以前書きました、Android搭載のポータブルデジタルプレイヤー、CowonのZ2 plenue(以下Z2)。購入のために予約しておいたところ、5月11日に届きました。Android機としては手持ちのNW-Z1000にかなわないかも知れませんが、動画再生プレイヤーとしては期待しています。さっそくいじってみましょう。
初期状態だと言語が英語なので、SettingからさっさとLanguageを日本語にします。ただし、日本語化はさすがにNW-Z1000ほど完璧ではないのか、一部文字化けが残ったり、ハングル文字が出たりします(ここに嫌悪感を感じる人は絶対に買わない方がよいでしょう)。
買う前から予想はしていましたが、Google Playには対応していません。Android機として使いたいという場合、これはかなり痛い欠点です。ただし、初期状態からタスクマネージャー・コミックビューワー・twitter・スケジューラーなど最低限のソフトは入っています。なるべく追加しないで、プリインストールのソフトで楽しんでくれ、ということなのでしょうか。結果それがこの機種最大の問題点となっていくのですが、それはさておき。
NW-Z1000が1GHzのデュアルコアなのに対し、Z2は1GHzでもシングルコア。その差は体感出来るでしょうか? とはいえ、あまりアプリを追加出来ない使用上、WEBブラウザでの体感こそその試しにふさわしいと思われます。実際に使って見た感想ですが、任意部分の拡大や指でなぞってのスクロールと言った基本的な作業の時に、必ずワンテンポ遅れる現象が発生しました。動きがもっさりしている、という感じではなく、指でなぞっても一瞬遅れてスクロールが始まるという感じなのです。ただし、止めるときは自在に止めることが出来ます。スクロールの方はなれてしまえばどうということはありませんが、任意の拡大はストレスを感じるほどではないにしろ、快適とは言い難い操作性を感じます。ただし、スクロール自体はさすがにAMLOED(有機EL) ディスプレイだけのことはあるのか、文字をはっきり読みながらスクロールさせることが出来るほど反応速度が速いです。NW-Z1000ではゆっくりとしたスクロールでも文字がぶれるのに対し、Z2は文字自体が少し太くなるだけです。ただし、止めた瞬間画面自体が一瞬、わずかですがモヤモヤとしたノイズのようなものが見られます。ディスプレイのサイズが3.7インチしかないこととあわせ、思ったよりは目が疲れる感じです。良い部分も少なくありませんが、総合で合格点はちょっとあげられません。
さて、もう一つの目的である動画の再生を試してみましょう。とりあえず付属のソフトを使って、NW-Z1000でも使っている動画データを再生させます・・・。なんか違和感があります。
Z2の再生ソフトは、アスペクト比を「自動」「4:3」「16:9」の3モードを持ち、画面を少し長くタップするとそれらが切り替わります。用意した動画は16:9のもの。「自動」は単に解像度を1:1とみなして再生するモードのようなので、当然16:9にあわせたのですが、このソフト、16:9だとフルスクリーン表示になるんですよ。Z2の解像度はNW-Z1000と同じ800x480。つまり、フルスクリーンだと、アスペクト比が5:3(=15:9)になってしまいます。少し縦長になってしまうのですよ。これは参りました。
解決するには、動画再生ソフトを変更するしかありません。しかし、先も書きました通り、Z2はGoogle Playに対応していないため、Google Play登録アプリをダウンロード・インストールすることが出来ません。Androidはいくつかアプリのダウンロードが出来るサイトも以前から存在しますが、いまはその大半がアプリ紹介サイトになってしまっており、そこからインストールしようとしてもGoogle PlayのURLに飛ばされてしまうだけになってしまいました。Googleの方針なのでしょうか?
