先日、現総理大臣菅総理の息子、菅正剛氏が総務省の幹部四名を接待したという問題が浮上しました。五輪の件もあって世間的にはおおごとになっていない印象ですが、今時タクシー券を渡すなどいかにも接待の見本、と言わんばかりのやり方は逆に新鮮ですが、だからこそ接待を受けた四名は国家公務員倫理規程違反の疑いからは多分逃れられないでしょう。
なお、接待した側の菅正剛氏は東北新社のメディア事業部部長兼「囲碁・将棋チャンネル」の運営を行う株式会社囲碁将棋チャンネル取締役とのこと。やり手なんですかねぇ。親のコネという話が支配的ですがどこまで本当かどうかは分かりませんので。仮に本人の能力が低くてもパイプ役として活躍できるコネがあればそれだけで会社にとっては重要な人物である、という扱いは多くの天下り社員が存在する点で日本では立証されていますからね。さて、そんな人物が総務省官僚を接待して何をお願いしようとしたのか、と言えば、やはり取締役を務める会社の経営する「囲碁・将棋チャンネル」の強化ではないでしょうか。最近は将棋界の関心も高まっており、それを理由に強化を考えてもおかしくはないでしょう。衛星放送の強化と言えばまずは画質の向上ですが、こればかりは経営会社がやりたい、と思っただけではできない。総務省が衛星放送に帯域ブロックスロットの再編を計画し、募集をかけ、それに応募し認可されて初めてスロットを確保、ビットレートを上げて画質を向上させることができるのです。まぁ考えられるのはその再編をやって、囲碁・将棋チャンネルをHD画質化させて欲しい、という提案もしくは直接口に出さなくても分かるでしょ? という世間話が行われたと勝手に推測してしまいます。
この件でいろいろネットを見ていると、それ以前での囲碁・将棋チャンネルの認可が少しおかしい、不自然という意見が出ているようです。囲碁・将棋チャンネルには確かに若干不自然な点はありました。こういったスロット再編の時点では常に一番少ない割り当てながら常に当選し続けてきた点です。当ブログの記事で一番最初に囲碁・将棋チャンネルが登場するのは2011年10月のCS再編の時です。チャンネル自体はそれこそCS放送やケーブルテレビと言った概念が日本で始まった当初からの老舗なんですが、110度CSに名乗りを上げたのはこの時が初めてになります。この時の申請はHD16スロットもしくはSD6スロットというものでした。で、結果は、と言いますと見事申請は通って110度CSでの放送ができるようになった・・・のはよいのですが割り当てられたスロットは16どころか第二希望のSD6スロットの約半分の3.2スロットです。わたしの後日の調査によると、この囲碁・将棋チャンネルは解像度720x480で平均ビットレートはわずか2Mbps。MPEG2でこれはかなりキツイ・・・。ただ、動きが少ない番組が多いでしょうからまだなんとかなったのかも知れません。このチャンネルのスロットが増加されることが決まったのが2018年4月のこと。この時点から110度CSでのHD放送が12スロットで進められることになり、再編と募集が行われました。その中で囲碁・将棋チャンネルのみSD放送のまま3.2スロットから6スロットへの増量が行われています。今となってはこれを不自然と思う人もいるようです。当時の総務省による認可募集はおそらくHD放送を想定したものになっていたでしょう。ただ、当時の募集マニュアル(PDF)はにはHD放送に限る、とは書かれておらず、むしろ第一希望としてHD放送、第二希望にSD放送という応募は可能とありました。この点からSD放送前提の応募を行ったとしても、総務省の想定外であったとは言い切れません。なお、実際のところSD放送の応募は4社、うち2社はHD放送との重複応募であったうえ、どちらもHDで認可されているのでSD認可の対象外となります。SDで申請を行ったチャンネルは増設を希望する囲碁・将棋チャンネルとV☆パラダイスの2チャンネルのみでした。V☆パラダイスは極道Vシネマやパチンコ・グラビアなどややアダルト向けな番組を放送するチャンネルです。この時点ではだいぶ前提が崩れてはいましたがこうしたアダルト趣味チャンネルはあまり110度CSには入れず、124/128度CSでのプレミアム放送で、がスカパーとしては建前としてあったように思います。それにV☆パラダイスが110度においては新規参入希望で6スロット要求であったのに対し囲碁・将棋は追加要求なので必要なのは2.8スロットにすぎません。正直分としてはV☆パラダイスは圧倒的に悪かったので、どちらを選ぶか、となれば囲碁・将棋が選ばれても当然と言えば当然です。