開始前はともかく、現状ではあまり積極的に評価しようとする人がいなくなってしまった3Dテレビ。遠い将来なら分かりませんが、現状では迫力よりも人工的で不自然にも見える様が目に付く画になっていますから、それも当然かも知れません。利用も煩わしいメガネを掛ける必要があるか、グラスレスと言っても斜めから見ることが出来ないテレビしかないために、今やテレビの使われ方の主力である"だらだら見"には全く適さないものとなっています。地上波の局がそういう番組を作り続け、3Dが想定する視聴と真逆のテレビ感を持つ視聴者層を育て続けたのですから仕方がありません。おそらくこのまま3D映像が主力となる日は来ないでしょう。
前回書いたエントリーでも、わたしが3Dに対して否定的な内容を書いたからというのも当然ありますが、3Dに期待する旨のコメントは無かったようです。少なくとも4K2Kテレビの方が望まれている感があるようです。ただ、わたしは解像度は現状が・・・良くて1080p止まりのまま、後20年くらいは続くだろうと考えています、少なくともテレビ放送では。
日本では、これからもテレビと言えばまず地上波のことである、が政策的にも続くことになりました。が、他メディアと電波帯域を取り合う地上波では例えフォーマットが変更になったとしても1080pが精一杯でしょう。さすがに「地上波テレビ放送で高画質を実現するため、携帯電話やモバイル通信業者は地上波テレビに電波帯域を明け渡すべきだ」と考えている人など地上波関係者を除いてはいないでしょうし、逆ならたくさんいるかも知れませんが。だから、どうやってもあと数十年は1080iか1080pが主力で在り続けるんです。それに、1080pあればまず不満を覚えることはないと思いますし。
放送としてはそうであっても、技術はまた別の話。4K2Kのさらに4倍、7,680×4,320のスーパーハイビジョンのテレビも、開発だけは進んでいるわけですよ。
NHKとパナソニック、世界初145型スーパーハイビジョンPDP開発
−新駆動方式でちらつき抑える。5月の技研公開で展示
145型でプラズマですよ。解像度の高さを見せつけるには大型化が一番ですが、ここまで大型高解像度だと描画が追いつかなくなるんじゃ・・・なんて思ってしまいますが、そこら辺も解決しているらしいですね。液晶や4K2Kと見比べてみたいです。と、言っても当然個人で買うものでは無いですが。
リンク先で気になるのがこの一文。
"NHKの久保田啓一理事・技師長は、「家庭向けには80型クラスが良いところだと思っているが、145型などのサイズも、このサイズで用途は存在する。例えばパブリックビューイングなどだが、自発光・直視型であるため、(プロジェクタのように)シアターを作らず、大きな画面で見てもらえる」と説明。"
は、80型って・・・。それが家庭向け? いったいどれだけ巨大な家を想定しているんですか? 多分これからAV家電業界が日本でも(アメリカなどに合わせて)50型以上を売れ行きの主力にさせるべく動いていることに合わせ、「現状の地上波でも50型以上に大型化してくのだから、スーパーハイビジョンは80型くらいだろう」と軽く考えているのでしょうが、いくら技術が進歩しても住んでいる家は巨大化しません。80型って対角線が約2mですよね? それに加えてテレビの画面の周り部分のプラスアルファを加えると、80型テレビの横幅は2m程度、タテも1m20〜40cmくらいは必要になってしまいます。意外とたいしたことない? と思う節もあるかもしれませんが、42型テレビのタテヨコそれぞれ約2倍です。それにテレビ台の高さが加わるわけですから、タテも実質1.6m以上と考えた方が良いでしょう。イメージとしては部屋の壁一面占拠するくらいの威圧感があると思います。
そんな巨大テレビ、どれだけの距離を保てば適当な見やすさになるのでしょうか? 55型を6畳間で見るには対角線上の隅っこに集合なんて話を某所で真面目に言っていましたが、80型となるとリビングの端と端くらい離れなければならないでしょうか? 「テレビを見る時は部屋を明るくして離れてみましょう」というメッセージはいつの間にか見かけなくなりましたが、間違った考えではないと思います。"だらだら見"には全く適しませんし、何より何も映していない時にどうしても邪魔になってしまいます。
