サービス開始当初は近接アクセス容量による速度制限なしとしてPC利用を前提としたユーザーに薦められてきたワイモバイルのPocketWiFiルーター、305ZTが一部地域では3月から、4月からは全国一斉に1GB/3日容量による速度制限を急に実施、最高ルーターと高かった評価がものすごい勢いで落下、現在では最低ルーターとしてしか評価されていないのは当ブログでも取り上げましたしご存じの通り。ネット上にたっぷり高評価の記事をみんな喜んで書き込んでいた後の仕打ちですから悪意を感じます。ただ、最低評価を下しているユーザーの多くが規制開始以前の段階では月に数十ギガ単位でのアクセスをしていた、通常のネット回線をすべて305ZTで行った人のように見えます。中には数百ギガ・テラバイトのアクセスを行ったことを公言している人もいたりして、そりゃそう人からすれば全く使い物にならないわけですから低評価も当然ですが、ごく一部ですが「1GB/3日にかかってない」という書き込み報告もなくはなく、近接や先月のアクセス量が決して多くないユーザーの場合多少は速度制限を勘弁してもらえるケースもあるのではないか? 3月以前の状態からそういう淡い期待がなくもなかったわけです。実際わたしも3月には余計な速度実験とかしたおかげで月のアクセス量が10GBを超えていたため、「近接のアクセス量が多すぎるユーザー」扱いになっていて速度制限が実行された、という可能性もまだ残っていたわけなんです。なにせdocomoもauも近接3日制限は緩めており、月制限さえかければ近接3日制限はそれほど熱心にかける必要はない、が業界の流れですからソフトバンクもワイモバイルという別ブランドを分けている以上、万が一・・・にかけたわけです。
そこで先月は速度制限で遅くて使い物にならないということもあってあまり使わず、容量を6GB/1月程度におさえ、今月に入ってからも外でのメールやTwitterのチェック以外にはほとんど使わないという生活を一度送り、そのうえで外出先でルーターのみでPCを利用したと仮定して数時間ほど一台のノートPCを305ZTだけで利用して過ごしました。今回もその数時間のアクセスは1GBで止めています。それまでの5日半でアクセス容量は150MB。そのうちの半分は3日以上前の速度テストによるものであり、ほとんど使ってないと同じです。さて、これでもし「悪質なユーザー」指定から外され、短期間集中くらいなら大丈夫になってくれれば、と翌日の午後アクセスしてみたら・・・。
遅いです。
速度をはかったら案の定1Mbps未満しか出てません。
これではっきりしました。ワイモバイルは結局ソフトバンクモバイル。それまでや先月のアクセス量に全く関係なく1GB/3日だけを杓子定規に守り、それを少しでもオーバーしたユーザーはすべて悪質なユーザーとみなして制裁として速度制限を実施するキャリアです。
しかし、305ZTの速度制限はこれだけではありません。7GB/1月をオーバーした場合、制限解除を要求しなければ速度制限を受けますし、3日/1GB制限以前からかけられていたYouTube制限ももちろん続行中です。現在・少なくとも今日5月7日時点でもワイモバイルは305ZTを「さよなら速度制限」を謡って売っていますが、実際はほかのあらゆるサービスと比較してももっとも多くの速度制限が行われるルーターであり、むしろ速度制限の総合商社、百貨店と呼ぶべきでしょう。305ZTを速度制限なしとして褒める記事の多くはいまなおネット上に残っており、その一部はわたしが書いたものです。その責任として、一ユーザーとして多くの速度制限が実施されている305ZTの実態を書いておく必要があるでしょう。
1.1月/7GB速度制限
・毎月1日から数え、その月の累積アクセス量が7GBを超え、一旦アクセスが途切れた時点をもって解除予約が入っていなかった場合、速度制限が実施される
・速度はダウンで128Kbps以下。アップは制限を受けない
・解除申請を行えば500MB単位で制限を解除できる。これは制限が実施されてからではなく、残りが200MBを切った時点からあらかじめ予約を入れておくことによって速度制限を回避できる
