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"テレビ"に望む方向性の違い

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10万円前後の価格で4K解像度、しかも23.8型という比較的手軽なサイズということもあって注目を集めたDellのPC用液晶ディスプレイが、秋葉原はツクモの店頭で販売を始めたそうですね。

実質10万円以下のデル製4K液晶ディスプレーが店頭販売開始

DVI-Dがないので必要な場合HDMIかMini DisplayPortを変換して使うことになる(簡単に外れてしまいそう)ことや、HDMIが1.4aに留まるのでそっちでの4K出力は30Hzになってしまうのが残念ですが、あくまで本領発揮は60Hz出力可能なDisplayPort利用時。それに現状4K解像度を入手出来るもっとも手軽な選択肢であるところは間違いなく、店頭で気になる画質がチェックできるのは嬉しいところ。もちろん東京近辺在住者に限られてしまいますが、これはどうしようもありません。消費税増税前に購入出来るということもあって気になる人も少なくないと思います。

ただ、このディスプレイが現在のPCユーザーにとって欲しいと思われる望まれた製品なのか? と問われると答えに困るところ。PCと言う分野のユーザーは保守的で「進化」を「変化」と見なし、あまり望まない傾向にあります。4Kディスプレイを従来の2Kと同じように使えば文字が小さすぎて実用性に欠けてしまいます。文字などを補正してくれる拡大表示機能が改良されたWindows8.1ならかなり実用的に使えますが、現実には8や8.1の変化を嫌ってWindows7に留まる人が多いのですがもはや旧式となった7では拡大機能も劣り、4Kの価値を発揮しきれません。かく言うわたしも普段使うPCこそ8.1にしたもののエンコード作業がメインのPCはWindows7のままになっています。こういったそれなりにヘビーだけど保守的なPCユーザーにとっては、前から何度も書いているんですがほどほどの製品、現在27〜32インチという大型クラスが主流の2.5K・2560x1440ディスプレイ、それが24インチ程度に収まって8万円前後。そんなディスプレイが、27インチ以上は大きすぎと思うけど今の1920x1200や1080では少し狭さを感じ始めているユーザーにとって一番「収まりが良い」、望まれているディスプレイではないかと思います。未だどこからも発売されてないですから欲しくても買えないんですけどね。
それでも4Kに引かれるのは、やはり映像分野、がこれから少なくとも4Kには向かうことがはっきりしているからです。日本放送協会などは4Kは腰掛けで8Kまで突き進むことを望んでいるようですがうまく行くかどうか不明。ですが、4K表示くらいは手元で可能にしておきたいと考えるのもAV機器好きとしては当然のことで、小型低価格なDellの4Kディスプレイに対して興味津々というわけです。
なにせ4Kとして売られているテレビは、値段がそれなりにするのは仕方ないとして最低でも55型と超大型しか存在せず、個室に置きたいのにリビングじゃないと置けません。しかもここから先も小型化より大型化の進行が予定されて、特に国内ではテレビにOSを仕込む「スマートテレビ」が事実上4K以上のテレビに対して必須機能とされており、テレビを映像ソフトや衛星放送を視聴するためのディスプレイとして活用したい人間の望む方向とは別の方向を向いて進行しているからです。テレビ業界にとってあくまでテレビは家庭の王者であるべしという考えがあるのでしょうし、テレビがOSで動くようになれば便利な面もあるように思いますが、テレビのOS化はユーザーの利便よりもCMの挿入やアプリ・配信の販売強化という販売側の都合を優先に考えたシステムに見えてなりません。さらに言えば、これまでのテレビ業界の犯した悪行の数々を考慮に入れると、むしろ「ユーザーが利用する映像ソフトの管理」や「表示の規制」などをネットを通して行うというマイナス方面技術が積極的に導入される懸念さえあります。だからこそスマート機能を外部STBなどではなくテレビに直接組み込んで全てをOSで処理させるのではないかと。わたしはテレビはなによりも映像ソフトを美しい画面で再生することが第一であり、それ以外の機能など二の次三の次と考えているので総スマートテレビ化には反対なのですが、そういう希望に応える方には来てくれそうにありません。テレビを地上波の受信機と考えず映像ソフトをメインにする人は、プロジェクターとスクリーンを使って映画館風に視聴するか、PCとディスプレイを利用して個室で視聴するかの二極に分かれ、テレビを買わなくなる日が近い将来来るのではないかと予想しています。今回の24型4Kディスプレイは(必ずしも映像ソフト視聴用としての機能が高いわけではないようですが)その先駆けになるかも知れません。


一方それでもテレビの支配者であろうとする地上波ですが、スマートテレビ機能の確立のため、実証実験と称してハイブリッドキャスト放送を行うとか。

「人狼〜嘘つきは誰だ〜」第5段、3月にハイブリッドキャストで放送

「放送と通信の融合」が叫ばれ始めたとき、誰が「テレビを点けっぱなしにしたまま手元のコンピュータ(こんにちのスマホ含む)を覗いて連動情報やCMを見たり短文を書き込みしたりする」ことであると想像したでしょうか。テレビは自分らの番組がついて映ってさえいればよくて、番組中は手元でよそ見してくれていて全然構わないという番組がこれからの番組なんだそうです。今までも真面目に見ようとしている人より、やる気もなくダラダラリモコンでチャンネルを変えたり・テレビをとりあえず点けっぱなしにしている人をターゲットにした番組にシフトしてきたのが地上波の放送ですが、その方向はさらに進むようです。画面をあまり見ないことを前提とした番組、どういうものになるのでしょうか。深夜番組では地方では放送がない場合が多いので試視聴できない・・・と言いたいところですが3月7日はまた東京にいる予定です。忘れていなければどんなものになるのか体験しても良さそうですね。

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