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1スロ最強? GT640のCUDAエンコードと実力

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今回は山のようにおみやげ(自分用(笑))を買ってきたので、まだ全部ほどいてません。全部がここで取り上げるようなものでもありませんが。
そんな中で、一番使うのを楽しみにしていたのが、GeForce GT640搭載のグラフィックボードです。
わたしは基本GPUはオンボードかCPU内蔵ばかり使っています。Core i7 2600Kは内蔵のHD3000で使ってますし、AMDのAPUも使ってます。ここ最近の取り上げ方を見てもわかるように第2世代APUのTrinityのデスクトップ版も楽しみにしています。
ただ、一応メイン機であるFX8120だけはGPUを内蔵していないため、グラボは必須です。GPU内蔵チップセットでFXに対応しているのは880Gくらいなものですが、あらゆる意味で古すぎますし。今まではそこにGeForce9800GTを使ってました。ここ最近のグラボは2スロット占有型がほとんどですが、内部に圧迫もありますし拡張性も落ちますので、少ない選択肢の中から1スロットのものだけを選んで使っていたのです。nVIDIA独自のGPGPU機能であるCUDAが使え、かつ1スロなグラボはZOTACの9800GTがベストだったのです。

"ファンの大きさだけで2スロット占有するようなやつはともかく、外部への排気ができるタイプなら内部に熱がこもらないし、安定動作のためにはそっちの方がいいからほとんどがそうなったんじゃないの?"
"大体いまどきそれほど拡張スロット使わないだろ。チューナーとキャプチャー+アルファで3つも空けば十分。グラボの隣まで使う必要はない"
"CUDAなんて結局使わないよ"

あーあー、どこからか雑音が聞こえてきますが、気にしない気にしない。圧迫感のない1スロがいいんですよ! こだわりなんです。CUDAが使える環境にしておきたいんです!!

さて、長らく9800GTを使ってきましたが、いい加減これのアーキテクチャも古くなってきたのも事実。そろそろ新しいアーキテクチャのものがほしいなぁと思っていたら、ようやく出ましたGeFroce GT640。ロークラスのGPUが旧アーキテクチャの焼き直しが中心なのに対し、640から上は新アーキテクチャKeplerを採用しています。1スロが使える低発熱モデルと新アーキテクチャ、そのちょうど境にあるのがGT640なんです。出たのは2ヶ月くらい前ですが、ちょうど前回東京を引き上げた直後のことだったので買いそびれました。なので、今回は購入したんです。
そのスペックは9800GTと比べてみても

GT640(ZOTAC)
CUDAコア 384ユニット
メモリ    DDR3 2,048MB
メモリインターフェース 128ビット
コアクロック 900MHz
メモリクロック 1,782MHz
バスインターフェース PCI Express 3.0 x16
ディスプレイ出力端子 DL-DVI-I×1、DL-DVI-D×1、mini-HDMI×1
補助電源 なし
消費電力 65W
DirectX11

9800GT(ZOTAC)CLLOERMASTERモデル
CUDAコア    112ユニット
メモリ     DDR3 512MB
メモリインターフェース 256ビット
コアクロック  623MHz
メモリクロック 1.8GHz
バスインターフェ−ス  PCI Express 2.0 x16
ディスプレイ出力端子  DVI−I x 2
補助電源必要 消費電力不明
DirectX10

と、大幅に進化しています・・・メモリインターフェースのbitだけ低下しているのが気になりますが。ちなみに今回もZOTAC製です。玄人志向からも1slotのGT640は出ていますが、ロープロファイル対応の代わりにメモリが1GBしかありません。一方、ZOTACはロープロでは使えませんがメモリは2GBあります。値段はほとんど一緒でしたので少なくとも性能が上なのと過去の信頼からZOTACにしました。
9800GTと比べた場合、少なくともゲームを動かすのならかなりの差があると思うんです。でも、ここは「録画人間の末路」ゲーム対応性はネタにしません。使うのはエンコード能力ですよ、CUDAの。さて、CUDAを使ったエンコード速度を試して見ましょう。使うシステムは

FX8120/Windows7 HomePremium 64bit/DDR3-1333 12GB/SSD(C300-CTF DDAC128MAG)/990FX Extreme4

という一応メインで使っているシステム。ここに前の9800GTとGT640を差し替えながら比べます。ドライバは301.42。たぶん執筆時点で最新と思います。

まずは、定番TMPGEnc Video Mastering Works5。これのCUDAを有効にし、

MPEG2-TS/30分29秒/1920x1080

を、

H.264/AVC(5Mbps)/サイズ固定(1920x1080)/インターレース保持

にCUDAエンコードして時間を計ってみましょう。どれだけ速度が上がるか楽しみです。

9800GT 31分10秒   GT640 30分41秒

・・・あれ? ほとんど早くなってない・・・? たった30秒の速度アップ、これじゃ誤差の範囲ですよ〜。今度は同じTSをSDサイズ、720x480にリサイズするエンコードをやります。ビットレートは1Mbpsにダウン。

9800GT 20分11秒   GT640 18分59秒

うーん、少し差が広がりましたが、やはり大きな差とは言いがたいものです。
じゃぁ次はソフトを変えてみましょう。とはいえ、かつてCUDA対応ソフトの雄であったbadaboomは事実上終了してしまい、あまり選択肢は残っていません。これまた定番であるMediaCoderを使うのが鉄板でしょう。バージョンはx64の0.8.14.5270、条件はTMPGEncと同じ。

9800GT
1920x1080 20分19秒(Speed 1.64x) 720x480 13分57秒(2.37x)

GT640
1920x1080 14分29秒(Speed 2.26x) 720x480 13分18秒(2.46x)

1920x1080保持でのエンコードでようやく差がつきました。MediaCoderはビットレート指定ではなく、VideeoQuolity指定のエンコードも可能ですので、TMPGEnc MPEG Smart Renderer 4を使ってカット編集→MediaCoderでエンコードというパターンもありですから、ここで差かついただけでも良かったと言えます。

うーん、少なくとも9800GTに負けてなかったので、他の改良点(電源不要、小型など)を含めてGT640は買ってよかった製品ですが、肝心のCUDAエンコードの数字は思った以上に伸びないものでした。すでに頭打ちということでしょうか? それともCUDAの最適化をnVIDIAが進めていないのが原因でしょうか。CUDA目的でGT640を買おうという人は、それなりに注意が必要です。

990FXチップセットがPCI-Express3.0非対応な点が足を引っ張っていた可能性ももちろん無きにしも非ず、です。どっちにしても、メモリサイズはあまり関係ないみたいですね。

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