
筆者所有「電光超人グリッドマン」発表当時の雑誌「宇宙船」(当時の発行は朝日ソノラマ)の表紙と、今回発売になった同じく「宇宙船」(現在の発行はホビージャパン)別冊のSSSS.GRIDMANの表紙。今回の記事はこの新旧表紙の競演が書きたかっただけ(笑) ちなみに微妙に重ねているのは若干紙が劣化していて、少しめくり上がるのを防ぐため。
と、いうわけで先日好評のうちに終了したSSSS.GRIDMANの宇宙船による特集MOOKが発売されたので紳士のたしなみとして買いました。基本的に現在はアニヲタでないわたしはただアニヲタ視点のこの手の本だったら買わないところですが、編集が主に特撮を手掛けた「宇宙船」によるものなら、特撮ヲタ視点の見方や、特撮ヲタではできない知識の補填などに良いのではないか、と購入したものです。結果は、後半の知識補填には満足、ヲタ視点としては買ったの失敗、という感じでした。
なんで失敗かといいますと、アニメGRIDMANの随所にちりばめられていた特撮ヲタ向けの細かいネタのほとんどが図入りで解説されているからですよ。後で探してみる楽しみが半減しちゃいました。見なけりゃいいんでしょうが、多分一人でみてもさすがに気が付かない部分だろうところまでピックアップしてあると、ついつい見ちゃう、しかも他の解説ほったらかしにしてそこばかり。そこが一番面白いですから。ああ、やってしまった、とちと後悔。ディスクで見直す時は、なるべくその知識は忘れていどむことにしましょう。
知識の補填は先にも書きました通り満足。最終話、真の姿を取り戻したグリッドマンに対し敵のアレクシスが「ずいぶん懐かしい姿になったじゃないか」と語りかけますのはなんでか、と思っていたのですが、本編始まる前に両者は闘っていてグリッドマンが破れているから、のようです。また、新世紀中学生のうち一番最初に登場したサムライ・キャリバーの声優が特撮ドラマ「超星艦隊セイザーX」の主人公、安藤拓人役の高橋良輔氏だというのは全く気が付きませんでしたし、彼のインタビューが掲載されている点などは買ってよかったと思わせる部分です。
さて、もう一冊久々に引っ張り出してきたグリッドマン当時の宇宙船。本記事のタイトルに書いた「一致」というのはもちろんグリッドマンのポーズのことじゃないですよ。これは意図的に同じにした、ということが事前に情報として出されていましたし。わたしがその一致ぶりに驚いたのは、この号の中に2ページを使って「アニメになった特撮ヒーロー」という記事が書かれている点です。この号が出版された段階でのグリッドマンは発表だけで内容について書くことができず、記事も1ページだけ、表紙も急遽差し替えたものと思われます。なのに中にはそんな記事があるわけですから、まるでグリッドマンがアニメ化されることをものすごく遠回しに予言していたみたいじゃないですか。
ちなみに紹介されているアニメ作品は「マグマ大使」「ジャイアントロボ」カッパの三平」「仮面ライダーSD」。なお、4本のうち特撮をある程度反映して作られているのは「マグマ大使」だけ。ジャイアントロボは「地球が静止する日」ですし、しかもこの時点ではまだ第一話しか発売されていなかったので、あとでああなるとはだれも予想していなかった時期。カッパの三平は、そもそも特撮ドラマの「河童の三平 妖怪大作戦」が原作とは別物だし、仮面ライダーSDはもちろんギャグになってます。全部ちょうどビデオの発売が始まったり、劇場公開が間近という時期だったのでたまたま特集が組まれたのでしょう。偶然とは恐ろしいものです。
