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Channel: 録画人間の末路 -
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特撮最大級のミニチュア、ビオランテを東宝怪獣コレクションを見ながら語る

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ディアゴスティーニより販売されている「東宝怪獣コレクション」、同一スケールの怪獣フィギュアを毎号掲載するというコレクション欲を満たすものになっていましてわたしは嬉々として続けております。で、その中でも最大のサイズを誇るだろうビオランテ、やっと全部のパーツが届き、組み立てが終わりました。付属マガジンは基本的にフィギュア本体の怪獣の登場する映画に関して書くため、ビオランテパーツが多すぎて掲載号が数号におよび、毎回「ゴジラVSビオランテ」のことを書かなきゃならないので、最後はかなりお疲れだったのか、無理やりに近い形でキングギドラの頭部を一緒に付属させて「ゴジラVSキングギドラ」のことだけをマガジンの内容にしておりました。お疲れ様です。そのビオランテですが、これがまぁでかい。
同じスケールで、劇中でも戦ったビオゴジと並べるとそのデカさがよくわかります。ちなみに劇中のビオランテは体の右側しか映像に映っていません。なのであえて左側を映してみました。造形に関してはこの大きさと左側や背中・背後と言った映画では確認しづらい部分がちゃんと作ってあって満足。忠実な造形とはいいがたく、特に触手は先に口のない尖っている、劇中でゴジラの体を貫いたものが全くついていないのは多少不満はありますが、迫力優先ということと、雑誌の付録ではパーツの細かさはこの辺りが限界だってことなんででしょう。やはり劇中であったゴジラにかみつくビオランテもできなくはないんですが、ゴジラの頭にビオランテの上あごが乗っかる形になっちゃうんですよ。個人的にはもうほんの少し上を向かせてほしかった。84年からのゴジラVSシリーズは毎回巨大な実在(もしくは実在予定)建造物をミニチュアで再現してそれを破壊する、がウリの一つでした。本作「ゴジラVSビオランテ」では大阪ビジネスパークがそれにあたるのですが、体積でいえばそのセットに作られたビルよりこのビオランテのほうが上でしょう。怪獣のみならず造形物としてミニチュア最大級と呼んでも過言ではないのがこのビオランテ植獣形態です。しかも、この大きさで稼働させなきゃならないのですから、よく壊れなかったものです。さらに劇中ではビオランテの疾走シーンさえあるのです。しかもビオランテを疾走させるのはあらかじめ予定していたものではなく、川北紘一特技監督が演出として思いついたものだとか。まぁ確かに、いくら大きくなったとは言え、結局ビオランテの武器は触手と射程の樹液のみ。ゴジラが距離をとって熱線を連射し、触手を打ち落としていけば最後には触手がなくなり、ビオランテに勝ち目はなくなります。ビオランテがゴジラに勝つには接近戦あるのみ。でもゴジラは近づく理由がない。ならばビオランテが走るしかない!のはわかるんですが、おそらくビオランテは疾走させることを前提として作ってません。仮に事前に予定していたのなら、サイズ半分くらいの別造形物を使ったでしょうし、この巨体を走らせる理由は土壇場の思い付きしかありません。しかも時間がない。「ゴジラVSビオランテ」の完成はかなりスケジュールギリギリだったと聞いていますし、このラストバトルは特撮部門の一番最後に撮影したらしく、この疾走の準備が完成を遅らせた理由の一つでしょう。その結果、異様な迫力を生むシーンとなり、さしものゴジラも呆気にとられて距離を保つことを忘れてしまう説得力を生みました。それだけの巨体が動いているにも関わらず、画面から伝わってくるバトルはかなりスピーディ。これは「帰ってきたウルトラマン」の楽曲担当でもおなじみ、すぎやまこういち氏の音楽が相乗効果を生んでいるからでしょう。ちなみに「ゴジラVSビオランテ」の原作「ゴジラ対ビオランテ」を書いた小林晋一郎氏はその「帰ってきたウルトラマン」にレオゴンという怪獣のデザインを採用されたことがあるので、すぎやま氏の起用はそうした理由もあるかもしれませんね。
VS版キングギドラもいいけど、早くメカキングギドラ来てくれないかなぁ。この特撮がまたすごいんだわ。機会が来たら語ろう。

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