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パソコンがタブレットに喰われている、が信じられないわたし

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WindowsBlueというコードネームだった次のWindowsバージョンの名前が8.1と決まり、今年中にも出るとか。Windows8が出て一年程度で交代とはずいぶん早いですが、Windows8利用者は無償でアップグレードできるとか。

「Windows Blue」は無償! 正式名称も明らかに

昔ならWindows95のOSR2〜2.5はOEM版の有償のみでメーカー製PCではアップグレード手段すら用意せず、Windows98SEも有料での提供だったマイクロソフトとは思えないやり方ですが、それだけ変更点が少ない、それまでのOSのサービスパックに近い程度の変更点ということでしょう、見た目の変更くらいはあるかも知れませんけどね。".1"を点けたのは、Windowsのバージョンの.1は割りと売れるので(Windows3.1、WindowsXPは内部NT5.1、Windows7は内部6.1。ちなみにWindows8は6.2)縁起を担いでということでしょう、多分。

見ようによっては、バージョン入れ替えにもかかわらず有償が出来ないほどパソコンのOSの売り上げがマズイ、とも取れますね。最近日本のマスコミでパソコンを取り上げられるときは、必ず「タブレットやスマホに喰われている」の一言がお決まりのように語れる言葉になっています。が、本当でしょうかねぇという思いも。確かにスマホは売れており、普及が拡大しているのは確かでしょう。が、その大きな理由はガラケーが売っていないからではないかと思ってます。スマホがウィルコムくらいしかなかったころ、ガラケーが主流で携帯電話の拡大にしたがってよく売れていましたが、「パソコンが携帯電話に喰われている」という言葉はスマホのときほど強く使われませんでしたよね。それにスマートフォンは値段が結構する上に回線使用料を払う契約をせねばならず、さらに途中解約をするときには解約料が必要になるなど料金面で不利で、頻繁に買い換えたり複数台持ちを多くの人が続けられるとはとても思えません。一部のデジタル機器マニア以外はそろそろ落ち着くと思っています。
一方タブレットですが、確かに8インチを切る機種が注目を浴びたことで売り上げは伸びたでしょう。が、日本ではそれでもまだパソコンの需要を喰うほど売れているようには見えないのです。ただ、Intelがもくろんでいた持ち歩けるサブPCとしてのUltrabookが安いタブレットにそれなりに喰われているとは思います。ノートPCがUltrabookに置き換わるというIntelのシナリオは思ったほどうまく言ってはいないとは思いますが、置いて使うパソコン自体の必要性はまだまだ健在でしょう。
必要性はあっても買い替えの需要がそれほどない、のがパソコンの売り上げがあまり伸びない理由であり、スマホやタブレットなどあまり関係ないというのがわたしの見立てです。一部で「スマホやタブレットの便利さになれた人がいまさらパソコンでネットなんかするわけがない」と語る人もいますが、ああいうものはねっころがったり歩きながら使う分には便利だったり、パソコンを使ったことが無い人間がとりあえず覚える分にはいいと言うだけで、パソコンを使い慣れた人間が本格的に乗り換えられるかと言えば、やはり無理、イライラするだけじゃないかと思うのです。だって腰を落ち着けて使う時は全部手元で操作できるパソコンが断然使いやすいし。

パソコンの需要が伸びない理由としては、Windows8の評判が良くないこと。厳密に言えば「悪いと評価しておけばとりあえず問題ない空気になっていること」にあるでしょう。かつてのVistaと同じ流れです。Vistaは確かに重いOSでしたが、SSDなどが出てきたころ以降の機種なら特に問題なく、今となってはXPと7のいいところ取りの使い勝手の具合がいいOSになってます(64ビットOSで32ビットのソフトが遅くなる可能性がありますのでいまさらお勧めはしませんが)。使いにくいのは段階調整が出来ないUACくらいなものでしょう。
Windows8も、確かにスタートメニューボタンがなくなった点はあまりに痛く、そうまでしてマイクロソフトが移行をもくろんだModernUIもあまり使われていないのは確かでしょう。ですが、同じように思った人がスタートメニュー相当のボタンをつけてくれるソフトがいくつも発表されており、それらを付ければあまり使い勝手は変わりません。ModernUIは使わないと思うのなら使わなければいいだけ。まぁ3Dフリップが使えなくなったとかありますが、あれみんな忘れてるから関係ないでしょ(笑)、Windows7でも一応あるけど(Windowsキー+Tab)。MediaCenterがなくなったのも痛いですが、それを欠点に思うのは一部の用途だけですから、そういう場合だけWindows7を使い続けるのもありでしょうし。
SSDや省電力への最適化が進み、起動は速くなっているしPCへのタッチ機能搭載もすすみました。築かれた悪評が自然、という空気さえ無視すればWindows8なPCを買うのはちっとも間違ったことではないのです。バージョン名を変更するのは、その流れを一度断ち切りたいというマイクロソフトの思惑が大きいのでしょう。ご存知のようにまもなくXPのサポートが切れますので、マイクロソフトにとっては潜在的パソコン需要を引き起こすチャンスです。そこに向けて名目上だけでも新OSを用意したかったというのはよく分かります。
それだけに、今のうちに「もうパソコンは必要ない」という空気を作っておきたい層ががんばるのでしょうね。そんな層がどこにいるのかよくわかりませんが、少なくとも日本には個人はパソコンではなくスマホやタブレットを使っていた方が都合がいい層が存在しそうです。せいぜいSNSへの書き込みだけで情報への接触が受身一辺倒になり、自ら情報発信をする個人が減った方がいいところとか、規制とその範囲内でしか録画番組を扱えない状況を望む業界とか。

ただ、ここまで書いてきておいてなんですが、組み立てパソコンの方となると先行き不安でいっぱいですけどね。パーツを扱うメーカーはすっかり減ってしまいました。秋葉原もまたパーツショップが閉店するとか。わたしも年に数回秋葉原に行くのですが、最近は行くところがなくなってうろつく場所に困る始末。来月にも出るIntelの新CPUも目玉となる新GPU機能はノート用だけで、据え置き用は従来型の改良型だけが搭載されるなど脱据え置きに向けた流れが感じられます。いずれは最低限のパーツが組み込まれた状態で販売されるフレームモデルのPCが最小単位となる日が来るでしょう。が、その日はなるべく遅くあって欲しいですね、必要な部分だけ交換できるというのが本当の便利さだとわたしは信じていますので。

追記:
おそらくほとんどの人がWindows8.1にはスタートメニューが復活すると思っているでしょう。が、それだとマイクロソフトがユーザーに負けを認めたことになり、今後新機能の搭載や旧機能の切り捨てがしにくくなり、OSのバージョンアップがますます進まなくなってしまう危険性があります。なので、あえて「XP風起動モード」が搭載されると予想しましょう。「標準」だと8と変わらず、スタートメニューなしでModernUI起動、「XP風」だとスタートメニュー付デスクトップ起動でModernUIは別途呼び出し、とか。シェルの変更でVista風とかもあり。

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