今回もAMDブロガー勉強会関係の記事となります。
過去の会になくて今回にあったものの一つ。それがゲームソフトの提供でした。いただいたソフトはSID MEIER'S CIVILIZATION BEYOND EARTH。AMDがMatleの採用の「成功例の一つ」として挙げることが多いタイトルです。AMDはグラフィックボードはもちろんAPUにおいてもしばしばゲームをバンドルするキャンペーンを行っていますが、勉強会の提供品にはそういうバンドルがなかったため、ベンチマークをとるかゲーム関係を無視してほかの性能を見るかのレビューになるのが普通でした。もちろん発売前もしくは発売したばかりの製品を提供していただけるのは本当にありがたい話ですが、だからと言ってAMDが試してほしい機能を使える有料ソフトを買う必要性を感じなければ買わないのが個人ユーザーってものですからねぇ。そういう意図を組んだのか、すでに発売して時間のたった製品だからなのかはわかりませんが、BEYOND EARTHをはじめ、希望者にはドラゴンクエストXやPowerDVD14と言ったソフトが提供していただけることになりました。逆を言えば、「試してブログに書いてね」ということです。せっかくなので書きましょう、ネタになります。前回は機能だけをもっぱら取り上げたA68HM-P33のゲームその他におけるパフォーマンスも計測してみましょう。
なお、BEYOND EARTHは高額メディアなどをもらったわけではなく、おそらくグラボに付属しているものと同じだろうクーポンの記載されたカードを入れていただいたのみ。なのでダウンロードをしなければなりません。実はこれでひと手間かかってしまいました。まずはAMDのサイトにアクセスしてユーザー登録しなければなりません。が、ここでは携帯電話の番号がないとダメとのこと。ゲームのクーポンになんで携帯電話の番号が要るんだ? と疑問に思いつつPHSの番号を入力すると、なんと「ショートメールでパスワードを送信する」というではありませんか。PHSは基本ショートメールに対応していないので番号あてにショートメールを送られても受信することができません(これが機種変を決意させた大きな理由となりました)。しかし、その場合向こうから自動応答で電話がかかってきて読み上げられるパスワードを入力する方式も選べます、でしたのでこちらで対応することにしました。しかし、そこまでやっても得られるのはまたまたクーポン。これを今度はゲーム販売プラットフォームとしてゲーマーにはおなじみでしょうsteamにまたまたユーザー登録してダウンロードしなければなりません。これで起動用のsteamとそこで起動するバージョンのBEYOND EARTHをダウンロードしてやっと遊べるようになりました。
・・・ここで気が付きます。このBEYOND EARTH、4gamerのようなゲーム専用サイトではレビューにRADEON R9 295 X2まで出してくるほどのゲーム。「試してね」環境であるウチのAPU・A10-7800とマザーのA68HM-P33でまともに動くのか? せめてA10-7850K環境にすべきじゃないか(あんまり変わらない気もしますが)とちょっと不安になってきます。なにせマザーボードはマニア向けでも採用されたチップセット、A68Hは低価格のエントリー向けですからね。パフォーマンスに少々不安を感じてしまっても仕方ありません。そこでゲームを始める前にパフォーマンスを試してみましょう。
環境その1
・A10-7800
・A68HM-P33
・DDR3-2133 4GBx2
・Windows8.1 pro 64
環境その2
・A10-7850K
・GA-F2A88XM-HD3
・DDR3-2400 4GBx2(ただし、2400で動作させると不安定なので2133で動かしてます)
・Windows8.1 pro 64
Kaveriであることに変わりはありませんので、異なるのはAPUのCPU部分のクロックとマザーということになります。同じアーキテクチャの比較なのでベンチマークソフトの実行で十分でしょう。ここではゲーム系ベンチとしてまたまたドラゴンクエストXベンチを引っ張ってきて使うことにしましょう。なお、cTDPは7850Kは"無効"、7800は"AUTO"を選びます。最低2回計測して高い方をデータとして採用すると
7800(AUTO)
1280x720 標準 9734
1280 最高 8530
1920x1080 標準 7211
1920 最高 5379
