先日、まねきTV潰し成功一周年記念の日に発表された、NexTV-F規定による制限項目最優先リモート視聴対応の第一段がソニーのレコーダーとなった模様です。
ソニーBDレコーダが外出先からの“リモート視聴”対応
BDZ-ET2100などでデジタル放送を「外からどこでも視聴」
てれび、それも「次世代テレビで」という話だったので意外でした。レコーダーで録画番組も視聴できるという点では評価します。が、それだけにこの展開が今後続くかどうか。なによりこういうのは規制さえなければパソコンでやってしまえば楽で簡単にできるんですよね、商売のためにできないようにしてしまっただけで。
同じAVWATCHで気になる話。日本のHuluを買収した日本テレビの担当者のインタビューが掲載されています。
日本テレビに聞く「これからのHulu、TV局のネット施策」
Hulu単独買収の理由と、ネットで求められるコンテンツ
まずはあちらを読んでいただくとしまして。実のところ、わたしとしましては「テレビのコンテンツをネットに出せ」という意見に応える気がないのなら、「ネットと放送の融合」なんて別にやらなくてもいいと思ってます。放送番組をそのままネットには載せない、やっても後追いのきびしい制限付きや単品有料、でも「ネットと放送の融合」という言葉はテーマにして展開したいというのは単に放送局の我がままにすぎません。こっちの我がままは聞かないけど自分の我がままは通すというのなら、どうぞ勝手にやってくださいという感じです。なので日本テレビが買収した時点でHuluへの関心は大きく薄らいでいるんです、わたしは。なぜなら地上波放送キー局が自局向け地上波テレビ放送番組制作以外のことを行うとき、必ずその絶対条件として「地上波キー局を頂点としたピラミッド構造に組み込むこと、それ以外の放送や地方局はキー局の邪魔になるような存在には絶対にしないこと」という無言の定義が存在しているのは、今まで見てきた経験から確信しています。Huluもその例に漏れることは絶対になく、地上波の引き立て役や補佐に甘んじらされるでしょう。だからこそ、わたしはこのインタビューにもあるような「日本テレビがHuluを傘下に置き、SVODで突出した存在になると、他局はコンテンツを提供しないのでは……と感じる人が多い」という心配は全くしていません。むしろ安心して提供するようになるでしょう。今までのような配信業者なら、配信時期の限定の細かい条件や画質の調整などを要求しても、おそらくは渋られたでしょう、条件の具体的な定義などできませんし。その点それが日本テレビなら、テレビ局同士の、同じ業界内ならではの阿吽の呼吸が存在するでしょうから、どんな細かい指定にも快く応じてくれるでしょう。いつでも簡単に調整ができる、ピラミッド構造の頂点にとってコントロールができることが保証されているほど安心できることはありません。これはもちろん利用者にとっては使い勝手の低下につながりますが、その反面アクティブになりやすい利点もあります。「いつでも見られる」は結局いつまでたっても見ないものですが、期間限定となると「見なければ」という意識が強くなり、コンテンツをキチンとみるようになるでしょう。その結果能動的ユーザーの強化につながり、評判も良くなる可能性が出てくるわけです。必ずしも使い勝手が良いから良いサービスだ、と人は思ってくれないものと思うのです。
ですが、今回のわたしはこのインタビューを紹介しようとだけ思って書いているわけではありません。この発言が気になったのです。
「ニュースというのはTVODでは絶対に売れないんです。朝7時のニュースを9時に有料で見る必要はまったくないわけですから」
どうかと思いました。確かに朝7時のニュースを9時に有料で見る必要は感じません。それくらいなら無料で公開されているインターネットのニュースサイトを見ますからね。そういう意識が強くなればなるほど、最初からテレビではなくインターネットのニュースの方を優先するようになる。結局もうテレビ、特に地上波テレビはただニュースを流すだけの番組はもう存在価値がないのではないかと思うわけです。でも、ニュースの検証を行う報道番組は別なんですよね。後でも見たい、と思ってもおかしくないんです。速報性はもうテレビに求めていませんが、その取材能力とデータ量、それに分析力のある人間をコメンテーターとして呼んで、視聴者の思考の参考になる資料を提供することに関してはキーテレビ局はなお大きな力を持っているんですから。これらがいつでも見られる、という形になるのなら、事件によってはそれこそ何年たってもお金を払ってでも見たい、とすら思います。すでに事件が経過してずいぶん経っている、記憶も薄れた、あるいは後で出てきたさまざまな情報を、当時の空気とともに再認証することができるのですから。これはきっと面白いですよ。ちょっと前の雑誌はつまらなくても、5年10年と経った古い情報しか載っていない雑誌が読み返してみると異常に面白いようなものです。
テレビ局以外は結局娯楽のためのコンテンツしか提供できません。教養のためのコンテンツを配信できるのは地上波キー局だけです。そういう「テレビ局ならでは」の配信サービスを行ってくれるのなら、本当に面白くなるでしょうし大歓迎です。ですが、それは時と場合によっては局の恥をネットに流すことになるので非常に難しい〜だからおそらくはやらない〜んでしょうね。
