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二代目ヘッドマウントディスプレイの改良点

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いよいよ明後日がAMDのブロガー向けAPU勉強会当日ですが、実はほんの少しだけ行けるかどうかあやしくなってきました。親戚でトラブルがあったんですよ。もちろんそのトラブルとわたしは全く関係ありませんので本来気にすることはないのですが、ウチは旧家の本家なんです。なぜかウチの親戚筋では「本家は分家のために手間と金を提供して当たり前」という風潮がありまして、朝からウチの親父が運転手扱いであちこち引っ張りまわされているんです。もし「明日以降も当然本家は分家の足代わり」の扱いが続くと、わたしが店番するしかなくなって、勉強会はドタキャン扱いになる可能性が出てくるという・・・。バカバカしいと思うでしょ? たかが運転手代わりならタクシー使え、こっちの都合も考えろと。ところが、ウチの親戚連中はわたしらの都合など聞く耳持たないんです、ずっとそうやってきたから。そういうわけで、このギリギリになって参加できない可能性が1〜2割程度ですが出てしまいました。
絶対したくないですよ、ドタキャンなんて。信用にかかわりますから、二度とこのような催しに参加できなくなる可能性もありますし。なので無理してでも行くつもりではありますが、もし行けなくなった時のために書いておきます。なお、東京行きを強行して親戚トラブル放ったらかしの件で後で揉めたとしても、それは我が家の問題に過ぎませんので書きません。


そっちの話はここまでにしまして。

昨年の販売以来、好評で常に入荷待ち、という状態が続いていたソニーのヘッドマウントディスプレイ、HMZ-T1。ちなみにすでに生産完了となっています、人気なのに。
従来のテレビの発想を覆すその見た目で分かる性能に世のAVヲタはしびれた訳ですが、個人的には、数回試しただけですがイマイチな感がしていました。ヘッドフォンが内蔵のものしか使えず、かつ音質がイマイチであった点もありますが、最大の難点は装着感が思ったより安っぽいためか調整が難しく、その調整を間違うと眼球への負担がかかりすぎて目が痛くなってしまうところにありました。これはわたしの頭が人より大きな点もあると思います。まぁ自分専用のHMTを買ってしまい、調整を済ませればいいだけの話なんですが、試着の印象が悪くてそこまでする気にならず、パスしてしまいました。
先も書いたようにHMTーZ1はすでに生産終了なんですが、人気機種をそのまま放っておくわけがありません。ソニーは当然のようにマイナーチェンジを施した第二世代ヘッドマウントディスプレイを出してきました。HMZ-T2です。

ソニー、画質と装着感を改善した新HMD「HMZ-T2」
−2D/3D画質を全面刷新。20%の軽量化も


軽量化、ヘッドフォンの分離、装着感の改善、画質の向上、左右別のピント調整など、細部ばかりではありますが、大幅な改良がほどこされているにもかかわらず、予想販売価格は安くなるなど、テレビ系分野では数少ない勢いを感じる製品となっています。ただ、先代で最大の不満だった上下の調整が難しい点は、根本的な改良は行われなかったようです。内部のディスプレイの位置だけ、ヘッドバンドとは独立した調整が可能とかして欲しかったのですが、3D対応で微調整が必要な分その実現は難しかったのでしょう。個人的には別に3Dなくていいから調整しやすくして欲しかったかな? と思うのですが、その意見は少数派でしょうか。
もっとも、調整しやすい標準的な頭をお持ちの型ならそんなのは欠点にならないでしょう。むしろどうせメガネをかけないと3Dが楽しめないのならメガネ自体に映画が映ったほうが合理的と考える人の方が多いかと思います。先代HMT-Z1が買いたい、欲しいと思ってまだ買っていない人にはまたとない朗報でしょう。一度試着して試用してみたい品ですね。

そういえば

秋のインテル製 SSD 製品 購入キャンペーン


このプレゼントの中にHMT-Z1があるんですけど、今からでもZ2に入れ替えにならないですかねぇ。それなら喜んでZ2に応募するんですが、SSD買って。

第2回AMD主催、ブロガー向けAPU勉強会に行ってきた(直後編)

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結論から申しましょう。

今日もらえるはずだった勉強会の目玉、「新製品」が手元にありません。

「新製品」のため手配が間に合わず、確保できなかったので後日発送する、とのことです。なんてこったい!
まぁ手元にあったところでまだ書けないんですけどね。もらう代わりに必ずブログに書くことと、情報解禁日である10月3日午前0時0分までブログだろうとSNSだろうと内緒にしておくことになってるんです。憶測していただくのは自由ですが、わたしは突っ込みいれられませんから。そういうわけで、勉強会のことも、その「新製品」の項目に関してはまだ書けません。もちろんそれ以外でもいろいろありまして、思った以上に充実した時間をすごせたのですが。

ところで、「新製品」が後日発送っていうところだけtwitterに書いたんです。実は、AMD側の方から「「新製品」以外のことに関してはどんどんつぶやいてもらって構いません」とのお達しがあったので、もっと他のことも書こうと思ったんですが、会場が高層ビルの34F(結局日本AMDの社内の会議室でした)の内部と言う条件もあって、WiMAXの電波がほとんど届かず(^^;) あれを書いたときも何度もやり直したあげく、一瞬届いた電波を利用して送るのが精一杯だったのです。「どうしてもこの件だけはすぐに書きたいんだぁ」というわたしの執念が実ったのでしょう。そう、「プレゼント用新製品間に合わず事件」「WiMAX一瞬だけしか届かない事件」ついでに「AMDプレゼンに失敗してスクリーンにブルスク出す事件」は会議室で起こったのです!

さて、いま宿泊先の姉んちについたばかりなので、これからひとっ風呂浴びます。その後勉強会編第二回を書く予定でいます。ただ、カードリーダーが手元にないので、撮ってきた写真などは明日以降・・・となりますけど。

では、後ほど。

第2回AMD主催、ブロガー向けAPU勉強会に行ってきた(移動編)

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時空はさかのぼって13日の昼ごろ。

あらゆる邪魔を振り払ってやってきました東京。今回の目的はAMD主催のブロガー勉強会に参加すること。出発前に親戚のゴタゴタに巻き込まれそうになりましたが、親父の援護を受けてやってくることが出来ました。後でもめたら、「今回の催しは特別なんだ。そう、選ばれた人間しか参加できない特別な会なんだよ。あんたらの軽いゴタゴタみたいなもののために待機させられて不参加になっていいものじゃないんだ!」と説得してやりましょう。そう、わたしは選ばれた人間。例え選び方が抽選で、えらばれた理由が籤運だったとしても! 嘘にはならないな、うん。

今回の会場は、当初は内緒だったので終了するまで書くのを控えていたのですが、日本AMDの社内でやるということは当選メールに書いてありました。場所は西新宿・・・新宿かぁ、苦手だなぁ。地下街という地上といい、入り組み方が半端じゃないでしょ? あそこ。そうでなくてもわたしは道を覚えるのが苦手で、よく「方向音痴」と呼ばれるのですから。「方向音痴」ってよく言いますけど、本当にみなさま、方向を感知して目的地を目指したり出来るのですか? 道を覚えるのが精一杯のわたしには信じられない感覚なのですが。
そう、わたしは間違いなく方向音痴。目的地まで徒歩10分の駅についたら、目的地につくまでにそれから1時間かかる、なんてのは普通に起こる、1時間前行動必須の人間です。だがしかし、わたしには文明の利器というつよーい味方がある!手持ちのAndrodiウォークマンの"マップ"ソフトを使い、WiMAXと組み合わせれば、目的地の場所を表示しつつ大体の現在地まで教えてくれるので、わたしでも方向と場所が分かるのです。さて、そんな最新テクノロジーに頼ることにしつつも、まず新宿に着いたのはまだ13時。勉強会は19時会場、19時30分より開始なので、さすがに早すぎます。もちろん明るいウチに下見をしておこうという考えです。ようやくたどり着いたのは新宿アイランドタワー・・・ゲゲゲ、なんですかこの威圧感あふれる建物は! ものすごーく高い高層オフィスビルにレストランやショッピングモールがくっついた、大都会型複合タウン。以前六本木ヒルズに行ったときと同じ威圧感を感じます、田舎者を寄せ付けないぞな空気を。しかし、場所は分かりました。思ったより早く、駅から30分程度でつきました(まっすぐ来れれば15分くらい?)ただ、帰りは甘く見たので45分くらいかかりましたが・・・。それでも、まだ時間が早いので、新宿駅周辺をうろうろしたり、時間つぶしの王者・映画を見たりと休日を満喫。いよいよ19時か近づいたので会場へ向かいます。
あたりはすっかり暗くなり、昼間とはだいぶ雰囲気が違います。ただ道を覚えただけではきっとたどり着けなかったでしょう。またしてもAndroidウォークマンを道案内に目的地を目指しますが・・・。

ここで意味もなく、わたしの役に立たない七つの能力の一つ「声かけられやすい人間オーラ放出」が起こったらしく、道行く人々に何度か呼び止められては道を尋ねられてしまいます。違うんです、わたしこっちの道は全く不案内の田舎者なんです、だからこんなナビが頼りなんです。暗いのに下向いてゆっくり歩いているのも呼び止められる一因なのかも知れませんが。
19時を5分ほど過ぎましたが問題はないでしょう。すでに暗く、人通りも少なくなった巨大オフィスビルのエレベーターを使います。目指すは34Fの日本AMD!



次回へ続く



だって、勉強会の内容は資料読み返しつつ復習しないとうまく書けそうにないんですよぉ。結構難しい話が続いたので、なんとか噛み砕いて書きたいと思います。

iPodTouchじゃダメなんですか? iPhone5の予約に行列あり

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まだ東京にいます。明日15日には家に戻りますが、その前に近い将来足りなくなるものを買いに秋葉原まで足を運びました。そこで見かけた風景・・・勉強会記事の冒頭ネタにしようかと思ったんですが、あっちにこれ以上余計なものを入れるのは記事としてまずいかと思い、ここに別記事にします。

あちこちのショップで、間にテープのようなロープを張った、腰くらいまでの高さの鉄柱を並べる姿が見られました。言うまでもありません、行列が出来ることを想定して、ここに並んでもらおうとしてるんです。当初なんで行列をあちこちに? と不思議だったのですが、その原因はすぐに分かりました。どこもプラカードを上げてこう宣言したんです。

「本日16時より、iPhone5の予約を開始いたします」

ああ、そういえば発表になってましたっけ、iPhone5。まぁ欲しい人は欲しいんでしょうが、ただの予約のために何時間も前から並ぶ人などそうそう・・・。
いるんですね・・・iPhoneユーザー甘く見てました。
とはいえ、一軒あたりの行列は数人程度、多くても二十人といませんのでそう長くはありませんが、大変多くの店で予約が行われたため、街全体を見るとかなりの人数になります。店によっては予約整理券を配布していたようなので、それによって行列が出来ていない店もあったようです。まぁ中にはゲームの体験版の配布のための行列、なんて紛らわしいのもありましたが。