参りました。仕方ないのでGoogle Play対応機であるNW-Z1000でダウンロードした動画再生ソフト、MX動画プレイヤーを移して使いましょう。やり方は、詳しく解説してあるサイトがいくらでもありますので簡単に。
・NW-Z1000など対応機でGoogle PlayからZ2に入れたいソフトをダウンロード・インストール。
・おなじく「アストロファイルマネージャ」をダウンロード・インストール
・アストロファイルマネージャの"アプリ管理/バックアップ」を使い、インストール済みソフトをバックアップ。するとbackupというフォルダの中にソフト名.apkというファイルが出来る
・NW-Z1000の場合、WindowsPCなどにUSBで接続し、中のファイルをコピーないし切り取る
・Z2を同じくPCとUSBでつなぎ、APKというフォルダの中に先のファイルを放り込む
・Z2をPCから外すとインストーラーが起動するので、インストールする。apkは自動で削除される
以上、簡単な作業ではありますが、当然ながらGoogle Play対応機が別に必要になってしまいます。NW-Z1000と違い、Z2は一台目のAndroid機として使える機種ではないということです。なにかAndroid自体をPCデエミュレートする、なんて手で入手出来るとか出来ないとか言う話もありますが、検証してないのでパス。
MX動画プレイヤーなら、アスペクト比も問題なく再生出来ます。この再生画質は・・・NW-Z1000など敵ではないというか、比べるのが気の毒と言うか、それほど圧倒的高画質です。NW-Z1000では再生するのが難しかったH.264で60fpsの動画がほとんど引っかかり無くスムースに再生出来る専用VPUと有機ELの画質の勝利でしょう。同じ有機ELを採用したPS Vitaに比べると画面がかなり小さいため、迫力には欠けますがその分密度が高く、映像や画作りによっては裸眼3Dのような立体感すら感じてしまい、ある種の感動を覚えたほどでした。
また、再生可能範囲も非常に広く、H.264はもちろんMPEG2-TSの動画も再生してくれます。もちろん1080iの解像度でもOK。スカパー!HDのH.264動画も再生出来ました。本体内蔵の記憶領域がNTFS対応のため、大きなサイズ(ただし、最大でも32GBまでの機種しかないので実質28GBが限度ですが)も仕え、イメージとしては何を放り込んでも再生出来そうに見えます。もちろんAACの音声も出ます。ただし、D3の欠点も残していて、インターレース解除が出来ません。SDのインターレース映像ならは多少シマ模様が見える程度ですみますが、1080iのものだとかなり目立ちます。TVTESTのデコーダをデフォルトのままサイズを縮めたような映像、といえばだいたい分かるでしょうか。その部分はドライバの問題のようなので、解決しようがないのが残念です。
音質は、聞き比べたのはテレビ番組用の音楽なのであまりアテにはならないかも知れませんし好みもありますが、高音質と評価の高いNW-Z1000と比較になるほどのもので、なかなかの高音質と思います。ただ、添付のイヤフォンの性能はやはりNW-Z1000が上のようです。実際Z2にNW-Z1000のイヤフォンを使うとぐっと音が良くなりました。Z2のものも性能は悪くないようですが、やはりウォークマンのものにはかないません。ちなみにZ2のイヤフォンに付属のカバーをかぶせるとLとRの刻印が隠れてしまい、見分けがつきにくくなります、ヘンな欠点。
たった一日使っただけですが、Google Playが使えず、気軽にアプリを追加出来ない点、アプリを追加しないと肝心の動画再生が完全でない点と詰めが甘い作りと感じました。せめて動画再生ソフトのアスペクト比問題だけでも解決していれば及第点なのですが。
本体背面はラバー仕様なので傷はつきにくいのですが、指紋が目立ちます。それと、なぜかNW-Z1000とボタンの配置が異なります。ホームボタンを挟んで左側に機能ボタンが、右側に戻るボタンがあるのですが、これはNW-Z1000の逆の配置です、どっちが正しいのかは分かりませんが。アイコンがつや消しなので本体の電源が入っていてディスプレイが光っているとほとんど見えないので、戸惑いました。電源ボタンもNW-Z1000が向かって左肩の位置なのに対し右肩にあり、これは間違って押したりすることが少ないので便利。ただ、スタンバイ状態にするには、そのボタンをすばやく2回雄必要があるのですが、なかなかうまくいかず慣れが必要です。うまくいかないとロックとアンロックだけを延々と繰り返す羽目になります。
