歴史的に見て、Intelは非常に同業他社を恐れる性質を持つ企業なのは間違いありません。そして、対抗のためにあらゆる手段を用いてきました。ライセンス契約で他社に許してきたクローンCPUやチップセットの製造を突然打ち切って自社製品に一本に変えさせたり、やみくもに特定の数字だけが高い新製品を投入したり、悪い時にはベンチマークソフトに最適化させた製品を出したり、なんてこともやったことがあります。その一方で、その必要性を感じていないときは、要らない機能を充実させたり余計な事をしてくるのもIntelという企業の特徴でもあります。ここ数年はまさに後者の面が表に出ていたのがIntelの展開でした。もちろん本来競合であるAMDが、FXの開発を事実上打ち切ってほとんど変わらないアーキテクチャを数年も続けていたため、対抗のために力を注ぐ必要がなかったこともあるでしょうが、もう一つとしてスマートフォン・タブレットという新しい市場にもIntelアーキテクチャを定着させるべく奮闘していた、というのもあるのでしょう。その市場向けのCPU、Atomをほとんどタダ同然にメーカーに配布し、ソフト面で不具合が出ないよう、Googleに多数のAndroid移植チームを常駐させていたといわれるほどAndroid市場に力を注ぎ続けたIntelですが、結局同社初の挫折を味わうことになってしまいました。今やIntelCPU搭載のAndroid機は、旧型OSのものしか見かけなくなってしまっています。おそらく先はないでしょう。
そうして隙を作り続けている間に、AMDは多くのベンチマークソフトでIntelのCoreと同等以上のスコアを叩き出しながら安い、というRyzenを発売することに成功してしまいました。これによって、多くの人の目がAMDにも向いてしまったのがまぎれもない事実です。にも拘わらず、Intelはどちらかと言えば沈黙していました。昔のIntelなら強引に高クロックで動かすPentiumXEや、無理矢理デュアルに加工したPentiumDのような「即席対抗馬」をとっくに出していたはずです。それもやらず、市場に流されるままにしていたIntelが、今回ようやく動いたようです。今までi3/i5/i7という型番で出し続けていたCoreシリーズに、数字上のハッタリも効いた"i9"型番になる新CPUをハイエンド向けとして発売する、というではないですか。
Intel史上もっともパワフルなデスクトップCPU「Core i9-7900」シリーズ
なんと18コア・36スレッドです! ちなみに現行のCore i7 6950Xは10コア/20スレッドですから、スレッド数だけでも1.8倍という大幅な増加となります。ただし、記事内にも触れていますが、XEONブランドで販売されるサーバー向けCPUをほとんどそのままCoreブランドで発売する、というだけのようです。ちなみに現行のXEONで18コア・26スレッドのCPUはコードネームBroadwell-EのE5-2695という型番で、TDP120Wで動作クロックは2.1GHz、最大でも3.3GHzまでしか上がりません。それでいて価格は約30万円と非常に高価なものです。それこそサーバー用途でもなければ無駄なコアを持て余し、通常作業も遅いというコストパフォーマンス最悪のCPUでしかありません。i9で発売されるのはSkylake-Xとなるようですから、ほぼ現行CPUと同じです。少なくともBroadwell-Eよりはクロックなども上昇し、ハイエンドユーザーの需要に応えられる製品となるでしょう。が、値段も非常に高価なものになることが予想されるため、我々からすれば縁遠い製品になるでしょう。名目上の性能で対抗はしても、PC向けでは価格での対抗は基本やらないのがIntelですから。ただ、AMDが出すといわれているThreadRipperというハイエンド向けCPUは16コア・32スレッドになるといわれていますし、ZenとSkylakeを比べた場合、同じコア数・同じクロックならまだIntelの方が基本性能は上(発熱量は問わない)ですから、性能で上回るとは考えられません。高価でも問題なしとIntelは考えるでしょう。
さて、そんなハイエンドは用はない、我々が興味あるのは数万円で変えるエンドまでいかないハイクラスのCPUだから、そっちでも対抗馬CPUを出してくれ、と言いたい人も多いでしょう。ですが、こちらはまだ期待できないかな? というのも日本以外ではi7クラスのCPUはゲーミング向けとして注目されており、そちらの能力が重視されているからです。現行i7はRyzen1800xと比べてもゲームにおいては同等以上ですから、Ryzenのようなより多コアに最適化されたゲームがどんどん出てこない限り、対抗i7を出す必要はない、少なくともPentiumDのような無理をした製品を出す必要はないと考えるでしょう。動画エンコードもQSVを使えば名目上の速度ではRyzenよりも上、とすることができますからね。
