>参りました!!
約束通り、まずはこの一言から始めます。わたしは以前BristolRidge搭載のモバイルノートPC、A275を買った際に
「春頃どころかいつ出るかもわからない」「出たとしても大型筐体のものしか出ないかも知れない。わたしが欲しいのは小型で持ち運びしやすいサイズ」「もし買ったことを公開するくらい早くRavenRidge搭載モバイルノートPCが出たら「参った」と言ってそのメーカーを尊敬する」
と書きましたので、今回ばかりは素直に負けを認めます。レノボジャパンはすごい! しかも今回は外の対応も今までと違います。
レノボ、Ryzen 7 2700U搭載で約1.14kgのモバイルノート「ideapad 720S」
従来なら発売から一月以上たって、他に新製品が発売し、新鮮味がなくなってからようやくこうした商業サイトに載るのがAMDノートの扱いでした。が、今回は事前に発売が予告されました。どれだけRyzenになってAMDの扱いが変わったのか・・・。内部事情とか知りたいところですが、それは無理なので、ちょっと720sAMDモデルの長短所を見てみましょう。
独断による長所
・新世代APU、Ryzen 7 2700U/Ryzen 5 2500U搭載
なんと言ってもこれでしょう。すでにデスクトップ向けで定評のあるZenコアをCPUに、RADEONの現行コアであるVegaをGPUに、それぞれ採用して統合した最新のAPU搭載。それも発表からのタイムラグはほとんどなしでの発売です。軽く、低価格なホビー用ノートパソコンとして最適でしょう。発表されている2種類の両方が選べます。よりGPUの性能に期待するなら7、GPUは動画再生などで十分ならクロックが200MHz違う以外のCPU性能が変わらない5の方が安くていいでしょう。
・13.3インチモデル
14インチや15.4インチといったデスクトップ代用ノートではなく、ギリギリモバイル向けと言える13.3インチモデルです。ですが、重量は1.14kgと軽めで12.5インチのA275より軽いくらいです。ベゼルがかなり狭いものでディスプレイは13.3インチと言ってもA275の12.5インチより二回りは大きそうで、サイズで言えばデスクトップ代用機としても使えそう。もちろん解像度は1920x1080です。AMD機をあえて求める人は、多分デスクトップ機を別に持っている、常用ではなく用途を絞って使うノートなら買いたい、と思う人が中心だと思うのです。このサイズはそうしたサブ用とデスクトップ代用の両方の需要に対応できる理想的サイズと言えます。
・比較的低価格
性能は必要十分、特にGPUによる動画再生能力はIntel機を確実に上回るため、用途によっては最高性能ながら一番安いモデルで10万円を切っています。絶対価格ではもっと安いものもありますが、コストパフォーマンスという点では良好でしょう。ディスプレイの画質は見ていないので断言はできませんが、IPSなのでそれほど悪いものは使われていないでしょう。
・大き目の容量
メモリは8GB、SSDは256GBないし512GBです。APUの性能比で言えば十分な容量で、足りなくなるということはほとんどないと思われます。SSDの速度もPCIe NVMe/M.2接続ですから、遅いということはないでしょう。少なくともA275よりは起動も早いでしょうね。
同じく独断による短所
・LenovoでありながらThinkPadでなく、トラックポイントがない
これは痛いです。モバイルノートとして使う場合、マウスやトラックボールを持っていくのはまだしも置く場所が惜しくなるケースは多々あると思うのです。その場合内蔵デバイスが効力を発揮しますが、トラックポイントになれるとスライドパッドとか使い勝手が悪く感じられるんですよ。他のメーカーなら仕方ないことなのですがLenovoの場合トラックポイント無しはマイナスです。Lenovoとしてはこうした固まったイメージを打破したいんでしょうが、ユーザーから見れば「トラックポイントのあるThinkPadでないと・・・」なんです。E455なんてスライドパッドのおかげでトラックポイントが使いにくくなってたもんなぁ。
・カスタマイズができない
ideapadという製品群の特徴なのでしょうか、通販で申し込んでも他の機種のようにカスタマイズメニューが用意されていません。したがってメモリは8GB固定、ディスプレイは1920x1080固定、カードリーダーなども用意されておらず、バッテリーも内蔵の固定だけです。選べるのはAPUとSSD容量それぞれ2種類ずつの4つの組み合わせだけ。
1.カードリーダー
カードリーダーは外付けがいくらでも売ってますし、SSD容量も256GBからなのでほかのモバイル機のようにSDカードをさしっぱなしでHDD代わり、なんて手段は必要ありません。
2・メモリ
