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ミチになるマチ

暑い日が続いております。ウチでも久々にPCの一台のシステムが飛びました。エアコンも入れてない部屋で昼間稼働したせいでしょう、こうしたことは経験上夏ばかりですしね。また、先日倉庫の仕事をせねばならず、しばらくこもっては水を飲み・・・を繰り返していたら頭が痛くなってきてしまいました。補給よりも水分を消費したか、塩分が足りなくなったか。スポーツドリンクがいいと聞きますが、わたしアレは甘くて苦手でして。おとなしく食事をとって休憩したら治りましたが。本当はもっと倉庫やらなきゃならないんですが。

そうした暑さ対策の一環か、近所の工事が開始されるのがまた早くなってきています。少しはマシな午前中に少しでも進めるべく規定の時間より早く始め、早めに一日の仕事を終えるようにしている印象です。本来はよくないんでしょうけど、まぁ大目に見ないと。それに、以前は朝早くからカンカンとフレームをハンマーでたたくような甲高い音を響かせたり大型車を乗り入れて重低音を響かせたりと言った、寝ていられない騒音が迷惑でしたが、今はそうした段階ではなく、せいぜい電動ノコギリで何かを切ったりする音が響く程度です。ノコギリの音は昼間聞こえる分には十分煩いのですが、寝ているのをたたき起こされる類の音では(少なくともわたしにとっては)ないみたいで、だいたい予定通りの時間に目が覚めたら「あ、もう工事やってる」とわかる程度です。二度寝は出来ないですから休日は迷惑に感じますけど。
しかし、それでも工事が進んでいるところはいいんです。昨年末くらいから近所のアチコチで工事ラッシュでしたが、そのいくつかが止まっているんです。建物の骨組みだけ終わっているのにそれ以上進行した様子がなく、もう二か月も業者が出入りするのを見たことがない工事現場がいくつかあります。掲げてある予定表ではとっくに終わっていなければならないのですが。近所の人間としてはあのまま放置しておくの、勘弁してほしいんですけどね、危険だし。何があったのでしょうか。発注元と受注先のトラブルなんかも考えられますが、建てても売れたり人が入ったりするアテがなくなり、計画が破たんするのが分かったからなのかもしれません。
実際、我が近所は倒産や撤退が相次ぎ、更地や即席の駐車場が大量に出現しています。本来小路の奥に立っているだけだった家が遠くからでもわかるくらい周りの建物がなくなり、本来見えるはずでない家の裏側が丸見えでまるで野ざらし状態です。そんな土地が多くあります。我が近所は本来街の中心地に近く、商業地と住宅地のちょうど中間くらいの位置でにぎわう場所でしたが、その中心を支えていた大型店のいくつかが、本部の再編成の余波を受けて相次いで撤退(我が地元の支店が採算が合わない店だった、というわけではなかったようですが)。そのおかげで集客力が落ち、ほそぼそとやっていた個人店はもちろん老舗の中型店も商売を続けられなくなっていたのです。
それに加えて行政がまずかった。近所は古い住宅地ゆえに車道の整備が悪く、一方通行が多くて自動車で来ると大回りしなければならない地区でした。もっとも、だからこそ人がこっちまで来てくれるので商売がしやすかった、という商店街の中央から外れた場所にとっての利点は大きかったのですが。ところが行政はそこにメスを入れ、中央商業地への自動車の乗り入れをしやすくするために道路整備と拡張を行ったのです。その際公平を期するためか、左右両岸の土地を少しずつ、ほぼ平均的に道路用地にするというやり方で行いました。どちらに住んでいる人も家の土地をタテに半分、という中途半端な提供の仕方をさせられるハメになったため、残った土地では家を建てることもできず、街を出ていくしかありませんでした。計画初期の買収地はかなり立ち退き条件も良く、土地は全部買ってもらえた上に代替地も提供されたとのことでしたが末期には予算が底をついたのか、「土地は必要な分だけしか買わない、建物の撤去費用は元の持ち主全額負担、代替地はなし」という条件になり、人によっては撤去費用と引っ越し代で赤字になったものもいたとか。当時の図面を見ると全部の路線で両岸から土地を提供させるためにクネクネと曲がった道になるようになっており、「一方からだけでも道路を広げるには十分、むしろその方が効率がいい」と立ち退き者の訴えもかなりあったようですが無視されました。両岸が立ち退きを受けたために街から出ていく人は多くなり、人口が減りました。本来集客するはずの中心地は店も少なくなり、結果広くなって自動車が通りやすくなった道だけが残りました。左右は更地か月極駐車場ばかりです。
かくしてかつて賑わいを見せた商業・住宅両地区は、乗り入れする人はむしろ減り、ただ別の大型商業施設へ行くために自動車がすごいスピードで通り過ぎるだけの道になってしまいました。かつて若干不便だったゆえに人が集まった面影はどこにもありません。それなりに知られた街で土地が余っている、なら進出して・・・と考えた不動産屋がいくつもあったのでしょうが、衰えが想像以上でどこも計画の見直しを迫られているのでしょう。ちなみに最初に書いた朝早くからの工事の多くは個人住宅です。
ただし、増えている施設もあります。それはコンビニエンスストア。と言っても新規出店ではなく、以前はビルの一階を借りていたコンビニがそうした余った土地の分を駐車施設として使うべく引っ越してくるケースが相次いでいるのです。郊外の、それこそかなり田舎のコンビニに寄ったことがある人ならわかると思いますが、コンビニの店舗はどんなに土地があっても一定以上の大きさにはしません。ある程度店舗が狭い方が買い物がしやすいなど独自のデータがあるためらしいです。そのため、その気になれば大型商業施設でも立ちそうな広大な土地にポツンとコンビニ店舗が聳えている印象がありますが、それにかなり近いものがその道路沿いにいくつかでき始めているのです。最近はやりなのか、イートインコーナーなども備えていて多少広くなっていますが、やはりビルがいくつか建てそうな土地にポツン、という感じです。なんかもったいない・・・気はしますが、そんな使い方でも土地の持ち主にしてみれば借りてくれるだけいい、というところなんでしょうね。むしろ都市型のビル借りコンビニは地元ではうまくいっていないのかこの2~3年で半減しましたし、アレはアレで生き残りをかけてのやり方なのかもしれません。オーナーさんからすれば死活問題でしょうし。

なんとなく最近の地元の土地の様子を見ていると、昔遊んだ「シムシティ」というゲームで土地に発展性のない建物が次々とたって困らされた思い出が浮かんできます。ゲームでは困りものでしたが、アレでもまだ使う人がいるだけマシだったんだなぁと。

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