7850K(無効)
1280x720 標準 8900
1280 最高 7985
1920x1080 標準 7204
1920 最高 5714
うそだろ・・・? と驚愕せずにはいられません。最高負荷の条件以外では7800の方が7850Kより速いんです。7800はクロックが少し低いうえ、TDPが65Wに抑えられている分7850Kよりパフォーマンスで劣るのが当たり前、その割に検討しているというのがA10-7800の評価でした。が、低負荷条件では圧倒的に7800が上になりました。あまりに7800が速いのでここでTDPを変更してやってみましょう。
7800(65W)
1280 標準 9867
1280 最高 8524
1920 標準 7186
1920 最高 5392
7800(45W)
1280 標準 9741
1280 最高 8473
1920 標準 7215
1920 最高 5380
7850K(65W)
1280 標準 8693
1280 最高 7610
1920 標準 6416
1920 最高 5245
7850K(45W)
1280 標準 5696
1280 最高 5150
1920 標準 4829
1920 最高 4226
標準TDPが65Wの7800の65Wモードを別に調べたのは、GA-F2A88XM-HD3のcTDPが"無効""65W"45W"の選択だったので標準の95Wにするには無効を選ぶのに対し、A68HM-P33のcTDP設定はAUTOと別に65Wが存在するからです。それどころかA68HM-P33で7800を使った場合、cTDPをAUTO以外に65W~45Wの間で1W単位で自由に設定できるのです。ただ、今回は規定値である65Wと45Wだけにしておきました。比べればわかりますが、7850KがTDPに応じて順当に速度が落ちているのにたいし、7800はほとんど低下していません、不自然と思うほどに。これがA10-7800の実力なのか? と驚きを隠せぬままウチにあるもう一台のA10-7800搭載PCでも調べてみました。マザーは GA-F2A88XN-WIFI。チップセットはハイクラスのA88Xです。ただし、ケースが小型であることと薄いCPUクーラーを使っているため、cTDPは45W固定です。
7800(A88X 45W)
1280 標準 8658
1280 最高 7622
1920 標準 6266
1920 最高 4788
45Wという条件を考えるとやはり7850Kより速いですが、A68HM-P33の環境より遅くなっています。ここでちょっと趣旨を変え、純粋にCPUの能力を測るため、エンコードソフトとしてHandbrake64bit版を使い、
1920x1080 13:30のMPEG2-TS
Filtters のDelecineをDefault DeinterlaceをFastに、残りはすべてデフォルト
出力はx264エンジンを使ったH.264/AVC
という条件でエンコード速度のみを計測してみました。いつものより時間の短い動画を使ったのは単なる手抜きです。すると
7800(AUTO)
10:50
7800(65W)
11:09
7800(45W)
16:24
7800(A88X 45W)
11:00
7850K(95W)
08:05
7850K(65W)
09:42
7850K(45W)
10:50
となります。A68HM-P33の調整が明らかに特徴的なのがわかると思います。どうやらGPUのクロックを固定化してTDPを落としてもゲームの3D性能が目いっぱい出るように調整していると思われます。その分のしわ寄せはCPUに行くため、A88X利用時と比べると同じCPU同じTDPとは思えないほど数値が異なるものとなってしまいました。このCPU性能の落としぶりはちょっと見過ごせないレベルになってしまっていますので、CPU性能を重視する用途向けとしてはこのマザーは向かないということになります。ただ、その特性がマザー特有なのか、チップセットA68Hの特性なのかまでは分からないですけどね。CPUを7850Kと変えてみるのも面白そうですが面倒なのでパス。APU選択の用途の一つである軽いゲーム向け、という条件に限って言えばかなり強力な性能を発揮する特異なマザーであることは言えると思います。ドラクエベンチだけで結論をつけるのは問題があるかも知れませんが、同じアーキテクチャの中での比較ですからね。
