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Channel: 録画人間の末路 -
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DLNA解散、そしてさらばDLNA

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最近また冬型の気候になってきて天候が荒れ気味nなってきましたね。わたしはこの数日スカパー!プレミアムの録画がほとんど失敗したドロップだらけのものばかりで落ち込んでいます。早く春にならないかな。


なんか実際の発表よりかなり遅れて日本には情報が入ってきたようですが、録画趣味の人なら誰でも一度は世話になった規格、DLNAの認証運営をしていた非営団体、Digital Living Network Allianceが一月に解散していたとのことです。

DLNA解散。13年で40億台の音・映像のホームネットワーク相互接続を認定

なんでこういうことはもっと早く教えてくれないのでしょうか。音楽ネットワーク共用もDLNA規格の一部ではありましたが、なんと言っても動画、それも録画した動画をネットワーク上のどの端末でも再生できる、がDLNAの認知でしょうか。PCで録画ができるようになり、チューナー付きキャプチャーボードが多数発売されてMPEG2で直接録画が実用的になったころがDLNA規格の最盛期でしたでしょうか。一時代を築いたネットワークメディアプレイヤー、ゲーム機である以上に動画再生能力が評価されたPlayStation3、それらに動画を送るDLNA対応NASやPCソフト。意識的にはもちろん無意識のうちに使っていた人は多いでしょうし、今でも現役バリバリで利用している人もいると思います。ただ、日本ではご存じの通りデジタル放送に規制などというバカなものをかけた関係上、DLNAではなくDTCP-IPという事実上のガラパゴス規格が必要となってしまい、DLNAは軽視されるようになってしまいました。しかも、DTCP-IP規格はDLNAと比べると遅いし余計な認定項目が多いせいで機能はヘッポコだし、いいこと一つもなかったんで、結局PCを使った自由な形での録画の流れにマニアは言ってしまい、DLNAはDTCP-IPに引きずられるように忘れられていったのですが。多分もう何年も新しい規格などDLNAからは出ていなかったのでしょう。

と、言ってもDLNA自体がなくなるのではなく、別の会社が認証を行う事業を引き継ぐとのこと。ただ、こちらは非営利団体ではないので、料金が発生すると思われますので、今後DLNAの認証をわざわざ受ける機器は出てこないかもしれません。そういう意味では「さらばDLNA」と別れを告げてもいいかもしれないですね。

Ryzenへの対応で怖いこと

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やっと冬型天気を脱出し、スカパー!プレミアムの録画でもドロップが発生しなくなって(まだゼロじゃないですが)ほっと一息。最近は直近の心配事が特になく、安定した毎日が送れています。

代わりに近々来そうな楽しみが、AMDの新CPU、Ryzenであります。個人的本命の新APUはまだ先のようですが、ベースとなるCPUが久々の新アーキテクチャですから使いたくて仕方ありません。秋葉原では3日午前0時と同時に発売されるのが決定しているようですが、さすがにそれを買うのは無理ですから、まぁ入手でき次第・・・ってことになりますけどね。
ところでこのRyzen、一説によればレビュー解禁は2月28日だったとのこと。もちろんアメリカ基準の話ですから、日本だとそれより遅くて3月1日ということになっていたでしょうか。ですが、今もって日本のサイトではレビューはもちろんRyzenの情報すら掲載されていません。日本AMDはこういったレビュー・情報の解禁に割とうるさく"縛る"ことがありますので発売日の3日までおそらく掲載できないのでしょう。ただ、それにしても商業サイトの扱いは静かです。

こうした流れに、ちょっとした危機感を感じています。それは、Ryzenが果たして商業サイトなどで評価され、一定の支持を得られるのか?という疑問があるからです。もちろん全く評価しない、などということはあり得ないでしょうが、発売日に軽く振れるだけ、それも比較対象にIntelのCPUは使わず、FXなどのAMDの旧世代CPUやAPUと比べ、ベンチマークが向上したといったサラリとした記事で半分無視に近い扱いを受けてしまうのではないか、という心配はあるのです。
というのも、Intelの現在の主力CPUであるKabylakeはまだ発売されて2か月しかたっていないため、当然次が出るのはだいぶ先ということになります。それがRyzenとの比較で負け、早くも新鮮さや注目を失うようなことになれば、メーカーはもちろんPCパーツをU扱うショップでもそれなりに売り上げに影響を受けることになってしまいます。IntelとAMDではどうやっても入荷の数はもちろん関連商品の数も段違いですから。ちょっと捻くれた見方をすれば、AMD製CPUがIntel製CPUの売り上げに水を差して喜ぶのは、AMD関係者だけですし。
しかも、事前情報ではRyzenはKabylakeはもちろん非常に高価なBroadwell-Eとの比較ですら、はっきり勝っている点(価格性能比など)はあっても、はっきり負けている点はなさそう、とのこと。正直Broadwell-Eはかなり高価なので、これが売れなくなるほどの安い高性能な別製品が出るのは、多分売る側としては嬉しいことではないはずです。それなら、Broadwell-Eがある程度さばけるまでRyzenに関しては積極的に扱わない、としてもそれほど不思議ではないと思うのです。もちろんはっきりと勝てる部分があるだろう次のハイクラス向けCPU、Skylake-E(仮名。少々眉唾ですが12コア24スレッドモデルも出るかも、とか)が出ればRyzenと比較されるでしょうが。
一般向け主力製品のSkylake/Kabylakeに関して言えば、これはRyzenとは違った魅力があるのでなんとかなるという気はします。おそらくチップセットは改良をかさねたIntelの製品に一日の長がありますので多機能さなどで一枚上でしょうし(AMDの方でも必要十分くらいは賄えるでしょうが)、なによりマザーボードの種類が豊富です。わたしがRyzenのマザーボードとしてほしいものは
・MicroATX
・メモリスロットは2つでいいので縦幅の狭いもの
・PCIーExpressx16を一つ、x1を二つはキープできるもの
の三条件を兼ね備えているものです。他に必須ではないですが
・M.2SSDを、PCI-ExpressのスロットやSATAとは排他利用にならない関係で搭載可能
・PCIも一つ欲しい
であれば言うことないです。ちなみにM.2SSDは速さを求めてではなく、今までケースに搭載していた起動用SSDを電源やSATAケーブルなしでマザーに搭載することによって、HDD搭載数を一つ増やすためです(笑)。仮にそれによってPCI-Expressx16スロットがx8動作に落とされるくらいなら個人的には全く問題ありません。後の二条件はともかく、わたし必須の三条件を満たすRyzen用マザーは、おそらくあるでしょうが、日本に入ってくるとは限りません。Ryzenはハイクラス向け、と定義してゲーマー向けやOC体制の高い大型マザーばかり売られても不思議ではないからです。AMDの規模では、当面あらゆる需要を満たすほどの製品が出るものにはならないでしょう。一方、IntelのKabylake向けなら間違いなくこの条件に近いものが国内で売られているはずです。現行のチップセットはもちろん、Skylake向けの旧世代チップセットでもKabylakeは動きますので、選択肢は豊富に存在するでしょう。そうした自分にあったPCを組むにはIntelの方が都合がいい場面は多いはずです。ですが、購入者の目がRyzenばかりに向いて、Kabylakeに目を向けなくなったら・・・。ちょっと想像すると怖いことになります。
Kabylakeは先代SkylakeからCPUコア部分は、発熱量を少し抑えた分クロックが上昇できるようになった、程度しか変わらず、買い替え需要を起こすほどの機能アップはしていません。GPUは大きく変更されていますが、そこに注目する人は少ないでしょう。よって、発売当初秋葉原で行われていたイベントでは、いまなおかなりの人数が存在するSandyBridgeから移行しないユーザーに買い換えを促すものになっていました。少なくとも商業サイトや雑誌を展開するimpressはそれに協力した後は見えますし、それだけにRyzenがいくら性能が良かったとしても強く押すわけにはいかないと思われます。
こうした商売上の理由から、わたしのド素人考えでは、Ryzenがあまり扱ってもらえない、ということはありうる気がするのです。先代のFXは弱点が多く存在しましたので長所もそれを利用して簡単に見えなくすることができ、Intelの引き立て役として商業サイトで比較対象にされ続けられてきましたが、Ryzenはそれが目立てないとなるともう無視するしかないか、と。まぁわたしとしては商業サイトや肝心のIntel御大がそんなけつの穴の小さいことを言わず、堂々と迎え撃って情報をバンバン乗せ、ショップにも損させない捌き方をしてくれるものと思いたいところですが。

Ryzen、本気で好評発売中

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ども、3月3日はNintendoの新型ゲーム機、Switchの発売日・・・という世間の常識を無視して、PCユーザーの間で熱かったのが、AMDの新CPU、Ryzenをめぐる動きでありました。Intelの高価なCPU、Roadwell-Eの不良在庫化を嫌って半分無視、というわたしのいい加減な予想に反して、商業サイトは一部執拗にIntel系最大の得意分野であるキャッシュとメモリ周りばかり重視したところもあったものの、大半はRyzenとKabylakeやBroadwell-Eと比較して遜色ないか上回っているベンチマーク結果を公表、また発売解禁が昼の12時などになることがおおいAMD系では珍しく秋葉原で深夜販売が決行されたようです。先々月のKabylakeの深夜販売が空回りに終わったために参加を見合わせたパーツショップもあったゆえに、深夜販売を行ったショップでは300人ともいわれる人が集まり、その過半数がただの見物だけでなくRyzenを買っていくという大盛況ぶりであったようです。また、2ちゃんねるのスレッドもRyzen関係が大乱立してちと混乱気味ではありますが、概ね好評のようです。
思えばそれ以前の情報は小出しであり、一部ソフトの結果しか公表されなかったこともあって、Broadwell-E以上、という話もほとんど右から左を流されていたのが大半のPCユーザーの反響であったようですが、発売直前になってGIGAZINEが海外の情報を使ってベンチマーク情報の掲載したあたりからなにかが噴出したようにRyzenに注目が集まり、出る情報のほとんどが従来CPU性能で高い能力を示すものばかり。そして販売後に出てくる購入者のレビューもそれを裏付けるものばかり・・・となっていったようです。なんだかんだ言ってGIGAZINEの影響力は大きいということを思い知らされました。なお、当然ながらわたしは地方在住ですから、まだ入手などしていません。もともとAMDに辛い扱いしかしていないパーツも扱う量販店はもちろん、パーツよりも完成品と中古しか扱わない某秋葉原の支店ではどちらも入荷などしてくれていないからです。特にマザーボードは品薄で、秋葉原のショップでは軒並み売り切れ、という話です。まぁどうせわたしは通販ですし、通販の在庫はどこもそこそこ確保してあるみたいで、少なくとも売り切れ、にはなっていないのですが。
わたしとしては、この数年の商業サイトのいい加減なレビューに嫌気を覚え、代わりに自分で正しいAMD系のエンコード性能を調べて公開するのを使命みたいに感じていたのですが、今回は時間がなかったせいもあって商業サイトもメモリ周り以外にAMD系の弱点を発見できずに普通に公開するしかなく、さらにはすでにいち早く購入した熱心なユーザーからエンコード性能の高さを示す情報が次々と公開されています。こうなると、もうわたしの出番もないですね。もちろん現在出ている情報がわたしは事前に調べたいと思っているRyzenの動画処理能力のすべてではないですが、そこはもう趣味の領域でしかないかな、と。まぁ予想通りMicroATXは日本にはあまり入ってきていないようですので、あせって買って、ウチのシステムやPCケースの入れ替えにあたふたするより、わたしの条件に近いマザーが出るまで待つとしましょう。そのころには6コアや4コア、あるいはAPUも出てくるかもしれません。現行のRyzenはどちらかと言えばBroadwell-E対抗で、コストパフォーマンスはいいようですが絶対価格としてはCPU単体で4~6万円とそれなりの価格ではありますので購入を見送り、Kabylakeと競合する4~6コアやAPUこそ購入の本命と考えている人も多いと思います。そしてクロックで言えば4コアや6コアの方が現在出ている8コアより高くなっても不思議ではありません。AMDはRichlandのころから熱を分散して効率よくクロックを上げる設計に熱心でしたし、もともとコアが少ない方がクロックを上げるには有利ですから。Intelの2コアCPUが4コアのものよりクロックが低いのは、ハイクラスを喰わないようにそうしているにすぎません。AMDがそんなケチなことを言わないのなら、分野によってはロークラスがハイクラスを超える性能を示す可能性もあるわけです。あわてて買う必要はないでしょう。

一方、歴史的に競合他社をどこよりも恐れ、対抗策を打ち出すことで性能をあげ、競争力をつけてきたのがIntelという会社です。売り切れ続出という品薄による購買意欲の上昇もあって、ユーザーの目がAMDに向いている状況を放っておくわけはありません。多分Skylake-Eや時期CPUの前倒し・強化などなにかしら手を打ってくるでしょう。ただ、AtomがARM系に事実上敗北宣言を出したあたりから、歯を食いしばってでも・・・という以前ほどの気迫も見られなくなっています。このままでは、ただIntelの市場を喰い荒らしにきたAMDのRyzenに振り回されるだけです。SkylakeからKabbylakeのようにほとんどGPU部分しか改良がなかった新型を出しても、残念ながらIntel支持ユーザーの大半はIntelのGPUを使いませんし、ましてGPUの性能も統合能力もAMDの方が一枚上ですから、本気で同じ土俵にたてば勝ち目は薄いかも・・・。だからこそIntelに望まれているのは「予想を覆す一手」ではなく、「予想通りの一手」であるかと思います。しばらくは挑戦者の位置に立つIntelにも注目してみましょう。

本命、Raven RidgeはUltra HD Blu-rayに対応するか

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以前はRyzen7用に、できれば小型のMicroATXマザーが欲しいといっていましたが、諦めました。とりあえず某ショップなどの通販サイトを眺めているのですが、AM4マザーはどれもこれも売り切れ。一応入荷はされているみたいですが店頭優先で通販に回す余裕ないみたいです。店頭なら一枚入荷でもポップ書いとくだけですけど、通販だとサイト更新の分手間かかりますし、ある程度まとまった数がそろわないと回せないでしょうしね。かと言ってこのまま買わずに当分放っておく、というのも、物欲というより調査欲(造語ですが)が許さないですし、それなら大型ケースを解放して、こっちにRyzen入れてもいいや、と考えているようになりました。大は小を兼ねますから、ケースが大きければATXでもMiroATXでも搭載できますしね。ただ、ゲーミング向けの高額なマザーは意味ないので、B350チップセット搭載の、SATAと拡張スロットが十分ある~ATXならできればPCIも~やつにするつもりです。OSも、しぶとく8.1のままにしていましたが10に上書きインストールしましたし、準備は万全です。小型マザーは、Zenコア搭載のAPUが発売されれば、それと組み合わせるためにいろいろ発売されるでしょう。単体CPUのRyzenとこれからでるAPU、Raven RidgeはRichland以来久々に同じコアを使用することになりますから、より小型PC向けがAPUの市場となるでしょう。勝手な予想ですが、6コアが予定されているRyzen5は現在発売されているRyzen7のコア無効化版が使用されつでしょうが、4コアと思われるRyzen3は主にAPUのGPU無効化版が使用されるのではないか、などと思っていますので、Ryzen3は少し先になるかも知れません。本来ならそのロークラスを従来型コアの最終型、Excavatorを採用したBristol Ridgeが穴埋めするはずだったのですが・・・。まぁ今となってはそんなものを出されて在庫処理の関係で新APUの発売が後回しされるより、Zen採用のRaven Ridgeの発売を急いでもらったほうがいいでしょう。