いったいどんな人がそこまでして買うんでしょうか。考えられるのは2世代前のiPhone4からの乗り換え。販売開始当初に買った人はもう2年以上たってますし、ちょうどいいころあいです。ただ、予約初日に行列してまで買うような人が、一世代飛ばすとはちょっと考えづらいですが。やはり一世代前のiPhone4Sからの乗り換えが主流でしょうか。でも、4Sが発売されてからまだ一年たっていません。わたしはiPhoneの縛りをしりませんが、まぁ普通の2年縛りでしょう。iPhone4Sユーザーが解約金を払ってまで5を欲しがるとは、わたしにはちょっと信じられません。
LTEがどうしてもiPhoneで直接使いたいとか(特にauはiPhone5専用LTEを用意しているようなので、速そう)、仕事で最新のiPhoneが絶対必要だとか、そういう人もいるでしょうが、必ずしも全員がそうではないでしょう。今回全く注目されていませんが、iPhoneの姉妹機というべきiPodTouchも、2世代もほったらかしになっていた暗黒期間を乗り越えてようやく新型が発売されるのです。無理やり変えなくても、たいていの人はこっちを買い足せば十分じゃない? と思うのですが。

iPhoneと比べると極端に少ないiPodTouchの情報ですが、スペックは以下のような感じです。

新「iPod touch」も4インチに Apple、iPod新製品発表


・iPhone5と同じ4インチ・640×1136ピクセル(326ppi)のRetina Diplayを搭載
・500万画素の裏面照射センサーを採用した背面カメラ(iPhone4と同等、5/4Sは800万画素)
・デュアルコアA5プロセッサ(iPhone4Sと同等と思われる)

と、明らかな差別化は行われていますが、CPUで4S・ディスプレイは5と同等です。無線のネットサービスと組み合わせれば多くの人はこれでも満足できるでしょう、iOS対応なのでほとんどのソフトは動くわけですし。

もちろんわたしは、すぐにではないですが新iPodTouchは買うつもりでいます。なんとなくAPPLE製品のなかで唯一もっさりしているというか、オシャレなイメージで見てもらえない空気をまとわされているiPodTouchですが、iPhoneばかりに目をやるのではなく、もうちょっと注目されてもいいと思ってます。

第2回AMD主催、ブロガー向けAPU勉強会に行ってきた(省電力編)

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前回、東京までやってきて日本AMDに向かったわたし。そしてそれを待ち受けていたのは


地元じゃありえない高層ビル。


そして34FのAMDのロビーでした。

ビルは昼間撮影したものですから夜ついたときとはだいぶ印象が異なりますし、AMDのロビーも当然受付の人がいます。ちなみに名前(本名)を言うだけで、簡単に通してもらえました。思ったより簡単。会議室はすでに何人か人がいましたが、シーンとして誰も口を利きません。もう少しブロガーどうしのやり取りとかあるのかな? と予想していたのでちょっと肩透かしな気分でしたが。席は適当に座ります。目の前には山のようなおみやげ・・・というわけでもなく、お弁当と飲料水の他はほとんどが勉強会用の資料です。それ以外にAMD特性ボールペンとノートが用意されています。念のため筆記用具は持ってきたのですが、要らなかったみたいですね。あとは使い方のよくわからないバンド?とか・・・。


お約束、お弁当の中身。サンドイッチとフライドポテト、それにお水です。結構お腹が膨れるボリュームがあります。

さて、19時30分となり、AMDスタッフの方々も入ってきて勉強会が始まります。席はほぼ満席でしたが、ひとつ空いていたかな?
その中で、今回のエントリーでは「APUの省電力機能」について取り上げたいと思います。ただ、ここで取り上げるAPUは全項目にわたってモバイル用、つまりノートパソコン用のものを差します。それだけAMDはノートへの進出にかけているのです。質疑応答の中で「AMDAPU搭載のノートパソコンがあまり市場で見かけない」というものがありました。日本AMDとしてはそれなりの種類は出ていると解釈していたようですが、我々から見ればとてもそうは思えません。実際、通販専用機などがその多くを占めるようです。日本AMD側も認めていましたが、ノートPCにおけるAMDの国内シェアはせいせい4%ときわめて低く、それにしては多い、という意味なのでしょう。今回のモバイル用第二世代APUに省電力機能を盛り込んだのは、この状況を打破したい気合の現れでしょうか。

言うまでもないことですが、APUは単体CPU+GPUと比べて消費電力を少なく抑えることが出来ます。余計なバスのやり取りを大幅に抑えることが出来るわけですから。ただ、「APUだから省電力」というだけではダメでなわけです。PCにおける発熱の2大原因であるAPUとGPUをひとつのパッケージとし、ひとつのクーラーで冷やすわけですから相当の工夫がないとひとつのクーラーではまかないきれません。
そのため、モバイルAPUではターボコア機能が積極的に使用されます。普段はなるだけ抑えておき、必要なときだけCPUのクロックをあげ、本来のパフォーマンスを引き出すというわけです。デスクトップのターボの発想とは、やっていることは同じでも原点は異なるのですね。「如何に余分な時に電力を使わないか」これが大事なのです。
第2世代APUではこれがもうひとつ進んでいます。AMDではコンピュートユニット(以下CU)と呼ぶモジュール単位でターボコアを調整できるため、その調整のハブとなるNorthBridge(2チップ構成のノースブリッジがAPUパッケージに入っているようなもの)の消費電力が少なくすみます。また、GPU部分もCUと同等の扱いとし、たとえばCUが2個入っているAPUではCU2個+GPUの3つでTDP調整を行い、休んでいる分の熱量を他のユニットにまわしているのです。そうなると、ソフトエンコード時などGPUの利用は極端に少なくなっているのに対しCPUには可能な限りパフォーマンスをまわしたい、などのような場合、CPUよりAPUの方がターボが利きやすくなることも考えられるわけです。CPUとGPUが独立している場合、いくらGPUの熱があまっていてもCPUにまわすことは出来ませんからね。その逆もまたアリで、CUをあまり消費せず、GPUにパフォーマンスを振り分けたいゲームなどの場合もAPUのターボコアが威力を発揮します。それでいて電力消費はそれほど上がらない・・・という理想的な環境が実現できることになります。

ここでAMDさん、もっと具体的に見てもらおうと、こんなPCを出してきました。



第2世代APU用ノートPCの試作型の一番古いものだそうです。でかいです。ノートというより一体型デスクトップ機という面構えです。動いているOSは、英語版のWindows7と思われます。普段から開発用は英語版なのか、説明のスタッフさんは、日本語版のWindowsに書かれている用語を知らなかった場面が見受けられました。なお、左上に写っているクーラーファンの部分はRADEON、つまり単体GPUで、miniPCI-Expressでつながっています。右側クーラーファンの下にあるのはAPUなので本来GPUは不要なはずですが、さまざな状態を検証するために必要ということで用意されているとのことです。そして、この部分がこのあと実験に使われることになります。

その前にAMDスタッフさん、一度ターボコアの動きと省電力の関係を見てもらおうとしたのですが、引っ張り出してきたのがAMD愛好家にはおなじみのフリーソフト、K10Stat。ところが第2世代APUはまだ世に出たばかりなので、K10statは対応してないんですよねぇ。事前のテストでそれは分かっていたはずなんですが、少々悪あがきでもう一回やってましたが、案の定うまくいかず。しょうがないので、本来は社外秘である社内用ツールで試すことに。社外秘ツールなので撮影は遠慮してくれ、といわれていたのでカメラを構えていなかったのですが、

いきなりツールが落ちてプロジェクターに表示された画面がいわゆる"ブルスク"に(会場内爆笑)

しまった、撮影しそこねた。あわてて他のスタッフさん、「試作機なのでこうなっただけで、製品版はちゃんとしてますから」と言い訳してました。

さて、APUの省電力機能としてもうひとつ実験がありました。おそらく発売中のASUSのノートパソコン、K55DRで使われているものと思われますが、APUとは他にGPUを搭載しているノーパソでの利用の際の省電力機能です。
モバイルでのAPUとGPUの両搭載のことを"スイッチャブルグラフィックス"とAMDでは呼んでいるとのことです。デスクトップ機でのクロスファイヤのときは特に気にも留めず両方のGPUがうなりますが、モバイルの場合デュアル化だけでなく、切り替えを想定して設計されています。それをスイッチャブルグラフィックスの、現在のバージョン4.0ではプロファイルに登録することで、APU単体か、デュアルで使うかをアプリケーション単位で自分で決められるというわけです。自動より気が利いていますね。
それに加え、POWER Express5.0と呼んでいましたが、この切り替えの際にそのうちのDynamic Zeroが使われるとのことです。先の試作機でも書きましたが、別GPUはminiPCI Expressで接続されています。こっちが使われない間はGPUの電源を切るのはもちろんPCI Expressの電力も無駄、ということで、そこへの電力もカットすることで、APU単体で動作するときは、GPUが入っていないと仮定した時と同じ消費電力まで落とそうという技術がDynamic Zeroです。
これは実験が行われました。まず、GPUを抜いてしまってから起動し、電力をチェックします。確か15.7Wくらいでした。「もっとガシガシ設定すると8Wくらいまで落とせるんですけど」と、少々自慢げに語るスタッフさん。15Wでも、サイズを考えたら十分省電力な気がします。
続いてGPUを差しなおして起動、GPUファンがうなりをあげます。正直言ってやかましい。電力も50Wちょいくらいまで上がったでしょうか。その間、なにやらWindows上から設定項目を弄り回していましたが、突然ガクンとGPUファンが止まってしまいました、壊れたんじゃないかと思うほど劇的に。もちろん壊れていません、消費電力も15.7〜8に戻っています。Dynamic Zeroが発動した瞬間でした。

これらの技術により、第2世代モバイル向けAPUは第1世代と比べワットあたりのパフォーマンスを2倍に高めたと語っていました。当然ですが性能を2倍に引き上げられるということではなく、ほぼ同等の性能ならAPU部分の消費電力を半分にまで落とせるという意味でしょう。また、もっとも低いTDPの17Wで動作する第2世代モバイル用APUは、はっきり「ウルトラブック対抗」といっていました。UltraBookはIntelの登録商標なのでUltraThinとAMDでは呼びますが、いずれ登場することでしょう。思ったよりモバイル用第2世代APUは高機能である印象を受けました、もちろんそうなるように構成してあったからなんですが。

ただ、今回集まったブロガーは全員PCを自分で組み立てている人間です、参加資格に「PCを自分で組み立てられる」ことが求められていましたから。つまり、参加者のメイン機はデスクトップやタワーであり、ノートにパフォーマンスをそれほど求めていません。GPUを2個つんでゲームをサイズや価格の割りにパワフルに動かすノートより、GPUはAPU内蔵で十分なサブPCとしての利用や出先で使うためのUltraThinのノーパソの方が今後利用するだろう環境に近いはずなのです。ところが、AMDの説明はほぼパフォーマンスの高いノートパソを省電力で動かすための技術の説明に終始していました。これはわたしらとの意識のズレを感じます。わたしらのようなタイプの方が普通のノーパソユーザーよりもそういう技術に関心を持ち、噛み砕いて説明できると考えてのことなのでしょうが、せっかくの勉強会なのですから、集まったユーザーの利用環境を想定した内容であって欲しかったように思います。「新製品」に関しての部分は、その期待に立派に沿うものだったのですけど、これは後の楽しみに。


ちょっとどうでもいい話。日本AMDのスタッフさん、何人か出てきてしゃべられたのですが、みなさん第1世代APUを「リャノ」と発音しておられていました。第1世代APUのコードネーム表記はLlano。2文字目をIと読み間違えてLianoやLIanoと書き、リャノと読むケースはAPU登場当初はよくありましたが、すでに2文字目がLの小文字であることは知られた事実。資料の中にも"LLANO"と書かれていた部分がありますので、それは間違いないはずです。つまり、Llanoと書きますが、読み方は「ラノ」ではなく「リャノ」が日本AMDの解釈というわけです。これからは我々もLlanoと書いて「リャノ」と読みましょう、もう遅いかも知れませんが(^^;)