それに、即席対抗馬を出さない、ということは次に自信がある、ということでもあります。慌てて失笑ものの製品を出して評判を落とすくらいなら、少し時間がかかってもはっきりとした高性能製品を出す方を選んだ方が正しいと考えるのも一つの手です。過去の実績から考えてもAMDがすぐにIntelにとって代わる存在になることはないとも考えているでしょうしね。個人的にはAMDがZenコアのAPUを出し、かつそれが評判を得るまでIntelがメインクラスであわてることはないと予想しています。だから早くAPUのデスクトップ版を発表してくれい(^^)欲しいので。
そうして隙を作り続けている間に、AMDは多くのベンチマークソフトでIntelのCoreと同等以上のスコアを叩き出しながら安い、というRyzenを発売することに成功してしまいました。これによって、多くの人の目がAMDにも向いてしまったのがまぎれもない事実です。にも拘わらず、Intelはどちらかと言えば沈黙していました。昔のIntelなら強引に高クロックで動かすPentiumXEや、無理矢理デュアルに加工したPentiumDのような「即席対抗馬」をとっくに出していたはずです。それもやらず、市場に流されるままにしていたIntelが、今回ようやく動いたようです。今までi3/i5/i7という型番で出し続けていたCoreシリーズに、数字上のハッタリも効いた"i9"型番になる新CPUをハイエンド向けとして発売する、というではないですか。
Intel史上もっともパワフルなデスクトップCPU「Core i9-7900」シリーズ
なんと18コア・36スレッドです! ちなみに現行のCore i7 6950Xは10コア/20スレッドですから、スレッド数だけでも1.8倍という大幅な増加となります。ただし、記事内にも触れていますが、XEONブランドで販売されるサーバー向けCPUをほとんどそのままCoreブランドで発売する、というだけのようです。ちなみに現行のXEONで18コア・26スレッドのCPUはコードネームBroadwell-EのE5-2695という型番で、TDP120Wで動作クロックは2.1GHz、最大でも3.3GHzまでしか上がりません。それでいて価格は約30万円と非常に高価なものです。それこそサーバー用途でもなければ無駄なコアを持て余し、通常作業も遅いというコストパフォーマンス最悪のCPUでしかありません。i9で発売されるのはSkylake-Xとなるようですから、ほぼ現行CPUと同じです。少なくともBroadwell-Eよりはクロックなども上昇し、ハイエンドユーザーの需要に応えられる製品となるでしょう。が、値段も非常に高価なものになることが予想されるため、我々からすれば縁遠い製品になるでしょう。名目上の性能で対抗はしても、PC向けでは価格での対抗は基本やらないのがIntelですから。ただ、AMDが出すといわれているThreadRipperというハイエンド向けCPUは16コア・32スレッドになるといわれていますし、ZenとSkylakeを比べた場合、同じコア数・同じクロックならまだIntelの方が基本性能は上(発熱量は問わない)ですから、性能で上回るとは考えられません。高価でも問題なしとIntelは考えるでしょう。
さて、そんなハイエンドは用はない、我々が興味あるのは数万円で変えるエンドまでいかないハイクラスのCPUだから、そっちでも対抗馬CPUを出してくれ、と言いたい人も多いでしょう。ですが、こちらはまだ期待できないかな? というのも日本以外ではi7クラスのCPUはゲーミング向けとして注目されており、そちらの能力が重視されているからです。現行i7はRyzen1800xと比べてもゲームにおいては同等以上ですから、Ryzenのようなより多コアに最適化されたゲームがどんどん出てこない限り、対抗i7を出す必要はない、少なくともPentiumDのような無理をした製品を出す必要はないと考えるでしょう。動画エンコードもQSVを使えば名目上の速度ではRyzenよりも上、とすることができますからね。
それに、即席対抗馬を出さない、ということは次に自信がある、ということでもあります。慌てて失笑ものの製品を出して評判を落とすくらいなら、少し時間がかかってもはっきりとした高性能製品を出す方を選んだ方が正しいと考えるのも一つの手です。過去の実績から考えてもAMDがすぐにIntelにとって代わる存在になることはないとも考えているでしょうしね。個人的にはAMDがZenコアのAPUを出し、かつそれが評判を得るまでIntelがメインクラスであわてることはないと予想しています。だから早くAPUのデスクトップ版を発表してくれい(^^)欲しいので。