昔からPCで録画をしている人ならおなじみ、PEGASYSのTMPGEnc Video Mastering Worksの最新版、8が、初期の段階では使い物にならない状態だったのが先月バージョンアップが行われ、やっとある程度まともに使えるようになってきたので、様子を見てみます。画質に関しては同じ傾向だと思うので、以前の記事を参照してください。
最近のバージョンアップによって、やっとAV1にアスペクト比が追加できるようになりました。以前だとH.265はアスペクト比指定ができましたから1440x1080の映像を解像度そのまま16:9で変換できましたが、AV1はできませんでしたから解像度を変更するかアスペクト比を変更するかの実験的映像しか作ることができませんでした。それができるようになったことでやっと実用レベルに達した、と言っていいでしょう。ただ、まだバグはあります。最大の問題は、少なくとも我が家のCore i7 12700の内蔵GPUでエンコードができない、ということです。A310ではできるんですが、内臓エンコーダーを内蔵GPUに切り替えるとAV1どころかH.265/HEVCにさえ使えない状況です。デバイスマネージャーからA310を無効にして内蔵のみで動かしても同じでした。なお、TMPGEnc Video Mastering Worksのバージョン7ならH.265/HEVCのエンコーダーに内蔵GPUを選ぶことができるので、設定やドライバは間違ってないと思います。よって、Intelのエンコーダーを2個同時に使って高速化・・・ということは少なくとも現状は不可能です。
今回は速度のみを図ってみています。元動画は前回と同じ、1440x1080・約30分のものですが、今回はビットレートを実用レベルの2Mbpsまで上げて速度を計測しています。
AV1(HE)とても遅い 2分54秒AV1(HE)標準 1分54秒AV1(SVT)とても遅い 12時間21分12秒AV1(SVT)標準 7分17秒x265とても遅い 2時間26分45秒
x265とても遅い 2時間58分41秒(バージョン7使用)
速度は同じ傾向ですね。相変わらずSVTの「とても遅い」は非実用レベル。圧縮率はかなりいいんですけどね。現実的には「遅い」止まりにしておいた方が良いでしょう。前回の計測からx265の「とても遅い」より早く、かつ圧縮率も良好と思われますので。8の特徴と言えばAV1対応ですが、汎用性の問題からAV1よりH.265/HEVCを使いたい。そのなら7でとどめてもいいんじゃないか・・・と思っている人もいるかと思って7も比較対象に入れていますが、ごらんのとおり8では7よりかなり速くなっています。前回はいろいろおかしいのでバグがあったんじゃないか、と疑ってましたが今回見る限りエンコーダーのエンジンがソフトの方かわかりませんが最適化が進んでいるようです。Intel内蔵GPUでエンコードができない可能性は高いですが、外部GPUやソフトのH.265/HEVCしか使わないという人でも8への乗り換えは「アリ」でしょう。内蔵派の人は対応するまで待つしかないですね。ただ内蔵エンコードのH.265/HEVCなら7でも大差ないですけどね。バージョン8もう一つの特徴として、フィルタ処理がVULKANに対応しています。GeForceがCUDAに対応した初期のころからフィルタ処理だけGPUに任せることができる、というのはTMPGEnc Video Mastering Worksの特徴の一つ。せっかくなので使ってみます。なお、エンコーダーに選べない内蔵GPUがVULKAN処理を任せるGPUとして選ぶことはできます。不思議。ただ、今回はA310に全部任せてあります。
VULKAN有効速度x265とても遅い 2時間26分45秒(無)→2時間25分57秒AV1(SVT)標準 7分17秒(無)→7分28秒AV1(HE)とても遅い 2分54秒→2分53秒
x265とても遅いでは少し差が出ましたが、誤差の範囲に毛が生えた程度。SVT標準に関して言えば遅くなってますしね・・・。これはA310の能力が別に高くないということもあるでしょうが、それ以上に我々のような使い方の場合そもそもVULKAN処理を加えて効果が見られるほどのフィルター処理をさせないという理由があります。インターレースの解除とかそういうやつだけなら効果がほぼなくて当然です。むしろVULKANとCPUに処理を分離した分もともと速いソフトエンコードでは遅くなる、とこういうことでしょうね。これは期待しなくてもいいでしょう。