さて、ゲーム向け3D表示に限れば7850K以上であることが分かったところでBEYOND EARTHに戻りましょう。と、言ってもこのゲームはストラテジーゲームなんですよね。未開の惑星におりたって現地のエイリアンと闘ったり手なずけたり、ほかにも同様に降りてきたコロニーと外交を行ったりして都市を発展させていくゲームなんです。ちなみにこの手のゲームになれていない人にはちょっとハードルが高い感じで始めのうちなど自分が何をやっているか理解することすら困難ですが、ちょっと調子が出てくると「はっ」と気が付くと3~4時間くらい平気で消化している時間泥棒ゲームでもあります。経営・とか取引とかそういう概念のゲームが好きな人なら夢中になれると思いますよ。
まぁ内容はさておき、この手のゲームはグラフィックはもちろんキレイなことに越したことはありませんが、それより入力の反応がダイレクトだとかこっちのターンが終わったあと敵の行動が早く終わるとかそっちの方が重要な気がするんですよねぇ。となるとA68HM-P33はちょっと不向き? それでもせっかくですので実行してみましょう。ただ、このゲームは前述したとおりMantleに対応していますので、ぜひ比べてみたいですよね。4Gamerの紹介によるとベンチマーク実行ができるらしいんですね。やってみましょう。なお、cTDPはAUTOを使います。
通常のDirectXとMantleの切り替えは、ゲームアイコンを直接クリックしてゲームを立ち上げるのではなく、ゲームをsteamのライブラリから起動させることで切り替えます。一覧をそのままダブルクリックもしくは右クリック→ゲームをプレイでDirectX、右クリック→Sid Meier's Civilization Beyond Earth(AMD Mantle)でMantleモードです。その前にベンチマークですから右クリック→プロパティ→一般→起動設定→-benchmark lategameview と書き込みでベンチマークモードです。起動設定を消してしまえばゲームが立ち上がります。モードが終了するとlategameviewというファイルがゲームのフォルダの中に作成される・・・んですが、数字が並ぶばかりでどう判断すればいいか全くわかりません。どうやら表計算ソフトにぶち込んで計算させなければいけないようです。うわ~面倒くさい。せっかくなのでAPUに特化しているLibreOfficeを使ってみますか。これで全部の数字を放り込んだ(txtファイル化してD&Dするだけ)うえでAVARAGEを取ってみましょう。
DirectX 64.6263724186
Mantle 80.2820812199
おお、Mantleが数値が高い。ということは速いということなんでしょう。でもベンチはしょせんベンチ、今度は実際にゲームをやってみましょう。まずはDirectXで調整。グラフィックモードはうちのディスプレイの最大解像度である1920x1200のフルスクリーンを基準に、
・グラフィックプロフィールを"高"
・アンチエイリアシングを"EQAA 2倍/4倍"
ここまでなら割と動作はサクサク、入力がダイレクトに伝わる感触でゲームが快適です。A10-7800でもこのくらいの解像度ならなんとかなるものなんですね。
次はMantleで。当然こっちの方が速いのですか少し設定が重くてもいいでしょう。
・・・アレ? 重い設定どころか同じ設定でもMantleだとずいぶん重くなってしまいます。あきらかにDirectXの方が快適。なんでやねん? と疑問が出ましたがそれは先の4GamerのMantleレビュー記事の中にあったこの文がすべてを物語っていました。
「Mantleモードで実行した場合,MSAAを有効化すると,自動的にEQAA(Enhanced Quality Anti-Aliasing)が適用される」「Mantleモードのアンチエイリアシングは,DirectX 11モードよりも負荷が若干高くなり,しかもそれは変更できない」
なんと、Mantleではアンチエイリアシングが高い負荷でかかってしまうというではないですか。つまり、Mantleの速さだけを活用して軽めのゲームモードを遊ぶということはできないのです。どうやらMantleはAPUの内蔵を想定したものではなく、単体グラフィックボードを投入して初めて快適に遊べるものだったようですね。
Mantelの効果を確かめられなかったのは残念ですが、A68HM-P33のゲームを想定した特性を浮き彫りにすることはできました。ただ、手が足りない時に動画のエンコードも任せたいわたしとしてはちょっと想定外の性能となってしまったのは少々残念でした。
