対応の強化、わが国の文化の国際発信力の向上、生活文化の振興、科学技術を活用した新文化創造、文化政策調査
研究や文化政策の総合的推進など、新たな政策ニーズに対応できるよう、文化庁の機能強化を図ります。
主にリンク先最下部の「総合政策集2022-Jーファイル」から抜粋しています。個人的注目点は、結局4K・8K受信機普及が1200万台と発表された点です。東京オリンピックまでに普及50%という絶対不可能な目標(なにより今の日本企業にはそんな台数を作る製造能力がないし、日本独自の規制によって海外メーカーが簡単に参入できないからそろえるのが無理)には遠く足りませんが、個人的予想よりははるかに売れていると思います。やはり日本人、テレビ大好きですね。細かい政策には特に意見は述べませんが、本来ここで取り上げるべきでない文化庁の京都移転の政策がありましたのでついでに掲載しました。以前著作権管理の団体と揉めた時、文化庁が余計な仕事をした例が多々見受けられましたので、権力の地方分散として文化庁の京都移転を検討していると聞いたとき、わたしは「それはいい、これで立場がはっきりして余計なことに首を突っ込むことがなくなる。早くやってほしい」と思っていました。ところが、最新の政策集でも「移転を進める」と言っているということはまだやっていないということです。文化庁側の抵抗もあるのでしょうが、さっさとやってほしいという思いを込めて同時掲載しました。
立憲民主党民主主義の基本である放送の独立性を確保するとともに、公共放送の独立性確保のため、受信料制度の自律性を維持します。
工芸・芸能・祭りなど伝統文化の保護と後継者育成をはかるとともに、映画や音楽、アニメ・マンガなど幅広い分野での振興と助成を推進し、社会を豊かにします。
多様化する視聴者のニーズに応えるため、放送のインターネット同時配信のさらなる展開を図ります。
通信・放送⾏政を総務省から切り離し、放送免許の付与・更新や番組規制などを⾏う規制監督部⾨を独⽴性の⾼い独⽴⾏政委員会として設置する通信・放送委員会(⽇本版FCC)に移し、国家権⼒を監視する役割を持つ放送局を国家権⼒が監督するという⽭盾を解消するとともに、放送に対する国の恣意的な介⼊の排除を進めます。
国⺠の財産である電波の許認可・割り当てについては、透明・公平・公正に⾏う必要があることから、電波法・放送法の改正を検討します。
放送については、通信との融合の時代に⾒合うものにするとともに、地域社会・⽂化の振興、視聴者の利便性向上に資する施策を推進します。
表現の⾃由を尊重し、⼆次創作分野などの発展を図る観点から、著作
権法改正を含む検討を⾏います。
l著作権管理団体の権利者への権利料・使⽤料の分配については、若⼿や新⼈のアーティスト・演者・作家などに配慮し、⽂化の発展に資するという法の⽬的に沿うよう著作権管理事業法の改正を検討します。
立憲民主党基本政策およびリンク先下部の「政策集 2022」より抜粋しました。前回前々回と同党に関しては全く取り上げられなかったので、今回やっと掲載することが出来てほっとしています。自民党との最大の違いは電波・放送の管理を総務省が引き続き行うか、第三者委員会を作ってそこで行うか、でしょう。ここは意見の分かれるところと思います。
日本維新の会周波数帯によっては電波が有効に利用されていないことを踏まえ、周波数オークション導入のため必要な法改正を行います。
規制官庁である総務省が肥大化している弊害に鑑み、放送・情報通信に関する行政のうち、規制に関するものを総務省から分離し、新設する独立行政委員会に移管します。
電波利用料の引き下げにより、電波を電力のスマートメーター、遠隔医療はじめ多様な通信サービスにおいて活用できるよう促進します。
放送と通信の大融合時代に相応しい放送・電波制度のあり方を検討するとともに、NHK を公共 NHK と(民間とイコールフッティングで競争する)民間 NHK とに分割し、NHK 受信料制度の抜本改革を断行します。
表現の自由を最大限尊重し、マンガ・アニメ・ゲームなどの内容に行政が過度に干渉しないコンテンツ産業支援を目指します。MANGA ナショナルセンターの設置による作品アーカイブの促進、インバウンドを意識した文化発信やクリエイターの育成支援などを行います。
文化的コンテンツ等をデジタルデータとしてブロックチェーン上に記録したいわゆる NFT(非代替性トークン)について、イノベーションを阻害しないルール作りによる市場の拡大支援を行い、日本の強みであるマンガ・アニメ・ゲーム等のコンテンツ産業・アート市場のさらなる発展を後押しします。