ソニーBDレコーダが外出先からの“リモート視聴”対応
BDZ-ET2100などでデジタル放送を「外からどこでも視聴」
てれび、それも「次世代テレビで」という話だったので意外でした。レコーダーで録画番組も視聴できるという点では評価します。が、それだけにこの展開が今後続くかどうか。なによりこういうのは規制さえなければパソコンでやってしまえば楽で簡単にできるんですよね、商売のためにできないようにしてしまっただけで。
同じAVWATCHで気になる話。日本のHuluを買収した日本テレビの担当者のインタビューが掲載されています。
日本テレビに聞く「これからのHulu、TV局のネット施策」
Hulu単独買収の理由と、ネットで求められるコンテンツ
まずはあちらを読んでいただくとしまして。実のところ、わたしとしましては「テレビのコンテンツをネットに出せ」という意見に応える気がないのなら、「ネットと放送の融合」なんて別にやらなくてもいいと思ってます。放送番組をそのままネットには載せない、やっても後追いのきびしい制限付きや単品有料、でも「ネットと放送の融合」という言葉はテーマにして展開したいというのは単に放送局の我がままにすぎません。こっちの我がままは聞かないけど自分の我がままは通すというのなら、どうぞ勝手にやってくださいという感じです。なので日本テレビが買収した時点でHuluへの関心は大きく薄らいでいるんです、わたしは。なぜなら地上波放送キー局が自局向け地上波テレビ放送番組制作以外のことを行うとき、必ずその絶対条件として「地上波キー局を頂点としたピラミッド構造に組み込むこと、それ以外の放送や地方局はキー局の邪魔になるような存在には絶対にしないこと」という無言の定義が存在しているのは、今まで見てきた経験から確信しています。Huluもその例に漏れることは絶対になく、地上波の引き立て役や補佐に甘んじらされるでしょう。だからこそ、わたしはこのインタビューにもあるような「日本テレビがHuluを傘下に置き、SVODで突出した存在になると、他局はコンテンツを提供しないのでは……と感じる人が多い」という心配は全くしていません。むしろ安心して提供するようになるでしょう。今までのような配信業者なら、配信時期の限定の細かい条件や画質の調整などを要求しても、おそらくは渋られたでしょう、条件の具体的な定義などできませんし。その点それが日本テレビなら、テレビ局同士の、同じ業界内ならではの阿吽の呼吸が存在するでしょうから、どんな細かい指定にも快く応じてくれるでしょう。いつでも簡単に調整ができる、ピラミッド構造の頂点にとってコントロールができることが保証されているほど安心できることはありません。これはもちろん利用者にとっては使い勝手の低下につながりますが、その反面アクティブになりやすい利点もあります。「いつでも見られる」は結局いつまでたっても見ないものですが、期間限定となると「見なければ」という意識が強くなり、コンテンツをキチンとみるようになるでしょう。その結果能動的ユーザーの強化につながり、評判も良くなる可能性が出てくるわけです。必ずしも使い勝手が良いから良いサービスだ、と人は思ってくれないものと思うのです。
ですが、今回のわたしはこのインタビューを紹介しようとだけ思って書いているわけではありません。この発言が気になったのです。
「ニュースというのはTVODでは絶対に売れないんです。朝7時のニュースを9時に有料で見る必要はまったくないわけですから」
どうかと思いました。確かに朝7時のニュースを9時に有料で見る必要は感じません。それくらいなら無料で公開されているインターネットのニュースサイトを見ますからね。そういう意識が強くなればなるほど、最初からテレビではなくインターネットのニュースの方を優先するようになる。結局もうテレビ、特に地上波テレビはただニュースを流すだけの番組はもう存在価値がないのではないかと思うわけです。でも、ニュースの検証を行う報道番組は別なんですよね。後でも見たい、と思ってもおかしくないんです。速報性はもうテレビに求めていませんが、その取材能力とデータ量、それに分析力のある人間をコメンテーターとして呼んで、視聴者の思考の参考になる資料を提供することに関してはキーテレビ局はなお大きな力を持っているんですから。これらがいつでも見られる、という形になるのなら、事件によってはそれこそ何年たってもお金を払ってでも見たい、とすら思います。すでに事件が経過してずいぶん経っている、記憶も薄れた、あるいは後で出てきたさまざまな情報を、当時の空気とともに再認証することができるのですから。これはきっと面白いですよ。ちょっと前の雑誌はつまらなくても、5年10年と経った古い情報しか載っていない雑誌が読み返してみると異常に面白いようなものです。
テレビ局以外は結局娯楽のためのコンテンツしか提供できません。教養のためのコンテンツを配信できるのは地上波キー局だけです。そういう「テレビ局ならでは」の配信サービスを行ってくれるのなら、本当に面白くなるでしょうし大歓迎です。ですが、それは時と場合によっては局の恥をネットに流すことになるので非常に難しい〜だからおそらくはやらない〜んでしょうね。