個人的にAPUが一番本命と考えているのは、内蔵GPUがもう一つのプロセッサとなり、CPUよりも得意分野の計算においてはそちらが担当することでより高度なソフトウェアの動作が可能になるのではないか、と思っているからです。両者の連絡を密にするにはPCI-ExpressというCPUやメモリから見ればかなり遠くにあるバスに搭載されたGPUでは無駄が多すぎます。APUは単なるCPU+ロークラスのグラボ相当品ではないのです。Intelもそうした段階が次のCPUには必要であるとわかっているからこそメイン向けではGPUを内蔵させているわけで、実際Skylake以降はOPEN CLへの対応性を押し出していますし、そのうちそうしたAPU型CPUへの対応を謡うソフトも出てくるでしょう。そこはIntelですからフォローは手厚いでしょうし。


Intelが内蔵GPUを押す理由のもう一つが、動画再生能力。と、言うとIntelの内蔵GPUは動画の再生においてAMDのRADEON・NvidiaのGeForceのような補正機能が不足しており、動画再生重視者が積極的に使うものではない、というイメージが先に浮かんでくるでしょう。そこらへんは実際に使っているわたしも実感していますが、Intelが重視している動画再生はより高画質の再生ではなく、他GPUに先駆けてフォーマットに対応することにあります。実際H.265/HEVCのGPU再生も早かったですし。そして最近、完全に他GPUに先駆けて対応したのがUltra HD Blu-ray、ようするに4K解像度の映像を収録したBDソフトの再生です。現状PCで再生する場合、GPUで利用できるのはIntelのKabylakeと、同時発売のチップセットの組み合わせのみです。それ以外にもBDドライブはもちろん最近の4Kテレビ(実質ディスプレイ単体では一般向けには現状対応したものがない様子)も必要ですし、マザーボードの対応も必要、それをクリアしてなお・・・とハードルが高すぎる印象ですが。

こいつ(UHD BD)……、(PCで)動くぞ……! もし、動作環境がニュータイプなら

ちょっと前の記事ではありますが、それらハードルを乗り越え、自腹を割いてなんとか再生にこぎつけたものの、意外と大したことなかった・・・という顛末が紹介されています。正直この記事を読んでUHD BDのPCでの再生に挑戦したい、と考えるのはよほど金持ちで変わり者だけでしょう。ちなみにわたしは後者の自信はありますが、前者の自信はありません。
IntelのGPUのみがいち早く再生に対応できた理由が、CPUパッケージにGPUが内蔵されているため、そこに専用規制回路を搭載できるから、というのがあります。ご存知の通り著作権業界は常時被害者意識の塊で、普及はさせたいがPCには制限をつけないとどうのこうの、と理屈をこねりだす傾向にあり、UHD BDをはじめとする4K映像に関しては「PCI-Expressのバスすら通したくない」のだそうで、そちらに外付けするグラボに使うGPUには現状UHD BDを使わせたくないのが意向のようです。
動画の補正機能に優れたGPUと言えばRADEONというのがPCユーザーの定番。ならばそのRADEONをCPUと同パッケージに搭載するAMDのAPUなら全ての条件をクリアでき、UHD BDの再生ができるのでは・・・と考えたいところですが、これも難しいかも。単体GPUもAPU搭載GPUもコアの数や世代によるアーキテクチャなどの違いはあっても基本同じものであり、特にAPUだけに専用回路が搭載される、といった前例はないはずです。その分コストのアップや発熱への気配りなどの影響もあり、AMDとしてはなるべく余計なことはしたくないはずです。
また、これはうろ覚えのことで申し訳ないのですが、日本で地上デジタル放送を普及させるため、PCでも対応させようと考えた映像業界が、やはり「スクリーンキャプチャもさせたくない」と言った思考から各GPUメーカーに制御機能の搭載を打診したところ、NvidiaもAMDも日本でしか使わない余計な機能に関してまともな返事をしなかった中、Intelだけが相談に応じた、という話があったように記憶しています。結局Friioショックでそれを待っていられず、ソフト的に制限させただけのチューナーボードの発売に踏み切った~そこまでやっても全然売れなかったようですが~ため、話は発展しなかったようですが、Intelとはそうした発想のあるメーカーだということにちょっと驚いた覚えがあります。Intelにとって重要な顧客とは実際に利用するユーザーよりもIntel製品を使ったPCを製造するメーカーであるということなんでしょうね。もちろんそれが悪いとは言いませんし、本来半導体メーカーというのはそういうものでしょう。むしろそれによって便利な製品が作られるのなら良いことです。ですが、先に書いたUHD BDのように、とても便利とは言えない結果だけが出てくるのがこの手の被害妄想にとらわれた人たちの自己満足の結果なんですが。

そうしたわけで、Raven RidgeがすぐにUHD BDに対応してくるとはあまり思えません。何よりUHD BD自体普及するかどうかかなり疑問があります。Intelの4K機能は条件を全部クリアすればUHD BDだけでなく、Netflixの4K動画も再生できますが、そこまで解像度があがるともはやPCで手軽に見るものではないという気がします。そんなものにコストアップにつながる制御回路を搭載するくらいなら、すでに普及し、PCでの再生環境も十分整っている現行BDやDVDをより高画質に再生できる方面に力を注いでくれた方が、利用者としてはむしろ得という気がしますし、UHD BDにはいろんな意味で期待しないで、APUを待ちましょうか。

今度はCPUだ、わけわからん

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ネタがまだ旬ということでRyzenのことばかり書いていますが、もうしばらくこの体制が続くことになると思われます。
発売当初はマザーボードが品薄で買いたくても買えない状態が続いていたAMDのCPU、Ryzenですが、先週末くらいから各店ともだいぶ入荷することができたみたいで、各AM4対応マザーが通販サイトで"在庫あり"状態となっています。これはやっと買えるか?とちょっと喜々としてその中から比較的よさそうなもの(M.2あり、SATA多めなど)を選択し、いざ購入へと行こうとすると、今度はもう一つ肝心の別のものがない・・・。そう、CPUそのものが売り切れている状態なんです。
と、言ってもどこを見てもないのはわたしが当初から一択と考えていたRyzen1700だけ。1700xは店によっては在庫ありになっていますし、最上級の1800xはほぼどの店でも在庫アリ状態になっています。一番性能の低い1700に人気が集中しているようなのです。これは1700だけワンランク値段が安く、それでいて性能差は上級と比べてもさほど大きくないというお買い得感が働くからでしょう。また、とりあえず他者より早く情報をネットにあげたい、と考えて最上級を買う熱心なユーザーの需要がひと段落し、そうした情報に興味を持って「じゃぁRyzen買うか」と腰を上げた人たちが、上級の2つの値段にちょっと躊躇した結果だと思われます。もう少し待てば、それこそ来月11日か12日にも6コア/4コアモデルのRyzen5型番が発売されるので、そうした人たちはこちらを選んでもよさそうなんですけどね。特にゲーム用途だとIntelCPUでの最適化調整が行われているでしょうからCPUのマルチコアより少ないコア数でクロックが高い方がパフォーマンスが出るとされていますから、クロック控えめのRyzen1700より有利になる場合が多いはずなんですが。泣きを見るのはエンコード目的のユーザーばかり・・・ということなんでしょうか。

それにしてもわけがわからないのは、現在Amazonで売られているRyzen1700。専門店や量販店ではなく、何を売っているのかわからないような謎の業者(個人からも出品されているケースもあるかと思いますが)が出しているのですが、軒並み高価で最上級の1800xと同等以上、というとんでもない値段になっております。人気だから値段釣り上げちゃえ、と安易に高くしたり、転売で儲けようとしている出品者が多いのでしょうが、1700は1800xより安いから注目されているだけであって、1800xより性能面で優っているのはせいぜいクーラーが付属していることくらいでしょう。それも必ずしも必要じゃないので、あの値段じゃ売れるわけありません。人の足元みる業者や転売屋の考えることってホントわけわかりません。ああいう人たちに買い占められて困るのは、せいぜい利用目的が動画エンコードでかつ日ごろからIntelCPUを使う場合でもハイクラスの中でもハイミドル~ハイロークラスを購入している関係から、データを取るための比較対象がそれなためにAMDでもハイロークラスのCPUを欲していて、かつ条件をそろえるために純正CPUクーラーの方が都合がいい、という人間、すなわちわたしくらいなんですけどね orz もちろんああいうところからは絶対買いませんけど。

つーわけでまたしても買い時を逃してしまいました。ここまで遅くなると、逆に4コア/8スレのミドル~ロークラスRyzen5とか試した方がいいのかなぁ、後でAPUに交換することもできるし・・・、下位モデルでIntelのi7クラスにどこまで迫れるか、エンコードなら結構比較になるのではないか、のデータを出した方が面白そう・・・などという邪悪な考えも頭をよぎっています(^^;)最悪2つ買うかな?

シン・ゴジラBDで視聴

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昼間は入荷していると噂があっても、夜アクセスするとすでに売り切れているRyzdn1700。おかげでいまだに買えません。ちなみに地元のショップは取扱い量販店アンド某ショップのどちらも、Ryzenなど最初から存在しなかったのごとき取り扱い状態で、「売り切れ」のポップや貼り紙がないどころか商品一覧表にいまだにRyzenが入っていない有様です。ホント前回半分冗談で書いたんだけど実際買うのはRyzen5の4コアになりかねない。最終的には8コアとAPUの2台使いにするつもりなので、CPU単体の4コアはすぐに外される短命な存在になる運命なんで勿体ないんですけどね、まぁそんなこと言っていたら組み立てPCなんか使ってられないのですが。


わたしが買うのはPCばかりではありません。本来の趣味である映画ソフト、それも幼いころからわたしの心をつかんで離さない怪獣もののDVDやBDこそ至高の買い物です。そういうわけで、昨日、ついに昨年の大ヒット作、シン・ゴジラのBDおよびDVDが発売されました。

シン・ゴジラ Blu-ray特別版3枚組長谷川博己,竹野内豊,石原さとみ東宝

DVD版や、HDR対応のUltra HD BD同梱版(BD版にUHDBDが付属する4枚組の模様)も存在しますが、DVDは今回は買う気はなく(まぁそのうちDVDマガジンが出るでしょうから、その時は買うんでしょう)、UHDBDは視聴環境はまだ持っていませんし、当面購入予定もありません。現状わたしが買うに最適な媒体であるBD版を購入視聴するのが無難でしょう。邦画らしく値段は高いのですが、価格だけで価値は測れませんから。
地元は専門店はすべて撤退してしまってBD・DVDソフトが豊富に買える店はないのですが、大型書店では有名作のBD・DVDは売られます。多分シン・ゴジラくらいなら売られるでしょうが、休日に買いに行って売り切れていた、という現象は避けたいのでおなじみAmazonで注文。届いたBD特別版はパッケージにゴジラが描かれているわけでもなく、文字だけのシンプルな構成です。あまり怪獣ものらしくないものでちょっと物足りないですが、仕方ありません。

仕事が終わってから落ち着いて視聴。一応同梱の解説によると一部修正が加わっていて映画館で視聴したものとは画や映画内テロップが異なる部分があるようですが、さすがにそこまで覚えていません。映画がそのまま見られれば十分です。ちなみに家のプラズマテレビは父親の独占状態でBDレコーダーがつながっていないため、離れにある42型液晶テレビでの視聴を行っています。画質は概ねよく、液晶テレビで見ても、本編の見せ場である暗闇でのゴジラの暴走もつぶれることなく十分視聴が可能です。ただ、映画全体を通してみると一部ブロックノイズの浮くような画質になる箇所が見られました。本編のカットは一部を除いて5秒以下、という細かいカット割りで描かれる(逆を言えば、5秒以上続くカットには何らかの意味があるということなんでしょう)のですぐ見過ごしてしまいますが、おそらくは記録映像などを加工流用したもの、あるいは意図的に質の劣るカメラを使って撮影された箇所なのでしょう。確か当時のインタビューでは臨場感を出すためあえてスマートフォンで撮影した画もあるとのことなので、そうした質の差が比較的分かりやすくなっている印象です。もちろんこれはエンコードが丁寧に行われた結果であることを意味します。
さすがに家の、まして液晶テレビでは映画館で鑑賞したときほど巨大感は感じません。それゆえに違った感覚で視聴することができます。そこでふと感じたのが、"暗闇のゴジラの熱線放射から東京が炎に包まれていくシーンがそれまでの"画"からまるで描いたような"絵"っぽくなってしまうのは、てっきり技術的問題でああなるしかなかったと思っていたのだけど、「わざと」ああした"んだろうなぁ、ということ。シン・ゴジラが原発のイメージであり、それがもたらす被害のシーンが東日本大震災のイメージで作られていることは言うまでもないことでした。災害の爪痕・記憶が色あせるまでは都市破壊のある怪獣映画が日本で作られることはないのではないか、とすら考えていただけに、ああいうシーンがあるだけでも大したものなのですが、結局のところ、あそこだけはリアルになり過ぎないようにした「自粛」なのでしょう。例えるならば、テレビの番組で死を連想させるほどの出血シーンがモノクロ処理されるようなものです。映画ではそうした自粛はあまりやらないので、やはり庵野秀明総監督がテレビ番組畑の人であるがゆえの発想なのでしょうか。映画全体を通しても人の死は間接的な連想を伴う形でしか描きませんでしたし、おそらくシン・ゴジラを作る際に決められた軸であったと思われます。

画質は大体良好でしたが、意外だったのはAMDのFluid Motion(AP・KaveriU使用)との相性も悪くなかった、ということ。一部液晶テレビの4倍速モードほどではないにしても、Fluid MotionもCG処理のVFXとの相性は悪く、CG臭さの増大による画質低下を伴いますが、本作のゴジラはハリウッド作品ほど動かず、動いても緩慢であるため、60fps化されたことで現実感が増した印象を持ちました。もちろん相性抜群のアナログ特撮ほど高い効果は出ていませんが、一度試す価値はあると思います。

おそらく見られる人はまだ数えるほどしかいないであろうUHDBD版シン・ゴジラ、それを監督の樋口真嗣氏をはじめとするスタッフが東芝製有機ELテレビを使ってチェックする記事が少し前に公開されています。

樋口監督ら「シン・ゴジラ」制作陣も驚く高画質。4K有機EL“シン・レグザ”上陸

事実上の広告企画であること、また樋口監督は以前東芝がHDDVDの情報サイトを展開していた際に映画ソフトの内容と画質を解説するコーナーを担当していたことがあるがゆえに同社との付き合いが深いことが予想され、かなり持って記事が書かれているとは思われますが、それでも本作の見せ場に漆黒の中で展開する特撮シーンがある以上、HDRをサポートした有機ELテレビでUHDBDソフトを再生するのが映画館での鑑賞以外の視聴でベターなのは間違いないでしょう。4Kなんてヘタに買うと地上波キー局を図に乗らせて放送録画禁止へ導かれるだけなので買いたくないのですが、HDRは手元でも欲しいと思っています。UHDBDも解像度よりHDRによる色再現の方が画質への影響力が高いという話ですし。4K8Kとわかりやすい数字の解像度ばかり追求したテレビばかり作っていないで、2Kのままでいいので従来のBDソフトでHDR再現してほしいですねぇ。そういえば最近パナソニック独自の規格、MGVCをあまり聞かなくなりましたが、まだ頑張っているのでしょうか? それともUHDBDによる4K普及のために身を引いたのでしょうか? わたしとしてはどちらというとMGVCを46型以下の2K有機ELテレビで見たいのですが。

キング・コングにあらず、キングコングなり~キングコング: 髑髏島の巨神~

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最近の前売り券はこんなの


何をもって幸せを感じるかは人それぞれ、また同じ人であったとしてもその条件は一つではないはずです。ですが、「あるべきものがあってくれる」「あって欲しいと思うものが来てくれる」ことはどんな幸せでも外せない条件であると思います。そういう意味では、この数年、毎年怪獣映画が見られるという時間を過ごしていることは、この上ない幸せと言えるのかもしれません、わたしにとっては。