第2回AMD主催、ブロガー向けAPU勉強会に行ってきた(OPEN CL編)

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引き続きAMDブロガー勉強会、APU部門についての報告と、仮まとめを行います。会の件においてはいったんこれで終わりとなりますが、例の「新製品」に関しての部分は10月3日以降に再び書きます。もしかしたら、「新製品」はギリギリまで届かないかも知れませんし、仮に10月3日までに「新製品」が届かなくても記事の執筆は行います、個人的にも書きたいことが書けなくてムズムズしているところはありますので。

第3部として「AMDにおけるGPGPUとヘテロジーニアスコンピューティングの歴史」と題する講義が行われました。ただ、この時点で時刻は21時を少し回っていました。配られた予定表によると、全部終了するのが21時。ちらと漏れたフタッフさんの発言から考えると、多少の休憩時間を挟んで21時になる予定だったわけなんです。ところがなんだかんだで時間は押し、休憩なんか入れている余裕なし、となって最後のスケジュール突入となりました。正直わたしもそうですが、みなさん少しお疲れ気味の中、話は一気に難しくなったために少々だれてしまったように思います。ここら辺まだ回数が浅いので日本AMDもブロガー向け勉強会の時間進行具合を把握していないのか、時間調整が少し甘いかな? と言う気がします。次回以降は改善して欲しいですね。

なので、わたしとしてももう一つ頭の中に入りきらなかった最後の講義ですが、タイトルこそ「歴史」と銘打っているものの、実際にはAMDとしてのGPGPU、AMDではAPUを使うためにヘテロジーニアスコンピューティング(まぁCPUとGPGPUを両方演算処理に使うような、アーキテクチャのことなるプロセッサを同時に使うようなもののようです)という用語の方を推しだしているようですが、それへの取り組みがメインとなっています。目的はGPGPUの処理をOPEN CLとすること。もともとはBrook+という規格でGPGPUを実現しようとしていたのですが、OPEN CLの1.0が公開されるやいなやBrook+をOPEN CLに対応させています。もちろん簡単にOPEN CL対応と書きましたが、対応機器にはそれぞれアーキテクチャの違いも存在し、そう簡単にはいきません。そこでCALという中間処理を行い、アーキテクチャの違いを吸収する方向をAMDは示しています。その先についてはまだちょっと書けませんが、これからは単にx86アーキテクチャによるCPUパワーだけで全てがまかなわれるのではなく、OPEN CL処理が通常のソフトにおいて普通に利用されるようになり、お互いの得意分野を活かす形で実行される総合力が問われるAPUが重要になっていくであろう未来を、AMDは考えているようです。もちろんCPUにRADEONなどを別に装着してもOPEN CLは使えますが、パーソナル・コンピュータ全体の方向としてはより小型な方向に向いているわけですから、タワー型など大型機はともかく一般に使われるPCやタブレットPCにおいて、APUの重要性は否応無しに増していくことになるでしょう。

ここで軽いデモが行われました。APUでOPEN CLの処理を行っている最中には、GPUは使われていてもCPUがあまり使われていないという姿を目で見てもらおうという物です。と、言ってもノートパソコンを持ってきてデモソフトを走らせただけですが。さらに、持ってきたノーパソがおそらくE-450かE-350を搭載したものだったため、処理は非常に遅く、デモソフトも走っている様子がほとんど分かりませんでした。ただ、これだけ遅いCPUを使ったAPUにもかかわらず、CPU項目の利用率がほとんど上がらなかっただけは分かりましたが。

デモに使ったソフト、一つはAMDシステムモニターというソフトで、これはAMDのサイトからダウンロード出来ます。基本APU向きのソフトで、APUを使った時のみCPU/GPUの利用割合が表示されます。普段GPUの処理がなされていることを気にしないブラウザ利用時に使ったりすると、思った以上にGPUが利用されていることが分かり、なんとなく楽しくなってしまったりします。
もう一つのグラフィックを使ったデモソフトは特にソフト名を聞いた覚えが無く(忘れているだけかも知れませんが)デモ画面もほとんど動いていなかったので確実ではありませんが、おそらくGPGPUベンチマークというソフト。RADEONやAPUの場合OPEN CLが選べ、先のシステムモニターと併用することでCPUとGPU負担の具合を調べられます。
ちなみに手持ちのA8-3850なPCで実行したところ、ちょっと相性が悪いのかフルスクリーンモードは動かなかったので非フルスクリーンで実行すると、約147GFLOPSとまぁまぁな数値が出、動きもスムーズでした。余談ですが、ブラウザを使いながら実行すると43GFLOPSあたりまで容赦なく落ちます。ブラウザってこんなにGPU使っていたんだ、と感心するやら笑えるやらするくらい。
ついでに手持ちのPCもう一台、FX-8120+GeForceGT640でも試してみました。GeForceの場合OPEN CLとCUDAの両方が選べますが、実行内容はやはり非スクリーンでCUDAで197GFLOPS、OPEN CLで184GFLOSとさすがの数字。CUDAの方が数字が高いのはCUDAがOPEN CLより優れているというよりも、GeForcdeやドライバがそちらに最適化されていると解釈すべきでしょう。

この後は質疑応答でしたが・・・。やっぱり書けないので省略


以上、駆け足で書いてみました。この章にいたっては、わたしの理解度が十分でないためにわかりにくいことと、まだ明かせない部分あるためにどこか奥歯に挟まったような書き方になった点をお詫びします。AMDが単にCPUパワーだけを考えてAPUを作っているわけではなく、OPEN CLの普及のためにAPUを押していることだけでも分かって下さい。

勉強会自体は、中身以上に実行されることに意義があったように思います。抽選だろうと選ばれたことは名誉ですし、スタッフの説明を聞き、製品を手に取れば、誰だってAMDが好きになってしまうでしょう。そのうえで、同じCPUメーカーでもIntelとは向いている方向が必ずしも同じではないことも理解出来ました。今までは判官贔屓の面が強かったんですが、これからは胸を張ってAMDを使って行けそうです、Intelも使いますけど。

ただ、その上で苦言を言わせてもらいますと、今回のような「まだ書いちゃダメ」な項目が多岐にわたると書く際にやはり困ります。また、情報解禁日までに時間があるため、せっかく会の時点で感じたインスピレーションも記事に反映しづらくなってしまうでしょう。これはブロガー・AMDお互いの損です。

良い点
・会が実行された、そしてこれからもされるということ
・AMDという存在を身近に感じるようになり、前より好きに慣れた
・人に良い点についてだけでも説明が出来るくらいの知識は身についた
・まだもらってないけど、おみやげはうれしい

良くなかった点
・東京在住者以外は参加が厳しい(これは仕方ないか)
・「まだ書くな」項目が多いため、どこまで書いていいのか分からなくなるので記事を書くのが難しくなる
・パフォーマンスノーパソの技術説明が多く、集まったブロガーの興味と少々ズレがあった
・時間配分に対する配慮が足りない。結果、終盤疲れを感じた
・おみやげが後日発送・・・。これはやはりがっかりですわ

スカパー!、サービス一本化へ向けて名称変更

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だいぶ前から「スカパー!はサービスを一本化します」ってなことを言っていたのはご存知のとおり。ですが、具体的にどのように一本化するのか、もう一つ姿が見えてきていないのも事実です。ですが、ようやくその姿が見えてきました。サービス名の変更です。

スカパー!は一つに生まれ変わります

スカパー!e2  → スカパー!
スカパー!HD → スカパー!プレミアムサービス
スカパー!光  → スカパー!プレミアムサービス光

今後は単にスカパー!と言えば従来のe2を差し、HDや光はその上の特別なサービスとして扱われるということになるようです。分かるような分からないような、もう一つはっきりしませんが、おそらく窓口の一本化など人員削減は行われるでしょう。
しかし、一本化なら、スカパー!とプレミアムサービスで同じチャンネルを申し込んだ場合のチャンネル料片方半額(理想は片方無料)などの、料金面での改善を見せて欲しいものです。そこらへんがないと、スカパー!側だけの都合の一本化で、わたしらには何の関係もないということになってしまいますが。

また、それにともない契約約款とプライバシーポリシーの一部が変更になるそうです。

【重要なお知らせ】 各種契約約款とプライバシーポリシーの一部改定について

契約内容に「衛星放送」とある文面がカットされるなど光サービスを同じ契約内容に組み込む流れ、あるいはスカパー!HDサービス開始当時には予定されていなかった別チューナー(ほとんどはチューナー内蔵レコーダー)なども考慮に入ったものになっています。これに関してメッセージで「例のB-CAS関連の項目も入っているのでは」という疑問を頂きましたが、わたしが見たところそういう内容の文面は見受けられませんでした。カードに関してはスカパー!プレミアムサービスのICカードのみの改定が行われるだけのようです。

名前は大きく変化しますが、その具体性がまだ見えてこない新スカパー! 利用者へのサービスの向上と言えば料金の改善や使いやすいパックの追加が主に期待されるところですが、現在MYスカパー!を見てもそれっぽい変更は見られません。名前だけではない新生スカパー!を見せて欲しいですね。

ニコ生映画鑑賞記

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困りました、何書いていいのかわかりません。と、いうより、「前は普段何書いていたっけ?」って言うくらいの状況です。いうまでもなく、ここしばらくAMDのブロガー勉強会のことばかり書いてきた反動です。ブログとしては長いシリーズを書いてきましたので、単発もの記事の勘をすっかりなくしてしまったようです。一応この直前に「スカパー!」の記事を書きましたが、時間をかけた割りにあまりしまっていない文章になってしまっています。これはいかん。
まぁあれですね。比較的長期連載のマンガで、連載開始当初は単発の日常話が続いて途中から長期シリーズに入るようなのってよくあるじゃないですか。で、その長期シリーズがひと段落したら、たいていその次回から次の長期シリーズに入るもしくはその伏線が張られた話が始まったりしますよね。それを読んで「数回でいいから初期みたいな単発日常話やればいいのに」って思うでしょ? 思ったこと無いですか? わたしはよく思っていたんです。その漫画家の気持ちが分かりました。一度長いシリーズで書くと、なかなか頭の中が単発に戻らないんです。長期シリーズネタがあったらしがみつきたくなりますわ。ブログのたった一週間分でも少しなるんですから。

とはいえ、ブログはそういうわけにはいきません。なので、リハビリを兼ねてネタは軽く、文章は重く行きましょう。昨日〜というか今日の午前0時〜からニコニコ生放送で見ていた映画「アタック・ザ・キラートマト」の話をちょっとだけ。
Z級映画特集、と銘打って始まっていますニコ生の特集。映画にZ級という定義は無いんですが、歴史と幅広い文化を持つアメリカ映画においては"笑われる、バカにされる"ことを大前提にした超低予算バカ映画が多数存在します。そういう映画のことを、映画を等級で分ける"A級・B級"の定義にしたがい、最低の映画ということでZ級と呼ぶマニアが存在するわけなんです。困ったことにある程度マニアの間で話題になるZ級映画というのはたいていモンスター映画だったりするわけで、わたしとしても見逃せないのですね。
予断ですが、映画の"A級・B級"と言っても人と場合によって差している意味が違う場合があり

