いまや片手で数えられる数の大手メーカー以外の製品はほとんど見られることがなくなったレコーダーですが、2本目の指で数えられる数少ない例外メーカーのひとつが日本デジタル家電。その代名詞とも言うべき製品が「ロクラク」シリーズです。と、言ってもその使い方の主力は、レコーダーを売るのではなく貸すことで、その映像はインターネットを通じて離れたところから視聴できるようになるというサービスにあったわけなんですが。これがご存知の通り既得権の維持にやっきになったキー局連合に裁判に持ち込まれ、圧倒的な物量の違いと「カラオケ法理」による強引な理論の振りかざしの前に袋叩きにされ、事実上販売のみ、となってさらに規模が小さくなった感があるのですが。
それでも、ロクラクシリーズは続いていて、最近は「全録」が主流となっております。というより、大手(東芝をのぞく)以外のメーカーのレコーダーは基本全録をウリとした機器をフラグシップにしたものばかりですので、日本デジタル家電もその例外ではないというだけの話なのですが。
ロクラクの新全録機「ロクラクIII・ALPHA IIサーバ」を試す
このロクラクシリーズ最新型、ロクラクIII・ALPHA IIサーバというIIなんだかIIIなんだか分からない機種のレビュー記事に刺激されて今回のエントリーを書いているわけなんですが、全録と言っても地上波、それはわたしの興味の範疇外です。わたしが注目したのは、このALPHA IIがおそらく初めて搭載した機能、「アナログループバック」機能です。
思い出しましたよ、確か2007年10月10日というたった一日、わたしがデジタル放送に初めて希望を持ち、かつ維持することが出来た唯一の日。いまは軽蔑をこめて"ダビ10"としか呼んでやっていないダビング10の詳細が公開された日のことです。と、言ってもわたしをはじめ、多くの人はプロテクト付DVDが10枚焼くことが出来るだけ、のダビ10など全く眼中にありませんでした。そんなものよりはるかに衆目を集めたのは、「ダビングもアナログは無制限」の一言でした。少なくともそれから何日も、場合によっては1か月以上、「アナログは無制限」という言葉はダビ10そのものなど忘れられるほどネット上に飛び交いました。アナログなら無制限の録画が可能、から「アナログなら自由にエンコードもコピーも出来るダビングが可能」とみんなが信じ込み、期待し、「それならこっちも妥協してもいい」と、初めて感じられた歩み寄りに、人の温かみすら感じたほどです。でも、それは翌日には、正確にはその日の夜には裏切れていたことが判明しました。「無制限」とは録画形式のことではなく、アナログダビングなら回数はカウントされない、というだけの回数無制限に過ぎず、録画後はエンコードはもちろんコピーも一切させない録画形式のみ許してやる、という温かみどころか傲慢さばかりが感じられる内容だったのです。意図的に「アナログは無制限」という、必ずしも事実を述べたわけではない言葉を使い、マニア層をだまそうとしたのです。おそらく、「意外とある〜」で紹介しているような規制に該当しないアナログダビングはともかく、この「アナログは無制限」ダビングを当初の希望のように日々活用している人など、この地球上に一人も存在しないでしょう。それ以来、わたしは「アナログは無制限」という言葉を「全ての真実を言っているわけではない」という詐欺行為の代名詞として使っています。
その、わずかな幸せだった時間に、確かこのレコーダーと同じループ機能を妄想しました。
「きっとわざわざレコーダーを2台つながなくてもダビングできるよう、内部アナログ処理で全自動ダビング機能を搭載したレコーダーが発売されるぞ。それどころか予約録画時に設定しておけば自動的にデジタル録画とアナログ録画の両方をHDD内に作ってくれるレコーダーなんかも出来るかも知れない(当時カノープスのキャプチャーボード用にそういうソフトがあった)」
などと。もし「アナログは無制限」が当初のわたしらの予想通りだったら、これほどレコーダーが売れないという状況はなかったかも知れません。少なくともPC用の所謂合法チューナーに見向きもしない、なんて状況にはならなかったことでしょう。ひょっとしたら直接デジタル録画できるPC用チューナーの需要も起きなかったかも知れません。もちろん、今となっては遅すぎて欲しくもなんともないですけどね。
そのときの心境を思い出しました。内部でアナログダビングできるレコーダー、いや、こんなに時間がたって登場するとは。しょせん「アナログは無制限」ダビングなんで役に立つはずもありません。それになによりD3/D4出力が有料オプション扱いです。D3/D4入力は標準装備なんですけど。いろいろと不思議なレコーダーです。
