よほどの環境でない限りDVDでも十分、相変わらずアニメしか売れていない、売上頭打ち、ついでに古めの特撮のリリースが遅々として進まないとあまりいい話題が入ってこないBDソフトの周辺ですが、なかなか面白そうな話が飛び込んできましたので取り上げてみましょう。
真のマスター品質を再現。パナソニック独自技術MGVCが魅せる映像作品の実力
もはや時代の徒花として忘れられつつある3D技術ですが、それを応用し、正規のBD規格の2D映像のほかに、3Dならもう片目向けの差分映像が収められる領域に、BD規格の色数である8ビットから12ビットへ拡張する分のデータを保存して、それを重ね合わせてデコードし直す、というかなり手間のかかることをやっているようです。技術的にはまったく違いますが、イメージとしてはY/C分離して保存してある映像を合成して映すみたいなものですか? 砕きすぎですね。
RGB各色12ビットですから合計で36ビット。単純計算で687億1947万6736色という途方もない、並のPCでは到底手の届かない領域です。いまどきPCで表示されている色モードを気にして使っている人はいないと思いますが、たいていのPCは32ビット扱いで処理しているはずです。と、言っても32は3で割れませんし、これは処理の都合だけで、実際には24ビット、1677万色モードで動いている場合がほとんどのはずです。ビット数も2の乗数であるほうがPCの処理が早いという理由で、多分ダミーデータでも入れて割増しているんでしょう。大体液晶ディスプレイが1670万色、ものによっては18ビット相当の26万色しか出せないものも存在しますしね。ディスプレイに目をつぶってグラボにプロフェッショナル用を使ってもせいぜい10億色(30ビット)程度のものくらいしか買えませんから、完全にPCでは代用の効かない領域にこのMGVCという規格は存在するのです。ただ、マスターとなりますと、だいぶ前ですが劇場公開用デジタルアニメ作品で、マッハバンドを完全に消すために16ビットを使って描画したものがある、という話を聞いたことがあります。もちろん一色ごとに16ビットですから三色で48ビット・・・もう色数を計算する気すら起こらない(687億×256色)神の領域です。それと比べればだいぶ色数は減っている36ビットですが、従来と比べれば圧倒的であるわけです。
ただし、このMGVC。パナソニックの独自技術と言うことで、傍目から見ればBD規格として売ること自体どうか、と思うような内容ですし、デジタルエンコード処理もパナソニック内の施設でしかできないということで多くの品が対応するとは思いづらいものです。現状では古めのジブリアニメしか対応ソフトがないようです。ジブリアニメというと、個人的には"赤い画面"のイメージが強すぎてそれがサンプルになることへの怖さも感じますが、今はどうなんでしょうか。
また、記事内では「アニメ向き」とされていますが、実際リリースされるこれからでるであろうMGVCもアニメが中心になるのでは、と思います。理論的に3DとMGVCは併用できませんから、3Dで作られたものが多い最近の映画は採用に躊躇するでしょう。2DディスクだけをMGVCにすることはできますが、明らかに2Dが3Dの画質を上回るというのは、映画の制作側がいい顔をしないでしょうから。古めのフィルム映画なら高い効果が期待できますが、現行のBDですらDVDとの差別化が一般まで浸透していない映画ソフトでMGVCにこだわる市場がどれくらいあるか・・・。そういうわけで主力は一番市場の大きなアニメ。ただし、予算や処理施設の問題から、劇場公開用かフィルム時代の大作のリマスター版が多くを占めるのではないか、と勝手に予想しています。どちらにしても数は少ないでしょう。
さて、ソフトの問題はいいとして、次は視聴環境。モニターは36ビットが出せさえすればいいのでパナソニックにこだわる必要はなさそうです(と、言ってもパナソニックしかディスク・再生機を作ることができない技術を他メーカーが意識するとは考えづらいですが)。問題は再生機。現状ではBDレコーダーの最上位機、BZT9300しか対応予定がないとか。これはもったいない話です。高画質再生にレコード機能など害はあっても利はありません。チューナーやHDD、それにB-CASカードの振動がノイズの発生源となり、画質に悪影響を与えます。いまどき地上波のタイムシフト機能なんて再生機器に持たせる必要などありませんから、そっち部分に書けるお金を再生機能の向上に回した再生専用機をぜひ出してほしいものです。それがMGVCにふさわしいと思うのです。
さて、こうなると個人的に購入を検討しているテレビもやっぱりパナソニック、それも36ビットについていけるやつが欲しくなりますね。ビットレートがあがるので一応24ビットで見ても画質は若干良くなるそうなのですが、それでは寂しいですし。ただ、わたしの部屋におけるサイズで36ビット可なプラズマテレビが出る可能性は限りなくゼロなんですが。
