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Channel: 録画人間の末路 -
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執念の課税と本能の課税逃れ

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先日、税務署から税務官がやってきたことを書きました。名目としては相続税支払いが正しく行われたかの確認、実質的には税金を追加して徴収するための情報を得るためです。それでも、わたしは誠意をもって対応したつもりです。雑談を含む質問には記憶のある限り答え、わからない質問にはごまかしたりせずはっきりと分からないと回答。その結果、前例がないほど早い調査終了となったわけですが。もちろんだからと言って税務官は税金を追加でとることを諦めたりはしません。提出した相続税の書類に不備はなく、生前贈与の対象になる贈与税がかかる様子もない。ならば贈与税の対象にならない故人との金のやり取りは故人の財産とみなされて相続税に対象になりうる、をターゲットに絞ったらしく、父やわたしら相続人の全銀行口座を対象となる命日より三年までさかのぼって全部調べ上げ、その上ではっきりと語ったわけではないにせよ「この保険や定期預金は一括で支払われていて唐突で怪しい。受取人というより故人の財産とみなすべきではないか」と専門家から見ればそう言っているとしか思えない調査報告や資料提出の依頼を事細かに出してきたのです。中にはあきらかに配偶者控除の対象となる母名義の通帳の動きや、定期的にわたしのATMから現金が出し入れされていることまで。どうも彼ら公務員は給料といえば銀行振り込みに決まっているので、家族経営の自営業ではそんな手数料の掛かることはせず、直接現金渡しで給料を支払うこともある、という発想がなかったのかも知れません。わずかな金の不自然は動き(あくまで彼らから見れば、の話でしかないですが)も見逃さない、意地でも税金を少しでも多く徴収するんだ、という執念すら感じます。名目上は「税金とは無関係な流れもはっきりさせるため」なんでしょうが、わたしから見れば非常に意地悪く個人情報まで暴いて税金を絞ろうとしているようにしか見えません。よほど調査当日の印象が悪くて対抗心を抱かせたのか、と実際にやり取りした会計士の話を聞くと
「当日は全く問題なし、むしろあちらはあなたに対して好感さえ抱いていたような話ぶりだった」
とのこと。つまり個人の印象と仕事は別、ということなんでしょう。よく言えば公務員らしく私情に流されず公平に、悪く言えば血も涙もない取り立てが行われているということです。なんでも今回の担当者は来月早々に異動が決まっているそうで、最後の一仕事とばかりに気合が入っていたと考えられます。まぁ前述したようなあまりに酷いものは別にして、少々強引程度の課税対象の拡大は、さっさと払ってしまおうと思っています。そりゃわたしだって税金は少しでも安いに越したことはないですが、商売をやっている関係上、税務署の覚えが悪くならない方がまだマシですから。好印象を与えても手心は加えてもらえないことははっきりしましたが、悪印象を持たれるとさらに意地悪くなる可能性はゼロじゃないですからね。

なお、今回の情報提示の要求や追加税金の項目は多数にわたり(それでも提出済みの相続税の問題がない分少ないとのことですが)、前述したように細かくて明らかに課税対象にならないようなものもありますが、それはわたし、姉、母に限った話であり、わが弟Bに対する要求はただの一項目もありませんでした。本能で金の計算と損得勘定を行動の基準として生きている弟Bのことですから、こんなこともあろうかと常日頃からいつか来る税務調査を想定し、一切追徴課税ができないように金を動かしていたのでしょう。さすがの税務調査官も、弟Bの超人セコさの前にはなすすべがなかったようです。ただ、拡大解釈によって故人の財産が上乗せされたため、少額ではありますが追徴課税が弟Bに対しても行われるらしいですが。うーん、「お前が支払いを甘んじて受け入れたせいだ!」って後で怒られそう。

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