過去の会になくて今回にあったものの一つ。それがゲームソフトの提供でした。いただいたソフトはSID MEIER'S CIVILIZATION BEYOND EARTH。AMDがMatleの採用の「成功例の一つ」として挙げることが多いタイトルです。AMDはグラフィックボードはもちろんAPUにおいてもしばしばゲームをバンドルするキャンペーンを行っていますが、勉強会の提供品にはそういうバンドルがなかったため、ベンチマークをとるかゲーム関係を無視してほかの性能を見るかのレビューになるのが普通でした。もちろん発売前もしくは発売したばかりの製品を提供していただけるのは本当にありがたい話ですが、だからと言ってAMDが試してほしい機能を使える有料ソフトを買う必要性を感じなければ買わないのが個人ユーザーってものですからねぇ。そういう意図を組んだのか、すでに発売して時間のたった製品だからなのかはわかりませんが、BEYOND EARTHをはじめ、希望者にはドラゴンクエストXやPowerDVD14と言ったソフトが提供していただけることになりました。逆を言えば、「試してブログに書いてね」ということです。せっかくなので書きましょう、ネタになります。前回は機能だけをもっぱら取り上げたA68HM-P33のゲームその他におけるパフォーマンスも計測してみましょう。
なお、BEYOND EARTHは高額メディアなどをもらったわけではなく、おそらくグラボに付属しているものと同じだろうクーポンの記載されたカードを入れていただいたのみ。なのでダウンロードをしなければなりません。実はこれでひと手間かかってしまいました。まずはAMDのサイトにアクセスしてユーザー登録しなければなりません。が、ここでは携帯電話の番号がないとダメとのこと。ゲームのクーポンになんで携帯電話の番号が要るんだ? と疑問に思いつつPHSの番号を入力すると、なんと「ショートメールでパスワードを送信する」というではありませんか。PHSは基本ショートメールに対応していないので番号あてにショートメールを送られても受信することができません(これが機種変を決意させた大きな理由となりました)。しかし、その場合向こうから自動応答で電話がかかってきて読み上げられるパスワードを入力する方式も選べます、でしたのでこちらで対応することにしました。しかし、そこまでやっても得られるのはまたまたクーポン。これを今度はゲーム販売プラットフォームとしてゲーマーにはおなじみでしょうsteamにまたまたユーザー登録してダウンロードしなければなりません。これで起動用のsteamとそこで起動するバージョンのBEYOND EARTHをダウンロードしてやっと遊べるようになりました。
・・・ここで気が付きます。このBEYOND EARTH、4gamerのようなゲーム専用サイトではレビューにRADEON R9 295 X2まで出してくるほどのゲーム。「試してね」環境であるウチのAPU・A10-7800とマザーのA68HM-P33でまともに動くのか? せめてA10-7850K環境にすべきじゃないか(あんまり変わらない気もしますが)とちょっと不安になってきます。なにせマザーボードはマニア向けでも採用されたチップセット、A68Hは低価格のエントリー向けですからね。パフォーマンスに少々不安を感じてしまっても仕方ありません。そこでゲームを始める前にパフォーマンスを試してみましょう。
環境その1
・A10-7800
・A68HM-P33
・DDR3-2133 4GBx2
・Windows8.1 pro 64
環境その2
・A10-7850K
・GA-F2A88XM-HD3
・DDR3-2400 4GBx2(ただし、2400で動作させると不安定なので2133で動かしてます)
・Windows8.1 pro 64
Kaveriであることに変わりはありませんので、異なるのはAPUのCPU部分のクロックとマザーということになります。同じアーキテクチャの比較なのでベンチマークソフトの実行で十分でしょう。ここではゲーム系ベンチとしてまたまたドラゴンクエストXベンチを引っ張ってきて使うことにしましょう。なお、cTDPは7850Kは"無効"、7800は"AUTO"を選びます。最低2回計測して高い方をデータとして採用すると
7800(AUTO)
1280x720 標準 9734
1280 最高 8530
1920x1080 標準 7211
1920 最高 5379
7850K(無効)