と、いうわけで今年の一本はアメリカ製怪獣映画の元祖、「キング・コング」の流れを組む「キングコング:髑髏島の巨神」です! 怪獣映画の王道と言えばやはり都市に出現して人間の軍隊や敵対する怪獣を相手に大暴れする、というものですが、本作のような「孤島もの」もまた王道の一つです。実際1934年に製作された「キング・コング」の続編「コングの復讐(邦題ではこうだが、原題はSON OF KONG~コングの息子)」は前作でのコング暴れの責任で莫大な被害請求を突きつけられた主人公のデナム一行がその支払いの資金を稼ぐため、凝りもせずに再びスカル島を訪れた・・・という内容となっており、ストーリーの大半はスカル島内で展開する元祖孤島ものとなっていました。これはあまりに前作がヒットしたゆえに映画会社から一刻も早い続編をと要求されたにも関わらず予算も半分以下と言われるほど大幅に削減されたために時間と金の両方がなく、スタッフとやる気がでなかったという理由があったためのようです。孤島ものは割と簡単にセットを低予算化できるうえに人を襲うシュチュエーションが描きやすいなどの利点もあるため、それ以降もアメリカやイギリスでは多くの孤島や同様に隔離された空間で怪獣や恐竜が登場する低予算冒険ものが作られました。一方日本では、というと意外に少ないのです。せいぜい「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」「決戦!南海の大怪獣」のほか、毛色はだいぶ違いますが「マタンゴ」くらいなものでしょうか。あとは思いつきません。やはり日本では怪獣は人を襲うより都市を破壊するほうが、特に子供のウケがいいと判断されたのか、これ以降の作品での予算削減方法は"破壊シーンは旧作の流用""怪獣同士のバトルシーンを増やし、それは郊外の何もない原野や建設予定地で"という流れになっていきます。ただし、ウルトラシリーズのようなテレビ特撮では「怪獣無法地帯」など孤島ものも多く作られています。それだけに「孤島ものこそ洋画怪獣の本領」という心理がわたしの中では勝手に働いてしまいます。「ジュラシック・パーク」シリーズも第2作を除き、この孤島ものにあげられるでしょう。

ただ、ものがキングコングなだけに少々不安が。先にあげた「コングの復讐」にしても時間に予算にやる気、すべてが前作に劣っていたとはいえ、怪獣の人形アニメートはフルアニメートしていないうえ個性が足りず、迫力に欠けますが、「キイコ」あるいは「キコ」のコードネームがつけられたコングJrだけは愛嬌のある動きを見せてくれたので及第点は十分つけられます。それ以上に不安にさせてくれるのが、当ブログでもものすごく昔に取り上げた誰も知らないだろう「キング・オブ・ロストワールド」という酷い映画が本題「キングコング:髑髏島の巨神」と設定が似てまして。パッケージのデザインも2005年度版「キング・コング」そっくりにしてあるのに出てくるコングはニセモノとはいえ、目つきもCGの動きも悪い、お世辞にも褒められないもので、肝心の怪獣バトルも始まったと思いきやフェードアウト、人間たちがドタバタしたり盛り上がらない格闘している後ろの方でチラチラ映っているだけ、という期待を裏切るにもほどがある、というものでした。それに本題の映画のVFXを手掛けたのはあの「GODZILLA」(2014)のメンバー。あれも兎に角怪獣バトルをはっきり描きたがらずにとことんヤキモキさせられる映画だっただけに、どうしても拭えない「キング・オブ・ロストワールド」感。まぁあんなもんと比べるのも失礼というものですし、何よりそんな暗黒面に堕ちたマニアしか見ない映画を真っ先に連想した人間が海の向こうにいるなどと夢にも思わずに作ったと思いますが。
しかし、それは全くの杞憂。本作でのコングは登場も画面での映され方も隠す気の全くない、常に大写しに描かれるものとなっています。どちらかと言えばゴリラなど人に近いサルをイメージさせられる2005年のキング・コングとは違って動きは人に近く、それでいてサルの運動能力を31mという巨体で保った、まさに怪獣という印象です。序盤でいきなり軍のヘリコプター部隊に出血などの傷つきはするものの、いとも簡単に全滅させる破壊力! これは同じく軍用ヘリにほぼ一方的に攻撃を受け大量出血させられて死亡した「キングコング」(1976年)への意趣返しでしょうか。あんなのとは違う、兎に角今回のコングは強いんだ、強さで君臨する王者なんだ、とする意思が伝わってきます。本作の敵怪獣は「髑髏クローラー」と劇中で名付けられたトカゲモドキのうち、「ビッグワン」と呼称されるコングに匹敵する巨体のもの。数mクラスの小型のものを含め、なぜか全員後ろ足に相当するものがない、二本足という妙なデザインとなっています。これは「キング・コング」1933年度版に登場した足が前足しか画面に描かれていなかったトカゲをモチーフにしたから、という話ですが、普通はそこまで気にしません。ティラノサウルス型恐竜は2005年度版で使われたので使いたくなかったのでしょうが、それにしても選出がマニアックです。わたしなら超巨大ヘビとかにしたかも。他にも日本の「キングコング対ゴジラ」からか大ダコとの闘いもあったりして、かなり過去のコング映画を意識して作られています。

個人的には大満足でした。ただし、映画のテイストとしてはむしろB級映画のそれそのものです。あやしい研究機関、コングに部下を殺された恨みを晴らそうとする軍人、島のことを全部知っている解説役の、主人公一行よりずっと前から住んでいる遭難者など、ストーリーはみなどこかで見たような設定の塊です。しいて言うなら主要登場人物の一部があまりに呆気ない死に方をするくらいですか。したがって本作はコングの暴れっぷりや洋物怪獣の好きな人には満足度の高い作品ですが、映画作品としてみた場合大したストーリーがあるわけでもなく、決して万民が望む作りではありません。まして「シン・ゴジラ」を見て「これが怪獣映画だ!」と思った人にが満足する中身では決してないでしょう。ですが、B級テイストで作られたことも踏まえてそれも当然のこと。本作はやはり前哨戦、新しいコングの紹介作でしかないのです。原題は「KONG: SKULL ISLAND」。KINGが付いていません。日本ではタイトルにキングの文字を付け、「キングコング」としていますが、中黒の入る「キング・コング」ではないあたり、やはり亜流の存在としています。コングはあくまで髑髏島という一部の地域だけの王であり、まだキングの冠を得るに相応しい存在では、あの世界ではまだ不足なのです。本作中にある機関名モナーク、「1954年の核実験はとある生物を殺すために行われた」というセリフ、古代巨大生物に振られた"MUTO"というルビ、地球の地下は別世界の生物圏とつながっているという説を唱える学者、いずれも必ずしも本作を単体としてみる分には不要なものですが、コングがキングの冠を得る、まだ作られていない展開のためにはどうしても必要なものでした。そこを随所に描き続け、拍手を贈りたくなるような衝撃のラストをちゃんと用意してくれたことこそ、映画としての本作の価値というべきでしょう。

次は、ヤツが、来る・・・

駒から瓢箪

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今なら書ける、ということで父の話です、と、言っても病気の話ではありません。あれから全く何もないもので。

わが父の趣味は競馬。入院中も普段はほとんど使わない携帯電話を使って勝ち馬投票券を購入することを楽しみにしていたくらいな人です。競馬と言ってもギャンブルとしてというより、予想を楽しむゲームとして、それを本気でやるために馬券を購入している程度にしかすぎず、あくまで小遣いの範囲内での購入となっています。なので買うレースは少なく、重賞はさすがにほとんど買いますが、それ以外はせいぜい特別レースくらいだそうです。

で、先日のことです。「オレの競馬口座、負けてばかりでそろそろお金がなくなるから、ちょっと入金してきてくれ」と頼まれて使いに出されました。なぜか銀行の行き来は昔からプレイベートであってもわたしの役割と決まっているのです。ちなみにわざわざ入金にいかないと口座の残金がなくなるのは、父が電話投票を申し込んだ際に普段使っている銀行が引き落とし先の対象外だったため、専用口座を作ることにしたからです。通帳を持って該当の銀行へ行き、ATMで入金します。すると当然通帳にこれまでの入金や振り込みの状態が記載されます。どれどれ、いくらくらい最近負けていたんだ?と野次馬根性で通帳を見てみると

底をつくどころか170万円も振り込まれていました!!!

なんじゃこりゃ! 父に見せますが当然心当たりありません。ギャンブルでなくゲームとして競馬を楽しんでいる父がこんな大穴の馬券を買うわけがないのです。しかし振り込み先はいつも通りNCK表記(日本競馬協会の略。父の銀行ではこの略称が使われている)ですから、馬券の当選金でしょう。何かの間違い? 嬉しさよりも不安であたふたする我らが親子。とりあえず可能性を必死で調べます。

なんとか検討はつきました。JRAの競馬は基本土日開催ですが、土曜日はいうならば前座扱いのレースが多く、重賞や有力馬の出走するレースはたいてい日曜日と相場が決まっています。そういうわけで先日父も予想していた重賞をてっきり日曜日だと思って買ったのですが、これには例外がありまして、月曜日が休日になりますとそちらの集客を当て込んで月曜日休日にメインレースなどが開催されることがあるんですね。そういうわけで、あまり確認せずに重賞を買うつもりで日曜日開催の別のレースを買ってしまったのではないか?ということらしいのです。父の購入は電話の自動応答ですから、ネット投票のように画面でどのレースを買うか、という確認がしっかりできません。なので日程のせいで間違えて買ってしまい、たまたまそのレースの勝ち馬の番号が父が予想した別のレースの馬の勝ち番号と一致し、かつたまたまそれが滅多に出ない大穴にはまってこれだけの金額になってしまった、そう考えるしかない、という結論に達しました。そうでなければ何かの間違い、その二択しかありえません。日ごろからわたしなどくらべものにならないほどの籤運を持っている父ですから間違いが大正解に転んでも不思議じゃないのですが。

幸いなのは父は大当たりしたからと言って調子に乗る性格ではない、ということ。そうでもないとまた夢になるといけませんからね、フフフ。


追記:このエントリーは四月一日のもので、ジョークを含んでいます。間違えて当たったのは本当ですが、金額は盛っています。

これがRyzenだ! 1700で6700を超える

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AMDから新CPUであるRyzenが発表されていらい、そのことばかり書いてきましたが、わたしが当初から新アーキテクチャの最初のターゲットとしていた8コアの最下位モデル、1700は買いやすい、OCがしやすいと言ったメリットからか一番人気となり、これだけ在庫がないわ、Amazonでは高値で転売されているわとさんざん。基本ハイロークラスが組み立てPC向けCPUのボリュームゾーン、と考えていたわたしですが、ここまで来たらRyzenはRyzenでもミドルクラスの6コアモデルが出るまで待つかなぁと半分あきらめていたのですが、先日の休日、ブラリと立ち寄った地元量販店でなんと、そのRyzen7 1700が一個だけ売られているではないですか! 正確には1800xも1700xも全部一個ずつだけ入荷していたのですが、他は目に入りません。しかし、ご存じの方も多いと思いますが、量販店のPCパーツは専門店と比べて少々高いのです。ポイント還元分をあらかじめ値段に含んでいる値付けがされてるんですよね。しかし、ここで入荷したということはショップの通販でも在庫があるかもしれない、といくつかパーツ専門店の通販サイトを手持ちのスマートフォンで参照してみましたが、どこも在庫なし。今ここで買うのが、おそらくRyzen5発売前にRyzen7 1700のデータを調べてブログで公開できる最後にして唯一のチャンスです。ちょっとだけ葛藤しましたが、「それでも転売屋はもちろん上位の1700xを専門店から取り寄せるより安いし、ポイント還元を入れればそれほど変わらない」と自分を無理矢理納得させて購入に踏み切りました。マザーボードは手ごろな在庫がなかったのでメモリーと合わせて専門店の通販サイトより注文。今回選んだのはASUSのPRIME B350-PLUS。PCIもありますしSATAの数も比較的多い(まぁそれでも足りないのでボードで追加するんですが)、値段も手ごろとMicroでないマザーから選ぶのなら上等でしょう。メモリーはちょっと上を向いてDDR4-2666の16GB(8GBx2)にしてみました。ただ、マザーに挿してAUTOにすると2133動作になってしまいましたし、設定で2666に単純にすると「OC起動に失敗しました」とエラーが出てしまいます。2666で起動するよういろいろ突き詰めるべきだったのでしょうが、時間が惜しいので一通りの調査が終わるまで2133でいいや、と。また、ここ最近どのPCもメモリは8GBでばかり使っていたので、そろそろアップさせてみよおうかと16GBにしてみましたが、わたしのやるような動画エンコードはせいぜい4GB強くらいしか使わないので意味ありませんでした。まぁせっかくなので多めでいいでしょう。持て余すようならRAM DISK化する手もありますし。

さて、せっかく手に入ったRyzen7 1700ですから、早速動画エンコードの能力を試してみましょう。PCのCPUの能力の基準と言えば動画エンコード、異議は認めません!!!比較対象としては、現状手持ちのPCで最速の、Intel Core i7 6700搭載のPCを使います。現行のKabylakeではなく一世代前のSkylakeですが、両者の違いは、CPU部分で言えば製造プロセスの改良により消費電力を上げずににクロックを上昇させたことくらいです。6700は現行の7700KはもちろんSkylake世代の6700Kと比べてもクロックはだいぶ落ちますが、まぁそれでも傾向は同じですから参考にはなるでしょう。また、過去のデータとの比較のしやすさからそれ以前の最速だったHaswell、i7 4770も比較対象に加えます。6700と4700はいずれも内蔵GPUを使い、メモリは8GB、OSはWindows10 PRO 64bitです。Ryzen7 1700はGPUを内蔵していませんのでRADEON R7 250XEを使い、メモリは前述の通り16GB、OSはWindows10 64bitですがPROではなくHOMEです。グラボが別になっているのでV-RAMをメインメモリから拝借する内蔵GPUよりその分動作には有利ではないか、と思われるかもしれませんが、過去の検証からメモリ4GBで収まる程度のエンコード作業なら内蔵GPUで足を引っ張ることはない、と判断しています。なお、全機種CPUクーラーは付属のものです。過去のAMD製CPUに付属しているクーラーはそこそこ冷えるのですが、動作音が掃除機か? と思うほどけたたましく、とても常用には耐えられないもので、いつも別CPUクーラーを買って使っていました。最近搭載されるようになったレイスクーラーは初めての使用でしたが音は過去のものと比べれば非常に静かで、体感ではIntel付属のクーラーよりも静かに思えました。OCなどをしないのなら十分ではないかと。なお、装着はねじ止め方式で少々手間がかかりましたが、純正のねじ止めはバックパネルを交換する必要がない設計になっており、ケースの裏を外したりマザーボードをケースから外したりしなくても取り外しが可能となっていて、好印象です。なお、マザーのマニュアルによれば従来型のレバー方式のクーラーも出るようですが、それはRyzen3やAPUで採用されるものと思われます。

まずはエンコード元は毎回使っている1440x1080、約48分のMPEG2-TSファイルを、個人的に一番よく使うエンコードソフトであるMediaCoderの、32ビット版と64ビット版の両方を使い、今まで通りのx264を使ったH.264/AVCへの変換のほか、今回からx265を使ったH.265/HEVCもデータを取ることにしました。MediaCoderは32・64ともバージョンは調査時点最新の0.8.48.5888。前に入っていたバージョンはアンインストールしたうえでこのバージョンをインストールし、基本デフォルト重視で、x264x265とも速度はMedium、ビットレートはABR、 1Passの4000Kbpsとしています。まぁVBRでもなんでも同じでしょうが、過去からこれでやっているので統一したほうがいいだろうと。エンコード終了時に出る数値をそのままデータとして採用し、以下に記載します。