総合で言えばやはりNW-Z1000です。保護フィルムなどオプションも充実していますし、画面も大きいですから十分スマートフォンの代用品として使えます。動画の再生がメインでブラウザもたまに使う、アプリは気にしないという使い方ならZ2の高画質が威力を発揮するでしょう。その場合でもMX動画プレイヤーだけはなんとしても入手すべきですね。
でも、スマートフォンには有機ELでもっと大型の機種が存在するんですよね。かと言ってタブレットでは大きすぎますし、いいところ取りの決定版が出るのはいつの日か。それまではスマートデバイスのポータブルプレイヤーを追いかけ続けたいと思います。
COWON MP3 プレーヤー Z2-32G-BKコウォンジャパンコウォンジャパン
初期状態だと言語が英語なので、SettingからさっさとLanguageを日本語にします。ただし、日本語化はさすがにNW-Z1000ほど完璧ではないのか、一部文字化けが残ったり、ハングル文字が出たりします(ここに嫌悪感を感じる人は絶対に買わない方がよいでしょう)。
買う前から予想はしていましたが、Google Playには対応していません。Android機として使いたいという場合、これはかなり痛い欠点です。ただし、初期状態からタスクマネージャー・コミックビューワー・twitter・スケジューラーなど最低限のソフトは入っています。なるべく追加しないで、プリインストールのソフトで楽しんでくれ、ということなのでしょうか。結果それがこの機種最大の問題点となっていくのですが、それはさておき。
NW-Z1000が1GHzのデュアルコアなのに対し、Z2は1GHzでもシングルコア。その差は体感出来るでしょうか? とはいえ、あまりアプリを追加出来ない使用上、WEBブラウザでの体感こそその試しにふさわしいと思われます。実際に使って見た感想ですが、任意部分の拡大や指でなぞってのスクロールと言った基本的な作業の時に、必ずワンテンポ遅れる現象が発生しました。動きがもっさりしている、という感じではなく、指でなぞっても一瞬遅れてスクロールが始まるという感じなのです。ただし、止めるときは自在に止めることが出来ます。スクロールの方はなれてしまえばどうということはありませんが、任意の拡大はストレスを感じるほどではないにしろ、快適とは言い難い操作性を感じます。ただし、スクロール自体はさすがにAMLOED(有機EL) ディスプレイだけのことはあるのか、文字をはっきり読みながらスクロールさせることが出来るほど反応速度が速いです。NW-Z1000ではゆっくりとしたスクロールでも文字がぶれるのに対し、Z2は文字自体が少し太くなるだけです。ただし、止めた瞬間画面自体が一瞬、わずかですがモヤモヤとしたノイズのようなものが見られます。ディスプレイのサイズが3.7インチしかないこととあわせ、思ったよりは目が疲れる感じです。良い部分も少なくありませんが、総合で合格点はちょっとあげられません。
さて、もう一つの目的である動画の再生を試してみましょう。とりあえず付属のソフトを使って、NW-Z1000でも使っている動画データを再生させます・・・。なんか違和感があります。
Z2の再生ソフトは、アスペクト比を「自動」「4:3」「16:9」の3モードを持ち、画面を少し長くタップするとそれらが切り替わります。用意した動画は16:9のもの。「自動」は単に解像度を1:1とみなして再生するモードのようなので、当然16:9にあわせたのですが、このソフト、16:9だとフルスクリーン表示になるんですよ。Z2の解像度はNW-Z1000と同じ800x480。つまり、フルスクリーンだと、アスペクト比が5:3(=15:9)になってしまいます。少し縦長になってしまうのですよ。これは参りました。
解決するには、動画再生ソフトを変更するしかありません。しかし、先も書きました通り、Z2はGoogle Playに対応していないため、Google Play登録アプリをダウンロード・インストールすることが出来ません。Androidはいくつかアプリのダウンロードが出来るサイトも以前から存在しますが、いまはその大半がアプリ紹介サイトになってしまっており、そこからインストールしようとしてもGoogle PlayのURLに飛ばされてしまうだけになってしまいました。Googleの方針なのでしょうか?