1280x720 標準 8900
1280 最高 7985
1920x1080 標準 7204
1920 最高 5714
うそだろ・・・? と驚愕せずにはいられません。最高負荷の条件以外では7800の方が7850Kより速いんです。7800はクロックが少し低いうえ、TDPが65Wに抑えられている分7850Kよりパフォーマンスで劣るのが当たり前、その割に検討しているというのがA10-7800の評価でした。が、低負荷条件では圧倒的に7800が上になりました。あまりに7800が速いのでここでTDPを変更してやってみましょう。
7800(65W)
1280 標準 9867
1280 最高 8524
1920 標準 7186
1920 最高 5392
7800(45W)
1280 標準 9741
1280 最高 8473
1920 標準 7215
1920 最高 5380
7850K(65W)
1280 標準 8693
1280 最高 7610
1920 標準 6416
1920 最高 5245
7850K(45W)
1280 標準 5696
1280 最高 5150
1920 標準 4829
1920 最高 4226
標準TDPが65Wの7800の65Wモードを別に調べたのは、GA-F2A88XM-HD3のcTDPが"無効""65W"45W"の選択だったので標準の95Wにするには無効を選ぶのに対し、A68HM-P33のcTDP設定はAUTOと別に65Wが存在するからです。それどころかA68HM-P33で7800を使った場合、cTDPをAUTO以外に65W~45Wの間で1W単位で自由に設定できるのです。ただ、今回は規定値である65Wと45Wだけにしておきました。比べればわかりますが、7850KがTDPに応じて順当に速度が落ちているのにたいし、7800はほとんど低下していません、不自然と思うほどに。これがA10-7800の実力なのか? と驚きを隠せぬままウチにあるもう一台のA10-7800搭載PCでも調べてみました。マザーは GA-F2A88XN-WIFI。チップセットはハイクラスのA88Xです。ただし、ケースが小型であることと薄いCPUクーラーを使っているため、cTDPは45W固定です。
7800(A88X 45W)
1280 標準 8658
1280 最高 7622
1920 標準 6266
1920 最高 4788
45Wという条件を考えるとやはり7850Kより速いですが、A68HM-P33の環境より遅くなっています。ここでちょっと趣旨を変え、純粋にCPUの能力を測るため、エンコードソフトとしてHandbrake64bit版を使い、
1920x1080 13:30のMPEG2-TS
Filtters のDelecineをDefault DeinterlaceをFastに、残りはすべてデフォルト
出力はx264エンジンを使ったH.264/AVC
という条件でエンコード速度のみを計測してみました。いつものより時間の短い動画を使ったのは単なる手抜きです。すると
7800(AUTO)
10:50
7800(65W)
11:09
7800(45W)
16:24
7800(A88X 45W)
11:00
7850K(95W)
08:05
7850K(65W)
09:42
7850K(45W)
10:50
となります。A68HM-P33の調整が明らかに特徴的なのがわかると思います。どうやらGPUのクロックを固定化してTDPを落としてもゲームの3D性能が目いっぱい出るように調整していると思われます。その分のしわ寄せはCPUに行くため、A88X利用時と比べると同じCPU同じTDPとは思えないほど数値が異なるものとなってしまいました。このCPU性能の落としぶりはちょっと見過ごせないレベルになってしまっていますので、CPU性能を重視する用途向けとしてはこのマザーは向かないということになります。ただ、その特性がマザー特有なのか、チップセットA68Hの特性なのかまでは分からないですけどね。CPUを7850Kと変えてみるのも面白そうですが面倒なのでパス。APU選択の用途の一つである軽いゲーム向け、という条件に限って言えばかなり強力な性能を発揮する特異なマザーであることは言えると思います。ドラクエベンチだけで結論をつけるのは問題があるかも知れませんが、同じアーキテクチャの中での比較ですからね。