1.有名さ(名作と言われているのがA、そうでなければB・C〜)
2.制作費
3.映画の公開シーズン(年末年始など長期休暇時期がA、その合間の通常時がB)

たいていこの3つです。必ずしも「面白さ」でないのは注意すべし。

さてさて、参加した「アタック・オブ・ザ・キラートマト」鑑賞会。わたしはプレミアム会員ではないので、上映開始当初20分ほどは3回もはじかれましたが、それ以降は最後まで追い出されることなく鑑賞できた。なにせ"Z級"ですからついていけない人が次々と脱落していったのだろう。この映画、巨大化したり集団化したりした(らしい)トマトが人類を襲う、という内容だが、トマトが人類を襲う描写はほとんどなく、本物のトマトが自動車に投げつけられたり、ハリボテの巨大トマトがゴロゴロ転がってくるだけ。大部分は変人ばかりの主要登場人物がバタバタしているのみで、ほとんどストーリーも見せ場もないという本当にどうしようもない。あ、見せ場がないと書いたけど、最大の見せ場は途中なんの脈絡もなく入る広告。人物の一人がCMを歌いだしたり、本編中にテロップが入ったりするのよ、昨今のアニメみたいに。これ、予算確保のための本気の広告なのか笑わせるための演出なのか今となってはさっぱり分からないのが残念。ただ、シリーズ第2弾(あるのだ!それどころか第3弾、第4弾も)の「リターン・オブ・ザ・キラートマト」では本当に本物の広告が入っている。
なお、「アタック〜」本編に入っているヘリの墜落は本当の撮影中の事故なのは有名な話、ここで予算のほとんどを使い切ったので低予算になったのかも。似たような話で「ジュラシック・アイランド」という世界初の着ぐるみ恐竜映画では、中に入った俳優が酸欠で本当に倒れたシーンを本編に使っているが、事故のスケールはこっちが上と言える。

本編のことはこれ以上どうでもいいので、参加そのものの感想。まともに見ていられない内容だけに、集団で突っ込みいれながら視るのはなかなか楽しかったです。もちろんわたしも何度もコメントを入れました。ただ、おバカ映画というのは知らなければ分からない突っ込みどころというのも多数存在しまして、そういうのはキーボードじゃ間に合いません。
たとえば、本編中の会議室一人だけ日本人と思われる人物がいるのですが、彼だけ英語の吹き替えとなっています。これは、アメリカ人にとって映画に登場する日本人というのは「口の動きとセリフがあっていない変なしゃべり方をするやつら」としてバカにされる存在だからなんです。もちろん吹き替えでしか他国の映画を見ないアメリカ人の習慣が悪いんですが、そういうのは棚に上げるんですね、連中は。昔、その低予算とヒドさでは「アタック〜」にも引けをとらない「尻怪獣アスラ」(タイトルだけで普通の人間は見る気しないだろうなぁ)というたぶんケーブルテレビ向けのバカ映画のDVDを借りてみたことがあるんですが、そこに、怪獣撃退のために、日本でゴジラ・モスラ・キングギドラなどの怪獣を撃退・・・・・・・・・した映画を多数見たことがある、という理由で参謀として招かれた日本人(わたしでもできそうだ)が、「特技は口の動きと声がずれていること」と紹介されたのを見たことがあるんですが、その時吹き替えが嘲笑の対象であることを知ったんです。

ってなことを視聴中に書きたかったんですが、当然間に合いませんよね。そこらへんがちょっともどかしいやらなんやら。不特定多数のわらわらもいいけど、映画のネット経由同時視聴は、昔やったDVDを同時に再生しながらチャット方式、ってのが一番でした。ちょっとくらいコメントが長くても問題ないし、ハンドルネームが出るから誰が"濃い"のかすぐ分かるし。またやってみたいものです。


スカパー!が動いている現在、こんなこと書いている場合じゃないですね、なんとか早く通常状態に頭を切り替えておきます。

ライトな書評:「ネットの自由」vs著作権〜TPPは、終わりの始まりなのか〜

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ソニーのタブレットのブランド名がスマートフォンと同じxperiaで統一され、Android4.0への対応がうたわれる一方で、同じソニーのAndroid端末なのにタブレット扱いされないために放置されていた感のあるNW-Z1000シリーズですが、遅れながらも4.0への対応が公開されました〜。

ソニー、「ウォークマンZ」をAndroid 4.0/FLAC対応に
−'12年内にアップデータ提供開始


同時にFLACへの対応や、ソフト再現の新技術も提供されます。ソニーとしても、本来はミニタブレットではなくて、こういう使い方のためにAndroidを採用していたんでしょうね。同時にNW-Z1000の廉価版というべきFシリーズも発表されました。

ソニー、3.5型液晶/Android 4.0の最高音質ウォークマン
−FLAC対応+クリアフェーズの「NW-F800」。64GBも


と、言ってもあまり大きな値段の差はないみたいですけどね。3.5インチに小型したり、あまり使われないHDMI出力を省いたりしてますが、基本的な性能はNW-Z1000と一緒、ソフト的に劣っている分は後日機能追加で同等になるということなので、どちらを選ぶかは、画面サイズが大きなNW-Z1000の方が操作しやすいとみるか、3.5インチで小さなNW-F800の方が邪魔にならずにポケットなどに入れやすいと思うか、の好みの問題でしょう。ちなみにスマホ的使い方をしたいのならZ1000の方がいいと思います。


さて、今日は本屋でまたまた気になるタイトルの新書が出ていたので購入、読んで見ました。

「ネットの自由」vs.著作権: TPPは、終わりの始まりなのか (光文社新書)福井健策光文社

タイトルから推測すると、TPPから通してみたネット上での著作権保護の窮屈さを検証した本、という感じですがそうでもありません。TPPを語るのは前半部分、第2章がほとんどです。だいたいTPPの著作権絡みの項目はまだ一般の目に届く状態にはなっておらず、本書でもTPPに関してはリーク情報を基に書いています。ただ、その内容は例の米韓FTAに書かれた著作権項目と同じものであり、まず間違いなくTPPの内容だろうと結論つけています。
その中身は「協定」の名にふさわしくなく、アメリカが事実上日本に一方的にアメリカ式著作権保護を導入するよう要求しているというものです。そこには少なくとも「規制緩和」と呼べるような項目は存在しません。ネット上ではネットの自由を損害するものとしてACTAを敵視する声が大きいですが、本書では米国のNGO、「電子フロンティア財団」の言葉を引用して「米国はACTAには盛り込めなかったものをすべてTPPに入れようとした」「ACTAプラス」と書いています。こと著作権に関する限り、「日本の著作権保護法の厳しさには及ばない」と評されたACTAをはるかに凌駕するものとなっている"らしい"です、まだリーク段階ですから。

むしろTPPを下敷きにして、ここ最近あった著作権絡みでネット上やネットで議論された事件や一件を広く取り扱った内容となっています。ただし、あくまで広く浅くであり、知らない件に興味を持つキッカケにはいいのですが、この本で深く知ろうと考えると少し物足りません。たとえば、例のB-CASカード事件を「魔法のB-CASカード」と呼び、その存在だけを語るものとなっています。また、情報を広く求めたせいか「解読」の件に関してはただ軽く触れるのみで、その後の展開などは全く書かれていません。「まねきTV」事件、「ロクラク」事件に関してもただその名が語られるのみです。また、ダビ10をDRMとしてとらえるどころか、あたかも放送に関してはダビングできる自由がある、かのように書いているなど少なくとも問題定義書の類ではないです。あとがきで著者本人も「迷いが前面に出た文章になったかも知れません」と書いているように、著作権側と個人側、どっちにもある程度いい顔をするような、結論を避けるどっちつかずな書き方になっている部分が大半です。TPPリークの情報を大意では横暴のように評しておきながら、個別項目となるとあやふやにしつつも規制導入側に理解を示すあたり、むしろ著作権側にたった内容になっている、と考えた方がいいかも知れません。
ただし、一項目だけはっきり批判し、怒っているものがあります。もちろんその批判対象とは「ダウンロード刑罰化」のこと。内容に関して以上にその批判以前の行為である法案の通し方に怒りを覚えたらしく、このあたりだけ肩に力が入った状態で書かれたことが文章から読み取れます。「ネットユーザーの反発は凄まじく、日本の著作権の歴史では空前といってよい騒ぎにまで発展」、「ネットを中心に、一般ユーザーと著作権者との関係が、かつてないほど悪化」と、本文中にはあります。この問題を一般人の中では取り上げてきた方と思っているわたしとしては、"そこまで騒ぎが大きくなったりしたかしら? この法案が通る前から著作権者への不信感は十分高かったし、マスコミの流す情報が限定されていたおかげで不信感の高い人々以外は、少なくとも法案通過の過程はほとんど知ることもなかったのでは?"と思ってしまうのですが。
しかし、そこまで書いても著者は「規制に反対なら、反対する人は対案を出すべき」と、権力者への配慮も忘れていません。そして、もっとも肝心なことを書いていません。法律が施行されたら最後、対案などなんの意味もなくなるほどの現象が起こることが容易に予想できるから、我々は何もできないのだということを。

そういうわけで、今回も書評しておきながらあまりお勧めしません。TPPリーク情報のうち、著作権絡みの項目の概要を知りたい、あるいは二次創作やパロディについての法律の取り扱いなど一応頭に入れておきたいのなら悪くない本だと思います。

ねこさん報告、最近のGSの転送能力

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以前、BoncasLinkのインターネット越え実験データを提供してくれたねこさんが、最近のGS事情を報告してくださいました。最近は録画のチューナーで直接が主流ですし、HDMIキャプもGS不要機がいくつも出ているおかげで利用頻度が減っているGSですが、いまでも利用環境によってはもっとも頼もしい味方であるのは確かなようです。。

(ここから)


GS放浪記

HDMIといえば民生機以外はすべてHDCPが当たり前のようになってしまい、ちょっとした事でもできなくなりました。この解消に何かと便利なGameSwitchですが、最近また使用する機会が増えてきたので、最新の転送形式にどのくらい対応しているのか、実際に接続して確認してみました。


≪確認できていない事柄≫

1:バックチャンネル転送

2.D00202Nはまだテストしていない


≪確認できている事柄≫

0:HDCPを**せる

1:HDMI<−>DVI変換コネクタを使用することによって、完全にHDMI端子として機能する。

2:24bit/48Kbps/7.1chまでの既存の音声形式はすべて透過する。

3:3D信号(1080/24pFramePacking)にも対応できる(自動ネゴシエーション可)。そのほか1080/24p、1080/60i、1080/60pなどのネゴシエーションも正常に行われる。

4:DeepColorの処理能力は1080/60pで12bitまでと言われていましたが、実際には、1080/24pFramePackingおよび1080/60pにおいて

 a.S201は8bit、D00201Nは10bitまで可能

 b.再生機とGSの間にスプリッター(Lancerkink 1*2)を接続するとD00201Nは16bitまで可能(注:3D信号は未対応)

 c.再生機とGSの間にスプリッター(Lancerkink HD-12V3)を接続するとD00201Nは12bitまで可能

 d.GSの入出力両側に(Lancerkink HD-12V3)を接続するとD00201Nは16bitまで可能

 e.スプリッターをGSとディスプレイの間に接続しても、ほぼ同じ結果になる。

補足:GSはAmazonに若干の在庫がある。 HD-12V3は3D信号に対応している。 ロットなどの個体差があるので、組み合わせによってはこの通りににならないこともある。