・解除料は通常500MBごとに500円だが、キャンペーンによって2015年5月7日現在すべてのユーザーが解除料金無料で利用できる。305ZTが速度制限なし、を謡って売られているのはこのため
・PCからフルオートで予約申請・解除が行えるソフトが個人によって作られ、配布されていた。
・この制限を受けた場合、PCはもちろんAndroidOSのタブレットでもほとんどインターネットは使えないと言っていいほど遅くなる
2.3日/1GB速度制限その1
・月は関係なく、近接3日間のアクセス容量が1GBを超えた場合、翌日の午後から速度制限が実施される
・速度はダウンで1Mbps以下。アップは制限を受けない
・近接3日であるため、1日でアクセス量が1GBに達した場合、翌日から3日間速度制限を受ける
・制限の実施は午後0時~午前1時の13時間。残り午前中の11時間はこの制限を受けることはない
・これは当初実施されておらず、一部ユーザーは3月から、残りのほとんどのユーザーは4月に入って急に行われ始めた
・店頭ではこの3日/1GB制限は「行われていません」あるいは「全くないわけではありませんが、特別集中した場合に限られます」、「制限があったとしても気になるほど低下することはありません」という案内が4月以前には行われていた
・急に速度制限が実施された理由として「ユーザーが急増し、帯域が確保できなくなったため」としているが、ネットユーザーの間ではワイモバイルがソフトバンクモバイルに吸収されたため、そちらのルールが適用されたからと言われている
・批判が集中し、「契約違反」として解約や契約そのものの破棄を求める人が続出した。少なくとも月数十ギガ単位のアクセスを行っていたユーザーの多くが解約したものと思われる
・MVNOでは混雑する時間帯の場合速度が出ないようだが、ベンチマーク上では305ZTの速度制限はそれと似たような速度になる
・ソフトバンクモバイルの場合、こうした速度低下時には特に画像の再圧縮が高い密度で行われるため、写真は汚くなるもののテキスト主体のWEBアクセスならなんとか使える体感速度は確保される。ただしSNSゲーム、特にPCで行われるブラウザゲームは全くお話にならない速度しかでない。ゲームによっては長時間待たされたり途中でエラーが出て実行できないほど遅い
3.動画サイト限定速度制限
・今年に入ってから21時~午前1時くらいの時間帯で1時間ないし2時間、動画サイトでの動画アクセスに限って速度制限が行われるようになった
・速度は推定で128Kbps。速度測定サイトやソフトでは測定できないが、規制時間内にCraving Explorerでダウンロード(ちなみにYouTube上の305ZT速度制限検証動画)をかけたところ、14KB/sを超えなかったところからの推測。かなりおおざっぱな数字しか出ないため推測の域を出ない
・これはYouTubeで最低の画質モード、かつソフトバンクモバイル特有の再圧縮がかかってなお視聴に支障が出る速度。実質動画はとびとびでなければ見られない
・2時間速度制限が出ると言っても連続はあくまで1時間。1日に2回規制時間が回ってくるというもの
・ルーターの電源を入れなおすなどで回避できる場合もある
・個人的に確認できたのはYouTubeだけだが、他サイトでも制限を受けたという話もある
・近接のアクセス量とは全く関係なく行われる
4.3日/1GB速度制限その2
・「3日/1GB制限はあらかじめ契約書や説明文にある」としてワイモバイル側を弁護する声もあるようだが、その中身は「当日6時から翌日6時までの24時間制限が行われる場合がある」というもの
・つまり現在実施されている速度制限とは中身が異なるものなので、現在行われている制限説明を可能性との前提であったとしても、あらかじめ受けて3月以前に契約したユーザーは皆無である
・逆を言えばこちらが後日契約書通り別に実行される可能性は十分残っている
・これが実行された場合、過去の例からして速度は128Kbps/24時間。実質何もできないし解除もできない
そういえば総務省の通達で机上の空論に過ぎない「最大○○○Mbps」という速度ではなく実行速度でルーターの宣伝は行うようになるとかなんとか。その場合、通常の実行速度の測定と同じくらいの大きさの字で速度制限時の実行測定速度を必ず書くことを義務付けてほしいですね。
