"オールジャパン"を最初から決めていて独自性を許さない談合体制と、"日本版"がつくうさんくささ("日本版フェアユース"でこりごり)もあって、個人的にはマイナスの印象しかない日本版スマートテレビですが、準備だけはちゃくちゃくと進んでいる印象があります。
NHK、放送/通信連携サービス「Hybridcast」を9月2日開始
放送画面に通信ニュース表示。タブレット連携も予定
この「Hybridcast」がその第一段階となるようです。リンク先の、テレビ番組の中に番組と連携はするものの直接関係ないニュースや情報の表示・・・。記憶に新しい、テレビ局からCMを拒否されたパナソニックのテレビを思い出します。パナのものはテレビ番組がフルスクリーンでない代わりに広告やリンクがテレビ番組の上に重ならず、全部見えるようになっているなど違いも多いですが、発想の原点は同じです。もちろんCMを拒否したのは民放であって日本放送協会は関係ないのですが、「オールジャパンの日本版スマートテレビ」の一環である以上、他放送局も追随する可能性は非常に高いでしょう。穿った見方をすれば、CM拒否はテレビ局総意の方式を推進するために独自方式の排除に走ったため、という考えを拭い去ることは出来ません。ちょうどこれと前後してパナソニックのテレビ宣伝の大幅削除、なんて話も出てきましたし。当然テレビメーカーであるパナソニックは我々などよりはるかに早く情報に触れているわけですから、"日本版スマートテレビ"への反発もこれらの理由の一部になった可能性もあるわけです。想像でしかありませんが。
パナソニックテレビが民放に拒否され、Hybridcastなら良いということは、拒否理由から推測するにHybridcastは最初にテレビを点けた直後には画面に登場せず、なにかしらリモコンなどで操作をして初めてあの画面になることを示しています。視聴者はテレビ、特に地上波放送に対してそんな複雑なことをしたくないですよ。テレビ局だって「マジメにテレビを見る人向けに番組を作っていない」ようですし。
メディアの退蔵益−この半年でいちばんショックを受けたテレビの話
いつまでたってもやめない(さすがに一時ほど露骨なのは減ってきた感はありますが)視聴者の思考をCMでぶった切るイライラCM入れ、番組のタイトルやテーマに釣られて視聴してみたら半分以上タレントのトークばかりでテロップと繰り返しによる強調と言った演出はあきらかに「番組をマジメに見る気のない」点けっぱなしの人たちをターゲットにしたもので、わざわざ上のリンク先のようにテレビ局関係者の証言の形を取らなくても、本当にテレビが見たい人のことを考えて番組を作っていないことは明らかでした。が、とうとう文章になったところを見ると、そのやり方を改める気は地上波民放には全くないということなんでしょう。
正直もう広告収入に頼る地上波テレビのやり方は限界なんです。あんなところがいつまでももっとも影響力のあるマスコミとして君臨し続け、かつ時代の流れに逆らうために場合によっては法律まで変えさせる力すら持っている。ありえない話です。だから、わたしは衛星の有料放送に本当に期待していました。が、WOWOWがHD3局体制になったその日から常時ロゴ入れを受け入れたことによってその期待も吹き飛びました。有料放送もしょせん、「オールジャパン」の一角に過ぎない、裏の思惑でいくらでもコントロールできる存在でしかないことを証明したからです。「オールジャパン」は視聴率主義を残すため、コマーシャルを見せることを至上主義とした前世紀の遺物を続けるため、全力を尽くすのでしょう。先日の「バルス祭り」に企業が参加して煽ったのも、「録画せずに生で見る」ことのアピールに一役買いたかったからに見えてなりません。そういう思惑の集合体である日本版スマートテレビもどうにもこうにも。最初のリンク先を見ると予定しているのは「有料オンデマンドへのリンク」だの「双方向クイズ番組などをはじめとする視聴者参加型サービス」だの、デジタル放送開始以前から空回りに終わっているサービスの復活を狙ったものばかりじゃないですか。リモコンでやるか、タブレットでやるかの違いだけでしょう。一度死んだサービスが、形を変えれば蘇るとも思えませんが、なんとかして復活をもくろんでいるところを見ると、成功への手がかりは見えずとも成功した後の儲かる計画を思い描いている人間はたくさんいるってことなんでしょう。
ここまで放送にこだわるのは、やはり3Dテレビが失敗したのは放送が遅れてBDソフトしか3Dがなかったから、と考えているのでしょうか。何かやるなら放送前提でないとダメという意見も分からなくはないですが、そもそも今の3Dは「あたかもその場にある」ような映像を表現するに至っていないものですから、こだわる人間から見れば未完成な技術でしかないので、今すぐ人に薦めたくなるようなものではなかったんです。熟成する前に投げ出してしまったのですからどうしようもありません。わたしらは最悪テレビ放送を投げ出して、ただの映像モニターとして使えばいい道が残っていますが、4Kもその域に達する前に投げ出されたりしないのかが非常に不安です。
と、わたしは苦言ばかり書いていますが、日本版スマートテレビ・スマテが成功してみんなタブレットと連動してテレビをリアルタイム視聴するようになり、視聴率グングン上昇、録画を誰もが忘れて島手代わりに有料オンデマンド売れまくり、あらゆる映像視聴中に効率よくコマシャルを見せるなんていう状況が世間では望まれていて、そっちに動くかも知れません。どう転ぶのかはまだ分からないのです。