≪最強の組み合わせ≫

 [Player] --HDMI--> [HD-12V3] --HDMI--> [GS-D00202N] --HDMI--> [HD-12V3] --HDMI--> [Disp/Cap]


≪現在の録画再生環境≫

 [Disp/Cap] ←HDMI→ [Blackmagic UltraStudio 3D] ←Thunderbolt→ [MacBookPro] ←Thunderbolt→ [500MbpsSSDdrive]

 [Disp/Cap] ←HDMI→ [Blackmagic UltraStudio3D] ←3GSDI→ [3G-SDIrec]


3D映像も左右分離して無劣化で録画再生できます。もちろん合成再生も可能です。録画容量は40分で700GB程度必要になります。

(ここまで)
どうもありがとうございました。3Dの信号にも対応しているのですか。ねこさんのお使いになっている最近のロットが、初期のS201と比べて若干強化されているのが分かりますね。
ただ、来月以降はこれもいろいろと難しくなるのですけどね・・・。万が一に備え、入手しておくのなら、今月のうちかも知れません。

石英ガラスにデジタルデータを記録/再生する技術

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AMD新製品の夜間販売

大阪は日本橋のショップなので行ったことはないのですが、PCワンズさんで10月2日19時よりAMD新製品の夜間販売が行われるとのことです。大阪近辺にお住まいで興味ある方、覗いてみてはいかがでしょうか。
10月2日19時か〜、例の解禁より5時間も早いなぁ。


さて、我々に直接関係はないのですが、この技術が面白そうなのでとりあげます。

日立、石英ガラス内部にCD並のデジタルデータを記録/再生する技術を開発
〜数億年以上のデータ保存が可能


石英とは言え、ガラスってところに一抹の不安を感じなくもないですが、理論上数億年(恐竜時代から現代までよりまた長い!)のデータ保存が可能と言うことは、人類が滅んでもデータだけ残すことも可能である、ということですよね。まぁそれはさすがにおとぎ話の世界ですが、それだけ強固に保存しながら、そのまま再生出来るというのは、この技術が発達してより高密度になり、かつ低価格で入手しやすくなれば、デジタル映像の最終保存先として最適であることを意味します。

我々はさまざまな媒体にデータを保存してきました。CDが最初に登場したときは半永久的に保存が可能、とか行ってましたが、結局誇張表現でした。せっかく作ってディスクに焼き、丁寧に保存しておいた動画が、久々に引っ張り出してみたら全然読めなくなっていた、なんて悲劇は誰の身にも起きているでしょう。現状ではHDDを世代交代させるたびにどんどんコピーを移していき、それをマスターとして残しておくのが一番いいようです、なかなかさせてもらえませんが。それでも万全ではありませんからね。
強固で消えない保存先、それは録画人間にとっての理想郷です。現状ではCDに毛が生えた程度の保存密度なのでまだまだ役に立ちませんが、数億年とまではいかなくても理論値数百年くらいは安心して保存が出来るメディア誕生につながると良いですね。

10月1日より違法ダウンロード罰則化&リッピング違法化先行実施

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明日10月1日よりまず「スカパー!」のサービスが一元化する・・・らしいですが、見た感じほとんど変わりません。スカパー!e2がスカパーのメインになって「スカパー!」に改名し、今までメインだった「スカパー!HD」が「スカパー!プレミアムサービス」に改名されて二番手扱いされるだけです。旧e2のチャンネルが増えたり変更解像度の変更があったりという変更点はありますが、期待された料金形態の統合化などの改正点は見当たらず、スカパー!側の都合による一元化だけに止まるようです。ただ、今のスカパー!サイトをみると、「110度CS/BSこそスカパー!」と言わんばかりの構成になっていて、過去のようなHDとe2が併存しているようには見えません。それどころか「スカパー!プレミアムサービス」のコーナーに簡単にたどり着けず、そのサービス自体もまるで隔離されているようにしか見えません。あれでは、110度CS/BSに入れてもらえないチャンネルにとって不満でしょう。本格スタート後にデザインが変更されるかも知れませんが、今後旧HDにはチャンネルが参加したがらなくなるかも知れません。


それと同時に、明日から改悪著作権法の一部が先行実施されます。すでに別のエントリーに書いていますが、あくまで著作権法改定の実施は平成二十五年一月一日からです。そのうち違法ダウンロード罰則化やリッピング違法化といった部分だけ先行実施されるのです。
明日から三ヶ月間、冗談抜きで気をつけて下さい。わざわざ規制部分だけ先行実施したのは、おそらく逮捕をしやすくするためです。少なくともこの三ヶ月間で著作隣接権保持者に一方的に有利な「逮捕の前例」が作られることは明らかです。誰だってその前例にはなりたくないでしょう、もちろんわたしもなりたくありません。もっとも、いくら気をつけてもどうしようもないかも知れませんが。
「違法なことはしていないから大丈夫」ですらありません。有罪にはならないでしょうが、逮捕だけならありえます、自分は配信を受信しただけなのに「外からはダウンロードに見えた」と言われるかも知れませんから。釈放されるまでの間に実名と身分をさらされて報道されていたら、残りの人生メチャクチャになります。その間にパソコンを調べられ、中のファイルから著作隣接権保持者から損害賠償を訴訟されるかも知れません。違法行為は時間をさかのぼって適用されませんが、損害賠償は過去に対して行われます。さらに著作権保持者や隣接権保持者は過去に「違法ファイル」と「合法ファイル」を分けたことがありません。自分のCDからコピーを作ったり、有料でダウンロード購入したファイルに対し「その分CDの販売数が減った」と損害の対象とされることもあり得るでしょう。彼らの言う"著作権"とは、"利益"に過ぎないケースが多いのですから。
「違法ダウンロード罰則化」はまともな審議をせず、第三者の意見を受けることなしに「修正案」という形で潜り込ませ、政党間の談合取引の道具として成立した法です。さらには来年一月一日まで最低限のストッパーすら存在しない、解釈のしようではインターネット利用者の大半を逮捕することも可能な極めて危険な法律です。くれぐれもご注意ください、ババを引かないように。

いずれさらなる改悪が進むでしょうが、現在の所、自動公衆送信(インターネット配信の法律用語と考えればだいたい合っていると思います)に限られているのが救いです。なので、10月に恒例(?)のスカパー!各チャンネルの解像度&ビットレート調査を行います。録画はPCで直接行うのでリッピング違法化も関係ありませんから。

ソフトバンクに子会社化されるイーモバ

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10月1日と言えば衣替え。わたしは昔から親に「アホ、もっと臨機応変にやれ」と呆れられるほど律儀に6月1日と10月1日に長袖・半袖を切り替えてきてましたが・・・。今年は無理! まだまだ暑くてとても長袖を着る気が起こりません。なので気分は9月31日、ああ、著作権改悪実施はまだ先か、良かった良かった・・・。本当にそれだと例の解禁も先になるのでそれはそれで困るんですが。(ちなみにエントリーの日付欄に無理やり9月31日を入力したんですが通りませんでした)


ちょっと話題になってますので、この辺取り上げて見ましょうか。

ソフトバンク、イー・アクセスを買収 完全子会社化

ソフトバンクの同系子会社化といいますと、数年前のウィルコムに続いて二度目ですね。まるでCyrixとWinChipを買収したVIA・・・と考えると路線縮小しそうでたとえが悪いですが。
ただ、ウィルコム子会社化が「タダでもいらない」と拒否したのを総務省かそこいらに押し付けられたのに対し、イー・アクセスの子会社化は「ソフトバンクからの強烈なラブコール」と態度が全く違ったようですが。
もともとイー・アクセスは半分子会社みたいな扱いのところはありました。ソフトバンクのモバイルインタネット・ULTRA SPEEDはエリア外の代理アクセス先はソフトバンク3Gではなくイー・アクセスの3Gでしたし、Dell製スマートフォンでは多少のカスタマイズはあったとはいえ、ほぼ同一の機種が両社に同時採用されたこともあります。裏のことは知りませんが、業務提携があったのは確かです。
気になるのはイー・アクセスはともかくそのサービス、イー・モバイルの今後。ウィルコムのPHS事業とは違い、イーモバイルとソフトバンクモバイルのやっていることの差はほとんど存在しません。おそらく近い将来、イーモバイルは消滅するかソフトバンクモバイルのWiFiを引き受ける形になるかで、完全統合されることになるでしょう。
と、なると、気になるのが速度制限。制限なしのWiMAXを除けばイー・モバイルの速度制限は軽い部類に入ります。一方、ソフトバンクの速度制限は厳しい部類に入ってしまいます。一番厳しいのはウィルコムのソフトバンク3G利用ですが。果たしてどちらに併せられることになるのでしょうか? スマホの制限はソフトバンクに準じて厳しくても仕方ありませんが、モバイルインターネット専用回線の方は緩く・・・というのが本来の落としどころと思いますが、実際にはiPhoneの帯域確保のために厳しい方にあわせられるんだろうなぁと思います。ユーザーが損したと思わないようにして欲しいですね。


あと1日!

シャープ、CEATEC 2012で32型4Kディスプレイを発表

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あっちの話は少しおいておきまして

今日から幕張メッセで「CEATEC 2012」というITやエレクトロニクスの展示会をやってます。国内メーカーに限った展示というわけではないようですが、主に日本国内のメーカーがこぞって未来の新製品候補を見せてくれているのは間違いなさそうです。

いくつか見所はありますが、行けなかったわたし(アレも合わせて行きたかった・・・)として一番見たかったブースは? と問われれば、ためらわすシャープと答えます。

【CEATEC 2012】シャープ、モスアイパネル採用AQUOSを披露
近日発売。60型ICC 4Kや32型4Kのゲーム対応など


テレビの展示が60型を超える超大型サイズに偏っているなど残念な面もありますが、小型液晶ディスプレイは、さすがはシャープ、と褒めるしかない内容です。中でも4Kの32型とフルHDの5型は「欲しかった」と言える大きさと解像度でしょう。4Kの弱点はソフトがない点もありますが、パソコンのディスプレイ用としてなら話は別です。マルチディスプレイを前提としたゲームには4Kの解像度を利用できるものもあり、グラボさえ対応できればすぐに活用できるはずです。

4K2KテレビとPCを接続! で、超高解像度でゲーム三昧!!