こうした速度制限が行われてなお305ZTを問題なく使える人ってのは
・午後は寝ていて午前中しか活動しない人
・通話はガラケーがいいのでPHSとの併用で小型タブや格安スマホをネット用に使いたい人
・動画はみない、ネットゲームはしない人
・アップの方が大事でダウンは二の次という使い方の人
・金は取られるけど使えないサービス契約を結んでいることを気にしない人
こういう条件を満たす人だけなんでしょう。わたしはPHSとの併用割引がまだ捨てられないため、もうしばらく速度低下を我慢して使うことにしますが、もしこれ以上のサービス低下が(ルーターだけでなくPHSにおいても)導入されるとしたら、その時は何を置いても解約するでしょうね。
そこで先月は速度制限で遅くて使い物にならないということもあってあまり使わず、容量を6GB/1月程度におさえ、今月に入ってからも外でのメールやTwitterのチェック以外にはほとんど使わないという生活を一度送り、そのうえで外出先でルーターのみでPCを利用したと仮定して数時間ほど一台のノートPCを305ZTだけで利用して過ごしました。今回もその数時間のアクセスは1GBで止めています。それまでの5日半でアクセス容量は150MB。そのうちの半分は3日以上前の速度テストによるものであり、ほとんど使ってないと同じです。さて、これでもし「悪質なユーザー」指定から外され、短期間集中くらいなら大丈夫になってくれれば、と翌日の午後アクセスしてみたら・・・。
遅いです。
速度をはかったら案の定1Mbps未満しか出てません。
これではっきりしました。ワイモバイルは結局ソフトバンクモバイル。それまでや先月のアクセス量に全く関係なく1GB/3日だけを杓子定規に守り、それを少しでもオーバーしたユーザーはすべて悪質なユーザーとみなして制裁として速度制限を実施するキャリアです。
しかし、305ZTの速度制限はこれだけではありません。7GB/1月をオーバーした場合、制限解除を要求しなければ速度制限を受けますし、3日/1GB制限以前からかけられていたYouTube制限ももちろん続行中です。現在・少なくとも今日5月7日時点でもワイモバイルは305ZTを「さよなら速度制限」を謡って売っていますが、実際はほかのあらゆるサービスと比較してももっとも多くの速度制限が行われるルーターであり、むしろ速度制限の総合商社、百貨店と呼ぶべきでしょう。305ZTを速度制限なしとして褒める記事の多くはいまなおネット上に残っており、その一部はわたしが書いたものです。その責任として、一ユーザーとして多くの速度制限が実施されている305ZTの実態を書いておく必要があるでしょう。
1.1月/7GB速度制限
・毎月1日から数え、その月の累積アクセス量が7GBを超え、一旦アクセスが途切れた時点をもって解除予約が入っていなかった場合、速度制限が実施される
・速度はダウンで128Kbps以下。アップは制限を受けない
・解除申請を行えば500MB単位で制限を解除できる。これは制限が実施されてからではなく、残りが200MBを切った時点からあらかじめ予約を入れておくことによって速度制限を回避できる
・解除料は通常500MBごとに500円だが、キャンペーンによって2015年5月7日現在すべてのユーザーが解除料金無料で利用できる。305ZTが速度制限なし、を謡って売られているのはこのため
・PCからフルオートで予約申請・解除が行えるソフトが個人によって作られ、配布されていた。
・この制限を受けた場合、PCはもちろんAndroidOSのタブレットでもほとんどインターネットは使えないと言っていいほど遅くなる
2.3日/1GB速度制限その1
・月は関係なく、近接3日間のアクセス容量が1GBを超えた場合、翌日の午後から速度制限が実施される
・速度はダウンで1Mbps以下。アップは制限を受けない
・近接3日であるため、1日でアクセス量が1GBに達した場合、翌日から3日間速度制限を受ける
・制限の実施は午後0時~午前1時の13時間。残り午前中の11時間はこの制限を受けることはない