安くするために4GBを選ぶ、という選択肢は用意されていないのは欠点と言えますが、性能を考えるとやはり8GBは欲しいですし、逆にそれ以上はあまり必要ないですからこれでいいでしょう。ただ、おそらくシングルチャンネルになっているため、若干パフォーマンスに影響は出るでしょう。
3.ディスプレイ
比較的大きいので今やエントリークラスにしか使われない1366x768の解像度は不要でしょう。ただ、A275では選べたタッチパネルが選べないのは欠点と言えなくもありませんが、Windowsではやはりそれほど必要ないと思います。Androidのエミュレーターを使う、などの明確な理由でもなければ標準のもので十分です。
4・バッテリー
内蔵の4セル固定のみで選択もできなければ交換もできません。また、残念ながら同じ720sの型番を持つIntel機と比べるとバッテリーの持ちは悪く、ほぼ半分の時間(Intel12~13時間、AMD6.8時間)しか持ちません。パフォーマンスが高いせいもありますが、やはり超低消費電力モデルとなりますとIntelに一日の長があります(頂いた話ですが、バッテリーの容量も違うようです)。今のAMDの弱点はここにある、と言っていいでしょう。ちなみにA275は最大10時間と長めですが、これは3セル+6セルのバッテリーを全部搭載した場合の話。標準の6セル一つではほとんど720sAMDモデルと同じくらいの時間しか持ちません。AMD同士の比較で言えば、むしろ消費電力の効率は良くなっているようです。
カスタマイズができない、のは残念ではありますが、最大公約数の機能が選ばれていますので大きな欠点にはなっていません。
・外部出力端子に乏しい
A275には存在するHDMIを持っていません。これはトラックポイントを持たないのと同じくらい同機の残念な点です。外部に出力するにはUSB3.1のType-C端子を使い、DisplayPortに接続することになりますが、手軽にテレビにつないで動画をテレビに映す、という行為はしづらいことになります。ただし、DisplayPortに接続することで4K出力が可能になります(A275も可)。
まぁ100%満足、とまではいかないようですが、魅力は十分です。ちなみにわたしは買う予定はありません。A275を買ったばかりだし、性能に不満はないし、今あまりまとまった出費をしたくない心境にありますので。落ちついてまた物欲が戻ってくるころには、他のメーカーも追随してAMD機の選択肢が増えることを強く期待します。
約束通り、まずはこの一言から始めます。わたしは以前BristolRidge搭載のモバイルノートPC、A275を買った際に
「春頃どころかいつ出るかもわからない」「出たとしても大型筐体のものしか出ないかも知れない。わたしが欲しいのは小型で持ち運びしやすいサイズ」「もし買ったことを公開するくらい早くRavenRidge搭載モバイルノートPCが出たら「参った」と言ってそのメーカーを尊敬する」
と書きましたので、今回ばかりは素直に負けを認めます。レノボジャパンはすごい! しかも今回は外の対応も今までと違います。
レノボ、Ryzen 7 2700U搭載で約1.14kgのモバイルノート「ideapad 720S」
従来なら発売から一月以上たって、他に新製品が発売し、新鮮味がなくなってからようやくこうした商業サイトに載るのがAMDノートの扱いでした。が、今回は事前に発売が予告されました。どれだけRyzenになってAMDの扱いが変わったのか・・・。内部事情とか知りたいところですが、それは無理なので、ちょっと720sAMDモデルの長短所を見てみましょう。
独断による長所
・新世代APU、Ryzen 7 2700U/Ryzen 5 2500U搭載
なんと言ってもこれでしょう。すでにデスクトップ向けで定評のあるZenコアをCPUに、RADEONの現行コアであるVegaをGPUに、それぞれ採用して統合した最新のAPU搭載。それも発表からのタイムラグはほとんどなしでの発売です。軽く、低価格なホビー用ノートパソコンとして最適でしょう。発表されている2種類の両方が選べます。よりGPUの性能に期待するなら7、GPUは動画再生などで十分ならクロックが200MHz違う以外のCPU性能が変わらない5の方が安くていいでしょう。
・13.3インチモデル
14インチや15.4インチといったデスクトップ代用ノートではなく、ギリギリモバイル向けと言える13.3インチモデルです。ですが、重量は1.14kgと軽めで12.5インチのA275より軽いくらいです。ベゼルがかなり狭いものでディスプレイは13.3インチと言ってもA275の12.5インチより二回りは大きそうで、サイズで言えばデスクトップ代用機としても使えそう。もちろん解像度は1920x1080です。AMD機をあえて求める人は、多分デスクトップ機を別に持っている、常用ではなく用途を絞って使うノートなら買いたい、と思う人が中心だと思うのです。このサイズはそうしたサブ用とデスクトップ代用の両方の需要に対応できる理想的サイズと言えます。