大きすぎることと値段が高いことも4Kモニターの欠点でしたが、32型なら解像度からして申し分なし、値段も55型の4kテレビよりは安くなるでしょう。たとえハイエンドのグラボが必須だとしても、4Kのためだったら惜しくありません。久々に登場が楽しみなディスプレイです。

簡単ですが、アッチがありますのでこれにて。

ようやく解禁!AMDの新製品APUはTrinity

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注:1時間以上かけて書いた記事が途中で消えました(涙)その直後に書き直していることをご了承ください。

AMDの勉強会があったのが9月13日。あれから20日・・・。ようやくわたしら参加者にとって情報解禁となりました。AMDの新製品、その名はTrinityです! Trinity Trinity Trinity Trinity Trinity Trinity Trinity Trinity Trinity Trinity Trinity Trinity Trinity ああ、自由に書いて良いってすばらしい。くれぐれも3日になるまでは新製品について書かないように、と念を押されていましたから。
ただ、すでに商業サイトやイベントで十分Trinityについての情報は出ているように思います。むしろそういった情報を紹介したり、突っ込み入れたりすると契約に触れる可能性があるわたしらの方が、情報発信としては遅れている感があります。購入前の参考にしようとか考えていた人、ごめんなさい。

ここで報告。当ブログでは、AMDの現行CPU・APUに対して独自表現を用います。なぜそんなことをするかといいますと、たとえばAPUは「4コア/2コア」と呼ばれていますが、コアと言ってもその数があるのは整数演算ユニットだけで、それが2つ入っているユニットを「2コア」と呼ぶのは違和感があるのです、完全な形ではないので。なので、整数ユニットが2つ入っているモジュールを1つとして数え、単位はAMDがモジュールを呼んでいた名称「コンピュート・ユニット」になぞらえて"CU"と呼ぶことにします、短いので。ただし、1CUでも複数のスレッドを実行出来ることに違いはないので、「1CU/2スレッド」と表現します。ただ、独立コアが複数入っているLlanoの場合は「4コア」、Core i7の場合は「4コア/8スレッド」などと書くこともあります。

さて、情報解禁より先行すること約5時間、すでに秋葉原などでTrinityは発売されているので、すでに入手した方もいらっしゃるかも知れません。事前にAPUは6種類が存在することが告知されていました。

・A10-5800K (2CU/3.8GHz/7660D/384SP/TDP100W)
・A10-5700 (2CU/3.4GHz/7660D/384SP/TDP 65W)
・A8-5600K (2CU/3.6GHz/7660D/256SP/TDP100W)
・A8-5500 (2CU/3.2GHz/7660D/256SP/TDP 65W)
・A6-5400K (1CU/3.6GHz/7540D/192SP/TDP 65W)
・A4-5300 (1CU/3.4GHz/7480D/129SP/TDP 65W)

どうやら全種類同時発売されたようですね。Llanoの時はTDP65W/4コアモデルのA8-3800が事前発表されながら登場せず、しかも結局発売されず、ようやく同等の性能でクロックが少し上昇した3820が出たときはLlanoの旬は少し過ぎていた感がありありという、非常にヘタクソな売り方・あおり方をしたAMDですが、さすがに同じ轍は踏まなかったようです。ただ、このラインナップを見ると一見したところ不可解なのは1CUモデル。2CUでもTDP65Wが可能なのですから、A6-5400Kはともかく性能が低くて1CUのA4-5300ならTDP35W、せめて45WくらいのTDPに出来ないのか、と思うところでしょう。
勉強会でのAMDスタッフの発言によりますと、今の段階の1CUモデルは所謂選別品、CUのうち片方のできのあまり良くないダイを使って仕上げたものがあるとのこと。つまり、殺してはあるもののもう1CUはしっかり入っているようなのです。それが多少なりとも電力を消費し、TDPを引き上げる一因となっているような気がします。一部発表会で将来さらにTDPの低いモデルが出る可能性を示唆したらしいですが、それはこの問題が解決して真の1CUモデルが出たら、という意味なのかも知れません。なお、それならかつてのPhenom/IIのように、使えないようにしてあるコアをUCC機能で復活させられないか。これはAMD使いなら誰もが思うこと。実際質問としてそれが出ましたが、AMD側の答えは「できません」でした。そういえばLlanoには3コアモデルが存在しましたが、コア復活の話は聞いたことありませんね。どうやらPhenomのコア復活は、お遊び要素として残してあったものだったようです、あくまで勝ってな予想ですが。APUは用途が違うのでそういうことはさせないのでしょう。質問が出たとき、スタッフが「(APU上級モデルでも)安いですから!」と半ば絶叫していたのが印象的でした。

さて、わたしの手元に届いたAMDからの贈り物。APUはもちろん最上位のA10-5800K、マザーはGIGABYTEのATXマザー、GA-F2A85X-UP4。これも最高級品の一つです。評価用なのですから最上位なのはありがたいですが、個人的趣味を言わせてもらえば、もし選べるならTDP65WのA10-5700とMicroATXのマザーのほうが良かったかな?という思いもあるのですが。
いやね、MicroATXのケースなら余ってるんですが、ATXのケースは2つとも使っているんですよ。それぞれCore i7 2600KとFX8120が入っているんです。となると、どちらかを抜き出してTrinityを入れるしか・・・。しょうがありません、一時的にIntel無しになってしまいますが、Core i7 2600Kを抜きましょう。これは抜いた方をあとでMicroATXで使いたいからです。Core i7用のMicroATXならたくさん種類もありますし、不安はありませんが、FX8120用MicroATXマザーは種類が限られ、不安が残ります。何よりFX8120をMicroATXケースに入れたくありません(笑)。
そういうわけで、いよいろAPUなPCをくみ上げます。書き直しなのでここで力尽きました。組み立て編は次回書くことにしましょう。

イタダキモノAPU-PC検証・組み立ての章

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さて、ようやく充電完了しましたので具体的にAPUなPCを使ってみたいと思います。

と、言っても最初にやるのは組み立てなんですが。あまりTrinityとは関係ないのですが、例によってノートラブルとは行かなかったので書いておきましょう。本当は昨日この件まで書くつもりだったんですけどね。

APUのA10-5800KとマザーのGA-F2A85X-UP4が届いたのは、勉強会から12日たった25日のことでした。10日を過ぎたあたりから、もっとギリギリまで届かないんじゃないかと少々あきらめていたので喜びしかり。今見るとこのマザー、APUとの同時発売の中では一番高価な品なんですね。はったなぁ、日本AMD。電源回路周辺の品質を考慮して作られた製品で、オーバークロックなども比較的しやすいマザーとのことです。わたしはそっちはあまりやらないのですが、安定性が高いのは好みなので歓迎。マザーボードのケースは開けたあとがありました。念のため確認でもしたのでしょうか。
それと、AMDのシールが貼ってあるケースの中にはA10-5800Kが。他に印刷ですが手紙が添えてあり、10月3日まではくれぐれも公開しないように、と念を押す内容でしたそこまでしなくても・・・と思います。その代わりに、何か別のものが入っていないような・・・。

あ、CPUクーラーが同梱されていない。

ちょっと意外でした。てっきり製品版のパッケージが来ると思っていたのですが、APUは単独で、まるでバルク品扱いです。実験・検証その他もやる必要がある場合は別途クーラーを用意するより純正クーラーの方がいいと考えていたのでちょっと困りましたが、まぁいいか。じゃぁしょうがないので取り寄せようか・・・。まてよ? そういえばあのクーラー使えるんじゃね? と思い出して引っ張り出してきました。前にFX8120を買った時に同梱されていた、ある意味純正CPUクーラーです。FXはどうせオーバークロックするつもりだったので別途クーラーを買って使い、純正クーラーは未使用のまま放っておいてあったのでした。これでいいや、TDP125W用だし、実際についてくる純正クーラーの性能に近いでしょう。AMDのCPUソケットはAM系とFM系(こう書くとラジオみたいだ)に分かれていますが、クーラーは共通で使えるように設計されているはずです。問題なく・・・つく・・・はず・・・・・・・・・すさまじく付け難い。最近のIntelCPUクーラーが「これで大丈夫なの?」と心配になるくらい簡単な付け方なのに対し、AMDは往年のAthlonXPを思い出すほど付け方にコツのいるCPUクーラー接続方法を採用してるんですね。まぁ別のクーラーを使えばもっと簡単に付けられますが。結構苦労させられましたがなんとか接続に成功しました。本当の純正クーラーはどんなものなのでしょうか。

なお、今回の組み立てに及んで起動用のSSDは新しくしました。購入したのはIntel SSD 330の240GB。これは「AMDシステムにあえてSSDだけIntel使うとシュールだよね」とかの理由ではなく、プレゼントキャンペーンをやっていたからです。籤運を追求するにはこういうのを見逃さず、こまめに取り組まないといけません。もちろんすでに応募済みです、当たるといいなぁ。

面倒なCPUクーラーの取り付けさえ終わってしまえば後は楽なもの。関心したのはバックパネルです。裏側にクッションが着いているので、マザーの嵌め込みの際にコネクタが壊れる危険性が少なく、指も傷つきにくくなってます、さすが高級マザー。さて、全部組み込んで起動テストをしましょう、ディスプレイにつなげて電源をいれ・・・あれ? 起動しないぞ。どうしたことでしょう。APUですからグラボの接触不良は考えられません。壊れているか、APUの接触不良か、メモリかです。「壊れている」の判断は最後にして、一番簡単なメモリのチェックにしましょう。一枚抜いてみたら、ほら、起動した。少なくとも壊れていないことを確認。さぁ、メモリをしっかり挿し直して・・・やっぱり起動しない。
これ、原因はメモリとマザーの物理的な相性でした。あらかじめ用意しておいたメモリはPATRIOTのDDR3-1800メモリ4GBx2のパッケージです。が、この2枚のうち1枚が、どのスロットへ挿しても起動しなくなるのです。もう一枚はちゃんと認識され、起動しますし、このマザーを起動させてくれないメモリも、他のマザーへ挿せば問題なく動きます。完全に運の問題でした。仕方ありません、PATRIOTのメモリはあきらめて、UMAXのDD3メモリに交換します。おお、こっちは問題なく起動します。ただし、このメモリはDDR3でも1600までしか対応してないのですが。結局、TrinityはDDR3-1600のデュアルチャンネルで動かすことになりました。つまり、性能を完全に引き出しているとはいえない状態で利用しています。その分は容量で補うため、4GBx2と2GBx2の12GB構成(すべてUMAXのDDR3-1600)で利用することにします。APUなのでメモリが多いに越したことはないですから。PATRIOTは他のマザーで利用することにします。

後はOSを入れて各種ドライバ・Windowsのアップデートやソフトを入れるだけですが、なぜか付属のDVD-ROMのドライバを全部入れても「ドライバがない」とされてしまう項目が残りました。USB3.0のコントローラーです。どうやらチップセット内蔵のコントローラーではなく、追加されたチップのドライバが添付のものではうまく当たってくれないようなのです。かと言って、まだ正式販売前のマザーなのでメーカーサイトに新しいドライバはアップされていません。とはいえ、追加コントローラーはEtronのものと分かっていました。なので、他マザー用ドライバ(具体的にはASROCKの990FX Extreme4、FXで利用しています)をさくっとあてて利用できるようにしました。あまり褒められた行為ではありませんが、仕方ありませんね。

かくしてTrinityなPC(ネットワーク用に"とりとん"と命名)は動き出しました。OSはWindows7 Proffesional64。当分これを8にするつもりはありません。拡張ボードはPT3だけ挿しています。GIGABYTEでAMDというと、アースソフト製品と相性が悪い印象があり、実際遭遇したことがあるのですが。ただBIOSが変更になったのでもうそれは過去のものだろうと思われます。その証明と安定実験を兼ね、ついでに例の調査のための録画も兼ねるために使うことにしました。

さて、まずやるべきは当然CPU能力調べですが・・・それは明日の報告にいたしましょう。

イタダキモノAPU-PC検証・計測の章

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特に何もなく、一気にAPUの検証と行きましょう、当然ながら能力のことも書かなければいけません。

まずは、すでにおなじみ(?)GPGPUベンチマークをインストール、実行してみたところ、最大約238GFLOPSと素晴らしい数値。Llanoが147でしたから圧倒的です。


