本日APUのKaveriモデルとしては3つめに当たるA10-7800が発売となりました。HPのPCに先行で採用されたのが確か先月始めでしたから、一ヶ月ほどでの単品販売解禁という、AMDにしては早い展開となりました。まぁ本来ならA10-7850KやA10-7700Kと同時に出して欲しかったAPUではありますが、それではcTDPという新機能が広まらなかった可能性もありますし、ちょうどいいところだったかも知れません。それでも今回もA10-6700T・A10-7850K/7700Kに続いて三回連続の日本先行販売です。ただ、組み立てPC界ではコードネーム"Devil's Canyon"、Core i7 4790Kが出たばかり(厳密にはi5 4690Kもありますがこっちは誰も見てないでしょうし、むしろ同じく本日発売のPentiumG3258が一番の注目株なのかも)で、そちらに注意がいっているだけに省電力型のA10-7800がどれだけ注目を集めるかは少々疑問なところ。4790Kはオーバークロック向けとしては思ったほどではないという評判も固まりつつありるようですが、それでも売れるでしょ?
A10-7800で面白いのは元のTDP65WとされているのにcTDP対応で仮想的にTDP45WのAPUとしても動作させられること。てっきりハイクラスのA10-7850Kだけの機能かと思っていたのですが、ここら辺の手抜きのなさは嬉しいです。
となると最大の注目は、同じくcTDPで65W/45Wで動作したときのA10-7850Kとどう違うのかと言う点ですが。
Configurable TDPに最適化した「A10-7800」レビュー
65W/45Wモード同士で比べた場合、どちらも7850Kを上回るというなかなかの高性能。これはTURBO COREの使われ方が違うのでしょう。もともとAMDではTURBO COREを"省電力機能"としていました。先代のRichlandと先々代のTrinityの最大の違いは実はそこの強化でしたし。7800は95Wモードのハイパフォーマンスまで考慮して温度センサーを配置する必要がない分、より省電力に最適化した配置にしたのでしょう。この予想が当たっているとなると7800は7850Kの選別ではなく、別のダイから作成したAPUということになります。それなら少々時間がかかったのも仕方ないこと。今後は下位のKaveriも登場するでしょうが、7850Kベースと7800ベースの2種類か混在するかも知れません。
文中に「「APU製品が本来持つ性能を適切に測定することにはならない」との理由で、CINEBENCH、SiSoftware Sandra、Super PI等のベンチマークテストについて、AMDより借用した製品では実施しないよう要請があった」という妙な文章があります。Kabiniの時も比較対象CPUを絞る要請がありましたが、こうでもしないと特に商業サイトは比較項目ごとにCPUを変更したり、レガシーベンチを使ったスペースをたっぷり割いてIntelCPUと比較して新APUを叩きまくり、最後にちょっとだけ新しいベンチで「いいところもある」という記事で終わりにするのが常ですし。まぁ記事内には書かないだけで他のメーカーもレビュー方法に関する要請は大なり小なりあると思いますよ。今回はテスト項目を絞らされたということでどこもIntelCPUを比較対象ににしていないのはちょっと納得がいきませんが。
と、現在公開されている7850Kやとの比較でも、クロックの差はわずかということもあってパフォーマンスの差は少なく、おそらくA10-6800KとCPU部分だけ比べても同等の性能はたたき出すでしょう。ここ最近のAPUのお約束だった「65Wの最上位は先代の最上位と同等」は守られたようです。それでいてGPUは7700Kと違って7850Kと全く同じですからGPGPUを睨んでも問題なし。オーバークロックをやる趣味の無い人なら、値段が7850Kより高いというので無い限り7800を選ぶ方が正解だと言えます。最近使った手応えからKaveri採用APUが現状のPC向けGPUの中で一番動画再生の性能や画質が良いと思われますので、動画や映像ソフトをPCで見る派は最有力候補にしておきたいですね。
さらに下位モデルとしてA6-7400K(CPU2コア+GPU4コア)とA4-7300登場も予定されているようですし、ようやくKaveriのラインナップも増えていくようです。なお、わたしはもうA10-7850Kを持っていますので7800はパスです。あまり関係ない話になりますが、個人的に今一番欲しいPCは先日発表されたモバイル向けKaveriを採用した完成品の小型PCなんです。最近Windows8.1 With Bingを搭載したPCのあまりの安さにクラクラ来てますので、こいつをOSの採用して出してくれないかなと。8.1bingは9インチ以下のタブレット向け無料OSという部分に当初は注目がありましたが、その条件を満たさなくても小型低価格向けPC用に安価で搭載も可能でした。実際小型ノートPCに採用モデルが出てますが、今までより5000円から1万円は安いんじゃないかと思う値段がついています。その代わり7へのダウングレード権は付かないとかあるんでしょうが、すでに7より8.1に慣れている(7PCを使っていてもついチャームを出してしまいそうになってます)わたしには問題なし。これとKaveriの低電圧版を組み合わせ、リモコンを付けてMediaCenterを導入(面倒なので出来れば最初から導入済みで)すれば最高の動画再生向けPCの完成です。どこか企画して発売してくれないですかねぇ。