参りました。仕方ないのでGoogle Play対応機であるNW-Z1000でダウンロードした動画再生ソフト、MX動画プレイヤーを移して使いましょう。やり方は、詳しく解説してあるサイトがいくらでもありますので簡単に。
・NW-Z1000など対応機でGoogle PlayからZ2に入れたいソフトをダウンロード・インストール。
・おなじく「アストロファイルマネージャ」をダウンロード・インストール
・アストロファイルマネージャの"アプリ管理/バックアップ」を使い、インストール済みソフトをバックアップ。するとbackupというフォルダの中にソフト名.apkというファイルが出来る
・NW-Z1000の場合、WindowsPCなどにUSBで接続し、中のファイルをコピーないし切り取る
・Z2を同じくPCとUSBでつなぎ、APKというフォルダの中に先のファイルを放り込む
・Z2をPCから外すとインストーラーが起動するので、インストールする。apkは自動で削除される
以上、簡単な作業ではありますが、当然ながらGoogle Play対応機が別に必要になってしまいます。NW-Z1000と違い、Z2は一台目のAndroid機として使える機種ではないということです。なにかAndroid自体をPCデエミュレートする、なんて手で入手出来るとか出来ないとか言う話もありますが、検証してないのでパス。
MX動画プレイヤーなら、アスペクト比も問題なく再生出来ます。この再生画質は・・・NW-Z1000など敵ではないというか、比べるのが気の毒と言うか、それほど圧倒的高画質です。NW-Z1000では再生するのが難しかったH.264で60fpsの動画がほとんど引っかかり無くスムースに再生出来る専用VPUと有機ELの画質の勝利でしょう。同じ有機ELを採用したPS Vitaに比べると画面がかなり小さいため、迫力には欠けますがその分密度が高く、映像や画作りによっては裸眼3Dのような立体感すら感じてしまい、ある種の感動を覚えたほどでした。
また、再生可能範囲も非常に広く、H.264はもちろんMPEG2-TSの動画も再生してくれます。もちろん1080iの解像度でもOK。スカパー!HDのH.264動画も再生出来ました。本体内蔵の記憶領域がNTFS対応のため、大きなサイズ(ただし、最大でも32GBまでの機種しかないので実質28GBが限度ですが)も仕え、イメージとしては何を放り込んでも再生出来そうに見えます。もちろんAACの音声も出ます。ただし、D3の欠点も残していて、インターレース解除が出来ません。SDのインターレース映像ならは多少シマ模様が見える程度ですみますが、1080iのものだとかなり目立ちます。TVTESTのデコーダをデフォルトのままサイズを縮めたような映像、といえばだいたい分かるでしょうか。その部分はドライバの問題のようなので、解決しようがないのが残念です。
音質は、聞き比べたのはテレビ番組用の音楽なのであまりアテにはならないかも知れませんし好みもありますが、高音質と評価の高いNW-Z1000と比較になるほどのもので、なかなかの高音質と思います。ただ、添付のイヤフォンの性能はやはりNW-Z1000が上のようです。実際Z2にNW-Z1000のイヤフォンを使うとぐっと音が良くなりました。Z2のものも性能は悪くないようですが、やはりウォークマンのものにはかないません。ちなみにZ2のイヤフォンに付属のカバーをかぶせるとLとRの刻印が隠れてしまい、見分けがつきにくくなります、ヘンな欠点。
たった一日使っただけですが、Google Playが使えず、気軽にアプリを追加出来ない点、アプリを追加しないと肝心の動画再生が完全でない点と詰めが甘い作りと感じました。せめて動画再生ソフトのアスペクト比問題だけでも解決していれば及第点なのですが。
本体背面はラバー仕様なので傷はつきにくいのですが、指紋が目立ちます。それと、なぜかNW-Z1000とボタンの配置が異なります。ホームボタンを挟んで左側に機能ボタンが、右側に戻るボタンがあるのですが、これはNW-Z1000の逆の配置です、どっちが正しいのかは分かりませんが。アイコンがつや消しなので本体の電源が入っていてディスプレイが光っているとほとんど見えないので、戸惑いました。電源ボタンもNW-Z1000が向かって左肩の位置なのに対し右肩にあり、これは間違って押したりすることが少ないので便利。ただ、スタンバイ状態にするには、そのボタンをすばやく2回雄必要があるのですが、なかなかうまくいかず慣れが必要です。うまくいかないとロックとアンロックだけを延々と繰り返す羽目になります。
総合で言えばやはりNW-Z1000です。保護フィルムなどオプションも充実していますし、画面も大きいですから十分スマートフォンの代用品として使えます。動画の再生がメインでブラウザもたまに使う、アプリは気にしないという使い方ならZ2の高画質が威力を発揮するでしょう。その場合でもMX動画プレイヤーだけはなんとしても入手すべきですね。
でも、スマートフォンには有機ELでもっと大型の機種が存在するんですよね。かと言ってタブレットでは大きすぎますし、いいところ取りの決定版が出るのはいつの日か。それまではスマートデバイスのポータブルプレイヤーを追いかけ続けたいと思います。
