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エプソンダイレクト、Temash採用Windowsタブレット発売

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遅い冬休みを兼ねて東京に来ました。しばらくこっちで暴れます! もちろんブログは別で普通に書き続けますよ。いつもの11.6型サブノートPCを持ち込んだおかげで普段とさほど変わらない感触で入力作業を行うことが出来ますからね。ただ、このノートも買ってしばらく経ってます。ただ使うだけなら充分なんですが、USB周りとかGPUコアとか最近機種に比べて少々物足りない点も出てきましたので、これもボチボチ買い換えたいな、と思ってこれまたしばらく経ってます。キーボード関係から本命視しているlenovoからなかなかいいのが出ないのが原因なんですが。最近のはクリックボタンがスライドパッドと一体化していてトラックポイントを使いながらのクリックの感触がイマイチなんですよ。

lenovoから出ないのならじゃぁ別のメーカーから探そうか。tラックポイントを諦める代償としてWindows8.1対応のタブレット兼用、今はIntelのCore i3ですから今度はAMDのAPU採用で、出来れば今の1366x768より解像度が高くて、でもサイズ11.6型は譲れない大きくても12.1インチまで・・・。なんて我侭を言っていたらなかなか出てきません。唯一マウスコンピュータよりLuvpad WN1100がその理想に近い性能でしたが、APUが旧世代のZ60ということとせっかくAMDで64ビットOSなのにエモリが2GBしかなくて使用感がイマイチ。後継に期待しよう・・・とパスしたらその後継が出る気配がないなんてしまらない話となっています。
が、このたびようやく同じ条件を満たす製品が登場したようです。前に参考出品だけはあったエプソンダイレクトからTemashと呼ばれるAPU、A4-1200を搭載したタブレットが登場します。

エプソン、AMD Temash採用11.6型Windows 8.1タブレット
〜フルHD/デジタイザー対応IPS液晶、重量780g


A4-1200はAMDのAPUのTemashの中でももっともTDPが低く、ファンレスを意識した3.9Wしかありません。エプソンタブでの採用もそれゆえでしょう。もちろんファンレス構成です。その分性能も控えめですが、これ以前にA4-1200を採用していたHPのHP Pavilion10 TouchSmartを触った経験からいいますと、Windows8.1やブラウザなど基本的なソフトを実行する分には問題の無い程度のパフォーマンスは持っていると感じています。ましてHPはメモリ2GB/HDD320GBなのに対し、エプソンはメモリ4GB/SSD128Gです。もちろんメインPCとして支障ないパフォーマンスとはいかないでしょうが、サブとして出先に持ち出して使えるソフトの実行なら不満はないでしょう。
ただ、残念ながらホビー用途として使いたい我々の期待に応えるものではなく、ビジネス用として法人向けという位置づけになっています。GPUとメモリを生かした大画面処理などをターゲットにしているのでしょうか? 別に個人で買って使ってもいいのでしょうが、それにしては機能の割りに値段は少し高めで8万円前後です。サイズが11.6型とタブレットよりノーパソに近いこともあり、「このサイズと値段ならA4-1200ではなくてクアッドコアのA6-1450を採用して欲しかった。A4-1200はもっと小型でファンレスが生きる、例えば最近流行の8インチタブなどで使うべきではないだろうか?」などの疑問を抱いてしまいました。多分似たようなことを考えた人も多いかと思います。ですが、今の日本でAMDAPUを流行にあった形で採用したPCを作るのは難しいでしょう。

わたしらの見えないところでの部品供給問題などもあるかも知れませんが、それ以前の問題としてAMDAPUの採用を前提とした機器の開発を早い段階で行うのは難しいと推測されます。IntelCPUを採用したPCを作らないPCメーカーは存在しませんから、Intelの新CPUを早い段階から提供してもらって設計し、情報解禁と同時に製品を発表するのは普通に行われることでしょう。その一方でAMDAPUを採用したPCを常時製造しているわけではないPCメーカーは残念ながらいくつも存在します。日本メーカーは大半がそうでしょう。それゆえAMDが新CPU/APUを出したとしても、製品化するにはまず「AMD製を使う理由」を用意しないといけなくなってしまいます。結果開発は一歩も二歩も遅くなり、限られた用途のPCにしか採用されないということが考えられます。
それともうひとつ、特に日本で見られる行為なのですが、仮にAMD製APUを搭載した期待のPCを発売したとしましょう。そのPCが日本の商業サイトで、もはや様式美と呼んでも差し支えないワンパターンのレガシーベンチマークソフトの実行結果数値でIntel製採用PCと比べられ、叩かれ、"レガシーベンチの数字=性能の全て"とされてボロクソ言われるのは目に見えています。現行ATOM、BayTrailのパフォーマンスは高いようですし、ベンチマークでは高い数字を出すことでしょう。ただし、未だに32ビットOSにしか対応しておらず、メモリも2GB前提という欠点も引きずっています。もはや32ビットOSは特別な理由があるときしか使用されないOSであり、ソフトはともかくドライバレベルではぼちぼち互換性が気になってくる面もあるのです。AMDは全CPU/APUで64ビットに対応し、メモリも4GB以上積むことが出来ますからそういった問題は起こりません。GPUは優秀ですから通常利用ではIntelと比べてもさほど体感的に劣るものではありません。PCはベンチの数字より利用を想定される環境やアプリケーションソフトの実行環境が快適であるか、というアナログ的判断の方がずっと重要だとわたしは考えていますが、そういう要素が日本の商業サイトで加味されることはないでしょうね。それなら、「IntelCPUで出来ないことは今のPCでは出来ないこと」と目をつむってしまって他社横並びでIntelCPUを採用しておいた方がメーカーとしては100倍マシというものです。本来利用者のメイン用途によって選択されるべきだと思うのですが。
先日発売されたデスクトップ向けAPU、Kaveriの発表時にAMDはレビューワーに対し、まだ公式サイトにアップされていないベチマークソフト、PCMark8のV2を配布してそれを使ってもらうようにしました。それはKaveriの新機能に対応したソフトを使って威力を試してもらいたいというのが当然あるでしょうが、同じくらい大きな理由として、ほうっておけば「互換性に問題がある」という理由でIntel重視・AMD軽視傾向の古いPCMark7を使われていつもどおり叩かれたらたまったものじゃないというのもあったでしょう。最近のKaveriの好調は新しいベンチマークソフトでレビューさせることに成功したことも大きいと思われます。

エプソンダイレクトの新製品はホビー用途としては魅力に欠けるものですが、現在の日本のPC環境では仕方の無い話でしょう。ボチボチKabini/Temashの後継であるBeema/Mullinsが姿をみせるかも知れませんし、なんとかKaveriの勢いを借りて早い段階で採用メーカが増えてくれるのを祈るしかないですね。

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