追記:
今回商業系で唯一IntelCPUとA10-7800の比較を行っているゲーム系レビューサイト、4gamerのA10-7800レビューの文章がひどい(笑) AMDの対応に対する不満に満ちていてそれを隠そうともしていない。
「A10-7850Kと同じプロセッサ規模でTDP 65W」のAPUが持つ価値とは
・(7850Kの時には推奨だった)マザーボードで,A10-7800の国内発売時にcTDPを利用できないというのは,正直,お粗末に過ぎると言わざるを得まい(中略)日本AMDの調整力には苦言を呈したいと思う。
・「CPU性能を見るベンチマークでは,APUの性能を適切に測定できないため,AMDから入手したサンプルでは『Cinebench』『Sandra』『Super Pi』などのテストを行わないように」というお達しが出ている。(中略)この点はご了承のほどを。
・CPU性能では文字どおり,i5-4670KがKaveriより一段上というわけである。
・(自前で用意したマザーがcTDPを使えないこと)これ自体がA10-7800の価値を落とすことはないだろう(※AMDへの評価はまた別の話)。
・(販促イベントに舞妓さんを呼んだことに)A10-7800自体の説明はほとんどなく,これが新製品のアピールイベントだということが来場者に伝わったかどうかは,疑問がなくもない。
とけなすけなす。そう言えばKabiniのAM1版が出たときも"AMDはAthlon 5350の比較対象として「Bay Trail-D」の「Pentium J2900」を指定しており,それ以外のPentiumやCeleronと比較を行わないよう,レビュワーに対して強く求めている。ただし,筆者の知る限り,Pentium J2900搭載のPCが日本で流通したことはなく"とバラしたのも4gamer。貸し出す側もそれにメリットを感じるから貸すわけで、少しはその書き方に要求があるのは当たり前、でもその中身をいちいちバラしたりしないのが暗黙の了解というものでしょう。そもそもある程度要求を入れないと、A10-6800Kの時はCore i7 4770Kと比較、A10-7850Kの時はCore i5 4670Kとの比較はまだしも内蔵GPUを無視してグラボを追加した状態での比較のみとするなど、制限付けないとレビューがメチャクチャになるのが同サイトの特徴。言われてもしょうがないよなぁとは思う。
A10-7800で面白いのは元のTDP65WとされているのにcTDP対応で仮想的にTDP45WのAPUとしても動作させられること。てっきりハイクラスのA10-7850Kだけの機能かと思っていたのですが、ここら辺の手抜きのなさは嬉しいです。
となると最大の注目は、同じくcTDPで65W/45Wで動作したときのA10-7850Kとどう違うのかと言う点ですが。
Configurable TDPに最適化した「A10-7800」レビュー
65W/45Wモード同士で比べた場合、どちらも7850Kを上回るというなかなかの高性能。これはTURBO COREの使われ方が違うのでしょう。もともとAMDではTURBO COREを"省電力機能"としていました。先代のRichlandと先々代のTrinityの最大の違いは実はそこの強化でしたし。7800は95Wモードのハイパフォーマンスまで考慮して温度センサーを配置する必要がない分、より省電力に最適化した配置にしたのでしょう。この予想が当たっているとなると7800は7850Kの選別ではなく、別のダイから作成したAPUということになります。それなら少々時間がかかったのも仕方ないこと。今後は下位のKaveriも登場するでしょうが、7850Kベースと7800ベースの2種類か混在するかも知れません。
文中に「「APU製品が本来持つ性能を適切に測定することにはならない」との理由で、CINEBENCH、SiSoftware Sandra、Super PI等のベンチマークテストについて、AMDより借用した製品では実施しないよう要請があった」という妙な文章があります。Kabiniの時も比較対象CPUを絞る要請がありましたが、こうでもしないと特に商業サイトは比較項目ごとにCPUを変更したり、レガシーベンチを使ったスペースをたっぷり割いてIntelCPUと比較して新APUを叩きまくり、最後にちょっとだけ新しいベンチで「いいところもある」という記事で終わりにするのが常ですし。まぁ記事内には書かないだけで他のメーカーもレビュー方法に関する要請は大なり小なりあると思いますよ。今回はテスト項目を絞らされたということでどこもIntelCPUを比較対象ににしていないのはちょっと納得がいきませんが。