さて、ゲーム向け3D表示に限れば7850K以上であることが分かったところでBEYOND EARTHに戻りましょう。と、言ってもこのゲームはストラテジーゲームなんですよね。未開の惑星におりたって現地のエイリアンと闘ったり手なずけたり、ほかにも同様に降りてきたコロニーと外交を行ったりして都市を発展させていくゲームなんです。ちなみにこの手のゲームになれていない人にはちょっとハードルが高い感じで始めのうちなど自分が何をやっているか理解することすら困難ですが、ちょっと調子が出てくると「はっ」と気が付くと3~4時間くらい平気で消化している時間泥棒ゲームでもあります。経営・とか取引とかそういう概念のゲームが好きな人なら夢中になれると思いますよ。
まぁ内容はさておき、この手のゲームはグラフィックはもちろんキレイなことに越したことはありませんが、それより入力の反応がダイレクトだとかこっちのターンが終わったあと敵の行動が早く終わるとかそっちの方が重要な気がするんですよねぇ。となるとA68HM-P33はちょっと不向き? それでもせっかくですので実行してみましょう。ただ、このゲームは前述したとおりMantleに対応していますので、ぜひ比べてみたいですよね。4Gamerの紹介によるとベンチマーク実行ができるらしいんですね。やってみましょう。なお、cTDPはAUTOを使います。
通常のDirectXとMantleの切り替えは、ゲームアイコンを直接クリックしてゲームを立ち上げるのではなく、ゲームをsteamのライブラリから起動させることで切り替えます。一覧をそのままダブルクリックもしくは右クリック→ゲームをプレイでDirectX、右クリック→Sid Meier's Civilization Beyond Earth(AMD Mantle)でMantleモードです。その前にベンチマークですから右クリック→プロパティ→一般→起動設定→-benchmark lategameview と書き込みでベンチマークモードです。起動設定を消してしまえばゲームが立ち上がります。モードが終了するとlategameviewというファイルがゲームのフォルダの中に作成される・・・んですが、数字が並ぶばかりでどう判断すればいいか全くわかりません。どうやら表計算ソフトにぶち込んで計算させなければいけないようです。うわ~面倒くさい。せっかくなのでAPUに特化しているLibreOfficeを使ってみますか。これで全部の数字を放り込んだ(txtファイル化してD&Dするだけ)うえでAVARAGEを取ってみましょう。
DirectX 64.6263724186
Mantle 80.2820812199
おお、Mantleが数値が高い。ということは速いということなんでしょう。でもベンチはしょせんベンチ、今度は実際にゲームをやってみましょう。まずはDirectXで調整。グラフィックモードはうちのディスプレイの最大解像度である1920x1200のフルスクリーンを基準に、
・グラフィックプロフィールを"高"
・アンチエイリアシングを"EQAA 2倍/4倍"
ここまでなら割と動作はサクサク、入力がダイレクトに伝わる感触でゲームが快適です。A10-7800でもこのくらいの解像度ならなんとかなるものなんですね。
次はMantleで。当然こっちの方が速いのですか少し設定が重くてもいいでしょう。
・・・アレ? 重い設定どころか同じ設定でもMantleだとずいぶん重くなってしまいます。あきらかにDirectXの方が快適。なんでやねん? と疑問が出ましたがそれは先の4GamerのMantleレビュー記事の中にあったこの文がすべてを物語っていました。
「Mantleモードで実行した場合,MSAAを有効化すると,自動的にEQAA(Enhanced Quality Anti-Aliasing)が適用される」「Mantleモードのアンチエイリアシングは,DirectX 11モードよりも負荷が若干高くなり,しかもそれは変更できない」
なんと、Mantleではアンチエイリアシングが高い負荷でかかってしまうというではないですか。つまり、Mantleの速さだけを活用して軽めのゲームモードを遊ぶということはできないのです。どうやらMantleはAPUの内蔵を想定したものではなく、単体グラフィックボードを投入して初めて快適に遊べるものだったようですね。
Mantelの効果を確かめられなかったのは残念ですが、A68HM-P33のゲームを想定した特性を浮き彫りにすることはできました。ただ、手が足りない時に動画のエンコードも任せたいわたしとしてはちょっと想定外の性能となってしまったのは少々残念でした。