・比較的低価格
性能は必要十分、特にGPUによる動画再生能力はIntel機を確実に上回るため、用途によっては最高性能ながら一番安いモデルで10万円を切っています。絶対価格ではもっと安いものもありますが、コストパフォーマンスという点では良好でしょう。ディスプレイの画質は見ていないので断言はできませんが、IPSなのでそれほど悪いものは使われていないでしょう。
・大き目の容量
メモリは8GB、SSDは256GBないし512GBです。APUの性能比で言えば十分な容量で、足りなくなるということはほとんどないと思われます。SSDの速度もPCIe NVMe/M.2接続ですから、遅いということはないでしょう。少なくともA275よりは起動も早いでしょうね。
同じく独断による短所
・LenovoでありながらThinkPadでなく、トラックポイントがない
これは痛いです。モバイルノートとして使う場合、マウスやトラックボールを持っていくのはまだしも置く場所が惜しくなるケースは多々あると思うのです。その場合内蔵デバイスが効力を発揮しますが、トラックポイントになれるとスライドパッドとか使い勝手が悪く感じられるんですよ。他のメーカーなら仕方ないことなのですがLenovoの場合トラックポイント無しはマイナスです。Lenovoとしてはこうした固まったイメージを打破したいんでしょうが、ユーザーから見れば「トラックポイントのあるThinkPadでないと・・・」なんです。E455なんてスライドパッドのおかげでトラックポイントが使いにくくなってたもんなぁ。
・カスタマイズができない
ideapadという製品群の特徴なのでしょうか、通販で申し込んでも他の機種のようにカスタマイズメニューが用意されていません。したがってメモリは8GB固定、ディスプレイは1920x1080固定、カードリーダーなども用意されておらず、バッテリーも内蔵の固定だけです。選べるのはAPUとSSD容量それぞれ2種類ずつの4つの組み合わせだけ。
1.カードリーダー
カードリーダーは外付けがいくらでも売ってますし、SSD容量も256GBからなのでほかのモバイル機のようにSDカードをさしっぱなしでHDD代わり、なんて手段は必要ありません。
2・メモリ
安くするために4GBを選ぶ、という選択肢は用意されていないのは欠点と言えますが、性能を考えるとやはり8GBは欲しいですし、逆にそれ以上はあまり必要ないですからこれでいいでしょう。ただ、おそらくシングルチャンネルになっているため、若干パフォーマンスに影響は出るでしょう。
3.ディスプレイ
比較的大きいので今やエントリークラスにしか使われない1366x768の解像度は不要でしょう。ただ、A275では選べたタッチパネルが選べないのは欠点と言えなくもありませんが、Windowsではやはりそれほど必要ないと思います。Androidのエミュレーターを使う、などの明確な理由でもなければ標準のもので十分です。
4・バッテリー
内蔵の4セル固定のみで選択もできなければ交換もできません。また、残念ながら同じ720sの型番を持つIntel機と比べるとバッテリーの持ちは悪く、ほぼ半分の時間(Intel12~13時間、AMD6.8時間)しか持ちません。パフォーマンスが高いせいもありますが、やはり超低消費電力モデルとなりますとIntelに一日の長があります(頂いた話ですが、バッテリーの容量も違うようです)。今のAMDの弱点はここにある、と言っていいでしょう。ちなみにA275は最大10時間と長めですが、これは3セル+6セルのバッテリーを全部搭載した場合の話。標準の6セル一つではほとんど720sAMDモデルと同じくらいの時間しか持ちません。AMD同士の比較で言えば、むしろ消費電力の効率は良くなっているようです。
カスタマイズができない、のは残念ではありますが、最大公約数の機能が選ばれていますので大きな欠点にはなっていません。
・外部出力端子に乏しい
A275には存在するHDMIを持っていません。これはトラックポイントを持たないのと同じくらい同機の残念な点です。外部に出力するにはUSB3.1のType-C端子を使い、DisplayPortに接続することになりますが、手軽にテレビにつないで動画をテレビに映す、という行為はしづらいことになります。ただし、DisplayPortに接続することで4K出力が可能になります(A275も可)。
まぁ100%満足、とまではいかないようですが、魅力は十分です。ちなみにわたしは買う予定はありません。A275を買ったばかりだし、性能に不満はないし、今あまりまとまった出費をしたくない心境にありますので。落ちついてまた物欲が戻ってくるころには、他のメーカーも追随してAMD機の選択肢が増えることを強く期待します。