と、現在公開されている7850Kやとの比較でも、クロックの差はわずかということもあってパフォーマンスの差は少なく、おそらくA10-6800KとCPU部分だけ比べても同等の性能はたたき出すでしょう。ここ最近のAPUのお約束だった「65Wの最上位は先代の最上位と同等」は守られたようです。それでいてGPUは7700Kと違って7850Kと全く同じですからGPGPUを睨んでも問題なし。オーバークロックをやる趣味の無い人なら、値段が7850Kより高いというので無い限り7800を選ぶ方が正解だと言えます。最近使った手応えからKaveri採用APUが現状のPC向けGPUの中で一番動画再生の性能や画質が良いと思われますので、動画や映像ソフトをPCで見る派は最有力候補にしておきたいですね。
さらに下位モデルとしてA6-7400K(CPU2コア+GPU4コア)とA4-7300登場も予定されているようですし、ようやくKaveriのラインナップも増えていくようです。なお、わたしはもうA10-7850Kを持っていますので7800はパスです。あまり関係ない話になりますが、個人的に今一番欲しいPCは先日発表されたモバイル向けKaveriを採用した完成品の小型PCなんです。最近Windows8.1 With Bingを搭載したPCのあまりの安さにクラクラ来てますので、こいつをOSの採用して出してくれないかなと。8.1bingは9インチ以下のタブレット向け無料OSという部分に当初は注目がありましたが、その条件を満たさなくても小型低価格向けPC用に安価で搭載も可能でした。実際小型ノートPCに採用モデルが出てますが、今までより5000円から1万円は安いんじゃないかと思う値段がついています。その代わり7へのダウングレード権は付かないとかあるんでしょうが、すでに7より8.1に慣れている(7PCを使っていてもついチャームを出してしまいそうになってます)わたしには問題なし。これとKaveriの低電圧版を組み合わせ、リモコンを付けてMediaCenterを導入(面倒なので出来れば最初から導入済みで)すれば最高の動画再生向けPCの完成です。どこか企画して発売してくれないですかねぇ。
追記:
今回商業系で唯一IntelCPUとA10-7800の比較を行っているゲーム系レビューサイト、4gamerのA10-7800レビューの文章がひどい(笑) AMDの対応に対する不満に満ちていてそれを隠そうともしていない。
「A10-7850Kと同じプロセッサ規模でTDP 65W」のAPUが持つ価値とは
・(7850Kの時には推奨だった)マザーボードで,A10-7800の国内発売時にcTDPを利用できないというのは,正直,お粗末に過ぎると言わざるを得まい(中略)日本AMDの調整力には苦言を呈したいと思う。
・「CPU性能を見るベンチマークでは,APUの性能を適切に測定できないため,AMDから入手したサンプルでは『Cinebench』『Sandra』『Super Pi』などのテストを行わないように」というお達しが出ている。(中略)この点はご了承のほどを。
・CPU性能では文字どおり,i5-4670KがKaveriより一段上というわけである。
・(自前で用意したマザーがcTDPを使えないこと)これ自体がA10-7800の価値を落とすことはないだろう(※AMDへの評価はまた別の話)。
・(販促イベントに舞妓さんを呼んだことに)A10-7800自体の説明はほとんどなく,これが新製品のアピールイベントだということが来場者に伝わったかどうかは,疑問がなくもない。
とけなすけなす。そう言えばKabiniのAM1版が出たときも"AMDはAthlon 5350の比較対象として「Bay Trail-D」の「Pentium J2900」を指定しており,それ以外のPentiumやCeleronと比較を行わないよう,レビュワーに対して強く求めている。ただし,筆者の知る限り,Pentium J2900搭載のPCが日本で流通したことはなく"とバラしたのも4gamer。貸し出す側もそれにメリットを感じるから貸すわけで、少しはその書き方に要求があるのは当たり前、でもその中身をいちいちバラしたりしないのが暗黙の了解というものでしょう。そもそもある程度要求を入れないと、A10-6800Kの時はCore i7 4770Kと比較、A10-7850Kの時はCore i5 4670Kとの比較はまだしも内蔵GPUを無視してグラボを追加した状態での比較のみとするなど、制限付けないとレビューがメチャクチャになるのが同サイトの特徴。言われてもしょうがないよなぁとは思う。