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Channel: 録画人間の末路 -
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ストリーミング配信、最近の動き

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最近有料ストリーミング配信の動きが激しい。今までは公開期間期間限定のちまちました配信が行われるばかりだったが、規模が大きくなりつつある。「黒船」とも称されたHuluの動きがキッカケのような気がするが、それまでアニメの配信ばかりだったニコニコ動画の映画配信に加え、先日はYouTubeからも映画の有料配信が行われることになった。

YouTube、映画のPC向け有料配信。200作品/300円から
−ワーナー、バンダイほか。「ガンダムUC」など


これらがHuluの動向に対する対策であったかどうかは分からない。Huluは洋画ばかりだがいくつ見ても固定料金であるのに対し、ニコ動やYouTubeの配信は従来型の一コンテンツごとの料金という違いがある。国内全てのテレビ放送において録画に制限を入れさせることに成功し、その絶対化のためにゲーム機用コンテンツ保護の陰に隠す形で法律化をも進めようとしている日本の映像販売側から見れば、いつでも見られる固定料金よりはコンテンツごとの料金徴収で、視聴期間限定という形の方が理想に近いわけだから、これは当然だ。例外としてバンダイチャンネルの固定料金でアニメばかりだが見放題というものがあるが、これも見放題に入っていない個別料金徴収コンテンツへの誘導・宣伝を兼ねているという感が感じられる。

他の配信方式と違うYouTubeの強みは、なんと言っても知名度の高さ。それゆえにYouTubeの受信に対応したテレビも製品化されている。有料配信におけるテレビへの対応は未定、となっているが、やらないわけがない。現状でうまい料金徴収の方法がないゆえに後回しにされているだけだろう。パソコンのモニターで見るよりテレビで見られるに越したことはないはずだ。視聴姿勢のとりやすさが違う。

配信によっていつでも簡単に視聴できるようになれば、録画する必要はなくなるという意見をどこかで読んだ気がする。それも一理ある。それに、サービスにもよるが、連続ものですでにある程度話数が進んでしまっている番組も、一話目から見直すのも容易だ。わたしもYouTubeやニコ動で何度も同じ動画を視聴したことがある。無料で公開されている動画だからやろうと思えばダウンロード保存出来るが、いつでも見られるのでわざわざローカルHDDに置こうとは思わない。YouTubeやニコ動が、当分サービスを終了することは無いだろうという安心感もあるからだ。だが、それは無料コンテンツの話で、視聴期間が限定されるタイプの有料コンテンツとなると話は別。そもそも録画はなんのためにするかと言えば、映像を手元に置くためだ。録画保存しておくことで馬鹿みたいに繰り返し見続けるもよし、たくさんの番組名を並べることでコレクション欲を満たすのもよし、何かの機会に急に見返したくなった時にまた見直すもよし。録画保存、特にPCにファイル化して保存しておけばこれらが気楽に出来る。ストリーミング配信視聴で同等の欲求を満たすのは無理だ。固定料金システムのサービスもいつまでも続けるとは限らないため、動画保存を任せきりとするには不安がある。実際バンダイチャンネルは絶えず中身が入れ替わっている。わたしがストリーミング配信に魅力を感じない点はここにある。

ストリーミングがぶつかるのはレンタルDVDとだろう。よそはよく分からないが、わたしの地元ではDVDレンタツ店がほぼ全滅し、一番近い店でも徒歩だと片道40分はかかってしまう場所にしかない。こういう条件では狙った映画などが有料でも見られるストリーミング配信も便利かも知れないし、コンテンツごとの課金システムも合理的だ。レンタルと違って返却待ちが無い点は有利だが、配信がレンタルDVDに張り合えるほどコンテンツが充実する日はいつのことか。配信サービスごとに映像の提供元が少しずつ異なるため、永遠に追いつけない気もしてしょうがない。当分は宅配方式のDVDレンタルが一番便利だと思う。

ただ、録画人間の端くれとしての意見を言わせてもらうと、録画ほど新たな魅力を持った映像作品に出会える方法はそうそうない。映画を見に行くにしろ、DVDをレンタルするにしろ、有料配信を見るにしろ、自分がもともと好きなジャンルの作品しかおそらく探そうとしないだろう。お金を払うので、「やっぱりこの作品面白くないわ」と途中で見るのをやめてしまったら、まるまるお金の損になってしまう。一方、録画なら、とりあえず貯められるだけ貯めておいて、見なくてもどうということはない。見なくても手元に置いてあるだけでも結構満足できる。この物欲を満たせるのが録画の魅力だ。可能なら、いつでも録画できるビデオオンデマンドが主流となれば最高なのだが、多分日本では期間も地区もコンテンツも限定的なものしか用意しないんだろうなぁ。サービスの悪さ、レコーダーの存在感の縮小・・・。いつの日か日本ではストリーミング配信が主流にならざるを得ないんだろうとは思う。ただ、未だにブレイクのきっかけは見えてこない。多分タブレットPCが主流になるまで無理だと思う。

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