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Channel: 録画人間の末路 -
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Cの隣はV 4K放送を挟む2つの本気

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去る13日に東京は秋葉原で次世代放送推進フォーラム主催の「4K・8Kコンテンツ制作者ミーティング」というのがあったそうですね。

'14年の4K試験放送目前に見えてきた、番組制作の課題とは
TV局が“現場の声”を共有。4K実写版「パトレイバー」も進行中


東京はいいなぁ、しょっちゅうこの手のイベントがあって。見たかった・・・と言っても今回の会議は一般参加はダメなんでしょうけど。

まずは4K放送はおいておいて、先日パシフィック・リム記事で「もし実現すれば日本特撮映画初の巨大ロボット映画と呼んでいい存在」と書いた実写版機動警察パトレイバー「THE NEXT GENERATION-パトレイバー」が、どうやら4K制作で再来年実現しそうと言う話。なお、それに先立って来年4月から全12話・7章構成の短編を随時上映という、なんか最近アニメ映画で流行のBD/DVD化を前提としたシリーズ上映を行うようですが、そちらは2K制作。こういうシリーズ上映方式は個人的には好きじゃないんですが、映画館における2k・4K画質を比較するために一度見ておいたほうがいいかな?という気もします。長編以外を地元映画館でやる可能性は低そうですけど。
まぁパトレイバーはあくまで映画製作の話で放送と直接の関係があるわけではありません。放送の話となりますと、まだ大半がスポーツか環境ビデオの延長のような映像を予定しているにとどまるようです。先日のスカパーのサッカーワールドカップ断念か話は記憶に新しいところですが、にもかかわらずそれを前提とした話が出ているところを見ると、スカパーの衛星は利用してもスカパーとは関係ない契約でワールドカップサッカーの放送権を使って放送するということなのでしょうか? となると有料放送ではなく無料放送扱いという可能性も出てきますが、いったいどうなるのでしょうか。
仮に実現するとしたら、このワールドカップサッカーこそ4K放送の真価が問われる映像ということになります。なにせ我々は大型量販店の店頭で何度も4Kテレビの映像を見ているわけですが、それらはHD画質のアップコンバートか環境ビデオのようなほとんど動きのない映像に限られていたはずです。そりゃ環境映像は解像度が高ければ高いほど美しいですし、解像感の高い液晶パネルとの相性も抜群です。でも、そんなものばかり見ていてもしょうがない。わたしらが見たいのはスポーツだったり映画だったりといった見て楽しいコンテンツです。楽しめるのが第一であり、それらが高画質化するならそれにに越したことはないという話でしかありません。しょぼければ誰も見ません。その穴を埋める代用としてBDソフトのアップコンバートが主に4Kで使われていますが、中には補正するために作りすぎた映像が液晶の悪さを存分に引き出してもっと小さいHDパネルで見たほうがマシ、という映像になってしまう場合も少なくありません。

先日、地元大型量販店で某社が4Kテレビフェアをやってましたので、ちょっと意地悪な客になってきました。
某「どうですか? BDも4Kテレビなら横のHDテレビと比べてこんなにキレイに映りますよ」
k「アクション映画じゃ大して変わらないねぇ。むしろ作りすぎちゃって画面乱れてない? たまにワサワサ感じるよ」
某「じゃ、じゃぁ・・・(画面を切り替える)。ほら、このように4KテレビならHDテレビではつぶれてしまう文字もクッキリ、新聞だってハッキリ読めますよ」
k「確かにこういう動いていない細かい画像ならキレイだけどさ、別にわたしテレビで新聞読みたいとは思わないんだけど」

前のオリンピックのときに見たパブリックビューイングの8Kの映像はすさまじいものがありました。ただ、4Kが果たしてああいう雰囲気を家庭で実現できるかどうか・・・。いわばF1カーみたいに最新技術を全部つぎ込んだパブリックビューワー用8Kとある程度売値を落とさなければ鳴らない家庭用4Kをまともに比較するのは酷でしょうが、4Kと言っても家庭用液晶パネルでしかないテレビで現状の液晶の画質の悪さ、立体感の無さ・滲み・残像感・諧調の不自然さの問題を果たして克服できるかどうか・・・なにせ3Dで失敗した日本テレビ界のすがるところはもう4K8Kといった液晶の利点の解像感や生産ラインの流用にしやすさが生きる高解像度分野しかありません。現在の生産ラインを生かせるわけでもない有機ELやクリスタルLEDの道を模索するより将来も液晶一本でやり続けたいという発想はメーカーの頭のどこかにあるでしょうから。リンク先記事では、少なくとも3Dとは比べ物にならない普及に掛ける本気を感じます。