はい、GPU検証終わり


本命はあくまでCPU部分です。さてどうやって測りましょうか・・・。定番のベンチマークソフト〜? わたしがそんなの使ってもしょうがありません。ベンチマークソフトの数字なんてプロのライターが短時間でチャチャっと記事を書くには便利かも知れませんが、しょせん実際の使用感とは別ものですよ。普通に利用するソフト、それもCPUに負荷のかかる処理の完了時間で測るべきじゃないでしょうか。実際に利用する、CPUに負荷のかかる処理と言えば、アレしかないでしょう、動画のエンコードですよエンコード。いまやこれ以外にCPU能力をフルに使う処理が、重量級ゲームとイラストのデジタル処理とファイルの圧縮・解凍以外にあったら教えて欲しいところです。

ソフトは定番、TMPGEnc Video Mastering Works 5。比較用としてA8-3850を搭載したパソコンを使います。ただし、わたしはTVMW5のライセンスをひとつしか持っていません。なので、こういう使い方が正しいかどうか分かりませんが、テストを行う前にいちいちソフトのインストールとアンインストールを繰り返しています。一応、ライセンスの認証に失敗することは一度もありませんでした。また、A8-3850はWindows7Ultimate64bitを用いていますが、起動にはSSDでなくHDDの250GBを使い(前にPCカスタム工房が間違えて送ってきたやつ)、メモリはDDR3-1333の4GBx2という組み合わせで、足回りに関してDDR3-1600 4GBx2+2GBx2やSSDを使っているA10-5800Kとは差があります。そこらへんはまぁしょうがないので無視しましょう。Trinityの環境を下げるわけにはいきませんし。
用意した動画は当然1440x1080のMPEG2-TS、長さ48分ジャストの動画を、内蔵x264エンコーダを使って、"必要な場合のみインターレース解除を行う"、VBR(平均ビットレート)4Mbps・1pass"、"音声 160Kbpsステレオ"、"パフォーマンス標準"など、あとはデフォルトでやってます。

さて、まずはA8-3850の結果を

2時間48分24秒

うーん、さすがに速いとはいえない結果です。さて、本命のA10-5800Kは

2時間00分23秒

おお、Llanoと比べると圧倒的に短い時間で終了しました。誰ですか、Trinityはアーキテクチャが変更されたのでクロックが高くなっても能力が変わらないと言ったのは。段違いじゃないですか。
ちなみにクロックの動きをopenhardwaremonitorで見ていたのですが、エンコード開始と同時にクロックが4.0GHzまで上がり、時たま水泳の息継ぎのように3.8GHz前後まで下がることがある以外はほぼ全部のスレッドが4GHzで実行され続けていました。普段普通に使っているときはベースクロックであるはずの3.8GHzになることはほとんどなく、1.4・2.4・2.9・3.4・4.2のいずれにかになる周期を繰り返すばかりでした。FX8120がエンコード中はほぼベースクロックの3.1GHzを守り、時たま一つか二つのスレッドが3.4GHzや4.0GHzで実行される程度なのとは大きく異なります。APUなのでGPU分のTDPを振り分けられるおかげなのか、PiledriverはBulldozerとそこが違うのかは分かりませんが、この速さはそのおかげもあるのでしょう。A8-3850はTURBO CORE機能を搭載せず、アイドル時に下がる以外は2.9GHz固定ですから、ちょうどクロック分くらいTrinityの方が速いということになりました。

ついでですから、そのBulldozer・FX8120でも同じ条件でエンコード時間を測りましょう。CU2倍の差を、改良アーキテクチャとクロックの高さでどこまで縮められるか・・・。

1時間19分25秒

あ、やっぱ速いわFX8120。8スレッド同時実行は伊達じゃありませんでした。最近FX8120も8150も安くなってますのでエンコード用にいかが?


と、明らかにLlanoよりもCPU速度が上がっているのは確認できました。ただ、エンコード限定となるとTrinityにはまだVCE・Video Codec Engineによるエンコード機能があります。これ、発表当初のイメージがから言ってIntelのQSVのようなエンコード専用回路が入るのかと思っていたのですが、どうやら事情が異なるようです。詳しい話は聞けなかったのですが勉強会当日の話によると、専用エンジンを用意しただけでOPEN CLで実行されるものだとか。どちらかというとQSVよりCUDAに近いものという感じがするのです。だとすると、QSVやSpursEngineのようにリサイズしたりインターレースを解除したりすると速度や画質が落ちたりする欠点はない、ということになるのですが・・・。どちらにしても、エンジンはご存知メインコンセプト社製ということは聞いて来ました。画質面などでも実用に足るのなら、エンコード機能面でAPUも当てになるのですが。

問題は対応ソフト。現状手元にVCEに対応したソフトはありません。今までのAMDの付き合いから言ってCyberLinkあたりがいくつか対応ソフトを出してくるとは思いますが、ぜひPEGASYSにも働きかけて、今回使用したTVMW5でも使えるようにして欲しいものです。

B-CASカード改造で有罪判決

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さすがに沈静化してきた感のあるB-CASカード改造問題。ですが司法の場では着々と話が進んでいたようです。

B-CASカード改造に有罪判決 京都地裁

今回有罪判決を受けたのは浅野智和被告。主にP2Pソフトを使って改造ソフトをばらまいた張本人としてこのたび有罪判決を受けました。起訴されたのは全部で三人。おなじみ多田光宏被告がブログで具体的情報を書いたなどで、小林一幸被告がオークションで販売したことでそれぞれ起訴されています。おそらくこれらの判決も、やや異例のことですが、マスコミからの報道があるでしょう。果たして控訴するかどうかは分からないのでまだ刑が確定したとは言えないのですが、執行猶予がついているので多分このままかと思います。他の二人と比べると社会的影響が小さいので、事を大きくしたくないでしょうし。

やったことは有罪判決でも仕方のない話ですが、例の著作権法改定の一部分先行実施と同時期であることと合わせ、司法に身近な恐ろしさを感じざるを得ません。

イタダキモノAPU-PC検証・再生の章

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いよいよ佳境です、この章こそ本番です。ブラウザによるWEB閲覧だったりテキストの入力やデータファイルの管理に使ったりするパソコンですが、そこにあえて人はプラスアルファを求めるもの。その付加価値に何を求めるかは人によってさまざまだったりしますが、わたしはもちろん動画です。動画再生と言えばRADEON、RADEONといえば動画再生。それが昔からのわたしのイメージです。そしてAPUにはそのRADEONが組み込まれていますから、当然動画の再生能力も大いに期待されるわけです。

ただ、すでに先代のAPU・Llanoの段階で動画再生機能はある程度完成されており、残りどれだけ改善の余地があるか・・・というレベルでもあるのです。個人的に期待しているのは、SD映像の拡大のときのインターレース解除がややブレる点の改善を望んでいるのですが。
なので、Llanoで再生したときにそのブレが目立ちやすかった動画を、一度Llano側で何度も再生してブレのクセを覚え直した上で、此度のTrinity機で再生してみました。するとどうしたことでしょう。

全く同じ場所でインターレース解除による全く同じブレが発生したではありませんか。

これは何度やっても、場所を変えても一緒でした。断言します、Trinityの動画再生エンジンはLlanoと何も変わっていません。もちろん事前に同じUVD3であることは聞いていましたが、多少のマイナーチェンジ・改善点はあると思っていたのですよ。SD映像くらいGPUのエンジンでなくてもソフト再生でも十分なんですが、それはそれ、これはこれなんで。
実際、こういう改良点ではない、新機能なら存在します。一つは手ぶれ補正機能「AMD Steady Video」、日本AMDでは「ぴったりビデオ」とも読んでいるようですが、ビデオカメラでおなじみの機能です。高度な手ぶれ補正を持たない携帯電話などで撮影されたビデオには有効と思われます。これは最新のCataryst(今日の時点で12.8)を入れてもLlanoでは有効になりません。ただ、Trinityでも有効にしておくと、当然ながら普通の映像は逆にブレブレになるため、普段は切っておくものですし、わたしらにはあまり有益な機能ではありません。
もう一つ、「ストリーミング視聴のビデオダウンロードを最適化」とうたうAMD Quick Streamがあります。他のシステムを使うよりストリーミング視聴がスムーズに途切れなく再生出来るという話ですが、どうやっているのかは分かりません。さらにこの機能、切ることが出来ないために実際どれだけ働いているのかさっぱり分からないという欠点があります。「不要という人はいないでしょう」とAMDも言っていましたが、こういうレビューを書くときだけは困ります。他の機種と比べようにもタイミングや回線の調子などでストリーミングの再生は大きく異なりますから、効果の体験のしようがないですから。もちろん、普通に利用している人から見れば働いていることなど気にせず、ただ快適に使えていればそれでいいという縁の下の力持ち的機能であることに間違いはないんですが。

もちろんRADEONの再生能力は、特にHD動画に関しては一世代前でも十分に高く、ヘタに弄ってバランスを狂わす方がまずいという判断でエンジンをそのままにしておいたのかも知れません。では、Trinityの動画再生能力は、手ぶれ補正のような技術の導入に止まり、根本的なところではLlanoと変わらないのでしょうか? もう動画は袋小路に収まってしまったのでしょうか? そんなことはありません。進化の流れは決して止まらないのです。

と、言っても正確に言えば動画のだけに追加された機能ではないのですが、Trinityは単体グラボ無しにデジタルのマルチディスプレイに対応しました。具体的にはDVI-Dに加え、HDMIとDisplay-Portを搭載し、それらの同時利用・トリプルディスプレイが可能になったのです。これ以外にD-SUBも一応付いていますが、古いディスプレイとつなぐとき以外使うことはないでしょう。これはLlanoでは、少なくともウチのシステムであるA8-3850とF1A75-Mでは無理でした。前に試し、今回もう一度試したのですが、DVI-DとHDMIを両方つなぐと、HDMIからのみ映像が出力されてDVI-Dは切られてしまうのです。所謂排他利用というやつで、どうしても2つつなげたければDVI-Dの代わりにD-SUBを使う必要がありました。そりゃオンボードの性能の常識では当たり前と言えば当たり前ですが、ちょっとくやしい思いもありました。Trinityはその常識を覆し、D-SUBなしでトリプルまで持って行き、今使っているマザーではDVIをデュアルリンクで使った時およびDisplayーPort利用時ではそれぞれ2560x1600までの解像度で表示が可能です。並の安い単体グラボではここまで出来なくても不思議ではありません、すごい! はい拍手(パチパチ)。なお、AMD勉強会では「4Kも出来る」って言ってましたが、さすがに周波数が30MHzまで落ちるのは避けられないと思います。また、それだけ表示させるにはメインメモリの領域を多めにGPUに割り当ててやる必要がありますが、それだけの価値はあると言っていいでしょう。

ただ、Display-Portは少し個人環境としては先を行っちゃってますので、持っている人はまだ少ないと思います、わたしも持ってません(^^;) ですが、DVI-DとHDMIの同時出力なら試すことが出来ます。と、言ってもPCのある部屋においてあるテレビはHDと言ってもブラウン管なのでHDMI出力をコンポーネント→D端子と変換してアナログ化する必要があるのですが。それでも、Llanoでは出来なかった両方出力が出来た時はさすがに感激でしたよ。もちろん狙いは、これを利用してPC画面で普通の作業をしつつHDMIの出力先で動画の再生を行う、一台二役の利用です。

残念ながらサウンドを通常PC出力とHDMI出力をソフトによって分ける、などということは出来ないのでPCでの作業は音声無しで、音声出力はHDMIのみってことになりますが(もちろんHDMI出力を切って音声を戻すことは可能です)、あとはなんとかなりそうです。メインデスクトップはDVI-D側で1920x1080、サブはHDMIで1920x1080(ただし1080i)とし、再生ソフトには愛用のWindowsMediaCenterを利用、サブ側をフルスクリーンにします。ただ、フルスクリーン状態だとソフト実行のフォーカスがMediaCentorにあるとマウスカーソルがMediaCenterから出られなくなってしまいます。使うたびにAlt+ESCでフォーカスを移していては煩わしいですので、ここではリモコンを使うことにします。

