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Channel: 録画人間の末路 -
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神に準ずるお方とメカゴジラのサウンド

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はい、やっとのことでとった休みも、早くも残すところあと一日となりました。正直全然遊び足りませんが、これ以上東京で遊んでいると今度は店が心配ですからこのくらいが引き際でしょう。その遊びのうちの数時間は例によって秋葉原でひたすら買い物・・・いや~今回は買った買った。というくらいいろいろ買いましたが、それは後! 真っ先に書きたいのは奇跡的に東京行きと時期が重なった「起動45周年!立川決戦 初代メカゴジラ~極上爆音上映~」であります。行ってきましたよ。最高でした。他に言うことないくらいです。

秋葉原の買い物を早々に切り上げていったん荷物を置き、身軽な状態になって立川へ。目指すは会場のシネマシティ・ツー。駅から降り立ってみると非常に立体的といいますか、建物とそれをつなぐ通路を通る道が充実していて、ほとんど地面に下りることなくあちこちへ行ける開発された住宅街という印象です。確かシネマ・シティーはモノレール沿いにあるはず。地方じゃまず見かけないモノレールという交通手段に見入りながら歩いていると、ナビが警告! どうやら真逆の方向に歩いていた模様orz これではいかんと今度はナビを見っぱなしの歩きスマホ状態で会場を目指します。とりあえずナビの示す場所にたどり着きますが、"CINEMA TWO"とはあるもののCITYの文字がないので本当にここかと少し入ってみると



テンションの上がるポスターの組み合わせ! ここで間違いないでしょう。ただ、思ったより早くたどり着いたので、あえて外で待ちます。確か会場は17:40だったはず。そういや今日は花粉が多いのか、くしゃみがそこそこ出ます。これはいけません。上映中に大きな音のくしゃみなんか連発したら雰囲気台無しです。かと言ってマスクがないので、薬局か・・・まぁコンビニでもいいか、と買える店を探しますがなかなか見つからず。やっとのことで発見して買ってくると17:40ギリギリ。まぁいいかと会場に入ろうとすると、結構年配の方が数人、入口にいます。こういう人も見に来るのか。はて、なんとなく見たことがあるような・・・。

それどころじゃない! 今わたしの横にいた人は、間違いなく「ゴジラ対メカゴジラ」特技監督、中野昭慶その人です!!!

他の方もいらしたのですが、わたしの目には中野監督しか映っていませんでした。特撮の神様と言えば円谷英二特技監督ですが、わたしが生まれたころにはすでに亡くなられていた人なので、イメージとしてはやはり昔の人です。一方、中野監督はわたしの基礎を作ってくれた数々の特撮をわたしが物心つくころに次々と発表していた、言うならば特撮の神様に準ずる人です。あの人を一瞬ながら間近で見られるなんて・・・。来てよかったです、本当に。
ただ、さすがの中野監督も結構なお年。正直ゲストならともかくメインになるトークショーは厳しいんじゃないか・・・。と思っていたのですが、全くの杞憂。いやしゃべるしゃべる。ハキハキしていて全く衰えを感じさせません。「ゴジラ20周年だから、なんか強い怪獣を出してくれと製作の田中友幸さんに言われてゴジラに勝てるのはゴジラしかないって言って出したのがメカゴジラ」「だからってチャンピオン祭りだから予算が出るわけでもなく、低予算で二週間くらいでとった。スタッフの仕事が早いおかげ」「美術の予算を削って火薬に回した」「日本沈没にノストラダムスの大予言、さらにテレビの流星人間ゾーンもあるのにこの映画とキチ〇イスケジュール、寝る暇もなかった」
面白い話が次から次へと出てきましたが、一番興味深かったのが、わたしが特撮映画最高の名シーンと感じているメカゴジラ正体を現しのシーンとその前後のカットですが、イメージはなんと多羅尾伴内だそうです。「ある時は私立探偵、ある時は片目の運転手、またある時はインドの魔術師、しかしてその実体は・・・正義と真実の使途、藤村大造だ!」この手のセリフはパロディがあちこちで使われ(特にキューティーハニーが有名)すぎて元ネタを知らない人が多そうですが、ある意味日本映像史に輝く最初のベタにカッコいいヒーロー、多羅尾伴内こそ元祖です。なるほど、あの名乗りをイメージした演出でしたか、どうりで決まっているわけだ。



トークショーはシン・ゴジラの美術などもしておられる三池敏夫氏と中野監督がメインだったのですが、スペシャルゲストとしてメカニズムゴジラデザイナーの井口昭彦氏と造形の安丸信行氏も登場、まさに特撮界の生きた伝説総進撃です。


トークショーも終わって上映会。今回はなんとフィルム上映です。最近はやりのデジタルリマスター化されたデータ映像じゃありません。実際にはありませんでしたが、フィルムが切れて上映が中断する可能性も告げられました。それがいいんです。ここまで来てBDに毛が生えた映像をブローアップなんてつまらない、家じゃ見られないフィルム映像だからこそ価値があるんです。もっとも、多少の記事がある程度で結構キレイだったのでアナログ的にレストアしたニュープリント版だったのでしょうか。
今回はなんと言っても極上爆音上映会。音の良さがウリです。本作はモノラル音声のため、いくら極爆と言っても音の左右の広がりはありません。が、良い音響施設にはそれとは違う音の立体性を感じさせてくれます。特撮の効果音はもちろんですが、なんといってもBGM。本作は東宝特撮の常連伊福部昭氏はなく、佐藤勝氏が手掛けています。そこからは体を抜けていく音・一度腹に響いて背中で跳ね返す音、足元から響き渡る重低音の三つが巧みに絡み合うさまが感じ取られました。特に二番目は特徴的で、伊福部氏の音楽からはあまり感じ取られないものです。メリハリよりもリズムを重視するジャズ調の音調ならでは、なんでしょう。こうした体で感じ取る類の音は家庭では難しいですから、これまた見に行った価値のあるものでした。そしてやはり対決シーンの大迫力。いうことなしです。


最後はVSやミレニアムでデザインを手がけた漫画家の西川伸二氏、現役バリバリで東映の特撮を手掛ける佛田洋特撮監督、ライターのガイガン山崎氏とブラックホール第三惑星人のコスプレの大内ライダー氏による止まらないトーク三昧。ただ、すぐ会場を開けて次の上映に場所を開けなければならないため、適当なところで打ち切られてしまいました。



写真などは「SNSで拡散してください、ハッシュタグに特撮秘宝ってつけて!」って言われてたんですが、わたしはブログに書きます(^^)最後に、一応続編上映の可能性が語られたんですが、さすがに今度は奇跡も起らないだろうし、無理だろうなぁ、次の休みも半年後だろうし。夏には三国志でおなじみ曹操の墓からの出土物を見に来る予定。

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