まずはH.264/AVCから

i7 4770(Haswell)
32bit
1.3x 39.2fps 2297.2sec(38分17.2秒)
64bit
1.4X 41.3fps 2193.7sec(36分33.7秒)

i7 6700(Skylake)
32bit
1.6x 46.3fps 1943.3sec(32分23.3秒)
64bit
1.6x 48.4fps 1877.1sec(31分17.1秒)

R7 1700(Zen)
32bit
2.2x 67.0fps 1335.8sec(22分15.8秒)
64bit
2.2x 65.9fps 1354.0sec(22分39.9秒)

正直、わたしはRyzenを買うまで、Skylakeを非常に高速なCPUと考えていました。あのFX8350や8370を全面的に超えた速度を見せたHaswellをさらに1割以上も上回る圧倒的速度に、いくらZenが最新型と言ってもそれほど変わらない速度しか出ないのではないか?と思っていたのです。ところが、実際に試してみるとまさに「次元が違う」としかいいようがないRyzenの速度に開いた口がふさがりませんでした。ほぼ6700の2/3の時間でエンコードが終わってしまっているのです! Intel勢が64bitを使うと32bitより若干速く終わるのに対し、32bitの方が逆に速いと言ったところにCPUの違いが浮き出てはいますが、それ以前に基本部分がまるで違う・・・これがZenの8コア16スレッドの破壊力ですか。6700を買ったのはだいたい一年ほど前ですし、ぞの時点での価格も1700より安かったと思いますので、その分の差が出た、ということはできます。が、仮に最新であり、価格も近い7700Kをと6700と置き換えて定格クロックを引き上げたとしても、絶対にそれだけでは追いつかない性能差と断言できます。

続いてH.265/HEVCでの検証を

4770
32bit
0.3x 8.4fps 10583.4sec(2時間56分23.4秒)
64bit
0.6x 17.7fps 5023.0sec(1時間23分43.0秒)

6700
32bit
0.4 9.5fps 9297.4sec(2時間34分57.4秒)
64bit
0.7x 20.7fps 4306.8sec(1時間11分46.8秒)

1700
32bit
0.4x 11.8fps 7503.3sec(2時間5分3.3秒)
64bit
0.8x 21.3fps 4149.4sec(1時間9分9.4秒)

32bitはどれも非常に遅い速度しか出ていません。これはx265が64bitに最適化されているためと思われますので、参考程度にみてください。ZenはAVX2を間接的にしかサポートしていないため、AVX2を活用するx265では性能を発揮しづらい、という話は聞いていますが、実際に見てみるとx264と比べて1700と6700の差は小さいものとなっています。特に64bit版の差はかなり接近しているのは、それを裏付ける、と言っていいでしょう。


ここからはもう比較対象にする意味のないだろう4770を外し、エンコード元データを1920x1080、約30分のMPEG2-TSに変更したうえで両者の比較を行います。これは以前、IntelのCoreとAMDのFXをエンコードで比較する際に商業サイトで頑なに絶対条件として行われていた、「エンコードの際に縮小リサイズする」を検証条件に加えるためです。1440x1080→1280x720より、1920x1080→1280x720の方がリサイズの幅が大きくなり、よりリサイズの影響が出やすくなるからです。また、ソフトは引き続きMediaCoder、バージョンはx264は32bit、x265は64bitのみ使用しました。単純に時間だけでなく、リサイズなしとの速度差もみてください。

6700
H.264 リサイズなし
1.4x 41.9fps 1324.6fps(22分4.6秒)
1280x720リサイズ
1.8x 50.4fps 1032.2fps(17分12.2秒)
H.265 リサイズなし
0.7x 20.3fps 2693.3sec(44分53.3秒)
1280x720リサイズ
1.3x 37.4fps 1480.5sec(24分40.5秒)

1700
H.264 リサイズなし
2x 59.3fps 928.8sec(15分28.8秒)
1280x720リサイズ
2.2x 65.7fps 838.9sec(13分58.9秒)
H.265 リサイズなし
0.8x 22.7fps 2400.7sec(40分0.7秒)
1280x720リサイズ
1.1x 30.9fps 1768.8sec(29分28.8秒)

サイズを小さくリサイズすればエンコード時間は基本的に短くなります。それはIntelのCoreもAMDのRyzenも変わりはありませんが、H.264の場合6700と比べると1700のリサイズに伴う時間の短縮は大幅に少ないものになっています。それでも、元が圧倒的速度だけにリサイズ後だけを比較すればRyzen圧勝に変わりはありませんが、だいぶ差は縮んでいます。FXの時もこの傾向は出ましたが、Ryzenも引き続きリサイズはCore比ではありますが苦手なようです。H.265に至ってはそれがさらに顕著で、なんとリサイズすると6700にかなりの差をつけられて逆に敗北しています! 「AVX2苦手」x「縮小リサイズ苦手」の相乗効果がこの結果を生んでしまったと思われます。いや、まさか負けるとは思ってませんでしたが。従来のBulldozer系から刷新したZenを採用したRyzenではありますが、そのAMD特有のクセは良くも悪くもしっかり受け継いでいるようです。


MediaCoderからソフトを、おそらく市販ソフトでもっとも使われていると思われますTMPGEnc Video Mastering Works 6に変更し、引き続き同じテストを行います。x264とx265を使い、速度は"標準"を使用しました。

6700
264 1920x1080 31分48秒
264 1280x720 18分16秒
265 1920x1080 49分48秒
265 1280x720 23分42秒

1700
264 1920x1080 23分35秒
264 1280x720 18分30秒
265 1920x1080 44分57秒
265 1280x720 27分06秒

これはMediaCoder以上に縮小リサイズの苦手さが際立っていて、x264利用時ですら逆転現象が起こっています。あくまで爆速なのは264を使ったH.264/AVCのリサイズなしの場合のみ、となっていますね。
また、噂ですがRyzenはAVX2利用が苦手なため、AVX2を使用しないほうが速い、という話もありますのでこれも試しましょう。TMPGはそうした命令を個別に実行させないようにすることができるのも、今回これを利用した理由の一つです。AVX2を使わないx264は省略してx265のみ、リサイズも行い、かつ同じ条件で6700でもAVX2無効にして比較対象とします。

6700
1920 1時間03分54秒
1280 31分00秒

1700
1920 43分49秒
1280 25分28秒

大きな差とは言えませんが、実際にAVX2無効の時の方が速くなっていました。おそらくRyzenにおけるAVX2は他の実行ユニットを使った、互換性のためのエミュレート仕様で、使わなくてもソフトの実行ができるのならその分他の処理をさせた方が速くなる、ということなのでしょう。6700の方はAVX2を無効化すると大幅に速度ダウンしますから、Intel系におけるH.265/HEVC処理にはAVX2が深くかかわっていることがうかがえます。逆を言えば、RyzenはAVX2の改良次第ではH.265/HEVCに関しては大きく伸びる可能性がある、ということです。

さらについではありますが、来たるべきRyzen5に向け、コアを6コア/スレッドおよび4コア/8スレッドに落としたエンコード速度も見てみましょう。本当はSMTを無効化して4コア/4スレッドの性能も見てみたかったのですが、無効化の仕方がわからなかったので見送りました。比較用として6700のHTを無効化した4コア/4スレッドでも計測します。ソフトは再びMediaCoder、1920x1080x30分をリサイズなしのみで。

6700(HT無効)
1.1x 31.7fps 1750.4sec 29分10.4秒

1700
4コア
1.1x 31.9fps 1713.2sec 28分33.2秒
6コア
1.6x 48.0fps 1144.5sec 19分04.5秒

6コアまで落としても6700を上回ります。実際のRyzen5はクロックも上がるでしょうから、おそらく7700Kよりも上でしょう。4コアはHTなしの6700とがっぷり四つ。クロックが上がればi5 7600Kと同等くらいにはなるでしょうか。


かくして、Ryzen7 1700をi7 6700と比較した上でCPUの動画エンコード性能を見てきました。思ったより得意不得意があり、条件によってはIntelを下回ることもあります。性能はFXと比べて明らかに上がっていますが、仮にコア/スレッドを同一にしたとすると、まだIntelを超えていないのも確かなようです。もっとも、コアもSMTもパフォーマンスを上げるための手段にすぎません。我々としては買いやすい値段で重い処理が早く終わり、通常処理が快適に動けばそれでいいのです。Intelで同等のパフォーマンスを出すには、CPUはもちろんマザーボードも高価なものを使わなければならないのに対し、AMDのRyzenは手ごろな値段のマザーでも十分パフォーマンスを出すことができます。APUからCPUまで同じソケットにした方針の勝利でしょう。
H.265のリサイズ処理では確かに価格にして同等以下のCoreにも敗北します。ですが、現実問題としてH.265をフォーマットに採用するような人がリサイズ処理を常用するでしょうか? 実際商業サイトでもx265をエンコードテストのエンジンに利用するようになってからはリサイズは行わなくなっています(Ryzenをキッカケに再びリサイズを絶対条件にしてきたら笑いますが)。また、こうしたリサイズはひょっとしたらAMDが悪いのではなく、各ソフトの処理と合ってないだけかもしれません。TMPGにはx265以外にDivXのHEVCエンジンも搭載しており、こちらを使ったH.265/HEVC動画(コンテナはmkv)を作ることもできるのですが、試してみると

6700
1920 31分02秒
1280 19分25秒

1700
1920 22分17秒
1280 14分39秒

おおよそHEVCと思えないほど早く終わっていますがそれはおいといて。Ryzenでもリサイズによる速度のアップ効果が高く、Coreと比べてもそのパーセンテージは同等です。おそらくDivXは独自のフィルターを使ってリサイズしているのでしょう。つまり、ソフトの対応次第でRyzenのパフォーマンスは現行のまま、十分上がる可能性があるということです。Ryzenを買うにあたって不安な点があるとしたら、Zenの次世代が出たとき、AM4+のような上位互換の新ソケットでないと搭載できないものになること、でしょう。AVX2などに改良の余地はありますし、おそらく次世代はそこを弄ってくると思います。H.265を第一に考える人、近い将来フォーマットをH.265に完全乗り換えしたい人などは少し待ってもいいかもしれませんね。とはいえ、現行でまだまだもっとも使われるパターンであるH.264/AVCでリサイズなし、という条件での速さは本当に驚異的であり、現在IntelCPUを使っている人でも、Kabylakeはまだ出たばかりでもったいないですが、Skylakeユーザーなら検討の余地あり、Haswell以前なら間違いなく買い、です。AMDユーザーの場合はFXやいまだにPhenomを使っている人は乗り換えの甲斐はありますが、APUユーザーはZenのAPUが出るまで待つべきでしょうね。どちらかと言えばGPUの強化を待つべきでしょうから。

Ryzen5発売、4コア遅れ、6コア先行の理由は? を勝手に推測

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暖かいと思ったら寒くなり、春の陽気はまだ本番ならず、ながら目のかゆみからはやっと解放されてほっと一息、のkrmmk3です。今年は酷かった・・・絶好調時には一時間半に一回、目のかゆみで目が覚めるという極めて不快な夜を過ごしたりしてましたからね。そういうときは目薬なんかより目を洗うのが一番効果的でした。その際何度目玉を取り出して直接水道で洗えたらどれだけいいか、と思ったか・・・。怖いですね。そこまでいかずとも家庭でもプールによくある洗眼蛇口が欲しい、と思った次第です。最近の水道はそういうオプション付けづらいんですけどね。


さて、春の風に負けない風を最近引き起こした(強引)Ryzen7、わたしも前回取り上げた通り、その威力は十分理解したつもりですが、売れ筋の価格からはちょっと高い上に多くのユーザーにはオーバースペックなのも難点。それを解決するには広いラインナップをそろえるのが一番、というわけで、下位にあたるRyzenrが本日22時に解禁、秋葉原の一部店舗ではそれと同時に発売となります。さすがにRyzen7ほどの騒ぎにはならないと思いますが、手ごろになった価格、この一か月で入手も容易になってきたマザーボードとともにこちらが本命、と考えて発売を待っていた方も少なくないと思います。残念ながら今回発売されるのは6コア/12スレッド1600xおよび1600のみとなり、4コア/8スレッドの1500x/1400は15日土曜日の午前11時まで待たされるようです。スケジュールの都合とのことですが、1600x/1600も少数入荷とのことですので、日本向けの出荷が遅れているのかも知れません。

今回のRyzenは6コアと4コア、性能に差があるにも関わらず、どちらもRyzen5の型番で発売されます。Ryzenの後ろにつく数字はIntelのCoreを意識してのもののようですが、わたしの見立てでは6コア/12スレッドのRyzenでも十分Core i7に対抗できます。マルチスレッドを十分に生かしたリサイズのないH.264/AVCのエンコードなどなら超える性能を発揮できるでしょう。もちろんRyzen7同様、苦手分野では一歩譲るところはあるでしょうが、おおむね互角くらいかと。にも拘わらずこちらを7に含めず、5にしたということは、7を特別にプレミアムな存在の番号にしたかった、ということと、4コアの1500x/1400だけでi5を迎え撃つのは少々荷が重いと見られているのかもしれません。
もちろん1500x/1400がi5に見劣りするとは思いません。得意分野ならi5の最上位にも引けを取らないでしょう。が、AMDの場合存在の悲しさか、対Intelで価格が安く、かつ性能でかなり上回って初めて互角とみられる傾向があります。現在のRyzen7はその条件を十分満たすものですが、商業サイトでの一部では異常にメモリ周りにこだわった検証結果ばかり載せたり、テスト項目の多くがAVX2を使っていたり、マルチスレッドを十分生かさないゲームのベンチマークだったりと必ずしもRyzen7の良さを中心に評価してくれません。ネット上の個人評価を見ず、商業サイトだけみたら「AMDの新CPUはIntelのハイクラスと比べると得意分野で上回るところもあるが、基本性能では互角かやや劣る程度か。ただ、その割には安いな」程度の評価しかされなくてもおかしくありません。ハイクラスでもそうなのですから、ミドルの1500x/1400は得意分野でもi5の上位並みくらいと思われますので、低くめの厳しい評価を受けるのは目に見えています。AMDとしてはそこを避けるため、6コアを5扱いとし、日本でも出荷が厳しくても少し無理をして6コアの5を先行販売させたかったのではないか、と勝手に思うわけです。

以前はPCの組み立てユーザーといえば自分に対して見栄っ張りであり。不要でもハイスペックのものを買うのが普通でした。が、最近のPC業界が停滞していることを受け、それよりも身の丈にあったPCにしようと考える人の割合も多くなったのではないか、と思うのです。そうした需要に対しては価格からみても性能から見ても1500x/1400が狙うのは一番の激戦区です。性能比での価格は安くはありますがGPUを内蔵していないため、グラボを別途買う費用を考えるとちょっと不利かもしれません。i7ならともかくi5のミドル以下を買う人なら内蔵GPUで十分と考える、あるいは買ったデスクトップPCの構成がi5の内蔵を使う構成だったのでそのまま使っている、という人が多くいると思われるからです。それに最近ロークラスのグラボはあまりいいものがありませんからね。わたしが使っているRADEON R7 250XEは1スロット・補助電源不要・FluidMotion利用可能と完璧なもので買って少々時間がたっているにも関わらず買い替える気が起こらない良いものですが、すでに市場になく、後継は安いけどGPUの世代が古すぎて役に立たないか、2スロ補助電源必要で少し高めなものくらいしか代用品がなく、少々お寒い状況です。MicroATXに2スロや要補助電源のグラボは合わないと思うのですよ。
個人的には本日発売される1600x/1600がRyzen5の主力で、1500x/1400はラインナップのための下位モデルに過ぎないと思っています。ミドル以下のメインとなるのは、いうまでもないですがAPUタイプが適しています。わたしは1700も持っていますのでRyzen5を買う予定はありません。早くRaven Ridgeの詳細が明らかになり、発売してほしいものです。それとモバイルノート向けも・・・。いや、その前にIntel機をそろそろ買い替えるべきか、うーん。やはりいいのが一つ出るとその分野の新しいのが次々と欲しくなっちゃいますね。今年はいろいろ財布の紐が緩みそうです。