もちろん、HDのみでSDの認可は行わないという選択肢もあったかも知れませんが、使わなくなっていた端数の宛行先にはなったでしょうし、それほど特別扱いとも思えません。これによって囲碁・将棋チャンネルのビットレートは約5Mbpsまで上がり、ほどほどの画質を維持できるようになっていました。囲碁・将棋チャンネルはあの失敗に終わったV-High放送「モバキャス」にも参加しています。需要よりも在るだけでチャンネルの多彩さを印象づけられる、囲碁・将棋チャンネルにはそういう意義があるためにかなり無理やり参加させたのでしょう。そうした経緯を考えれば少なくとも2018年の再編成での不自然さはそれほどは大きくはないです。不自然なのはむしろ2011年の、申請の半分にしかならない3.2スロットの認可の点です。これは委員会の中に囲碁・将棋チャンネルの関係者かその代弁者がいて、6でもダメなら最小限でもいいという話し合いが行われた疑いを抱きます。ですが、渦中の人である菅正剛氏の年齢は2021年現在で40歳。2011年時では30歳でしかありません。菅正剛氏が東北新社の仕事を始めたのははっきりしませんが、2008年に働いていたのは確実、とのことですが、年齢からして2011年時点では強いパイプ役の仕事を果たした、とは言い難い気がします。それに確かに父親である現総理はそれ以前に総務大臣に就任していたので総務省とのパイプはあったでしょうが、この時は自民党は政権にいなかったため、バックの圧力も少し弱かったでしょうし。そう考えると菅正剛氏はそれまでは期待された仕事はまだしていなかった、今回初めてパイプとバックを活用する時が来た、と妙に張り切って警戒心のなさ、詰めの甘さというか脇が甘いというか、を露呈させた結果、接待がバレてしまったのではないでしょうか(だとするとやり手というより無能の類だったと考えるしかないですが)。もちろん、違法行為ですので接待は肯定しませんし、これから何かやろうとしていて手心をお願いしようとしていたのは間違いないでしょう。多分父親の地位を利用したと思います。おかげでちょっと衛星放送のイメージが悪くなってしまった感は否めません。大いに反省してもらいたいと思います。司法の判断にゆだねられる立場になったとしてもやむなきでしょう。
わたしが言いたいのは一言。接待を行った人間は攻めてもいいですが、衛星放送は嫌いにならないでください。最近は配信が流行りのようですが、配信元の思惑でいつでも消せる配信より録画保存ができる衛星放送の方が、わたしは好きです。もちろん録画できない衛星放送ならいらないですが。
なお、接待した側の菅正剛氏は東北新社のメディア事業部部長兼「囲碁・将棋チャンネル」の運営を行う株式会社囲碁将棋チャンネル取締役とのこと。やり手なんですかねぇ。親のコネという話が支配的ですがどこまで本当かどうかは分かりませんので。仮に本人の能力が低くてもパイプ役として活躍できるコネがあればそれだけで会社にとっては重要な人物である、という扱いは多くの天下り社員が存在する点で日本では立証されていますからね。さて、そんな人物が総務省官僚を接待して何をお願いしようとしたのか、と言えば、やはり取締役を務める会社の経営する「囲碁・将棋チャンネル」の強化ではないでしょうか。最近は将棋界の関心も高まっており、それを理由に強化を考えてもおかしくはないでしょう。衛星放送の強化と言えばまずは画質の向上ですが、こればかりは経営会社がやりたい、と思っただけではできない。総務省が衛星放送に帯域ブロックスロットの再編を計画し、募集をかけ、それに応募し認可されて初めてスロットを確保、ビットレートを上げて画質を向上させることができるのです。まぁ考えられるのはその再編をやって、囲碁・将棋チャンネルをHD画質化させて欲しい、という提案もしくは直接口に出さなくても分かるでしょ? という世間話が行われたと勝手に推測してしまいます。
この件でいろいろネットを見ていると、それ以前での囲碁・将棋チャンネルの認可が少しおかしい、不自然という意見が出ているようです。囲碁・将棋チャンネルには確かに若干不自然な点はありました。こういったスロット再編の時点では常に一番少ない割り当てながら常に当選し続けてきた点です。当ブログの記事で一番最初に囲碁・将棋チャンネルが登場するのは2011年10月のCS再編の時です。チャンネル自体はそれこそCS放送やケーブルテレビと言った概念が日本で始まった当初からの老舗なんですが、110度CSに名乗りを上げたのはこの時が初めてになります。この時の申請はHD16スロットもしくはSD6スロットというものでした。で、結果は、と言いますと見事申請は通って110度CSでの放送ができるようになった・・・のはよいのですが割り当てられたスロットは16どころか第二希望のSD6スロットの約半分の3.2スロットです。