日本維新の会政策提言より抜粋しました。見るとお判りいただけるかと思いますが、周波数オークション以外では立憲民主党と言っていることが非常に似ているというのが注目点です。ただ、他はどもかく周波数オークションは毎回謡っているにも関わらず議題に取り上げられた形跡がほとんどない(自民党は絶対反対ですから)ので、どこまで実行する気があるのかは疑問です。
日本共産党放送事業者の自主・自律の確立は、「放送の自由」に不可欠です
日本は、放送事業者に対する免許付与をはじめ、監督を政府(総務省)が行っています。しかし、世界各国では、放送における言論、表現の自由を徹底する観点から、政権が放送に介入しないよう第三者機関に委ねられています。
日本共産党は、政府から放送行政の監督を切り離し、新たに「放送委員会」(独立行政委員会)を設置するように制度改正を求めます。
NHKが公共放送としての役割を果たすことを求めます
2022年の通常国会で放送法が改定されました。この改定による受信料値下げのための原資積立の制度創設は、NHKの予算編成に政府・総務省の介入を招き、NHKの自律性を毀損させるものです。また、受信料契約の締結に応じない者を対象に割増金制度を導入することは、罰則的なやり方で、国民の理解と信頼を得ていくことに逆行するものです。
日本共産党は、放送法の本来の主旨にたちかえり、NHKが自主自律を確立し公共放送としての役割を果たすよう、国民・視聴者とともにその在り方をただしていきます。
芸術家、芸術団体の活動を支えます
映画やアニメなど日本映画の製作システムを支える財政支援を増額し、制度の拡充をはかります。
映画フィルムの保存を急ぐとともに、文化遺産であるフィルム作品の劣化や散逸、デジタル化に対応した映画作品の保存を進めます。フィルムアーキビストなど専門家の育成を進めます。
映画、アニメ、漫画、美術、デザイン、写真、音楽など、文化各ジャンルの貴重な遺産のアーカイブ(収集・保存・公開)を支援します。
著作者の権利を守り発展させます
著作権法を改正し、映画監督やスタッフ、実演家の権利を確立します。デジタル化、ネット配信など多様化する二次利用に対しては、著作者や実演家の不利益にならないよう対策を求めます。
私的録音録画補償金制度は、デジタル録音技術の普及にともない、一部の大企業が協力業務を放棄したことで、事実上機能停止してしまいました。作家・実演家の利益を守るために、私的複製に供される複製機器・機材を提供することによって利益を得ている事業者に応分の負担を求める、実効性のある補償制度の導入をめざします。
憲法を生かし、表現の自由を守ります
「アームズ・レングス原則」(お金は出しても口は出さない)にもとづいた助成制度を確立し、萎縮や忖度のない自由な創造活動の環境をつくります。
「児童ポルノ規制」を名目にしたマンガ・アニメ・ゲームなどへの法的規制の動きに反対します。青少年のゲーム・ネットの利用について、一律の使用時間制限などの法規制に反対します。
2022 参議院選挙政策より抜粋しました。なお、同党の公約文は前置きが長いのでシメの部分のみ掲載しています。出来ましたらリンク先の55や60を中心に読んでいただけると幸いです。概ね他野党の主張に加え、過去アーカイブの保全を訴えているのが同党の特徴と言えるでしょう。
NHK党NHKのスクランブル放送の実現
抜粋も何もないので一文だけ掲載しておきます。そもそも立党の理由が日本放送協会なわけですから放送全体に関する提案など他にこちら関係があるかと思いきや全くなし、です。他にもあってもいいのに。
公明党今回これと言ったもの見つけることが出来ませんでした。"放送"で検索をかけても引っかかるのは憲法改正の国民投票法に関することくらいです。自民党との連立はこれからも続くということで、そちらに注力の必要はない、ということでしょう。それにしてもこの党のPDFは字が細かすぎて見づらいのは何とかしてほしいです。今回見つけることが出来なかったのはそのせいかも知れません。読ませる気ないんでしょうか。
国民民主党かなり細かい政策まで掲げている同党ですが、放送・コンテンツ関連は見当たりませんでした。同党にお願いしたいのは、政策の文章を画像ファイルにするのではなくテキストのままサイトなりPDFなりにしてほしいです。後で探しづらいったらありゃしません。それゆえに見逃した可能性もあります。
社民党こちらも何もありませんでした。仕方ないですね。
他に”諸派"に分類される党がありますが、いずれも何も書いていませんでしたのでリンクも貼りません。一部の党は以前は周波数オークションの実現を掲げていたのに、今は全くなくなっています。影響力がちいさな政党ほど放送やコンテンツ分野への興味がなくなる傾向にあるようです。
以上、貴重ない一票(比例を合わせれば二票)を投じる参考にでもなれば幸いです。