Intel、Kabylake-GでAMD GPUを採用、の理由がわからない

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まだ発売されて3か月しか経っていないにも関わらず、なんとなく影が薄くなってしまっているIntelの最新CPU、Kabylake。もっとも、最新と言ってもCPUコアは先代のSkylakeと同じでクロックが少々上がっただけ。そのため、発売当初のイベントでもSkylakeからの買い替えよりそれ以前のSandybridgeなどからの買い替えや、4K配信動画に対応した内蔵GPU、改良されたチップセットと新型マザーボード言った周辺機器のアピールが主でした。ただ、どうしても新鮮味がないのは隠しきれません。CPUの新コアモデルはまだ先になりますが、その前にKabylakeのGPU強化モデルとしてKabylake-Gが投入されるらしい、とのことですが、そのGPUに噂されたAMD製GPU搭載が、どうやら決まりらしいのです。

IntelがHBM2とAMD GPUダイを統合した「Kaby Lake-G」を年内に投入


逆転でキャンセルの可能性ももちろんゼロではないですが、ここまで書いた以上、おそらくこのままAMD製GPU付きで発売されるのでしょう。位置づけとしては、我々の感覚として内蔵GPUにIris PROを使い、eDRAMを内蔵してGPUを高速化したBroadwell-Hの後継という印象です。ただ、いくつか気になることもあります。

1.Intelの内蔵GPUコアも「持ってはいる」と書いてある
2.KabylakeダイとAMD GPUダイはPCI-Expressで結ばれる
3.終始「AMD GPU」としか表記されておらず、「RADEON」と書かれていない

1の点から考えるに、CPU部分はKabylakeそのまま、おそらくi7 7700Kとかi5 7600Kあたりが全くそのまま乗るのではないか、と言う気がします。ひょっとしたらどちらのGPUも切り替えて使える仕様になるかもしれませんが、かなり無駄な使い方という気がします。2はちょっと置いておくとしまして、3のポイントは、何かしらIntelの指示によるもの、という気がします。逆を言えばIntelの意図的なリークによって書かせた可能性が高いということで、リンク先記事の信ぴょう性は高いと言っていいでしょう。書いてはいませんが、使われるGPUコアが全くの新設計や特殊業務用のGPUを使ってくるとは考えにくいので、おそらくRADEONのGPUコアそのものが使われるでしょう。ただ、Intelはそこを明文化する気はないと思われます。

リンク先記事によりますと、IntelがAMD GPUを採用したのはHBM2を使うため、とのことです。AMDは初代HBMの時点でRADEONに採用しており、HBM2も当然ながらRADEONとの親和性は高いと思われますので、そこは必然でしょう、また、Intelが外部からGPUを提供してもらえるもう一つの候補であるNvidiaですが、こちらはあまりこうした別パッケージに採用されるようなカスタマイズ提供に熱心ではないメーカーという印象が強く、Intelとしても採用できなかったものと。一方AMDはゲーム機に採用されているようにオーダーに合わせたカスタマイズ提供やライセンス提供もビジネスの一環としており、CPUでは競合でもGPUに関してはIntel+RADEONという利用者もいることから抵抗は少なかった(ない、ということはないでしょうが)と思われます。
しかし、HBM2を使う、と言っても、2で示したようにCPUとGPUが内部PCI-Express接続なら、HBM2がEMIBというIntelの新技術で接続されるとしてもそれはGPUのみの接続であり(そう書いてはありますが)、おそらくIntelも最終的には狙っているだろHBM2のCPUへの直結には繋がりません。EMIBはHBM2のためのIntelが開発したメモリとの接続方式であり、現状のHBM2と比べて低コストでHBM2の利用を可能にする、とあります。リンク先ではそのEMIBの導入を早めるため、と考えればIntelのAMD GPU採用も「納得がいく」としていますが、わたしにはむしろ納得がいきません。そこまでしてIntelが内蔵GPUを強化したとしても、どれだけ利用されるか、というのが最大の疑問点として浮かび上がってくるからです。正直Broadwell-Hも、eDRAMの搭載やIris PROという名前が先行して話題にはなりましたが、いざ発売されると大して話題にならず、利用者も少なく現状に至る・・・という印象しかありません。Broadwellと言ってもHaswellとCPU部分はほとんど同じであり、すぐに新CPUコアを搭載したSkylakeが発売されることが分かっていたので、そっちに目が行ったためです。正直IntelCPUの内蔵GPUが強化された、と言ってもハイクラスユーザーは別途グラボを使いますし、Intel内蔵GPUで十分と考えるユーザーはeDRAM分の料金アップが敬遠材料となります。あとはメーカー製の小型PCやベアボーン向け用途で、これならそれなりに需要もありそうですが、旧世代を見てもHaswell世代の4770Rを搭載したGIGABYTEのBRIX Proというベアボーンが印象に残ったくらいで、Broadwell-Hの5775Cはほとんど覚えがありません。多分メーカーの積極的な採用例はなかったのではないかと。もちろん、ベンチマークはよくても必ずしも利用に直結しなずやや妥協の産物として扱うIntelのGPUと、ゲーム向けとしても正常進化をしつつFluidMotionVideoなど優れた動画再生支援能力(あるかどうか分かりませんが)を持つち積極的に利用する人も少なくないAMD GPUではだいぶ違いますが、デスクトップ単体利用としても小型利用としてもなんとなく中途半端な気がします。HBM2を搭載せず、Intel GPUの代わりにAMD GPUが統合されたi3やPentiumなら豊富なIntel向けマザーとの組み合わせで小型PC用として魅力的なのですが・・・。もっともやろうとしてもこれはAMDも許可できないでしょうが。将来を見越せば、今は誰もいない市場向けの製品に手間とお金を掛ける価値はある、とIntelは判断しているのでしょうか? どうもピリっとしません。

一方、AMDから見ればIntelがHBM2の統合のための技術開発を行うメリットは計り知れません。現状でもAMDの統合CPU・APUはメモリのアクセスをCPUとGPUで共有しており、どちらからも優先関係なしでアクセスできます。仮にHBM2搭載のAPUが登場した場合、HBM2をGPUと直結すれば必然的にCPUからも直結されることになり、何MB搭載されるか分かりませんが(記事によるとHBM2をフルに活用するには2GB単位の容量が必要とのことですが、CPUパッケージに収まらないのでもっと少なくかつ速度の出る改良をしてくるでしょう)CPUのキャッシュとしても使うことは可能で、メインメモリへのアクセスを大幅に減らすことができます。多分APUはCPUとの差別化のために3次キャッシュを省いてくると思われますが、HBM2がその穴を十二分に埋めてくれるでしょう。その分価格は上がるでしょうが、Intelより性能上昇の幅は大きいと思われるので、お金を出す価値のある製品にすることは可能です。これはIntelがEMIBの仕様をクローズドにしなければ、の話ですが、JEDEC規格のHBMに自社専用のクローズド規格をねじ込めるとは思えません。多分準拠製品を作ることは可能と思われますし、その技術のライセンスに関して有利な条件を飲ませた、と考えればAMDがGPUをIntelに提供したことも納得できます。ただの妄想ではありますが、HBM2搭載のAPUが登場すればRyzen以上にミドル~ロークラスをひっかきまわすことになりそうです。

果たしてIntelのAMD GPUとHBM2採用は吉と出るか凶と出るか、すぐに判断できる話でないだけに長い目で見る必要はありますが、まずは衝撃的となるだろうKabylake-Gの登場を楽しみに待ちましょう。多分わたしは買わない(笑)とは思いますけど、その先なら分かりませんから。

友人の、わたしを救った一言

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それはある日突然始まりました。

父が、普段なら3~4千円がいいところの品物に「5万円」と言い出したのです。お客さん当人ですら笑って「いくらなんでもそんなに高いわけがないよ」と言うものですが、父は引っ込みません。わたしが平謝りして適正に近い価格にしておきました。「しっかりしてよ」ちょっとたしなめてしばらく、突然思い出したように「あれはいいものだ。東京へ出品すればもっと高い値段になる!」といきなり怒り出し、そのあとも何回もグチグチと同じことを繰り返してなかなか怒りを収めてくれませんでした。
その時一回かと思いましたら、そのあとも1000円もするかどうかの物を「5万円」といい、1万円と記載する部分に10万円と書き、おまけだと普段1000円もらっている利益分を100円にしようとし、たしなめると「じゃあ10円だ!」と真っ赤な顔をして怒り出す始末。その日を境にウチの会計はグチャグチャ。簡単な計算を1時間以上もかけ、なだめ説得してやっと計算させたのを、全部間違っていないかどうかわたしが一からやり直す必要があるようになってしまいました。数も全然覚えてくれません。

当然この突如発生した父の異常状態に「認知症」の3文字が浮かびました。とにかく計算の掛け算はできるのに足し算引き算を常に逆にし、桁を一つ多く解釈するのです。ただし、それ以外は比較的以前と同じで、わたしのやり忘れを指摘したりするなど数以外の記憶はそこそこしっかりしています。ただ、目の前の仕事しか見えず、他の事に手つかずになることもありますが。
ちょっと調べたところ、認知症の種類によっては計算能力の低下、というものもやはりあるみたいです。それにしても突然すぎます。それまでは、加齢による能力低下、例えば暗算に自信がなくなるとか、その程度です。いくらなんでも急になるものなのでしょうか。それよりも、認知症だとするとこれ以上悪化させないように、悪化を緩やかにするのが精いっぱいで、回復の見込みはない、というのがわたしの中のイメージにはあります。父がガン宣告を受けてから間もなく一年になろうとしています。父は、医学的に見れば「大変元気」と言われる状態ではありますが、一般的にみればやはりこの一年で別人のように弱弱しくなりました。三回の入院は、どうしても体力を奪ってしまいます。これ以上入院は、できればさせたくないものです。それでも、最短余命半年と言われ、あるいは覚悟を決めろ、と宣言されながらも特に苦しむことなく家で平気で生活できているのは、父の生に対する執着心が大きいと思います。楽しいことをしたい、美味しいものを食べたい、遺して逝けない・・・。認知症で、かつそれが進行すればそうした執着心もなくなっていくでしょう。それは、少なからず寿命を縮める結果を招きます。
それ以降の父は常に二呼吸遅れて動き、何をするにも意欲がなくなり、昼間もクークーと寝息を立てて寝てばかりいるようになりました。体が疲れるのかと思いましたが、記憶や計算・思考といった頭を使うことが疲れるので寝てばかりいるのかもしれません。今月の初め頃書いた、何かの間違いで当選した競馬の当選金(盛って書いてあります、念のため)、この文字通りのあぶく銭は、父と母の二人で、ちょっと贅沢な温泉旅行一泊二日で消費させることになりました。決まって少しの間は「楽しみだなぁ」と喜んでいた父が、この直前になると「ああ、泊りがけに行くのか・・・」とボソッとつぶやくばかりで、ちっとも嬉しそうじゃありません。すっかり気力さえ失いつつあるようです。
一方、わたしもこの件でかなり参りました。間違いを強く指摘すると時間差で怒り出す、という現象を目の当たりにしてから、父に対して本音で話すのをやめ、無理に明るくふるまうようにしました。本来もっとも遠慮する必要のない間柄である父に演技で接しなければならない、という現実がプレッシゃーとなったか、あるいはもっと単純な父への心配か、わたし自身のこの先への不安からか、ほぼ常時吐き気のようなモヤモヤしたものを腹の中に感じるようになり、それが限界に達するたび、人気のないところを引っ込んで口の奥に指を突っ込み、強引に吐き出しています。嘔吐するわけではなく、あくまで"気"と言いますか空気を吐き出しているだけですが、それが一日10回以上も簡単に限界に達するのです。実のところ、父を一泊旅行にやって一番助かったのは、少なくとも一日父を心配せずに済むわたしなんでしょう。

そうした父も母もいない夜、友人Hから電話がかかってきました。Hはトラックの運転手で、高速道路など運転が退屈な道路に入ってくると、眠気覚ましにわたしに手持ちのハンズフリーシステムを使って長電話をかけてくることがあるのです。たまに困った思いもしますが、今回はありがたかったです。Hはすでに両親をガンで亡くし、現在もやはりガン治療を続けている親類を近所に持っているため、この件においても理解のある、わたしの愚痴を聞いてくれる唯一の人物であるからです。そこで今回の認知症の疑いを話したところ、
「自分の経験だと認知症ってもっとゆっくり進むもので、大した前兆もなしに急に数字に対する認識がおかしくなるなんて唐突過ぎる。詳しいわけじゃないけど、抗がん剤の副作用の一種なんじゃないの?」
目から鱗でした。父はほとんど抗がん剤の副作用は出ていない、出ても抗がん剤の副作用というのは体調不良を引き起こすものである、という認識しかありませんでした。
電話が終わったあと、ネットで調べました。すると、最近ではありますが抗がん剤によって思考能力が低下し、認知症のような状態になることがある、ということが証明されている、とあるではありませんか。認知症と違うのは、もとに戻る、回復の見込みがある、ということ。少なくとも抗がん剤投与をしなければ回復の可能性はあるわけです。もちろん安易にその道を選ばせることはできませんが、原因さえ分かっていれば対処は可能、父がもとに戻る可能性はまだ残っている、これがすさまじくわたしの体を楽にしました。父の旅行は土日だったのでもう2日経ちますが、吐き気は一日一度くらい、それも軽いものしか起こっていません。友人Hの判断はわたしの愚痴から素人考えを起こしたにすぎず、ただの気休めでしかなかったかもしれません。でも、本当に悪くなっていない可能性はある、そのキッカケを作ってくれただけで、かなり救われた気がします。

父は、温泉がいい休養になったのか、少なくとも意欲を取り戻し、精力的に動いています。相変わらず計算はメチャクチャ、そのくせ自分の間違いを認めたからず、桁を間違えていることを納得させるのに四苦八苦しますが、前のようにその様子に吐き気を覚えることはなくなりました。正直全部わたし一人でやったほうが早いのですが、父が仕事を生きがいと感じていますし、計算能力が回復した後のことを考えると、やはり父にもやらせた方が言いと思っています。また、抗がん剤の副作用とは言わないにしても、母に頼んで次の父の通院に同行し、主治医の先生に計算能力の低下の件を相談してもらうことにしています。前回の入院後、腹水が出たのはガン治療の副作用ではないか、と主治医の先生も疑ったらしく、どうやら抗がん剤の投薬の仕方を変えたらしいのです。ひょっとしたら種類も変えたのかもしれません。そこを考慮に入れてこれからの治療を考えてくれたら、父は回復するかもしれません。今のわたしがすがれるのはそうした細やかな希望の糸でしかありませんが、まだ頑張れる気がします。

つらい話

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できれば書きたくないのですが、父の状態の話です。そういう話が嫌いな方は、読まないでください。




先日書きました父の思考・記憶能力低下の話ですが、進行がかなり速いです。ただ、計算に関しては、相変わらず桁は一桁多く間違えることがあるものの、足し算引き算の区別くらいはつく程度には戻ってきました。正直桁の間違いくらいなら電卓を使って表記通りボタンを押し、表記通り書いてくれればある程度補えるのですが、父はガンとしてソロバンを使い、間違った桁を足したり引いたりするので、計算結果が相変わらずおかしくなります。出来ないのならやらずに任せてくれればいいのですが、計算は自分の仕事だとして譲らない父は意地でもソロバンを使って計算をし、わたしが記載された数値をその場で全部チェックして全部書き直す、そんな閉店作業を毎日行っています。