それでも80型が家庭向けだと言うのなら、家の方をどうにかするしかありません。
まず考えつくのは、80型を置いても十分部屋が使えるような広い家を手に入れて引っ越すことです。原発停止が進めばその影響などもあって地域によってはますます過疎化が進行するため、そういうところに引っ越せば広い土地を安く手に入れられるかも知れません。が、そういうところでは当然収入源はありません。また、インターネットによって都心部と地方の格差は開くばかり。地方でも情報だけならネットで調べられるのをいいことに、良い品物やサービスはどんどん都心部に集中する一方ですから、今大都市やその近辺に住んでいる人は過疎地には行きたがらないでしょう。あって都心部まで電車一本ですぐに行ける通勤範囲内です。よって引っ越し促し作戦は不可能です。
第二は、80型テレビを極限まで薄くし、存在感をなくさせ、使うときだけ使うようにする方法です。テレビ台に置くのではなく、壁に埋め込むか貼り付けるかするのです。プロジェクターだと部屋を暗くする必要もありますからリビング向けとしては不適当。いわゆる"壁掛けテレビ"を本当に実現させるのです。「じゃぁ放熱とかどうすんの?」もちろん壁伝いに放熱して、家自体を超巨大ヒートシンクにするんですよ。巨大テレビのためのリフォームです。スピーカーもテレビからではなく、最初から部屋の一部として設置します。差し込みコードももちろん部屋に備え付いていて、薄いテレビと壁をコードで繋ぐだけ最小限のセットで全部完了、録画はサーバーを使ってLAN経由で処理すればそれでよし。これからの家はテレビのための造りになるんですよ。距離の問題は解決しませんが、少しは離せますし威圧感も減ります。
・・・「リフォームまでする必要があるテレビなんて売れるわけ無いでしょ」という揶揄をこめて書くつもりだったんですが、結構いいなぁこんな家、と思ってしまいました。
1080iやpが20年持つのならスーパーハイビジョンが普通になるまで何十年かかることやら・・・。そのころにはほとんどの家が建て直され、テレビハウスも普通になっているのかも知れません。が、ひょっとしたらそのころまでわたしは生きていられないかも知れません。でも、より現実的な4K2Kの放送なら衛星を使ってもっと早く進められるはずですよね。期待していたBSの拡大が今程度の中身(特にロゴ貼りしたWOWOW)ならば、そっちをさらに進めるより4K2Kのためにスロットを空けるべきだ、と思ってしまいます。テレビに期待している人間がまだ残っているうちに、早く・・・。
前回書いたエントリーでも、わたしが3Dに対して否定的な内容を書いたからというのも当然ありますが、3Dに期待する旨のコメントは無かったようです。少なくとも4K2Kテレビの方が望まれている感があるようです。ただ、わたしは解像度は現状が・・・良くて1080p止まりのまま、後20年くらいは続くだろうと考えています、少なくともテレビ放送では。
日本では、これからもテレビと言えばまず地上波のことである、が政策的にも続くことになりました。が、他メディアと電波帯域を取り合う地上波では例えフォーマットが変更になったとしても1080pが精一杯でしょう。さすがに「地上波テレビ放送で高画質を実現するため、携帯電話やモバイル通信業者は地上波テレビに電波帯域を明け渡すべきだ」と考えている人など地上波関係者を除いてはいないでしょうし、逆ならたくさんいるかも知れませんが。だから、どうやってもあと数十年は1080iか1080pが主力で在り続けるんです。それに、1080pあればまず不満を覚えることはないと思いますし。
放送としてはそうであっても、技術はまた別の話。4K2Kのさらに4倍、7,680×4,320のスーパーハイビジョンのテレビも、開発だけは進んでいるわけですよ。
NHKとパナソニック、世界初145型スーパーハイビジョンPDP開発
−新駆動方式でちらつき抑える。5月の技研公開で展示
145型でプラズマですよ。解像度の高さを見せつけるには大型化が一番ですが、ここまで大型高解像度だと描画が追いつかなくなるんじゃ・・・なんて思ってしまいますが、そこら辺も解決しているらしいですね。液晶や4K2Kと見比べてみたいです。と、言っても当然個人で買うものでは無いですが。
リンク先で気になるのがこの一文。