わたしの後日の調査によると、この囲碁・将棋チャンネルは解像度720x480で平均ビットレートはわずか2Mbps。MPEG2でこれはかなりキツイ・・・。ただ、動きが少ない番組が多いでしょうからまだなんとかなったのかも知れません。このチャンネルのスロットが増加されることが決まったのが2018年4月のこと。この時点から110度CSでのHD放送が12スロットで進められることになり、再編と募集が行われました。その中で囲碁・将棋チャンネルのみSD放送のまま3.2スロットから6スロットへの増量が行われています。今となってはこれを不自然と思う人もいるようです。当時の総務省による認可募集はおそらくHD放送を想定したものになっていたでしょう。ただ、当時の募集マニュアル(PDF)はにはHD放送に限る、とは書かれておらず、むしろ第一希望としてHD放送、第二希望にSD放送という応募は可能とありました。この点からSD放送前提の応募を行ったとしても、総務省の想定外であったとは言い切れません。なお、実際のところSD放送の応募は4社、うち2社はHD放送との重複応募であったうえ、どちらもHDで認可されているのでSD認可の対象外となります。SDで申請を行ったチャンネルは増設を希望する囲碁・将棋チャンネルとV☆パラダイスの2チャンネルのみでした。V☆パラダイスは極道Vシネマやパチンコ・グラビアなどややアダルト向けな番組を放送するチャンネルです。この時点ではだいぶ前提が崩れてはいましたがこうしたアダルト趣味チャンネルはあまり110度CSには入れず、124/128度CSでのプレミアム放送で、がスカパーとしては建前としてあったように思います。それにV☆パラダイスが110度においては新規参入希望で6スロット要求であったのに対し囲碁・将棋は追加要求なので必要なのは2.8スロットにすぎません。正直分としてはV☆パラダイスは圧倒的に悪かったので、どちらを選ぶか、となれば囲碁・将棋が選ばれても当然と言えば当然です。もちろん、HDのみでSDの認可は行わないという選択肢もあったかも知れませんが、使わなくなっていた端数の宛行先にはなったでしょうし、それほど特別扱いとも思えません。これによって囲碁・将棋チャンネルのビットレートは約5Mbpsまで上がり、ほどほどの画質を維持できるようになっていました。囲碁・将棋チャンネルはあの失敗に終わったV-High放送「モバキャス」にも参加しています。需要よりも在るだけでチャンネルの多彩さを印象づけられる、囲碁・将棋チャンネルにはそういう意義があるためにかなり無理やり参加させたのでしょう。そうした経緯を考えれば少なくとも2018年の再編成での不自然さはそれほどは大きくはないです。不自然なのはむしろ2011年の、申請の半分にしかならない3.2スロットの認可の点です。これは委員会の中に囲碁・将棋チャンネルの関係者かその代弁者がいて、6でもダメなら最小限でもいいという話し合いが行われた疑いを抱きます。ですが、渦中の人である菅正剛氏の年齢は2021年現在で40歳。2011年時では30歳でしかありません。菅正剛氏が東北新社の仕事を始めたのははっきりしませんが、2008年に働いていたのは確実、とのことですが、年齢からして2011年時点では強いパイプ役の仕事を果たした、とは言い難い気がします。それに確かに父親である現総理はそれ以前に総務大臣に就任していたので総務省とのパイプはあったでしょうが、この時は自民党は政権にいなかったため、バックの圧力も少し弱かったでしょうし。そう考えると菅正剛氏はそれまでは期待された仕事はまだしていなかった、今回初めてパイプとバックを活用する時が来た、と妙に張り切って警戒心のなさ、詰めの甘さというか脇が甘いというか、を露呈させた結果、接待がバレてしまったのではないでしょうか(だとするとやり手というより無能の類だったと考えるしかないですが)。もちろん、違法行為ですので接待は肯定しませんし、これから何かやろうとしていて手心をお願いしようとしていたのは間違いないでしょう。多分父親の地位を利用したと思います。おかげでちょっと衛星放送のイメージが悪くなってしまった感は否めません。大いに反省してもらいたいと思います。司法の判断にゆだねられる立場になったとしてもやむなきでしょう。
わたしが言いたいのは一言。接待を行った人間は攻めてもいいですが、衛星放送は嫌いにならないでください。最近は配信が流行りのようですが、配信元の思惑でいつでも消せる配信より録画保存ができる衛星放送の方が、わたしは好きです。もちろん録画できない衛星放送ならいらないですが。