真のマスター品質を再現。パナソニック独自技術MGVCが魅せる映像作品の実力
もはや時代の徒花として忘れられつつある3D技術ですが、それを応用し、正規のBD規格の2D映像のほかに、3Dならもう片目向けの差分映像が収められる領域に、BD規格の色数である8ビットから12ビットへ拡張する分のデータを保存して、それを重ね合わせてデコードし直す、というかなり手間のかかることをやっているようです。技術的にはまったく違いますが、イメージとしてはY/C分離して保存してある映像を合成して映すみたいなものですか? 砕きすぎですね。
RGB各色12ビットですから合計で36ビット。単純計算で687億1947万6736色という途方もない、並のPCでは到底手の届かない領域です。いまどきPCで表示されている色モードを気にして使っている人はいないと思いますが、たいていのPCは32ビット扱いで処理しているはずです。と、言っても32は3で割れませんし、これは処理の都合だけで、実際には24ビット、1677万色モードで動いている場合がほとんどのはずです。ビット数も2の乗数であるほうがPCの処理が早いという理由で、多分ダミーデータでも入れて割増しているんでしょう。大体液晶ディスプレイが1670万色、ものによっては18ビット相当の26万色しか出せないものも存在しますしね。ディスプレイに目をつぶってグラボにプロフェッショナル用を使ってもせいぜい10億色(30ビット)程度のものくらいしか買えませんから、完全にPCでは代用の効かない領域にこのMGVCという規格は存在するのです。ただ、マスターとなりますと、だいぶ前ですが劇場公開用デジタルアニメ作品で、マッハバンドを完全に消すために16ビットを使って描画したものがある、という話を聞いたことがあります。もちろん一色ごとに16ビットですから三色で48ビット・・・もう色数を計算する気すら起こらない(687億×256色)神の領域です。それと比べればだいぶ色数は減っている36ビットですが、従来と比べれば圧倒的であるわけです。
ただし、このMGVC。パナソニックの独自技術と言うことで、傍目から見ればBD規格として売ること自体どうか、と思うような内容ですし、デジタルエンコード処理もパナソニック内の施設でしかできないということで多くの品が対応するとは思いづらいものです。現状では古めのジブリアニメしか対応ソフトがないようです。ジブリアニメというと、個人的には"赤い画面"のイメージが強すぎてそれがサンプルになることへの怖さも感じますが、今はどうなんでしょうか。
また、記事内では「アニメ向き」とされていますが、実際リリースされるこれからでるであろうMGVCもアニメが中心になるのでは、と思います。理論的に3DとMGVCは併用できませんから、3Dで作られたものが多い最近の映画は採用に躊躇するでしょう。2DディスクだけをMGVCにすることはできますが、明らかに2Dが3Dの画質を上回るというのは、映画の制作側がいい顔をしないでしょうから。古めのフィルム映画なら高い効果が期待できますが、現行のBDですらDVDとの差別化が一般まで浸透していない映画ソフトでMGVCにこだわる市場がどれくらいあるか・・・。そういうわけで主力は一番市場の大きなアニメ。ただし、予算や処理施設の問題から、劇場公開用かフィルム時代の大作のリマスター版が多くを占めるのではないか、と勝手に予想しています。どちらにしても数は少ないでしょう。
さて、ソフトの問題はいいとして、次は視聴環境。モニターは36ビットが出せさえすればいいのでパナソニックにこだわる必要はなさそうです(と、言ってもパナソニックしかディスク・再生機を作ることができない技術を他メーカーが意識するとは考えづらいですが)。問題は再生機。現状ではBDレコーダーの最上位機、BZT9300しか対応予定がないとか。これはもったいない話です。高画質再生にレコード機能など害はあっても利はありません。チューナーやHDD、それにB-CASカードの振動がノイズの発生源となり、画質に悪影響を与えます。いまどき地上波のタイムシフト機能なんて再生機器に持たせる必要などありませんから、そっち部分に書けるお金を再生機能の向上に回した再生専用機をぜひ出してほしいものです。それがMGVCにふさわしいと思うのです。
さて、こうなると個人的に購入を検討しているテレビもやっぱりパナソニック、それも36ビットについていけるやつが欲しくなりますね。ビットレートがあがるので一応24ビットで見ても画質は若干良くなるそうなのですが、それでは寂しいですし。ただ、わたしの部屋におけるサイズで36ビット可なプラズマテレビが出る可能性は限りなくゼロなんですが。