I-O DATA Windows Media Center専用リモコン GV-MC7/RCKITアイ・オー・データアイ・オー・データ

MediaCenter専用のリモコンです。これを使っても全ての操作がフォーカスを他のソフトに移した状態で行えるわけではありませんが、再生と停止・一時停止、それに早送りと巻き戻しくらいなら出来ます(一部の動画、特にAVC系のTSファイル除く。あれだけ早送りと巻き戻しが普通でも効きませんので、フォーカスが無いと使えないスキップボタンを使う必要があります)。あとはAMDのControl Centerから動画のインターレース解除を切って1080i向けにしてやれば、バッチリ再生が出来ました。ビデオ再生側はデスクトップをメインにした方がいい、なんて話もありますが、特に問題ないです。案外GPUに負担をかけるブラウザも普通に使えましたし、エンコードを行いながら1920x1080の動画を再生してなお動画再生に影響は見られないほどです。エンコードはバッチリストを作っておけばしばらく放っておいてもいいので、フォーカスをMediaCenterに移して全部の操作をリモコンやマウスでできるようにしてもいいでしょう。おしむらくはAPU最上位のA10-5800Kをもってしてもエンコードはそれほど速くないことですが。

思った以上にスムーズに出来たこの作業。まぁわたしはすでに動画再生専用としてE-350を搭載したミニPCを使っているのでそっちに動画は任せた方が快適なんですが。もしそういう専用PCを持たずに、一台でテレビ出力まで含む複数の作業を同時にやらせるのなら、と仮定してみてやったのですが、APUシステムはその期待に十分応えてくれます。是非次世代APUでは、4Kでの動画の快適かつ高画質な再生機能を搭載してもらいたいものです。

わたしがAPUをおすすめするワケ

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A10-5800Kについて何かブログに書けと言われたら、定番ベンチマークの数字をはかったりゲームが指標として出しているベンチマークで計測したり、というところを中心に書くのが普通だと思います。わたしがそれをやらなかったのは、そっちの方面はもともとやらない方だからです。動画屋としては動画のことだけで攻めてみるのが正当でしょ、ってことでAMD主催APU勉強会でいただいたA10-5800KとTrinityに関しまして好き勝手なこと書いてきましたが、如何でありましょうか。なお、再生やエンコードだけでなく、もう一つ肝心の録画の方ですが、約5日間、1日の2/3はPT3経由で録画しっぱなしという少々過酷な条件に見事耐え、天候のせいで起こったドロップなどを除けばちゃんと映像をHDDに保存してくれました。商業サイトによればA10-5800KはTDP100Wにも関わらずアイドル時には他の低電圧CPUに負けないほど消費電力が低くなるようですので、ほとんどアイドル状態である録画用としても十分使えるものです。ただ、なぜかこのPCでアクセスするとブラウザやファイヤーウォールの設定にかかわらずgooブログ系へのアクセスが遅くなるのが欠点と言えば欠点なのですが、理由は謎なので。
使用感はこのくらいにして、最後に半分AMDへの感謝をこめた宣伝を兼ねた総括を持ってAPUをおすすめしたいと思います。


もともとわたしはずいぶん前から単体のグラフィックボードをあまり買わなくなっていました。その理由の一つは、いまや2スロット専用の外部の排気型クーラー搭載機や外部電源が当たり前になったため、搭載に圧迫感を感じるようになったためです。GeForce系のみ、半分調査用として常時一枚だけ使用していますが、RADEON系は2600が確か最後です。
それともう一つ、グラフィィックボードを使用しないVGA環境に希望が持てるようになったためです。AMDが初めてGPUをチップセットに内蔵したAMD680Gを初めて使用したときは、軽いカルチャーショックすら感じました。それまでの内蔵にありがちだった
・体感速度が重く遅い
・低い解像度しか使えず、フルカラーが24ビットモードのみのものも
・D-SUBしか使えないうえに画質が悪い
・動画再生支援機能が弱い
と言った言葉が通用しない、ごく普通に使えるレベルに達していたからです。ただ、当時現役より一世代前のロークラスより明らかに劣る、という基本能力が意図的に抑えられている点からの脱却は出来ていませんでした。それでもそれ以降わたしはチップセット内蔵GPUへ移行を始めました。AMDはもちろん競合であるnVIDIAのチップセット内蔵GPUやIntelのGPU統合型CPUも使ってきましたが、それらを経て、ようやくこのAPU・Trinityにたどり着いた、という感があります。もはや安いグラボの代用品ではなく、APUというシステムとしてGPU機能を持つに至ったTrinityは、現役単体GPUの機能を全て持っています。能力はロークラスの真ん中かやや上と言ったところでしょうが、総合力では一世代前を上回ります。SocketのFM2は少なくとも次の世代のAPUも使えるということなので、APUを交換すればCPUとGPU、両方の能力をアップさせることが出来るようになるということです。楽しみです。

ネット上では定番ベンチマークソフトのはじき出すCPU能力の数字のみを持って揶揄する声もあります。ですが、TrinityはベンチマークソフトのためのAPUではありません。実際、ベンチマークによってはほぼ同じ数字になるLlanoとTrinityのCPU部分を、動画エンコードソフトという実際利用するソフトで性能を比較した場合、明らかにTrinityが速度で上回っています。ベンチマークソフトの出す数字は指標の一つに過ぎず、実際に自分の使うソフト、特に実行に時間の掛かる重いソフトで比較しなければ意味はないんです。通常のソフトを快適に実行するために最低基準は十分満たしているんですから。もちろんエンコードはわたしにとって重要でも全くそうで無い人もいますから、そういう人にとっては参考にならないでしょうし、それもあくまでLlanoとの比較で速いと言っているに過ぎず、8スレッドを使えるFX8120には歯が立ちません。定番ベンチマークソフトで数字を出すことが利用の目的だ、という人もいるでしょうからそういう人にはTrinityは全くお勧め出来ないのも確かです。自分の使いたいソフトで能力を発揮できない機能などあってもしょうがないし、使う機能ならば欲しいと誰しも思うところ。
ですが、GPUは必ず使うんです、ある意味CPUの機能以上に。ブラウザをPCで使わない人はいないでしょうが、最近のブラウザはGPU負担が案外大きいものになってます。だからこそ快適にブラウザを使えるんです。特にストリーミング配信される動画をスムーズに再生するにはGPUの性能が高いに越したことはないでしょう。動画の再生、画像の表示はもちろんWindowsそのものもGPU性能がある程度あれば快適になります。少なくとも、A10-5800KのGPUはそれらを行うときにパワーが足りず、CPUの力で性能を補う必要があるという事態に陥ることは少ないでしょう。

重いソフトならCPUが重要ですが、そのうちのいくつかはGPGPUによるOPEN CL実行で代用できます。現にファイルの圧縮と解凍、静止画像のフィルタのような処理にはOPEN CLに対応し、CPUのみで行うより快適な処理が出来るものがいくつか登場しています。AMD APP ZONEではOPEN CL対応のソフトのいくつかを紹介しています。日本語化は9月下旬から10月上旬オープンという話でしたが残念ながら遅れているようですね。登録ソフトもまだ少ないですが、有名どころ無料ソフトの名もチラホラ見受けられます。OPEN CLはC言語に近いプログラミング言語を用意することにより、扱いやすい開発環境を提供している、とのことですから、増えることも期待できるでしょう。
Trinity内蔵GPUの性能はネットゲームなどなら問題なく動く、という視点で語られることが多いようですがおそらくAMDから見ればそれは普及のキッカケとなるものに過ぎないと思われます。OPEN CLが快適に動く環境の普及、それによって性能的に優位に立ち、選ばれるAPUになることが目的でしょう。これらは特に、GPUの追加交換が出来ないモバイル環境でものを言います。CPUにAPUを使えばそれつで自動的にOPEN CLもサポートされるのですから。
また、AMDはヘテロジニアス・システム・アーキテクチャ(HSA)という財団の設立の中心メンバーでもあります。この財団の目的は単にOPEN CLの管理ではなく、ARMやそれに最適化されたAndroidのアプリを、OPEN CLへのコンパイルを容易に(おそらく最終的にはコンパイル無用もしくはコンパイルと実行を同時に)することにあります。Windows上でAndroidアプリを動かすソフト、BlueStacks App Playerというものが存在しますが、AMDはこの開発元ブルースタックスと提携し、AMDチップでAndroidアプリを利用できるよう開発を進めています。そのチップとはRADEONのことであり、APUであるでしょう。また、x86向けAndroidへの協力も行っているようです。ただ、わたしらが使うようなデスクトップ機でAndroidアプリが動いてもそれほど嬉しくありません、本領発揮はWindows8環境でのタッチ操作を前提としたスレートPCです。Windows用ソフトとAndroid用アプリが両方とも動くタッチ操作PCなら、十分な競争力が出るでしょう。AMDはARM陣営やAndroidと競合するのではなく、共存共栄の道を模索しているのです。Windows面からだけではなく、Androidからの恩恵もあるSoftWareのいわゆるエコシステム、それを確立するために、AMDはAPUを作ったのです。

わたしがAPUを進める一番の理由、それはわたし自身がこれらの未来に魅力を感じ、その恩恵を受けたいからです。APUが売れなければ全ては絵に描いた餅。従来とおりの、古い性能基準の延長のCPUが続くでしょう。われわれはどちらを選ぶか、なのです。

もちろん現状でもAPUは選ぶに足る実力を持っています。どうしてもハイクラスのCPUが必要なHD動画エンコード(まだVCEはどうなるか分かりませんから)や、消費電力を気にせず高機能グラボを必須とする重量級ゲームのようなはっきりした目的のある人にはお勧めできませんが、そうでない安くて一通りのことが出来るコストパフォーマンス重視のPCやサブマシン、ネットゲームや動画の録画再生のような目的重視なら、Trinityを選ばないことに理由が必要なくらいにはお勧めできるものです。現在2コア程度のCPUをチップセット内蔵VGAで表示させているPCからの買い替えにも最適。ただ、先代APUのLlanoからの買い替えは少し待ったほうがいいでしょう。動画の再生能力に差がありませんので、Llanoでもほとんどの環境に十分な性能を与えてくれるからです。VCEなど新機能の環境がそろうか、次の世代までは待つべきです。

最大の問題は、やっぱりノートPCの選択肢の少なさ、これに尽きますね。せっかくデスクトップ用よりも先行して登場したにもかかわらず、Trinity搭載ノートPCはメーカーの中でも通販専門のラインナップにしかないケースが目立ち、しかもその多くは中型で解像度の低い液晶パネルを搭載したものしか見当たらず、物足りません。たとえるならASUSのZEN BOOKのような、そんなAPUPCが量販店にいくつか並んでいる状況が理想なのですよ、わたしとしては。こればかりはメーカーに作ってもらうしかないので、奮起を期待するものであります。安いのにHDMI出力から内蔵ディスプレイとは別のデスクトップや映像の表示が出来る、そんなノートPCも欲しくないですか?

デスクトップ用は現在のところ、なかなか好評なようでほっとしています。APUが常に次に買うPCの選択肢の一つにある、そんな将来がここから始まることを、願ってやみません。
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