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CESで新Ryzen正式発表

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デジタル機器の祭典、CESがラスベガスで絶賛開催中であります。で、一番最初に書こうと思ったのは、当然あのテレビのことなんですよ、実用性はさておき面白さは抜群ですから。実際途中まで書きました。が、ボツにしました。アレで唯一問題なのが開発メーカーの国・・・。だって、あの国のこと少しでも褒めると荒れる可能性が出てくるじゃないですか。おまけにどうしても日本のメーカーのことを引き合いに出さないといけないし、どうなるか分からない。気持ち悪くなってくる可能性があるからってコメント欄書き込み不可にするのはもっとつまらないですし。早く個人的感想なら何を書いてもいい世の中にならないかな、とつくづく思います。


そこで安心して書ける製品について書きましょう。当方の主義に合うということで贔屓にしていますCPUメーカー、AMDよりついに新しいRyzenの正式発表がありました。

【詳報】AMD、PCIe 4.0に対応した第3世代Ryzenプロセッサを今夏投入

採用されるコアはZen2.AMDでは現行のZen+を"第2世代"と称しているので第2世代扱いになりますが、第2世代が製造プロセスを若干改良した程度の小幅な強化だったのに対し、第3世代は全ての面で改良がおこなわれています。最大の特徴はIntelの10nmをも先駆けて7nmの製造プロセスで作られるため、消費電力を従来型より下げることができること、クロックが上げられること、より多くのコアを搭載可能になることといった特徴があります。反面ここまで製造プロセスが微細化されるとコストがかなり跳ね上がるらしいので、一部の回路・I/Oやメモリコントローラーは従来と同じ14nmで製造することでそれをある程度抑えるという話でしたが。新Ryzenは少々高めの値段が付けられるかもしれませんが、それに見合った性能が出るのならよしとしましょう。
我々にとって重要なのは、微細化よりもSIMDがようやく256bitになったことかも知れません。一番大きいのはAVX2がフルに使える可能性が高い、ということです。現行のZenはAVX2を128bitx2で処理するため遅く、x264を使ったH.264/AVCへのエンコードは4コア/8スレッドの旧型Core i7を圧倒する代わりにAVX2を活用するx265を使ったH/265/HEVCへのエンコードは逆に負けてしまうという性能になっており、x.265ですらAVX2を無効にしたほうが速いという結果が出ていました。AVX2が256bitで速度が上昇すればエンコード速度が大幅に上がり、快適に処理できるためH.264/AVCからH.265/HEVCへの全面移行が起こるかも知れません。楽しみです。その他細かい部分でも改良が行われ、会場での発表ではCineBenchでCore i9-9900Kをやや上回る(誤差の範囲に近い程度ですが)数値をたたき出したとか。Ryzen側のコア数やクロックがはっきり書かれていないので断言はできませんが、今までの「コア数スレッド数クロック数が全く同じならまだIntelの方が性能が上」から「ほとんど並んだ」まで評価を引き上げることになりそうです。
他にもPCI-Expressが4.0に対応するコントローラーが装備されますが、PCI-Eの性能をフルに発揮できなくてもいいのなら従来のSocketAM4のマザーでもBIOSの対応次第で動く、と明言されているのは嬉しいです。SocketAM2+のマザーでAM3用のCPUが動いた(ただしDDR2のメモリコントローラーを装備した一部のみ)ことを思い出しました。最近下位のCPUが上位のマザーで動くことはあっても下位のマザーで上位のCPUが動くことがないケースがほとんどだった流れを元に戻してくれたのは素直に喜びましょう。
出荷は早ければ夏、ということです。個人的にはZen2のAPUも同時に出してほしいですが、最近の動向からして後回しかなぁ。

一方、Intelはちょっと足踏み状態。新CPUコアを使い10nmで製造されるIceLake、同じCPUコアのSunnyCoveに22nmのATOMを組み込んだLakefieldと言った新CPUの発表はありましたが、いずれもモバイル向け。デスクトップ用は従来の第9世代、CoffeeLakeを使った新製品、Refleshの新ラインナップだけの発表でした。確かにモバイル用は第8世代にとどまっているので、バランスを考えたらデスクトップ向けがRefleshで済まされるのもわかる話ですし、以前からIceLakeはモバイル向けのみの提供と言っていました。それにIntelは規格やプラットフォームの提案も絶えずし続けなければならない開発メーカーであり、Intelの後追いでシェアを奪うだけでいいAMDとは立場が違います。ですが、高性能PC向けとしてもサーバー向けとしてもAMDが同じ条件で横に並ぶどころか一部で先を行く状況に、ある意味世界トップクラスに競合を恐れるメーカーであるIntelが特に手を打たない、というも不自然に思うのですが。スマートフォン向けSocが敗北して昔とは体質が変わったのか、それともZen2が来るのは早くても夏だからその前に大型の発表をやって顧客の流出を防ぐ時間稼ぎをしているのかも知れません。

もっとも、現行のCPUでもフルHDなら十分速い処理ができることに変わりはないですけどね。4Kに現状打開策が提供されない限り、新CPUと言ってもこと動画面においては一部の人しかその性能を活かせない状況は続くでしょう。ただ、それでも新CPUは楽しみですし、Zen2が出た暁にはなるべく早く入手してテストしたいと思ってます。テストを考えると結局今のRyzenは残した上で新規購入の方がいいのかな。その前にせめて手持ちのIntelPCもCoffeeLakeにはしておきたいものです。さすがにSkyLakeじゃ古いし。

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