・これは当初実施されておらず、一部ユーザーは3月から、残りのほとんどのユーザーは4月に入って急に行われ始めた
・店頭ではこの3日/1GB制限は「行われていません」あるいは「全くないわけではありませんが、特別集中した場合に限られます」、「制限があったとしても気になるほど低下することはありません」という案内が4月以前には行われていた
・急に速度制限が実施された理由として「ユーザーが急増し、帯域が確保できなくなったため」としているが、ネットユーザーの間ではワイモバイルがソフトバンクモバイルに吸収されたため、そちらのルールが適用されたからと言われている
・批判が集中し、「契約違反」として解約や契約そのものの破棄を求める人が続出した。少なくとも月数十ギガ単位のアクセスを行っていたユーザーの多くが解約したものと思われる
・MVNOでは混雑する時間帯の場合速度が出ないようだが、ベンチマーク上では305ZTの速度制限はそれと似たような速度になる
・ソフトバンクモバイルの場合、こうした速度低下時には特に画像の再圧縮が高い密度で行われるため、写真は汚くなるもののテキスト主体のWEBアクセスならなんとか使える体感速度は確保される。ただしSNSゲーム、特にPCで行われるブラウザゲームは全くお話にならない速度しかでない。ゲームによっては長時間待たされたり途中でエラーが出て実行できないほど遅い
3.動画サイト限定速度制限
・今年に入ってから21時~午前1時くらいの時間帯で1時間ないし2時間、動画サイトでの動画アクセスに限って速度制限が行われるようになった
・速度は推定で128Kbps。速度測定サイトやソフトでは測定できないが、規制時間内にCraving Explorerでダウンロード(ちなみにYouTube上の305ZT速度制限検証動画)をかけたところ、14KB/sを超えなかったところからの推測。かなりおおざっぱな数字しか出ないため推測の域を出ない
・これはYouTubeで最低の画質モード、かつソフトバンクモバイル特有の再圧縮がかかってなお視聴に支障が出る速度。実質動画はとびとびでなければ見られない
・2時間速度制限が出ると言っても連続はあくまで1時間。1日に2回規制時間が回ってくるというもの
・ルーターの電源を入れなおすなどで回避できる場合もある
・個人的に確認できたのはYouTubeだけだが、他サイトでも制限を受けたという話もある
・近接のアクセス量とは全く関係なく行われる
4.3日/1GB速度制限その2
・「3日/1GB制限はあらかじめ契約書や説明文にある」としてワイモバイル側を弁護する声もあるようだが、その中身は「当日6時から翌日6時までの24時間制限が行われる場合がある」というもの
・つまり現在実施されている速度制限とは中身が異なるものなので、現在行われている制限説明を可能性との前提であったとしても、あらかじめ受けて3月以前に契約したユーザーは皆無である
・逆を言えばこちらが後日契約書通り別に実行される可能性は十分残っている
・これが実行された場合、過去の例からして速度は128Kbps/24時間。実質何もできないし解除もできない
そういえば総務省の通達で机上の空論に過ぎない「最大○○○Mbps」という速度ではなく実行速度でルーターの宣伝は行うようになるとかなんとか。その場合、通常の実行速度の測定と同じくらいの大きさの字で速度制限時の実行測定速度を必ず書くことを義務付けてほしいですね。
こうした速度制限が行われてなお305ZTを問題なく使える人ってのは
・午後は寝ていて午前中しか活動しない人
・通話はガラケーがいいのでPHSとの併用で小型タブや格安スマホをネット用に使いたい人
・動画はみない、ネットゲームはしない人
・アップの方が大事でダウンは二の次という使い方の人
・金は取られるけど使えないサービス契約を結んでいることを気にしない人
こういう条件を満たす人だけなんでしょう。わたしはPHSとの併用割引がまだ捨てられないため、もうしばらく速度低下を我慢して使うことにしますが、もしこれ以上のサービス低下が(ルーターだけでなくPHSにおいても)導入されるとしたら、その時は何を置いても解約するでしょうね。