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Channel: 録画人間の末路 -
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8Kチューナー11月に登場、ただし汎用性なし

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当ブログでは原則4K8K放送の件は最低限にしか扱わないことにしているのですが、これは取り上げてもいいでしょう。11月に始まるとされている8K放送を受信できるチューナーが、シャープから発売されることになりました。

世界初、新4K8K衛星放送対応『8Kチューナー』を開発(シャープ公式)


初の8Kチューナー、シャープが開発 HDMIケーブル4本で接続


シャープは数少なくなった日本でテレビを販売できるメーカーの中で一番8Kに関心を持っているように見えるメーカーです。昨年は70型と常識を超えたサイズながら8K解像度対応のテレビを発売していますので、それで8K放送が視聴できる手段がないのは困る、ということで発売に踏み切ったのでしょう。8K以外にBSや110度CSの4K放送も受信可能となっていますが、従来BS/110CS放送に関しては触れられていないため、おそらくはできないものと思われます。それにしても接続がすごい。なんとHDMIを4本です。一応8Kを想定したHDMI規格2.1は昨年作られましたのでそれを使えばいいのかも知れませんが、昨年発売した8Kテレビには間に合っておらずそれにつなげることが前提であるため、4Kまでしか対応していないHDMIを4本(縦横解像度とも二倍なので計四倍)使う必要があったのでしょう。これから発売されるだろう8KテレビはおそらくHDMI2.1対応になるでしょうから、本チューナーは事実上シャープの現役8Kテレビ専用の、汎用性の全くないものになるでしょう。ひょっとしたらダウンコンバートして4Kに落として他のテレビでの視聴も可、なのかも知れませんが、そんな機能があるのならおそらく発表しているでしょうから、出来ない可能性の方が高いと思われます。
さらに言えばitmediaの記事内において「外付けHDDへの録画は未定」となっています。これはおかしい。「未定」ということは機能的にはできるようにしてある、おそらくUSB端子はついているでしょうし、ダブルチューナーなのですから最低限裏番組の録画は想定して設計しているはずです。にも拘わらず、8K放送のみならず4K放送においてすら録画できることを明言しないということは、情報こそ全く出ていないもののやはり「録画禁止放送」になる可能性は十分ある、ということなのではないでしょうか。あるいは内蔵HDDへの一時キャッシュ以外の録画手段すべて禁止になるのかも知れません。デジタル放送によって録画規制が定着していると勘違いしている映像業界ならばそれくらいやってきても全く不思議ではありません。

とりあえずチューナーだけ買って適当なテレビで8Kの放送だけ視聴する、などには使えない汎用性のほとんどないチューナーになっている公算が高いこのチューナー、おそらく買う人はほとんどいないでしょう。テレビ売り場や8k放送のサンプルとして使用される業務用が主なターゲットではないでしょうか。これでも、オールジャパン体制で目指している「2020年までに4K8Kテレビの50%普及」への大きな一歩なのかも知れません。

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