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CPU性能といえば動画エンコード性能 異議は認めません!

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今回は2回まとめて公開しましたので、公開時間としてはこちらが先ですが、読んで欲しい順番としては同日公開の後の記事の方が先になります。できましたらそちらの記事を先に読んでください。

さて、頂いてきましたA10-6800K。動作させるためのマザーボードも一緒ですが、別にRichlandにあわせて出る新製品というわけではないようです。すでに市場で売られているもので、メーカーと商品はASUSのF2A85-M PROでした。TrinityのときはフルATXのマザーでしたが、今回はMicroATXです。この意味は、やっぱり「A10-5800Kとは別に動かして、両者を比べた記事を書いてね」ってことなんでしょう、きっと。
今回、メーカーのASUSさんから「試して欲しい」お願いをいくつか頂いてきました。せっかく提供したマザーボードなんだから、A10-6800Kだけでなくこっちの宣伝になるような記事にもしてくれ、ってことなんでしょう。そういえば、前回いただいたGIGABYTEのマザーに関してはほとんど触れませんでしたね。あれは不義理だったかも知れません。今回は義理を果たしましょう。

さて、実はMSIのマザーボードの中には、いきなりRichlandをさしても動作しないものが存在するので、注意が必要らしいです。もちろんTrinityがあればBIOSを更新できますから買い替えには問題ないのですけどね。今回のF2A85-M PROはASUS製で、AMD側が提供用として選ぶくらいですからRichlandを挿しても動作しない、ということはないでしょう。ためしにAPUとメモリ、CPUクーラー電源・モニター・キーボードにマウスを装着して起動させてみます。ほら、ちゃんとA10-6800Kが認識されました。あとは・・・

エイスースクエスト
USB BIOS Flashbackを試せ!


うわ、突然出てきましたエイスースクエスト。別にクエストって言われたわけじゃなくて、ただの「これだけは試して欲しいというお願い」なだけですが、なんとなくゲームのクエストっぽいなぁとわたしが勝手に思っただけです。さて、その課題に挑むするときがきました。早速やってみましょう。
「USB BIOS Flashback」というのは、ようするにBIOSアップデート機能です。今回はうまくいっていますが、仮に非対応のAPUが出てきてそれを使おうとした場合、うまく認識されずに起動しないこともありうるわけです。普通は旧型のCPUやAPUを用いて対応しているBIOSにアップデートを行い、それから差し替えるわけですが、もし差し替えるAPUが手元になかったとしたらかなり悲惨なことになってしまうわけです。USB BIOS Flashbackはそんな場合も考慮に入れた機能で、APUやCPU、それにメモリが刺さっていなくても、USBメモリに書き換えるBIOSファイルさえ入れておけば、書き換えが可能というものです。やってみましょう。ちなみにこのマザーのBIOSはわたしが入手した段階で5109でした。

まず、別のPCを使ってASUSの公式サイトから最新バージョンの6105を落とし、解凍します。出来たファイルを"F2A85MP.CAP"にリネームします(当然F2A85-M PROだけの話で、別の同機能マザーを使うときはまた名前が異なると思います)。これを適当なUSBメモリの、ルートにおきます。一応念のため、USBメモリの別ファイルはコピーをとった上で削除しておきました。ここまでしなくてもいいと思いますが、本当に念のため。
書き換えに必要なのはマザーボードと電源だけです。CPU・APUもメモリもディスプレイも必要ありません。とはいえ、CPUやメモリが刺さっていない状態で電源だけキチンと装着する、というケースは普通ありえないと思いますが、今回は実験なので全部はずしてからやります。後は所定の位置〜F2A85-M PROの場合eSATAコネクタの下の下のUSBコネクタ〜に先のUSBメモリをさし、マザーボード本体にある"BIOS_FLBK"ボタンを数秒間押すだけ。うまく書き換えが始まるとすぐ近くにあるランプが点滅するので、消えるまでほうっておく・・・だけです。ちなみに今回使ったUSBメモリはアクセスがあると点滅する仕様なため、こっちからもアクセスが行われていることが確認できます。ちょっと待たされましたが、点滅が終わりました。電源を切り、APUを装着してグリスを塗りなおし(ちょっと面倒)てクーラー装着・・・一通り組みなおしたところでつないだディスプレイとともに電源を入れます。すると、無事BIOSが6105にアップデートしていました。
この機能、説明によりますとWindows上からBIOSをアップデートするよりずっと安定しており、安心して使えるそうです。また、万が一マザーボードのBIOSが飛んで起動しなくなってもこの機能だけで単独動作するので、BIOSを書き換えて復旧させることも可能だとか。どんな場合でも復旧、とまではいかないでしょうが、他のマザーボードよりは安心して使えます。万が一に備えるため、間違ってもコネクタの差込を折らないよう、所定の位置のUSBコネクタは普段はなるべく使わない方がいいでしょうね。

ついでにこのマザーボードの機能をわたしの視点から紹介。実はこのマザーボード、60KHzの4K出力に対応しています。もちろんDisplay-portのケーブル1本でです。Trinityのときに「4Kが出来たとしても30MHzが精一杯だろう」と書きましたが、このマザーは別でした。動画とモニターさえあればRichlandやTrinityとあわせて4K動画のプレイヤーとしても利用することが可能です。今後、当分の間どんなにディスプレイの解像度があがっても対処できるでしょう。ただし、その代償としてDVI-DとHDMIが排他利用になってしまっています。4Kの出力を行えるDisplay-PortをHDMIやDVI-Dに変換しての同時出力は可能ですが、それでもデジタル出力は同時に2つまでが限度で、3つ目を出力するにはD-SUBのアナログ出力を使う必要があります。ここは少々残念ですが、基本二つあればたいていの用は足りるでしょう。APU用マザーを買うときは、自分に必要と思う出力機能に関して情報を集めてから買うのがよさそうです。