お値段が大変高いので、これ買うくらいならPCのチューナー増やすとか、いいBDプレーヤー買ったほうがお得とは言えます。でもなんかしたい、という意気込みだけは感じられてほのぼのしたものを感じます。
それでも、ロクラクシリーズは続いていて、最近は「全録」が主流となっております。というより、大手(東芝をのぞく)以外のメーカーのレコーダーは基本全録をウリとした機器をフラグシップにしたものばかりですので、日本デジタル家電もその例外ではないというだけの話なのですが。
ロクラクの新全録機「ロクラクIII・ALPHA IIサーバ」を試す
このロクラクシリーズ最新型、ロクラクIII・ALPHA IIサーバというIIなんだかIIIなんだか分からない機種のレビュー記事に刺激されて今回のエントリーを書いているわけなんですが、全録と言っても地上波、それはわたしの興味の範疇外です。わたしが注目したのは、このALPHA IIがおそらく初めて搭載した機能、「アナログループバック」機能です。
思い出しましたよ、確か2007年10月10日というたった一日、わたしがデジタル放送に初めて希望を持ち、かつ維持することが出来た唯一の日。いまは軽蔑をこめて"ダビ10"としか呼んでやっていないダビング10の詳細が公開された日のことです。と、言ってもわたしをはじめ、多くの人はプロテクト付DVDが10枚焼くことが出来るだけ、のダビ10など全く眼中にありませんでした。そんなものよりはるかに衆目を集めたのは、「ダビングもアナログは無制限」の一言でした。少なくともそれから何日も、場合によっては1か月以上、「アナログは無制限」という言葉はダビ10そのものなど忘れられるほどネット上に飛び交いました。アナログなら無制限の録画が可能、から「アナログなら自由にエンコードもコピーも出来るダビングが可能」とみんなが信じ込み、期待し、「それならこっちも妥協してもいい」と、初めて感じられた歩み寄りに、人の温かみすら感じたほどです。でも、それは翌日には、正確にはその日の夜には裏切れていたことが判明しました。「無制限」とは録画形式のことではなく、アナログダビングなら回数はカウントされない、というだけの回数無制限に過ぎず、録画後はエンコードはもちろんコピーも一切させない録画形式のみ許してやる、という温かみどころか傲慢さばかりが感じられる内容だったのです。意図的に「アナログは無制限」という、必ずしも事実を述べたわけではない言葉を使い、マニア層をだまそうとしたのです。おそらく、「意外とある〜」で紹介しているような規制に該当しないアナログダビングはともかく、この「アナログは無制限」ダビングを当初の希望のように日々活用している人など、この地球上に一人も存在しないでしょう。それ以来、わたしは「アナログは無制限」という言葉を「全ての真実を言っているわけではない」という詐欺行為の代名詞として使っています。
その、わずかな幸せだった時間に、確かこのレコーダーと同じループ機能を妄想しました。
「きっとわざわざレコーダーを2台つながなくてもダビングできるよう、内部アナログ処理で全自動ダビング機能を搭載したレコーダーが発売されるぞ。それどころか予約録画時に設定しておけば自動的にデジタル録画とアナログ録画の両方をHDD内に作ってくれるレコーダーなんかも出来るかも知れない(当時カノープスのキャプチャーボード用にそういうソフトがあった)」
などと。もし「アナログは無制限」が当初のわたしらの予想通りだったら、これほどレコーダーが売れないという状況はなかったかも知れません。少なくともPC用の所謂合法チューナーに見向きもしない、なんて状況にはならなかったことでしょう。ひょっとしたら直接デジタル録画できるPC用チューナーの需要も起きなかったかも知れません。もちろん、今となっては遅すぎて欲しくもなんともないですけどね。
そのときの心境を思い出しました。内部でアナログダビングできるレコーダー、いや、こんなに時間がたって登場するとは。しょせん「アナログは無制限」ダビングなんで役に立つはずもありません。それになによりD3/D4出力が有料オプション扱いです。D3/D4入力は標準装備なんですけど。いろいろと不思議なレコーダーです。
お値段が大変高いので、これ買うくらいならPCのチューナー増やすとか、いいBDプレーヤー買ったほうがお得とは言えます。でもなんかしたい、という意気込みだけは感じられてほのぼのしたものを感じます。