ただ、前から行ってますようにわたしが4Kテレビを買うのならこうあるべし、という条件はいくつかあるわけです。

1.小型化すべし。
 50型を割るラインナップが無ければとても買えません。

2.可能な限りテロップやロゴなど飾りの無い素の映像を流すべし
 どうしてもテロップや飾りを入れなければ番組を作られないというのならスーパーインポーズできるようにして両方選べるように

3.ごった煮みたいなスマートテレビはいらない
 先のテロップ不要と合わせ4Kや8Kを買いたがる人はまず画質、しっかり見つめていたいはず。もちろんテレビ画面を半分みないスマホやタブを手元において書き込みしながら視聴なんて邪道邪道。

4.録画の規制を撤廃すべし
 なんだかんだでHD以上の画質を求めていない人は多いし、極端なことを言えばHD画質すら不要という用途がほとんど。地上デジタル放送のように買い換えないと前の放送が見られなくなるという選択肢を奪っても4K8K放送ならともかく別に用意するのならプラスアルファの要素、すなわちこの美しい映像を自由に録画保存できるという付加価値は必須。4K8Kほどのデータ量となるともう光学ディスクでは限界で保存先はHDDしかありえない。なのに今のようなタイムシフト視聴しか出来ない状態が続くようなら、かつて録画方法も用意せずに見切り発車して大失敗したアナログハイビジョンの二の舞になる。

ただ、たとえメーカーが「録画規制してもいいことない、もうやめたい」と思っていてもそうしたくない心理にさせてしまう存在があります。Culture Fiestの方々です。ちなみに最初間違えて隣のキーを押してVulture Firstと打ち込んでしまいました。なんか無意識にそう思ってるのかも、わたし。
現状では最高裁判断で「複製に規制のある録画機に録画補償金の必要なし」と判断されたため、レコーダーメーカーはいっせいに録画補償金という名の上納金を払うのをやめました。多分「ざまあみろ」とでも思っているでしょう。CFの方々は聞かれもしないうちに否定しましたが、当初のデジタル放送の録画規制「コピーワンス」の名が全てを物語っています。録画をコピーだと思うのは普通の人の発想では出てきませんし、そういう通常ではありえない発想が出来るのはそれで得をする人、つまり「録画はコピーだと呼ばせることでお金が出てくる権利を持つ人々ないしその黒幕」以外にいないんですから。ですが、録画規制をやめてしまいますと、今度は録画補償金を払わなくていい理由が今のところなくなってしまいます。やりたくないでしょうね、どのメーカーも。このCFのわがままが4K8K放送自体をまたつぶしてしまうかも知れません。

ちなみに今日、文化庁の主催で「文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会 著作物等の適切な保護と利用・流通に関するワーキングチーム(第1回)」ってのがありまして、出席された津田大介氏がツィッターで経過を語っていました。それを読んでいたところ、途中でV・・・いやCulture Firstの椎名和夫氏から、この間と全く同じ主張による「新複製補償金制度の実施を」とぶちまけて行ったそうです。あくまで津田氏の印象ではありますが、参加した学者さんたちはまともに取り合っていなかったようです。まぁそうですよねぇ、最高裁で出た司法判断を覆すだけでなく無限に収入が広がり続ける権利の要求を、突っ込みどころ満載の出鱈目な資料を使って語ったところで検討に値するわけがありません。素人のわたしなら怒り心頭になるんですが、専門家なら耳にも入らないと。しかし、ただ意見を言う場を与えただけでも文化庁がCulture Firstに配慮したそっちより行動をとっていることが伺えます。沈黙は黙認と取られかねないのがこの国でよくある判断ですから、例え話す気力すら起こらない意見に対してでも、明確な否定意見を出して、相手が反論する気力すら失ってしまうほどの論破をして欲しいものです、簡単でしょう。
なお、椎名氏はそういう専門家の前でもあの「最高裁判決のおかげで録画補償金がゼロになった」発言をしたんだそうで。本気で信じてるとしたら、ちょっと救いようが無いんですが。

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