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Channel: 録画人間の末路 -
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データ通信の速度制限はいつまで続くのでしょうか

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先日、ウィルコムからPHSとルーターと一体化したPORTUS(WX02S)という電話が発表になりました。従来電話機の所謂"テザリング"と異なるのは、PHSと電話が完全に独立していること。WEBブラウザすら入っていないので、本体だけでは実質電話とメールくらいしか出来ません。別にパソコンなりなんなり、無線LANでインターネットに繋ぐ用途があって初めて役に立つ電話機なわけです。PHSの機能が最小限なのは、余計な電力消費を少しでも抑えるためでしょう。
ただのニコイチではありますが、普段からPHSとモバイルルーターを持ち歩いているわたしみたいな人間をターゲットにした面白い機種だとは思います。基本料金もモバイルだけ契約するのと同じですからPHSが無料と見なすことも出来ます。ただ本体が結構高いので、長期間使うのでなければ、新規加入者ならルーターがタダ同然で手に入る他のデータ通信サービスを渡り歩いた方が安い場合が多そうですが。ICONIA TAB A200とのセット販売もありますが、10.1インチではPORTUSの小ささも台無しになってしまいますし、あまり買い換える気にはなりません。

しかし、この手のデータ通信の導入を検討するに辺り、どうしても気になってしまうのが速度制限。今回のPORTUSも、料金コースのウィルコムプランWによって「前々月の月間パケット通信量が3,000万パケットを超えた場合、速度制限の対象となる」とあります。このデータ通信機能もウィルコムが用意したものではなくソフトバンクのULTRA SPEEDを借りて使っているため、仕方のない話ではあります。と、言っても借り始めの頃のサービスが「30日で500万パケット(たった610MB)で制限」と発表された時と比べればずいぶんマシではありますが。
と、「仕方ない」と思わせるほど当たり前になってしまった速度制限。ちょっと調べてみますと、

・イーモバイルは2009年10月から制限開始。ただし、当初は1ヶ月300GB以上で制限という緩いルールだったのが、2010年8月30日から近接24時間300万パケット(366MB)までへと強化。ただし、当日の夜間のみで、WEB閲覧にはあまり支障の出ない程度の速度はキープ、とのこと。
・ソフトバンク3Gは2009年12月1日より制限スタート。ガラケーの場合は1ヶ月300万パケット、PCやスマートフォンで使うプランの場合は1ヶ月1000万パケット。
ULTRA SPEEDは開始当初から1ヶ月3000万パケットまで。4Gは1ヶ月約5GBで翌々月1ヶ月間制限、2GBごとに別料金で速度制限解除可能。両者ともそれに加え、イーモバイル回線に相乗りするケースでは近接24時間300万パケットで夜間制限がかかる(ソフトバンク回線とカウントの共用については不明。多分別カウント)。
・ドコモのFOMAは2009年10月から近接3日間で300万パケット(1日あたり122MB)で事実上3日間の速度制限。Xiは現状制限無しだが、2012年10月より1ヶ月7GB(約6000万パケット)を超えた場合、最大128Kbpsまでの速度制限がかかるようになると予告。実施後も2GBごとに追加料金を払うことで解除は可能。それ以上の詳細は不明。
・auの3Gはスマホの場合2011年10月より当日を含まない近接3日間300万パケットを超えた場合事実上3日間の速度制限。また、近接一ヶ月の間に5GBを超えた場合も速度制限がかかる。auは単独の高速回線を持たないのでWiMAXの回線を利用するルーター・スマホがあるが、いずれの場合もWiMAXに関しては速度制限なし。WiMAXの接続は3G制限にはカウントされない。
ガラケーに関しては2008年10月と他キャリアに先駆けて実施。前々月300万パケットで夜間のみ速度制限。

「事実上3日間の速度制限」とあるのは、いずれも制限を課せられた状態で3日間のパケット合計が300万パケットを超えなかった場合、解除されるというケースです。制限を受けて大量のパケットを受信するのは無理ですから、制限が延長されるケースはほとんどありえないと言っていいでしょう。
すっかりおなじみになった制限ですが、スマホやデータ通信に導入されるようになってからはまだ2年半しかたっていません。ガラケーではauがいち早く3年半前から始めていますが、スマホやデータ通信ではまだ半年前に始めたばかり。事実上iPhoneの販売に合わせての実施でしょう。
それ以外のキャリアの場合、そもそも3Gの帯域確保が目的なはずです。なのに、なぜそれ以上のモバイル高速回線までみな制限を掛けているのでしょうか。どのキャリアも3Gに比べれば高速データ通信の利用者の数は少なく、それほど帯域に困っていないはずです。制限など掛ける必要はないはず。将来に備えて、なのでしょうか? それとも3Gに掛けているのに高速データ通信に掛けないのは平等でないからでしょうか? どちらにしても、データ通信利用者にとって制限は無いのが一番です。キャリアにしたところで、高速データ通信を使わせればそれだけ3Gを空けることが出来て助かるはず。制限を無くして積極的にデータ通信を使ってもらうようにするべきでしょう。実際、auはそれを行っています。3Gに制限を設けたのも、WiMAXへの移行を促すためのように見えます。ドコモも今のところ制限を保留しています。問題は、3Gがやっているんだから当然、のように制限を入れたイーモバイルとソフトバンクの2社。果たして制限を加えていることに合理的理由が本当にあるのか、再考を願いたいところです。

わたしは、インターネット回線は将来的に全部無線になった方がいいと考えています。一人暮らしの人がもうわざわざ家に電話を引かないように、インターネットも少人数しか使わないのなら無線のデータ通信で十分となるべきです。ところが、その需要に応えられるのはいまのところWiMAXだけ。日本という横並び意識の強い国の中で、果たしてWiMAXはどこまでその独自性を保っていけるのでしょうか。衛星放送のWOWOWが他局と同じにするために画面内にロゴを貼り付けたように、WiMAXが他キャリアと同じにするために制限を設ける日が、このままでは来ないとも限りません。本格的にLTEなど次世代に移行するときには、制限がないのが当たり前、そうなって欲しいものです。

今日、愛用のAndroidウォークマンでシステムソフトのアップデートがありました。外出先でしたが、「まぁいいか」となにげなくアップデートしたところ、容量は132MB、予想より大きいものでした。WiMAXだったから良かったものの、たかがアップデートにひやひやしたくないものですね。

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