最近のバージョンアップによって、やっとAV1にアスペクト比が追加できるようになりました。以前だとH.265はアスペクト比指定ができましたから1440x1080の映像を解像度そのまま16:9で変換できましたが、AV1はできませんでしたから解像度を変更するかアスペクト比を変更するかの実験的映像しか作ることができませんでした。それができるようになったことでやっと実用レベルに達した、と言っていいでしょう。ただ、まだバグはあります。最大の問題は、少なくとも我が家のCore i7 12700の内蔵GPUでエンコードができない、ということです。A310ではできるんですが、内臓エンコーダーを内蔵GPUに切り替えるとAV1どころかH.265/HEVCにさえ使えない状況です。デバイスマネージャーからA310を無効にして内蔵のみで動かしても同じでした。なお、TMPGEnc Video Mastering Worksのバージョン7ならH.265/HEVCのエンコーダーに内蔵GPUを選ぶことができるので、設定やドライバは間違ってないと思います。よって、Intelのエンコーダーを2個同時に使って高速化・・・ということは少なくとも現状は不可能です。
今回は速度のみを図ってみています。元動画は前回と同じ、1440x1080・約30分のものですが、今回はビットレートを実用レベルの2Mbpsまで上げて速度を計測しています。
AV1(HE)とても遅い 2分54秒AV1(HE)標準 1分54秒AV1(SVT)とても遅い 12時間21分12秒AV1(SVT)標準 7分17秒x265とても遅い 2時間26分45秒
x265とても遅い 2時間58分41秒(バージョン7使用)
速度は同じ傾向ですね。相変わらずSVTの「とても遅い」は非実用レベル。圧縮率はかなりいいんですけどね。現実的には「遅い」止まりにしておいた方が良いでしょう。前回の計測からx265の「とても遅い」より早く、かつ圧縮率も良好と思われますので。8の特徴と言えばAV1対応ですが、汎用性の問題からAV1よりH.265/HEVCを使いたい。そのなら7でとどめてもいいんじゃないか・・・と思っている人もいるかと思って7も比較対象に入れていますが、ごらんのとおり8では7よりかなり速くなっています。前回はいろいろおかしいのでバグがあったんじゃないか、と疑ってましたが今回見る限りエンコーダーのエンジンがソフトの方かわかりませんが最適化が進んでいるようです。Intel内蔵GPUでエンコードができない可能性は高いですが、外部GPUやソフトのH.265/HEVCしか使わないという人でも8への乗り換えは「アリ」でしょう。内蔵派の人は対応するまで待つしかないですね。ただ内蔵エンコードのH.265/HEVCなら7でも大差ないですけどね。バージョン8もう一つの特徴として、フィルタ処理がVULKANに対応しています。GeForceがCUDAに対応した初期のころからフィルタ処理だけGPUに任せることができる、というのはTMPGEnc Video Mastering Worksの特徴の一つ。せっかくなので使ってみます。なお、エンコーダーに選べない内蔵GPUがVULKAN処理を任せるGPUとして選ぶことはできます。不思議。ただ、今回はA310に全部任せてあります。
VULKAN有効速度x265とても遅い 2時間26分45秒(無)→2時間25分57秒AV1(SVT)標準 7分17秒(無)→7分28秒AV1(HE)とても遅い 2分54秒→2分53秒
x265とても遅いでは少し差が出ましたが、誤差の範囲に毛が生えた程度。SVT標準に関して言えば遅くなってますしね・・・。これはA310の能力が別に高くないということもあるでしょうが、それ以上に我々のような使い方の場合そもそもVULKAN処理を加えて効果が見られるほどのフィルター処理をさせないという理由があります。インターレースの解除とかそういうやつだけなら効果がほぼなくて当然です。むしろVULKANとCPUに処理を分離した分もともと速いソフトエンコードでは遅くなる、とこういうことでしょうね。これは期待しなくてもいいでしょう。