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Channel: 録画人間の末路 -
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メーカーが個人へ投資すると言う商売の考え方

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クロアチアでIFA2012の展示概要などを発表する「IFA 2012 Global Press Conference」(IFA GPC)が開かれたそうです。もう終わったのかな? あくまで見本市ではなく、その概要の説明会ということでしょうか。

国際家電見本市「IFA 2012」は、8月31日に開幕
−「スマートテレビ」もトピックに


やはりわたしらの関心はテレビ面です。特に日本では昨年後半よりテレビが売れなくなる現象が目立っていますが、日本ほど極端ではないにしろ、世界的にみてもテレビは売れなくなってきているようです。米国辺りでは3Dテレビだと普通の放送が普通に見られなくなる、という誤解を招いたので3D対応テレビだとかえって値段が安くなったという珍現象が起こった、という話もありますし(実際グラスレスの3Dポータブルメディアプレイヤーなどは2D表示がかなりひどいものがあるため、仕方のない話ですが)現在のところ、あらたな買い換え需要引き起こしのための新技術導入は失敗していると言っていいでしょう。
この説明会でも、2012年はスマートテレビが大きな変化の機会になり得る、と書いていますし、Philipsも今後スマートテレビに注力する、という報道もあります。日本だけでなく世界各国の経済界は次のテレビはスマートテレビにしようと考えていることは確実です。ただ、スマートテレビと言っても、わたしら利用者に良いことがあるのでしょうか? 

インターネットに繋がる? 昔からそんなテレビいくらでもあります。それにゲーム機を使ってテレビ画面にインターネットのブラウザ画面を映すことも出来ますから、わざわざテレビにその機能が追加される必要がありません。
テレビでオンラインショッピングが出来る? BSどころか地上波すら、時間が空けば通販番組ばかりやっているのが今の放送じゃないですか。番組で通販を見て、別モードでまた通販をやれと言うんですか? テレビを通販のための装置にするのがスマートテレビなんでしょうか。まるでキャプテンシステム(笑)です。
ビデオオンデマンドで配信番組が見られる? 一番組いくらの有料番組ばかりじゃないですか。あんなもの毎日使っていたらお金がいくらあっても足りません。仮に一番組315円だったとしても、毎日使えば1か月30日で9450円ですよ。そんなお金があるのなら、他にいくらでも使いたい分野はあります。

いずれもわたしらが「欲しい」と思う機能ではありません。メーカーら業界が「使って欲しい」機能です。テレビを買うことで終わりではなく、どんどん有料サービスを利用することで二次的利益をもたらすようになって欲しい、それがスマートテレビということなのでしょうか。他の展望は、そんなものを「付加価値」扱いされて値上げさせられるのではたまったものではありません。むしろスマートテレビにするのなら同クラスの普通のテレビより値下げして欲しいくらいです。
別に揶揄で言っているのではありません。単体で十分な利益を出すのをあきらめ、通販や配信のような後売りで儲けを出すのです。このやり方はゲーム機では当たり前のように行われています。何度か本体だけでも利益を出す値段設定にしようと挑戦が行われたこともありますが、対抗メーカーと比べて割高感が出てしまい、やむを得ず値下げしてゲームソフトの方で利益を出す方針に転換する、ゲーム機の歴史はこの繰り返しです。また、このやり方はAPPLEがマネして大きな利益を生み出しているのはご存知の通り。だったらテレビもそれをやればいいいのです。通常のテレビの機能を十分備えていて、それでいて安いのなら、スマートテレビを買う人も増えるでしょう。抜いた儲けは、後の市場を作るための、個人市場への投資と考えるのです。土壌さえ作ってしまえば、後は如何に儲けるかはサービス次第です。

もはやそればかり作って選択肢を奪い、半ば強引に利用させようとするやり方は愚の骨頂。あえて選択肢を増やして、利用者の意志で後サービス型テレビを選ばせたと思わせる方がうまく行くように見えてなりません。「スマートテレビ」を名乗るのならそれくらいやってしかるべきでしょう。ちなみに別選択肢としては、前回エントリーで書いたような真逆の発想、余計なものが一切付いていない代わりに基本性能を追求したシンプルテレビが用意されれば、わたしとしては言うことがありません。

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