まぁこれはまだいいいのです。問題は日常生活の方、ややですが支障が出始めています。全体的に普段やっていたことをそのままやろうとする、のはいいんですが、細部をかたっぱしから忘れている印象で、例えばテレビ番組の録画をしたい、その中でみたい番組を再生したい、と思っても一覧表に録画された番組が表記されているにも関わらず、全く別の番組を再生して「おかしいおかしい」と騒ぐ、録画したいのに録画済番組一覧表を出して「どうすればいいんだ?」と首をかしげる。見かねた母が「わたしがやってやるよ」と申し出ると、怒ってテレビのリモコンを離さず、じーっとテレビとリモコンを眺めている、そういう状態です。

一番酷かった現象が先ほど起きました。店で仕事しているわたしを呼ぶのです。全く要件は言いませんが、これは昔からのこと、なぜか下らない用事の時は呼ぶ要件を絶対言わないのが父です。ブツブツいいながらついていき、部屋に入れられるとテレビではケーブルテレビの競馬番組が映っています。
父「ほら、テレビからは音が出ているのに、電話からは音が出ないんだ。電話から音を出してくれ」
・・・?何を言っているのかさっぱり分かりません。テレビから音が出るのと電話の音はなんの関係もありません。別に電話機が壊れたり断線したりしてつながらなくなった様子もありません。電話の音は電話をしなければ出るわけがありません。いくらそう説いても「テレビから音が出るのに電話から音が出ないのはおかしい、助けてくれ、早くしてくれ」とわめくばかり。本当に何を言っているのか理解できませんでしたが、四苦八苦の上、やっと何が言いたいか見当が付きました。電話で競馬の馬券が買いたかったんです。父は馬券を買う時は電話のスピーカーモードを利用しているので、「電話をする」を「電話から音が出る」と称したのでしょう。ただ、父はほんの3時間前まで普通にその電話で馬券を買っていました。父が電話で馬券の購入を始めたのは最近のことではありません。もう何十年も、それこそ入院中ですら馬券を電話で購入することだけは毎週欠かさなかった父が、わずか3時間の間にそのやり方を忘れてしまっているのです。その3時間の間に父がやったことと言えば軽い昼寝、テレビ鑑賞、昼食、そして薬を飲むことだけです。あまりに物忘れが早すぎます。しかし、そういわれてもわたしは電話で馬券を購入する方法なんか知りません。突っぱねて諦めさせました。しばらくすると、今度はリビングのテレビで「競馬の放送が映らない!」とわたしを呼びます。そりゃそうです、競馬専門チャンネルが映るケーブルテレビのチューナーは父の部屋にしかついておらず、時間的に地上波での競馬中継もやっていないのですから。そう説いてもダメ、「やってるはずだ、おかしいおかしい」とわめき、仕事しているわたしを何度も呼びつけて「なんとかしろ、つけろ」と言うばかり。自分の部屋で見ろ、といくら言ってもダメになっています。このわずかな時間で、電話操作に続いてほんのさっきまで見ていたケーブルテレビの存在まで忘れてしまったようです。

父の思考能力・記憶能力の低下、それ自体は避けられないのかもしれませんが、長年の習慣をわずか数時間で忘れてしまう、そんなことはあるのでしょうか? 先日、付き添いの母に頼んでここ最近の父の様子を主治医の先生に話したところ、「抗がん剤の副作用の可能性が高い」と言われたそうです。もっとも、そうでもなければ時間単位での記憶の欠如にはいくらなんでも説明が付かないですが。覚えられないのではなく、記憶を取り出すことが困難になっている、そういう状況です。ただ、「日常生活に支障がないのなら」とあまり真剣に取り合ってくれなかった模様。専門家に診せてなんとか進行を食い止めたいところですが、原因が抗がん剤治療にもあるとすると、例えば精神科医だけではどうにもなりません。ガンの先生の協力が不可欠なのですが、なんとか気を利かせてもらえないものでしょうか。
この状況に一番参っているのは、わたしでも父でもありません、母です。ここ最近の分からない要求、間違いを認めない態度、それにやたら食べ物ばかり食べたがる行動、かなり疲れているようです。今日はリビングから何度も母の父に対する怒りの声が響いてきます。父はわたしが言うことを聞かない(要求に答えようがないだけですが)ものだから、その矛先を母に向けているようですが、もちろん母とて同じこと。我慢しきれずに怒ってしまったようです。先ほど「ちょっと逃げてくるから」と買い物と称して飛び出してしまいました。
ただ、父本人がまだ終わり切っていません。さきほどから「電話で馬券を買う」だけは思い出せたらしく、予想したメモを元になんとか電話を掛けようとしています。が、手順を守っていないので、空しく電話不通を示すプーップーッという音が部屋から響くばかり。それもつかの間、延々と電話を弄っている間にレースと地上波の中継はすべて終わったにも関わらず、「早く競馬を映せ、朝からずっとやってるんだ!!!」とチューナーのつながっていないリビングテレビの前で怒鳴り散らしてこちらに無理難題を要求しています。わたしもとうとう「こっちのテレビは競馬専門チャンネルなんかつながってないんだよ!いい加減にしろ!」と怒って殴るポーズさえとってしまいました。それでも父は興奮するばかりで「早く映せ、やってるんだ!」とわめくのをやめません。中途半端に地上波の競馬中継を見てしまったのがまずかったのでしょう。今、ブログを書いているのはその喧噪から逃れるためです。

追記:この時は電話のことを思い出したと思っていたのですが、違いました。なんと、電話の子機とテレビのリモコンの区別がつかなくなっており、普通のリモコンがダメなら電話を弄ることでリビングのテレビで競馬専門チャンネルが映ると思い込んでいたようです。

父がおかしくなり始めて以来、一日一日が非常に長く感じます。わたしなどは仕事が終わってしまえば部屋に閉じこもって趣味に没頭すれば辛いことを忘れて時間を過ごせますので、まだマシな方です。仕事が終わっても寝るまで父に付き合わなければならない母の方がキツイ印象です。最近は早く寝る、と称してさっさと自室に引っ込んでしまうようですが。気休めかもしれませんが、「抗がん剤の影響によるああいった状態は元に戻るものなんだ。父は回復できるよ」と母を励ましてはいます。が、母は半分諦めている様子。
昨日、親戚がお見舞いにやってきました。その様子と、「主治医の先生が言うには抗がん剤の副作用らしい」と言うと、「ああ、そういうことにしてそれにすがっているわけね」と言われてしまいました。まぁ慰めの言葉を望んでいたわけでも協力を期待していたわけでもありませんが、落ち込む言葉です。

三歩下がって一歩戻る、を繰り返している感のある父。一歩の戻りが見られるのが救いですが、三歩の下がり方が速すぎます。しかし、今日は土曜日。明日も競馬は開催されますし、次の診察まで数日あります。それまでに父は、また何か忘れていくのでしょうか。それが母に負担をかけることでなければいいのですが。
仮に回復したとしても、数か月前の水準、わたしが父に店を数日任せられるところまで戻ることはちょっと無理でしょうね。店を休みにでもしない限り、もう東京へ行ったりするのも無理そうです。数年後には二度と行けない秋葉原などをわたしも懐かしんだりするのでしょうか。

ワイモバイル、PHS切り捨てを発表

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このところ周辺がバタバタしていてノーチェックだったのですが、あのワイモバイルが「PHSの新規契約・機種変の受付を終了」させ、PHSを切り捨てることを発表しました。

Y!mobile、PHSの新規契約・機種変更を2018年3月で終了


まずは6月をもって分割支払いをやめてPHSを買う気をなくさせ、来年3月を最後に新規・変更の受付を却下する、とのことです。PHSは災害時にも通話通信を制限されず、いざというときに頼りになるきわめてすぐれたサービスですが、ソフトバンク/ワイモバイルからすれば、本当のいざというとき一般人が困ることより自分らの効率の方が大事、ということなんでしょう。どうりでしつこいほど「iPhoneに変えろ、iPhoneに変えろ」というメールを送ってくるわけです。もっともワイモバイルが使わせてもらえるiPhoneは旧世代の5とかですし、まして305ZTのとき「3日制限はありません」と組織を挙げて大嘘かましてくれたワイモバイルのPHS以外の通信サービスなんて絶対使いたくありませんが。

もはや忘れられているPHSですが、始めた当時はいくつもの通信会社がPHSのサービスを行うほど期待されたサービスでした。そもそもの発想は据え置き電話の子機を外に持ち歩く、の延長上として始まったもので、簡易型と称されることもありました。が、当時の携帯電話と比べて高速安定通信・建物の中や地下街でのアクセスに強い・低料金・通話の際の高音質といった特徴を持っているとされ、アピールしたCMや記事を覚えている方もまだ多いと思います。わたしはてっきり次世代型だと思っていました。ですが、アンテナが都心部はともかく少し地方へ行くと極端に少なくなり、つなげるのに苦労することなど普及に伴って欠点も指摘され始めました。なかでも高速移動中の通話がすぐに切れてしまうことはよく言われました。今考えるととんでもない話ですが、運転中の"ながら電話"はPHSではできないとして携帯電話に変えた人が周りには結構いたものです。そうこうしているうちにPHSを取り扱う会社は次々と減っていき、電話としての存在感は小さくなっていきましたが、それでもPCカードを使ってノートパソコンでインターネットにアクセスする通信サービスとしてはそれなりに存在感は持っていたように思います。しかし、携帯電話の通信速度があがり、PHSを超えてもその上がり方は天井知らず。一方、PHSはその規格上速度を上げることはできず、窮地に立たされます。それでも最後に残ったウィルコムがあっと驚く新機種、W-ZERO3やメール・PHS同士の通信料無料といった攻勢をしかけますが、iPhoneとAppleStore、それを持ち上げるマスコミによってもはや立ち直れないところまで追いやられてしまった感はあります。最後はウィルコム自体がソフトバンク傘下となって吸収され、こうして切り捨ての日を突きつけられることになったわけですが。うろ覚えのPHS史なので間違いあるかと思いますが、わたしもPHSを買う以前はモバイル通信のこととかほとんど興味なかったのでご勘弁を。
わたしも結構長くPHSを使っていますが、そもそもの目的はこのブログへの投稿その他を外でもやりくなったからでした。当時はW-ZERO3系こそインターネットモバイル通信の最高峰~他はインターネットより囲い込みの独自通信サービスでしたし~と考えていたからです。もっとも使い込むほどに通信速度に不満を覚えてWiMAXを経由してSIMフリー系の通信サービスに移行して現在に至るわけで。さすがにPHSで通信することはあまりなくなりましたが、通話に関しては、また料金にを考えても一番使いやすいのはPHSの小型機+SIMフリーの大型スマホと考えていますので、当分PHSから離れる気はありません。もし変えるとしたら、ほとんど通話専門のためにMVNO系のSIMが使えるガラケータイプの格安機が出たときでしょう。大型スマホは使うにはよくても通話はしにくいと思いますし。ガラケータイプのAndroidもありますけど、あれは中途半端にでかくて使いにくそうです。データ容量はシェアリングで別契約のSIMで使うことを前提にしたMVNO系SIM対応格安ガラケー、とかどこか発売してくれないですかねぇ。通話とメール以外全く使えなくてもいいんですが。

持ち直しました

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先日の土曜日、認知症としか思えない行動を示した父ですが、あれからほぼ一週間が経ちました。あの日はこれから先を不安にさせるとしかいいようがない状態だった父ですが、翌日からかなり持ち直しました。少なくとも競馬専門チャンネルが映るテレビとそうでないテレビの区別はつくようになりましたし、携帯電話や子機をテレビのリモコンと思うこともなくなりました。休日に外出したときも、放っておけなくて同行したのですが、特に問題ないどころか道行く人から道を聞かれた時も、大変ハキハキと教えていましたし、お気に入りの食堂に今年行った回数も、わたしも母も「2回でしょ」と言う中「3回」といい、記録を調べると本当に3回行っていたことが分かり、驚かされるほど記憶力も確かです。数字の桁も間違えなくなり、商品の値付けも、わたしの判断より高い時もあれば低い時もある、程度で、逸脱した明らかにおかしい値段を付けることがなくなりました。ただ、簡単な計算の細かいミス、特に暗算時には不正確な結果が目立ちますし、テレビの操作方法もおぼつかない印象です。その2点に関しては、先日土曜日よりはマシでも2か月前よりは衰えが見えます。
なんとなくですが、しっかり考える記憶に関しては元に戻った印象ですが、ほとんど考えずに自然に結果を導き出すような反射的行動に関しては元に戻らなかったように見られます。それでも、一時の様子から見れば、もはや十分回復した、といっていい状態です。また元に戻っておかしくなるかも知れませんし、油断は禁物ではありますが、投薬を含む今後の措置は、医者の判断にゆだねるしかないでしょう。とにかく父は、戻ることが不可能な認知症にはまだなっていない、と言っていいと思っています。ほっと一息です。もしかしたら、また父に3日ほど店を任せてもいいと思える日が来るかも知れません。それを望みに、もうしばらく頑張って行けそうです。

最近の近況

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世間的には黄金週間の真っ最中というところのようですが、如何お過ごしでしょうか。わたしは特に休むことなく仕事です。そのうえ、先月の件でいまだ父に仕事を任せるのが怖く、他に何かしたと思う精神的余裕が全くない状況です。報告しました通り、父は持ち直してはいます。が、現在は抗がん剤投与を休んでいるために、いい具合に薬が抜けてもとに戻っただけかもしれません。この休みは最近の症状とは関係なく予定通りのものですので、間もなく投与も再開する予定です。またその時ははおかしくなってしまう可能性もあります。
で、その父ですが、またしても入院が決まってしまいました。ガンとも精神的混乱とも関係なく、以前も行った静脈瘤の手術をまたしても行うための入院で、早ければ数日で退院できる、とのことです。この手術自体は簡単なはずですが、前回はそのあとに貧血を起こし、さらには腹水がたまるという危険な状態に入り、結果抗がん剤のやり方を変更し、最終的に精神的におかしくなる、という悪循環を招きました。正直前回の手術は結果を見れば失敗したんじゃないかという疑いを持ってまして、今回も不安でいっぱいです。入院自体は来月とのことでかなりのんびりしたものなのですが、簡単な手術だからと言って手を抜かないで欲しいものです。

で、わたしですが、先月は肉体的にも精神的にも遊びに行く余裕がなかったため、ほとんど家にこもりっぱなしです。休日と言えども営業日にはできない作業をいろいろしなければなりませんでしたし、それらをこなしたとしても、父が実にくだらない用事(テレビがつかないとか、消せないとか・・・。そんなことでいちいち呼び出されるほど先月はおかしかったのです)でしょっちゅう呼びつけるため、本気で参ってました。そうしたストレスの数少ない発散方法が趣味への没頭。でも、部屋にいるとやはり父の呼び出しのプレッシャーを受けるので、やたら離れにこもってました。そこはテレビや、以前AMDの依頼で組んだ動画再生用PC、それに布団など最小限度のものがおいてある自称隠れ家で、ここにいれば父のプレッシャーも受けません。部屋の中は生活臭がないのでなんとなく小旅行気分になれます。ただ、どうやってもWiFiが届かないのでネット接続環境を持つにはモバイルルーターを持ち込む必要があるのが欠点。結果、先月はいつもの平均6GBを大きく上回るパケットを消費してしまいました。今月は節約しないと来月以降使用環境に響きそうです。

