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Channel: 録画人間の末路 -
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MIAU著作権法改定に対し意見書、だが・・・

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あまり関係のない話から入るのがウチのコンセプトですが、それは今回なしで。

「VLC PlayerでDVDを見たら違法」となる恐れも、TPPに伴う著作権法改正で

当ブログでも少し書きましたが、TPP同意の中に著作権に関する取り決めがあったことに従い、改定が審議されています。その中身があまりにひどいため、一般社団法人インターネットユーザー協会、略称MIAUによって今回も意見書が提出されました。表題にVLC Playerが取り上げられているので一見同ソフトだけの問題のようにも見えますが、単に委員会で名指しされただけで、実際にはMPC-HCでもGOM Playerでも同じ取扱いだと思われます。もちろんですがDVDソフトが海外で作られた無料ソフトで視聴できなくなる、が本改定の本質ではありません。「違法の反対は合法」理論で、もっとも基本的な映像ソフトの扱いであるDVD視聴制限を違法に取り込むことにより、あらゆる映像に関する業界の勝手な規制を無制限に合法化するのが目的と思われます。視聴が法律で制限を受けるのなら、それ以外のものは自動的にすべて違法という扱いですね。

しかも具合の悪いことに、日本ではこの手の映像ソフト規制が取り沙汰される場合、必ず放送映像をDVDやBDと言った市販ソフトと同列に扱い、どさくさに紛れてそれらと同じレベルで法律の保護を受けようとしています。おそらく発端のアメリカでは裁判所の過去の判断の例から無料の放送がこうした規制範囲に入ることは考えられず、日本独自の方針と考えるのが自然でしょう。TPPはまさに渡りに船、格好の錦の御旗なんです。
これが通ったら、映像業界の談合による規制に従わないものはすべて違法行為として堂々と扱うことができるようになるでしょう。当面は刑事罰なし、としてまず規制の合法化に努め、時を見て刑事罰を加えた厳罰化する、ダウンロードの時に見られた二段階方式が取られることになるでしょう。それによってさらに強化された規制と録画制限が取られるようになると思われます。先日取り上げた「録画禁止」は盛り込まれるものの名目上は使用しないことにする、代わりに「複製の全面禁止」「視聴期間と回数の制限制導入」「早送り・スキップ機能の禁止」が採用されるのではないでしょうか。「録画を可能とした点で視聴者の権利と著作権の保護の兼ね合いを取った」が名目になるでしょうね。

それだけに、MIAUが何を言おうが、一部の有識者がどう反対しようが、強引かつ強行的にまず「映像におけるアクセスコントロールの回避」が違法行為となる改定案は、他の無数の改定案の影に隠すように入ってくるでしょう。まぁ今の野党にそれを廃案に追い込むことは不可能ですから、簡単に成立、我々のやりたいことに対してすべて「違法行為」という影が覆う、暗黒の時代がまた一歩近づいてきた感はありますね。


以上の考察は、わたしの妄想による最悪の事態を想定しただけにすぎないものです。この予言が一つでも多く実現しないことを祈るしかないですね。映像業界が市販映像ソフトと無料放送を同列に扱わせたがっているのは事実ですし、多分他者の意見を反映しない改定案の盛り込みだけは行われるでしょうから。

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