"NHKの久保田啓一理事・技師長は、「家庭向けには80型クラスが良いところだと思っているが、145型などのサイズも、このサイズで用途は存在する。例えばパブリックビューイングなどだが、自発光・直視型であるため、(プロジェクタのように)シアターを作らず、大きな画面で見てもらえる」と説明。"
は、80型って・・・。それが家庭向け? いったいどれだけ巨大な家を想定しているんですか? 多分これからAV家電業界が日本でも(アメリカなどに合わせて)50型以上を売れ行きの主力にさせるべく動いていることに合わせ、「現状の地上波でも50型以上に大型化してくのだから、スーパーハイビジョンは80型くらいだろう」と軽く考えているのでしょうが、いくら技術が進歩しても住んでいる家は巨大化しません。80型って対角線が約2mですよね? それに加えてテレビの画面の周り部分のプラスアルファを加えると、80型テレビの横幅は2m程度、タテも1m20〜40cmくらいは必要になってしまいます。意外とたいしたことない? と思う節もあるかもしれませんが、42型テレビのタテヨコそれぞれ約2倍です。それにテレビ台の高さが加わるわけですから、タテも実質1.6m以上と考えた方が良いでしょう。イメージとしては部屋の壁一面占拠するくらいの威圧感があると思います。
そんな巨大テレビ、どれだけの距離を保てば適当な見やすさになるのでしょうか? 55型を6畳間で見るには対角線上の隅っこに集合なんて話を某所で真面目に言っていましたが、80型となるとリビングの端と端くらい離れなければならないでしょうか? 「テレビを見る時は部屋を明るくして離れてみましょう」というメッセージはいつの間にか見かけなくなりましたが、間違った考えではないと思います。"だらだら見"には全く適しませんし、何より何も映していない時にどうしても邪魔になってしまいます。
それでも80型が家庭向けだと言うのなら、家の方をどうにかするしかありません。
まず考えつくのは、80型を置いても十分部屋が使えるような広い家を手に入れて引っ越すことです。原発停止が進めばその影響などもあって地域によってはますます過疎化が進行するため、そういうところに引っ越せば広い土地を安く手に入れられるかも知れません。が、そういうところでは当然収入源はありません。また、インターネットによって都心部と地方の格差は開くばかり。地方でも情報だけならネットで調べられるのをいいことに、良い品物やサービスはどんどん都心部に集中する一方ですから、今大都市やその近辺に住んでいる人は過疎地には行きたがらないでしょう。あって都心部まで電車一本ですぐに行ける通勤範囲内です。よって引っ越し促し作戦は不可能です。
第二は、80型テレビを極限まで薄くし、存在感をなくさせ、使うときだけ使うようにする方法です。テレビ台に置くのではなく、壁に埋め込むか貼り付けるかするのです。プロジェクターだと部屋を暗くする必要もありますからリビング向けとしては不適当。いわゆる"壁掛けテレビ"を本当に実現させるのです。「じゃぁ放熱とかどうすんの?」もちろん壁伝いに放熱して、家自体を超巨大ヒートシンクにするんですよ。巨大テレビのためのリフォームです。スピーカーもテレビからではなく、最初から部屋の一部として設置します。差し込みコードももちろん部屋に備え付いていて、薄いテレビと壁をコードで繋ぐだけ最小限のセットで全部完了、録画はサーバーを使ってLAN経由で処理すればそれでよし。これからの家はテレビのための造りになるんですよ。距離の問題は解決しませんが、少しは離せますし威圧感も減ります。
・・・「リフォームまでする必要があるテレビなんて売れるわけ無いでしょ」という揶揄をこめて書くつもりだったんですが、結構いいなぁこんな家、と思ってしまいました。
1080iやpが20年持つのならスーパーハイビジョンが普通になるまで何十年かかることやら・・・。そのころにはほとんどの家が建て直され、テレビハウスも普通になっているのかも知れません。が、ひょっとしたらそのころまでわたしは生きていられないかも知れません。でも、より現実的な4K2Kの放送なら衛星を使ってもっと早く進められるはずですよね。期待していたBSの拡大が今程度の中身(特にロゴ貼りしたWOWOW)ならば、そっちをさらに進めるより4K2Kのためにスロットを空けるべきだ、と思ってしまいます。テレビに期待している人間がまだ残っているうちに、早く・・・。