さて、PCの組立ては終わりました。と、言ってもまだ東京にいますので実は基盤むき出し、置いてあるだけです。DriverはCatalystの13.6bです。

APU:A10-6800K(標準4.1GHz ターボで最大4.4GHz)
MOM:F2A85-M PRO
MEM:CORSAIR DDR3-2133 4GBx2
SSD:PLEXTOR M5pro(128GB) plextorがなんとなく好き
OS :Windows7 Pro 64bit
電源:いつ買ったか忘れた550Wもの

もらいものなので、メモリは少し奮発しました。電源がひどいですが。
さっそくCPUの能力を試してみましょう。こういう場合比較材料があったほうが都合がいいので、以下のPCを用意しました。

CPU:Core i3 2105(内蔵GPU HD3000利用、3.1GHz)
MOM:Pure Platinum Z68
MEM:DDR3-1333 4GBx2
SSD:PLEXTOR M5pro(128GB) 上とは別個体
OS :Windows7 Home 64bit
電源:やっぱり忘れた700Wもの

「なんでSandyBridgeなんだよ、せめてIvyにしとけ」
「メモリの速度が違いすぎるだろ」
「AMDだってA10-6800KならCore i5クラス対抗と考えてるだろ。i3じゃ意味ねぇ」
「Trinity持ってるんだから、そっちと比べるのが筋だろうに」

ああ、正論な野次があちこちからか聞こえてきそうです(^^;) 写真を撮り忘れたので書いていませんが、AMDはA10-6800KのターゲットをIntelCPUのCore i5 3470、4430とみなしていましたのは確かです。ただ、わたしはプロのライターとかじゃありませんから、私物の機材しか用意できません。おまけに今東京にいますから、東京においてあるPCしかないんですよ。Trinityは家において、録画用として絶賛稼働中ですから持ってくるわけに行きませんでした。まぁこのヘンで勘弁してください、どうせただの比較用ですから。

さて、CPU性能といえば当然のごとく動画のエンコード性能です。あとはどうでもいいんです、わたしの場合。ただ、いつものTMPGenc. Video Mastering Works5ってわけにもいきませんので、AviUtlを使いました。素材として1920x1080の適当な30分のMPEG2-TSを、BonTsDumex Modでm2vとwavに分離したものを用意します。

・AviUtlのお部屋 よりAviUtlをダウンロード、バージョンは1.00
・まるも製作所 よりMPEG-2 VIDEO VFAPI Plug-InをMPEG2読み込みに使用。読み込み設定は"アスペクト比 無視"、"フィールド順 ソースフレームを維持"、"IDCT関数 整数(32bit AP-922)"、CPU拡張全チェック、あとはデフォ
・rigayaの日記兼メモ帳 よりx264guiExをダウンロード。バージョンは1.75.x264はこれでダウンロードされたものそのまま
※すみません、各サイトにリンクを貼りたかったのですが、なぜかgooブログに「不正な書式」扱いをされたサイトがありましたので、全部のリンクをやめることにしました。

これを使って出力します。フィルターは両者ともインターレース解除・自動のみ。速度画質設定はデフォのまま固定品質にしてみました。

A10-6800K  19.67fps 44分40.9秒
Core i3 2105 15.65fps 55分53.2秒

続いて同じファイルの分離前のものを、MediaCoderx64でH.264にエンコード。速度はMedium、インターレースのみやっぱり解除。最近このソフト、4スレ以下のCPUに辛いんですよねぇ。

A10-6800K 0.57x 17.1fps 3017秒
Core i3 2105 0.5x 13fps 3951秒

もうひとつ、Aviutlに戻って先のrigayaの日記兼メモ帳さんから、拡張QSV出力と拡張VCE出力を落とし、両者のハードエンコード能力を競います。VCE出力はAMDの出しているSDKの出来が悪いらしく、改良の余地がなくてバージョンが0.01のまま止まっています。それでも、このソフトを用いることが一番QSVとVCEの速度を測る上公平だと思うのです。条件はソフトのx264と同じですが、両者ともバランスの固定品質にしてあります。

A10-6800K 75.31fps 12分27.3秒
Core i3 2105 62.72fps 14分44.4秒

うーん、なんかパッとしない感じです。過去の経験から言って、A10-6800KならCore i3 2105など相手にしないエンコード速度になることは最初から分かっていました。個人的にはもっと圧倒的な速度差になるんじゃないかと思っていたのですが、案外近いものになってます。

なお、今回はちょっと趣向を変えて、安物ですがワットモニターを用意しました。これを先のエンコード中ににらみながら、大体の数字を読み取って見ました。Core i3とじゃかなり分が悪いとは思いますが。ちなみに両者とも電源プランは"バランス"、SSD以外のドライブやLANケーブルをはずし、さらにケースの蓋もせずむき出しの状態にしてあります。

A10-6800K
アイドル 37〜45W 
x264 130〜140W
VCE  123〜137W
GPU利用動画再生 主に62〜65W 

Core i3 2105
アイドル 36〜44W
x264  75〜76W(ほとんど固定)
QSV  79〜85W
GPU利用動画再生 主に53〜58W 

ああ、さすがに比較対象が悪い・・・。アイドル時はほぼ互角なんですが、負荷時のこのワット差をみると、速度差ももう少し欲しい気がしてなりません。Core i3はワットパフォーマンスだけで言えば一番優秀なクラス、といってしまえばそれまで、本来はA8-6500(TDP65Wだが、これでもTURBOで最大4.1GHz)あたりと比べるべきなんでしょうね。

Trnity、A10-5800Kとの比較は帰ってから行います。

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