NHK、放送/通信連携サービス「Hybridcast」を9月2日開始
放送画面に通信ニュース表示。タブレット連携も予定
この「Hybridcast」がその第一段階となるようです。リンク先の、テレビ番組の中に番組と連携はするものの直接関係ないニュースや情報の表示・・・。記憶に新しい、テレビ局からCMを拒否されたパナソニックのテレビを思い出します。パナのものはテレビ番組がフルスクリーンでない代わりに広告やリンクがテレビ番組の上に重ならず、全部見えるようになっているなど違いも多いですが、発想の原点は同じです。もちろんCMを拒否したのは民放であって日本放送協会は関係ないのですが、「オールジャパンの日本版スマートテレビ」の一環である以上、他放送局も追随する可能性は非常に高いでしょう。穿った見方をすれば、CM拒否はテレビ局総意の方式を推進するために独自方式の排除に走ったため、という考えを拭い去ることは出来ません。ちょうどこれと前後してパナソニックのテレビ宣伝の大幅削除、なんて話も出てきましたし。当然テレビメーカーであるパナソニックは我々などよりはるかに早く情報に触れているわけですから、"日本版スマートテレビ"への反発もこれらの理由の一部になった可能性もあるわけです。想像でしかありませんが。
パナソニックテレビが民放に拒否され、Hybridcastなら良いということは、拒否理由から推測するにHybridcastは最初にテレビを点けた直後には画面に登場せず、なにかしらリモコンなどで操作をして初めてあの画面になることを示しています。視聴者はテレビ、特に地上波放送に対してそんな複雑なことをしたくないですよ。テレビ局だって「マジメにテレビを見る人向けに番組を作っていない」ようですし。
メディアの退蔵益−この半年でいちばんショックを受けたテレビの話
いつまでたってもやめない(さすがに一時ほど露骨なのは減ってきた感はありますが)視聴者の思考をCMでぶった切るイライラCM入れ、番組のタイトルやテーマに釣られて視聴してみたら半分以上タレントのトークばかりでテロップと繰り返しによる強調と言った演出はあきらかに「番組をマジメに見る気のない」点けっぱなしの人たちをターゲットにしたもので、わざわざ上のリンク先のようにテレビ局関係者の証言の形を取らなくても、本当にテレビが見たい人のことを考えて番組を作っていないことは明らかでした。が、とうとう文章になったところを見ると、そのやり方を改める気は地上波民放には全くないということなんでしょう。
正直もう広告収入に頼る地上波テレビのやり方は限界なんです。あんなところがいつまでももっとも影響力のあるマスコミとして君臨し続け、かつ時代の流れに逆らうために場合によっては法律まで変えさせる力すら持っている。ありえない話です。だから、わたしは衛星の有料放送に本当に期待していました。が、WOWOWがHD3局体制になったその日から常時ロゴ入れを受け入れたことによってその期待も吹き飛びました。有料放送もしょせん、「オールジャパン」の一角に過ぎない、裏の思惑でいくらでもコントロールできる存在でしかないことを証明したからです。「オールジャパン」は視聴率主義を残すため、コマーシャルを見せることを至上主義とした前世紀の遺物を続けるため、全力を尽くすのでしょう。先日の「バルス祭り」に企業が参加して煽ったのも、「録画せずに生で見る」ことのアピールに一役買いたかったからに見えてなりません。そういう思惑の集合体である日本版スマートテレビもどうにもこうにも。最初のリンク先を見ると予定しているのは「有料オンデマンドへのリンク」だの「双方向クイズ番組などをはじめとする視聴者参加型サービス」だの、デジタル放送開始以前から空回りに終わっているサービスの復活を狙ったものばかりじゃないですか。リモコンでやるか、タブレットでやるかの違いだけでしょう。一度死んだサービスが、形を変えれば蘇るとも思えませんが、なんとかして復活をもくろんでいるところを見ると、成功への手がかりは見えずとも成功した後の儲かる計画を思い描いている人間はたくさんいるってことなんでしょう。
ここまで放送にこだわるのは、やはり3Dテレビが失敗したのは放送が遅れてBDソフトしか3Dがなかったから、と考えているのでしょうか。何かやるなら放送前提でないとダメという意見も分からなくはないですが、そもそも今の3Dは「あたかもその場にある」ような映像を表現するに至っていないものですから、こだわる人間から見れば未完成な技術でしかないので、今すぐ人に薦めたくなるようなものではなかったんです。熟成する前に投げ出してしまったのですからどうしようもありません。わたしらは最悪テレビ放送を投げ出して、ただの映像モニターとして使えばいい道が残っていますが、4Kもその域に達する前に投げ出されたりしないのかが非常に不安です。
と、わたしは苦言ばかり書いていますが、日本版スマートテレビ・スマテが成功してみんなタブレットと連動してテレビをリアルタイム視聴するようになり、視聴率グングン上昇、録画を誰もが忘れて島手代わりに有料オンデマンド売れまくり、あらゆる映像視聴中に効率よくコマシャルを見せるなんていう状況が世間では望まれていて、そっちに動くかも知れません。どう転ぶのかはまだ分からないのです。