見舞いを兼ねて弟Bが訪ねてきました。と、言ってもすでに父は大きく回復しているので、現状それほど心配することもないのですが。
弟Bはわたしと同じようにMVNOとPHSを愛用し、もっぱらiPodTouchをスマホ代わりに利用している男です。ですが、あまりに酷使したために現行世代にも拘わらずiPodTouchのバッテリーはすっかりヘタれており、もはや外付けのモバイルバッテリーなしではわずかな時間しか利用できないほど、とのこと。買い替えるにも新型は出ておらず、iPadはminiですら大きすぎてわたしらの手には会いません。そう、弟Bはわたし同様、指が短くて手が小さいのです。そうしうわけでiOS環境はこれからもだましだましTouchで行い、持ち歩きのメインは代わりにAndroidのSIMフリーのスマートフォンを買ったのだそうです。ようするに見せびらかしに来たのです。
その機種はHuaweiのMate9! わたしも以前購入対象に入れていた5.9インチのものです。ちなみにわたしが薦めたわけではありません。やつもどうせ指が短すぎて片手操作はできないのだから、片手にしっかり収まるギリギリの大きさのものが一番使いやすい、というわたしと全く同じ結論にたどり着いたようですね。もちろんわたしが使っていた6インチモデルに多少触発されたと思いますが。

そんなわけで、まだまだブラブラやってます。いろいろ落ち着いたら、もう少しまともな更新がしたいなぁと思う今日この頃です。

テレビ市場、持ち直す? とは思えない

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最近、休日を、営業日にはできない仕事にあててばかりだったので、思い切ってGWの最中に一日臨時休業日を作ったのですが、全く構わずやってきたお客さんがいて、しかも「休暇なんだからほかの客は来ない分自分のことに専念できるじゃないか」と手間のかかる仕事を"ついで"とばかりに多重に要求され、結局臨時休暇の半分はそれで終わり。最近年中無休になりつつあります。まぁちゃんと食べてるし寝てますし疲労がたまったりはしてませんけどね。ただ遊びに行けないだけです。それだけにますます夜のテレビを中心とした趣味活動に依存しつつある今日この頃であります。

連休明けから、テレビ関連での動きと言えばソニーの有機ELテレビの発表です。さらに同社の株価が8年8か月ぶりの高値をつけていますが、それは有機ELテレビ参入により、「トップラインを伸ばす取り組みへの期待感」からだとか。と、言っても肝心のパネル自体は別途購入したもののようなので、かつて期待された有機ELのソニーという印象ではないですが、ちゃんと国内でも販売すること、4Kとしては比較的小さい55型を用意していること、現在のテレビの不要機能ナンバー1である3Dを非搭載であることなどが「本気を感じる」と思われたのかもしれません。最近ソニーのテレビ事業は万年赤字から脱出した、という話もありますし、余裕が出てくればまともな製品も作ることができるということなんでしょう。

一方、ソニーのみならず国内のテレビ市場全体も少しずつ持ち直してきているという報道もあります。

TV市場堅調の背景に非4K TVの価格下落。メーカー4強に変化も。BCN分析

堅調、と言ってもあくまで昨年同月比でプラスになった、というだけの話。ようするに昨年が過去最低のどん底で、あれ以下になったらもうテレビなんて終わりだった、ということです。とても堅調とはわたしの目には見えませんが、それでもこの分析はちょっと面白いです。表題にも書いてありますが、昨年より持ち直した原因は非4Kテレビ、つまり従来型のサイズのテレビが増加したからとはっきり書いたのが最大の注目点です。ここ最近のテレビの売り上げ、台数や価格はほとんど4Kテレビのことしか語られず、「構成比を伸ばしている」「平均単価を上げている」と言った、プラスに感じられることし書かれないものばかりでした。その結果が、特に昨年度前半の「前年同月比62.8%」という結果です。そもそも4Kテレビが売れている、という表現はあくまで過去比の話であり、まだ大きな市場を形成し、メーカーの売り上げを左右する存在になっているとは思えません。なぜなら、リンク先の資料でも売り上げ台数は指数でしかあらわされていないからです。本当に売れているのなら台数を実数で書けるはずですが、売りはじめ比の指数でしか資料を公開しないということは、微々たる台数および売り上げでしかないということなのでしょう。極端な話、指数の基準が一台なら十台しか売れなくても「十倍の伸び率」ですから。
それでも国内マイナス成長が一応止まった、というだけでもテレビ業界にとっては朗報なのでしょうが、まだまだ伸びは期待できません。なぜなら、リンク先にも書いてありますが、非4Kテレビの売り上げの主力は劣化の始まったデジタル放送切り替え時、あるいはそれ以前からのテレビの買い替え需要であるからです。ですが、今、そうした需要に応えるテレビはほとんどない、と言っていい状況です。確かにテレビのデザインそのものはやぼったい10年前のものよりよくなってはいますが、肝心のテレビの性能そのものが、ヘタすれば負けているからです。これは売れないゆえの低価格化・すなわち低性能化してしまったゆえです。10年前のハイエンドだった42型と現在の42型、どっちが総合的に優れているでしょうか? 基本的にテレビとはいえ、前持っている機種より性能の劣るものを買いたいと思う人は少ないでしょう。メーカーとしてはだからこそ性能的に優れた4Kテレビをそうした人たちに買ってほしいのかもしれませんが、55型ですら比較的小さい方、なのが4Kテレビ。それ以下もなくはないですが、量販店店の扱いも悪いですしただ4Kというだけのものです。しかし、別に前買った時と比べて景気がよく、ずっと大きな家に引っ越すことができた、ゆえに55型以上の超大型テレビでも大丈夫、という人はごく少数でしょう。ほとんどの人は以前と同じ家が同規模の集合住宅に住んでおり、テレビのサイズを大きくできません。いくらメーカーが4Kテレビがこれからのテレビだ、と旗を振っても、サイズが大きすぎてそもそも購入対象になりえない人が大半だと思います。さらに言えば、そうした高級4Kテレビで多くの人にとって「テレビ」の概念である地上波放送を量販店で視聴すると、あまりの汚さに買う気が失せるでしょう。なまじっか液晶としては性能のいいパネルを使っているうえ、拡大されて大きく映るだけに元の画質の悪さが目立つからです。補正機能もありますがしょせん限界はあり、BSでもかなり厳しい画質になります。まともに映るのは最低でもBD、多くの場合デモ用の環境映像だけ、というのが4Kテレビです。有機ELならば液晶よりはマシかもしれませんが、それでも今使っているほどほどの大きさのテレビに比べて汚く見えるのは避けられないでしょう。

メーカーとしても、こうした買い替え需要向きのテレビを売りたい、という心境ではあるはずです。実際、安いテレビでおなじみオリオンなどは未だに40型以下のテレビばかりラインナップしており、超大型の流れに乗る気が全くみえません。しかし、それ以外のテレビメーカーは、総務省、ひいては政府の指示により、オールジャパン体制で東京オリンピックまでに日本に4K8Kテレビを普及させ、将来の海外へ日本型4K8K放送を売るための見本市にする、という使命を帯びさせられているため、非4Kテレビや4Kが目立たない従来型大型テレビのラインナップや性能を充実させるができないのでしょう。デジタル放送の買い替え需要の半独占という美味しい思いをした代償としてお上の下におかれたテレビ市場、55型以上が普通サイズのテレビで当たり前、になる日など本当に来るのでしょうか。まぁ我々はそんな思惑など無視して、自分の見たい映像と部屋にあったテレビモニターで映像ソフトを楽しんでいればいいのですが。

84ゴジラを再々評価

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二番煎じではあるものの、「ゴジラ全映画DVDコレクターズBOX」の収録内容は相変わらずすごい。今号のゴジラ84年度版には、特典映像としていつもの"ゴジラアイランド"や"行け!ゴッドマン"の他、サンリオピューロランドでアトラクションとして使われていた"怪獣プラネットゴジラ"を2D化しているとはいえ、完全収録! 当時これだけ見に行きたくてもサンリオという会場のせいで行きづらかった人は、その映像を低価格で手に入れる最大のチャンス(笑) 収録されている復刻チラシやパンフレットも素晴らしいものだが、できればパンフレットに宣伝が収録されている岩田和久氏の劇画ゴジラを付録にしていただきたかった・・・。いや、198ページもあるので完全は無理だとしても、わたしの記憶ではその単行本が出る前にコロコロコミックの、確か別冊で一部のページだけを使い、セリフを差し換えて短縮版に仕上げた版が掲載されたことがあったはず。あれを入れてくれたらまさに狂喜乱舞、言うことなしだったのですが・・・。まぁ短縮版と言っても70ページくらいあったはずなのでやっぱり無理か? 掲載誌が小学館というのもやっぱり障害になったかなぁ。

隔週刊 ゴジラ全映画DVDコレクターズBOX(23) 2017年05/30号【雑誌】講談社講談社

上記のDVDマガジンを紹介するだけで終わり、とはいかないのでゴジラのことでも書こうかな。ただ、84年度版ゴジラに関しては前にも一度書いているので別の方面から。
84年度版「ゴジラ」は怪獣映画に対して初めて科学的考察を取り入れた映画と言える。作中の主要登場人物である科学者も、ゴジラを生物であると捉え、その本能を利用して撃退する作戦を考えた。以前の作品でも第一作や第三作の「キングコング対ゴジラ」で科学者による生物的なゴジラ考察を語るシーンはあったものの、それが作中のゴジラ対策などに反映されるわけではなかった。少なくとも50~70年代の東宝特撮においてはその怪獣怪獣に対して性格や能力を利用して対策を行うと言った演出はほとんど用いられていない。むしろ大映の「ガメラ」シリーズにそうした演出がある。「火をつけてガメラをおびき寄せる「ダイヤの光でバルゴンを誘導し、琵琶湖へ落とす」「味と匂いはそっくりに作った人工血液でギャオスを呼び寄せ、グルグル回して目を回させる」と言った、かなり無理のある作戦ではあったものの、ただ兵器を投入した力押しになり切らない部分にガメラスタッフのゴジラへの対抗心と意地を感じる。84年度版ゴジラの科学者側からのアプローチも結局はそうしたガメラ作戦とあまり変わらない、鳥の声をベースに作った超音波でゴジラを誘導するというものではあった。
当時は「なんでゴジラが鳥の声やそれで作った音波に引き寄せられるの?」と疑問もあったが、今となってはそれもあり得るかと思っている。
ゴジラ84の流れを組んで連続で作られた所謂「VSシリーズ」ではゴジラは恐竜型生物であるゴジラザウルスが変異した存在であるとされていた。おそらく外観的にみてもゴジラザウルスが恐竜だとした場合、竜盤目獣脚類に属する存在と思われる。「恐竜の子孫は鳥類である」という話は現在ではほぼ常識として定着しているが、厳密に言えば恐竜の中でも竜盤目獣脚類に属する存在だけが鳥の先祖になりえたものと思われる。ゴジラの本来の姿であるゴジラザウルスは「ゴジラVSキングギドラ」で恐竜と呼ばれて登場するのが最初だが、あの姿を維持したまま何千万年も独自の生態系を維持し続けた、とみるよりはなんらかの事情により卵のまま眠り続けていた個体が映画の世界の要因によって孵化し、たった一匹で生存していた、とみるべきだろう。ならば、84年度版ゴジラで見られた渡り鳥はゴジラザウルスの直系の子孫であり、鳥の波長にはゴジラザウルスの呼び合う波長と同じものが含まれていた、とみてもいいのかもしれない。「ゴジラVSメカゴジラ」でゴジラはベビーゴジラの発するSOSに呼応しておいかけてきたが、これも84年度版ゴジラと同様の波長に呼ばれてきたのだろう。ゴジラがベビーゴジラを連れて行ったことからゴジラザウルスが群れをなす性質を持っていたのは間違いなく、他の群れに惹かれる性質だったと考えてもおかしくないわけだ。
問題は、当時「恐竜は鳥の先祖」という考え方があったかどうか。全くないわけではなかった。が、一般人の知識はせいぜい恐竜から枝分かれした始祖鳥が鳥の先祖となった、程度のもので、恐竜の一部が鳥に近い外観や行動をしていた、という考えはなかったように思う。だが、当時はインターネットもなく、一般人がまだ出たばかりの学説に触れるのは大変難しかった。割と一般常識になるのは映画「ジュラシック・パーク」で訪れた恐竜ブーム以降の話になるが、学会レベルならどっくにそうした学説が支配的になっていても不自然ではない。84年度版ゴジラのストーリーは多くの専門家に助言をもらうことで作られている。パンフレットに掲載されているのは5人だが、掲載されない形で意見を述べた専門家がもっとたくさんいてもおかしくないだろう。火山の爆発などにもそうした跡が見られる。ひょっとしたら84年度版ゴジラは、恐竜が鳥の直系の先祖である、という概念を初めて取り入れた映画なのかも知れない。

同じくゴジラを科学的に解釈した・・・かに見える最新作の「シン・ゴジラ」ではあるが、実はまともにはほとんど語られていない。シン・ゴジラの分析を知っているのは登場人物の方であって観客には碌に知らされない。本来説明係である科学者、牧悟郎(ちなみに84年度版ゴジラの主人公の名は牧吾郎)が行方不明となって登場しないため、そうした説明が全く行われないためだ。「シン・ゴジラ」はリアルな描写と絶賛された作品ではあるが、こと怪獣面で言えば怪獣に対し生物的関心を提供する部分が、序盤の醜い第三段階までしかない。繰り返し見ていると、どことなく物足りなさを感じてくるのはそうした理由のせいだろうか。「シン・ゴジラ」は軍事オタ向けの作品ではあっても、怪獣オタ向けではなかったのかもしれない。

格安6インチスマートフォン、EveryPhoneACを買った!

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この間の朝9時半ごろ、急に家のインターネットが使えなくなりまして。店でも兼用で使っているので大慌て。とりあえずモデムの初期化・ルーターの設定など、基本的なことを一通り何度も見直しますが、1時間奮闘してもつながらず。ちなみにモデムとPCをLANケーブルで直結してもインターネットにつながりません。障害がメンテかモデムが壊れたか、と思いつつモバイルの方でプロバイダのサイトを見るもメンテの告知も障害報告もなし。こりゃモデムがついに壊れたか? 午後になったらプロバイダに電話問い合わせして呼ぶかなあと思っていたら、12時半になったら急につながるようになりました。こりゃどう考えても緊急メンテしてたでしょ。わたしの使っているプロバイダは告知ありのメンテは早朝にしかやらず、たまに9時~12時という、早朝の次に利用者が少なさそうな時間帯に予告なしのメンテをやる時があるのですが、今までは長くて1時間、速いと30分で終わっていたのに今回は長かった。ひょっとして、公式サイトの障害報告すら書き換えできないほどの状態だったんじゃ。例のマルウェアとか猛威を振るっていると聞きますし、怖い怖い。


ローカル回線がつながらない間は、仕方ないのでモバイルルーターを使ってネットに接続していました。と、言っても私用目的以外でパケットを使いたくないので節約モードにして200Kbpsでやってましたが。まぁこれでPCを使うとさすがに遅くてやってられませんが。Android端末なら、たいていこの速度で賄えるんですけどね。
その愛用のAndroid端末。ZenFone2Laserの6インチモデルは、薄すぎて持った時の側面の感触がイマイチなこと、背面が湾曲しすぎて机に置いてはまともに使えないこと以外は性能面でも特に不満はありません。それほどヘビーなことはしませんし、前述の不満点もカバーやケースを装着することで補えますしね。一方サブ機のFonePadNote6はZen2の欠点は全くなくて完璧なものの、バッテリーと液晶画面の、使い過ぎによる劣化がいい加減ごまかしきれなくなってきています。このFone6は2台目とはいえ、中古品上がりでしたから利用期間が短くても劣化して仕方ないですし。今年の初め頃からいい加減新しいのを買って、Zen2をサブ機に回そうかともくろんでいたのですが、多くのスマートフォンは以前より大型化したとはいえ5.5インチ止まり。手と目の馴染み具合では6インチ~6.4インチがわたしにとってはベストなんで、そこから外れたくないんです。出来れば滑らか目なボディで手持ちの感触がよく、かつカバーをつけなくても机においての操作に支障の少ないものがいいのですが、これがない。HUAWEIのMate 9が一番理想に近いんですが、今までのものよりベゼルが狭くなってしまった分手に小さく感じます。このベゼルの狭さっで6.4なら完璧なのですが。なんでも各スマートフォンメーカー、海外では6インチクラスのものも売っているところも少なくないようなのですが、日本では「6インチクラスはウケがよくない」と決めつけて5.5インチ止まりにしているところも少なくないとか。平均より指が短くて手が小さいわたしが6インチが一番馴染むと感じているのだから、需要はあると思うのですが。どうしてか日本でIT系メーカー日本で展開する商品は絞りたがる傾向にありますが、選択肢は広げてほしいです。唯一Lenovoが6.4インチを用意しているのですがほとんど通販でしか売っていないらしく見た事ありません。手に馴染むのがいいのだから、見ないで買うことはできませんし。
そうしているうちに、直接のメーカーではありませんが、量販店大手のヤマダ電機が自社販売しているスマートフォン"EveryPhone"の新ラインナップとして、ACという6インチモデルを用意した、という話が入ってきました。しかもそのお値段、税抜きで12800円という激安モデル。性能面では期待できないでしょうが、考えてみたらZenFone2でも性能に不足を感じてはいませんし、FonePadNote6に代わるサブ機になってくれればそれでわたしの需要は満たせます。とりあえず現物を見に行きましょう。休日に時間を2時間ほどとれたので大急ぎで郊外のヤマダ電機へ。わたしの行ける範囲のヤマダ電機はそれほど規模が大きくなく、とくにスマートフォン売り場はゲーム機売り場とほとんど一体扱いであまり活気がありません。昨今の電気店では珍しい様子ですが、地方の実態とはこんなもの、大都市ほど売れるものはスマートフォン一色、 にはなり切っていない印象です。もちろんそのほとんどはキャリアモデルでSIMフリーはほとんど見当たりませんでしたが、かろうじてEveryPhoneの低価格モデルだけは売っていました。もちろんお目当ての6インチモデル、ACもあります。
ちょっと触ってみますと、悪くありません。6インチですがベゼルはそれほど狭くはないため、ちょうど手に馴染む大きさです。昨今の薄い!というモデルと比べれば厚めのボディではありますが、感触を悪くするほどには感じません。個人的にはもう少し厚くてもいいのですが、それは望みすぎでしょう。十分合格圏内です。画面解像度はちょっと古い1280x720だそうですのでボケるかギザギザに見えるかと思ってのですがわたしの目には十分な解像度に見えます。実写の写真などを見る用途でなら区別もつくかも知れませんが、そうでなければこれも十分。画面内には大量のヤマダ電機のサービスや同社が展開するMVNOサービス、U-NEXTのアイコンが見られますが、Playストアが入っていて、そこからソフトが落とせればOK、これも問題なさそうです。なによりお値段税別12800円。税込でも13824円でしかありません。仮に問題だらけで使えなかったとしても、損害は少なく済みます。これ買いましょう。購入の際にはてっきりU-NEXTへの加入を強く勧められると思っていたのですが

ヤマダ店員「通信のSIMはお持ちですか?」
k「はい、持ってます」
ヤ「それなら問題ないですね」

これで終わり、拍子抜けなくらい簡単に買えました。

家に持ち帰ってセットアップ。本体には画面に保護シートがついてます。少し気泡が残ってますが、まぁわたしが自分でやるより少ないだろうと思ったのでそのまま使いましょう。上にはみ出している、シートをはがすためのつまみをハサミでチョイと切って、充電が終わったら起動。

このEveryPhoneACの最大の問題は、この起動直後に待っていました。ここでユーザーアカウントの引継ぎなどができるソフトが自動的に立ち上がる仕様になっているのです。わたしは以前の機種からのアカウントなどの引継ぎを希望しているので画面の指示に従って入力していると・・・エラーが起きて再起動させられることになりました。しかも、いくら先どうしてもエラーがおき、再起動を余儀なくされます。その引継ぎソフトだけを強制終了することもできません。どうすりゃいいのか、と検索を掛けたところ、このACを含むEveryPhoneの引継ぎ用初期プログラムはバグ持ちで、それを使って設定を入力すると必ず再起動ループに陥る欠陥品なんだそうです。それでマニュアルには引継ぎを行わず"スキップ"するよう書いてあるのですが・・・。そんなの読まないわ! 少しAndroidになれている人だけが陥るこの現象、回避するには工場出荷段階まで戻すしかありません。ACでその方法は

1.一旦電源ボタンを長押しして電源を落とす
2.電源ボタンとボリュームボタンのマイナス側を押しっぱなしにして電源をオン、EveryPhoneのロゴが出るまで両ボタンから手を離さない
3.Factory Modeに入るので、Clear eMMCを選択するFactory Modeではタッチパネルは効かないので、ボリュームボタンでバーを上下させ、電源ボタンで選択する
4.再起動してまた引継ぎソフトが起動したら、どうしてもスキップできない項目以外は全部スキップを選び、トップ画面に戻す。アカウントの入力等は設定から後で入力する

これでなんとか普通に使うことができるようになりました。そのうちバグの修正された版に差し替えになるかも知れませんが、現在はこれで凌ぐしかないようです。
デスクトップ画面にはお試し用の展示品と同じくヤマダ電機、U-NEXTのサービスソフトのアイコンやショートカットがこれでもか、と並んでいます。ヤマダ電機としては自社サービスを使うことを前提とした低価格でしょうし、発想としてはAmazonのFireタブレットに近いわけです。ただ、FireタブレットがAmazonストアからしかソフトを落とすことが(原則)できず、必然的にAmazonのサービスを使うことになるのに対し、EveryPhoneはただのAndroidが動いていますしPlayストアも入ってますのでヤマダ電機の存在を無視しても使うことができます。まぁ不義理かも知れませんが、ヤマダのサービスを使う義理はあっても義務ではないのがEveryPhone。多すぎる使わないアイコンやプリインストールソフトは全部削除しちゃいましょう。すっきりします。
SIMはMicroSIMが二つで、最近の機種のようにMicroSDメモリカードと排他利用ということもなく併用できます。ただ、手動で切り替えられるだけで両方をスタンバイにすることはできません。二枚ささる意味あまりないですね。もっとも、わたしはSIMでこいつを使う気はなく、WiFi専用にする気でいます。もちろんWiFiでネット接続は可能ですが、IEEE 802の11にgは接続できるものの、5GHz帯を利用する11aには接続できませんでした。そのため、WiFi時では少し速度が落ちますが、まぁ実用性としては問題ないです。

さて、わたしがサブ機を必要とする最大の理由は、SNSゲームをこっちで賄いたいから、です(笑)。メインで使っているスマートフォンで全部やるとバッテリーが持たなくて・・・。その点サブ機は使いつぶしてもいいのでガンガンいけますし。最悪LINEと"モンスターストライク"でわたしのモスラレイと運極ゴジラがちゃんと使えればそれでいいです。さっそくインストール、移行してみました。
うーん、なんとなく設定やパーティー編成画面が重く感じます。CPUは1.3GHzですがクアッドコア。FonePadNote6のATOMより性能はいいはずなんですが、なぜか動作が鈍く感じます。ただし、ゲームの方に入ってしまうと全く問題なく、むしろ液晶パネルの動作がいいのか解像度が低めのせいか、フレーム数などはZenFone2と比べても多め、スムーズにすら感じるほどです。"モンスターストライク"のような、前からあるSNSゲームなら、十分遊べると言っていいでしょう。さすがにもっと3DCGに凝ったゲームをする気にはならないですが。
もう一本、普段遊んでいるわけではないですが、定番と言っていい"ポケモンGO"を試してみました。ゲームそのものは動く(今って登録とかメチャクチャ大変なのね)んですが、傾きセンサーがない、などのメッセージが出てARを切ることを勧められてしまいました。EveryPhoneは画面の縦横を自動回転させる程度のセンサーしか持っておらず、微妙な操作には使えないようですね。ARで動作させなければ動くと言えば動くのですが、それでは楽しくないですね。"ポケモンGO"はに使える機種ではない、と思った方がいいです。

本機にメモリは2GBしかなく、そのうえ内蔵ストレージも16GBしかありません。さらにOS(7.0)のせいか、インストールしたソフトのデータをSDメモリカードに移すこともできませんので、かなり少なく感じます。性能で言えばFonePadNote6と大差ないです。初期設定のバグと合わせ、「困ったことがあったらインターネットでもなんでも使って自分で調べて解決方法を模索する」のが当たり前の人でないと苦労する機種です。あまり人には勧めらあれません。ただし、今回のわたしのように今となっては軽いゲームくらいしか期待しておらず、かつ6インチモデルでないといやだ、というわがままにこたえられる、現状唯一無二のSIMフリースマートフォンです。バッテリーの容量が比較的多めなのは良好。持った感触も、わたしとしては悪くなく(ただし、黒以外の色だと裏面の感触が違うらしいのでだいぶ異なるものとなりそうですが)思えます。机に置いての操作もZenFone2の本体のみと比べればグラつきは少なく、一応可能ですが平面部分が少なく、滑り止めも弱めなので置いた状態での片手操作だと少し動いてしまうこともある分やはりFonePadNote6にはかなり劣りますが、あれに匹敵する機種は存在しませんから仕方ないでしょう。総じてわたしのサブ機の代わり、という最低ラインの期待には応えるものでした。が、理想はメイン機を入れ替えられる6~6.4インチの充実ですね。少しずつ大型化してきたスマートフォンですから、わたしが理想とする6インチ台が主流で当たり前の時代もそのうち来るかも知れません。ZenFone3Ultraの6.8インチは少し大きすぎますからあそこまではいかなくていいんですけどね。それまではこいつも現役でいそうです。
あ、あと、ASUSのが画面に目が慣れているせいか、妙に色が青っぽくみえます。これは慣れと好みでしょうかね。

ちょっとウチの店の景気が良くなってきたんだが、このせいかな

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ここ最近は諸事情により、店を主にわたし中心で仕切っています。それゆえに、売り上げの減などが心配でした。やはりわたしは信用面においてイマイチだそうですから。しかもこの数年、再開発により道路の拡張・大型施設の開発計画などで閉店した店が多く、住んでいた人もかなり郊外などに引っ越してしまいましたので近辺の人口が減り、売り上げも減少の一途をたどっていたものですから。しかし、なぜか今月に入って急に業績が良くなり、利用者の数は3年前の水準に戻り、平均単価はそれ以上に回復しました。現在の人通りの少なさでこの業績だと、人口比の水準なら数十年前の当店全盛期並みです。一時的なものかも知れませんが、ひょっとしてなんだかんだ言って景気は良くなったのでしょうか? 金・プラチナ製品もすでに日本では枯渇してしまったはずだったnですが、割と多めでしたし。

その期待を、必ずしも肯定していない話が昨日やってきました。来たお客さんは飲み屋を何軒か経営している人で、どうしても必要だと言ってお金を作りにやってきたのです。てっきり業務拡張のためかと話しかけたら

「いや、不渡りださないためにどうしてもお金が必要なのだよ」

とのこと。飲み屋業界はあまりお客さんが戻っていないのかと思うとそうでもないとのことです。ならどうして資金が必要かというと、なんと業績を悪化させている原因は所謂"ツケ"がものすごく溜まっているからだそうで。
ツケ、少なくとも江戸時代には日本に存在した、顔みしりなのをいいことにタダで酒を呑んで金を後払いにしてもらう、というアレです。バブル景気のころまでは割と普通に行われていたようですが、それ以後不景気に陥った際に踏み倒すケースが相次いだため、てっきりもう絶滅した方式だと思っていたのですが、少なくとも地元の飲み屋ではやっている店がまだあったのでした。ツケが目立ち始めたのはここ最近、しかも溜めるのは専ら地元の有名企業の中間管理職以上の人。ツケを溜められるのはその飲み屋の経営者にとっては迷惑な話ですが、背後の企業の印象を悪くすることを考えると断ることもできないそうです。たいていの企業は25日前後が給料の支払い日ですから、月末はサラリーマンが一番お金を持っている時期です。てっきりその日に支払ってもらえると思いきやむしろツケが一番多くなるのが月末で、とうとう少々手段を選ばずお金を集めないとダメな状態にまで達したとか。

「ツケを払ってもらえるのは7月かなぁ。それまではなんとかして店を続けないと。」

と言って帰っていきました。ここ最近になって行われたもの、月末になっても払われないツケ・・・。ちょっと気になっちゃったのが、例の"プレミアムフライデー"であります。あれがひょっとしたら悪い方向に出てるんじゃないか、と。
本来月末の金曜日と言えば、別に政府なり官僚なりから何も言われなくてもお金が比較的あるうえに翌日が休日とあって、サラリーマンがちょっとお酒なり美味しいものなりを楽しむことの多い日でした。ところが、それを"プレミアムフライデー"にして早めに退社させられたら・・・。むしろ飲み屋によらずにさっさと帰ってしまうんでない? と思うんですよね。早く退社したからと言って飲み食いの時間はある程度習慣になってるでしょうから、早い時間から酒なんか飲む気にならないでしょうから。早く帰って家族と夕食を楽しみ、余った時間で家で読書やDVD鑑賞・・・そんなパターンになる人の方が多いかと。でも、政府官僚の指令で始めた"プレミアムフライデー"は「はい、ちゃんとやっています、飲みに行っている社員も少なくなりません」と、お上に報告しなきゃならない。ネットで軽く情報を調べると、民間の会社が調査した報告と比べると経産相の委員会の報告の方が"プレミアムフライデー"の実施状況ははるかに良い数字が出ていますし。現政府は怖いですから、ちゃんと"プレミアムフライデー"をやらないと企業名をさらされるかもしれない、だから報告のためにやらなきゃいけない、でも、若い社員はお金もないし、強制はできないから、中間管理職が少々無理してやる、かと言ってそんなにお金があるわけでないからツケを溜める・・・。

そんな関係が連想されてしまいました。もちろんわたしの勝手な予想で根拠はなく、あったとしてもごく一部にとどまっていることでしょう。当然ツケなど使わせない店の方が多いと思いますから。しかし、少なくとも地元にはツケを経営が悪化するほど溜められた店が存在します。仕方なく借金を増やして維持費を確保しますが、利息がついてしまいます。その利息をツケに還元できればいいのでしょうが、難しいでしょう。ツケに法律的規則はなく、当事者同士で勝手にやっている行為なので、「ツケができる自分はこの店の特別扱い」と思っているだろうツケ利用者は利息のことなど思いもしないでしょうから。ウチがようやく業績が良くなったのも、こうした余波のせいだったとしたら、素直に喜べないですねぇ、妙な政策のおこぼれを本来ターゲットでない業界がもらっちゃってるわけですから。

この"プレミアムフライデー"、効果のほどは知りませんが、すくなくとも評判はよろしくないようで、ボチボチ降りる企業も出そうな空気。そうなれば地元有名企業も喜んでやめるでしょう。おそらく会社として喜んで"プレミアムフライデー"に参加している企業はほとんどないでしょうから。そうなると、せっかく良くなってきたウチの景気もまた落ちるのかも・・・と考えると、わたしとしては歯を食いしばってでも続けていただきたいですね、はい。
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