Quantcast
Channel: 録画人間の末路 -
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1580

小島武夫氏の力を借りて

$
0
0
趣味で月に一~二回程度、仲間内で麻雀をやっています。戦績はまぁ勝ったり負けたり。どちらかというと負けてます。役満和った回数だけなら一番多いんですけどね、今年だけでも四暗刻と国士無双で二回やってますし。そういうロマンを求めるので負けるのかも知れませんが。

で、夕べもやったのですが、また役満を和ってしまいました。それもあの呪われた役満、九蓮宝燈を、です。

九蓮宝燈はいくつかある役満の中でも一・二を争うほど出にくい役で、先にあげた四暗刻や国士無双とは点数は一緒ですが確率的出にくさは一桁違うといわれています。そろえにくさもさることながら、九蓮宝燈の形になる前にもっと安い(と、言っても十分高いですが)清一色の形で出来上がってしまうことが多く、大抵の打ち手はその段階で和ってしまうからです。九蓮宝燈を記録や映像に残る形で和ったことで知られるプロ雀士の小島武夫氏がつい先日亡くなりましたが、彼の和り方も清一色を崩してフリテンで九蓮宝燈にもっていったものです。九蓮宝燈はゲームに勝つ、という目的を通り越して麻雀に美学を追求した、ある種の求道者でないとまず和れない手なのです。それゆえに呪われた役満とされており、小説「麻雀放浪記」を始め、この手を和った登場人物がその場で死ぬ描写がかつては多く描かれていたといわれています。ただ、わたしは映画化された「麻雀放浪記」とそれらのパロディのギャグマンガくらいしかそういうシーンを見たことはないのですが。

麻雀放浪記 ブルーレイ [Blu-ray]真田広之,大竹しのぶ,加賀まりこ角川書店

ちなみにわたしはそうした求道者ではもちろんありません。ツイていたわけでもありません。それどころか場所変えしてその席に移ってからまるで和れず、ジリ貧だったので最後の親だしなんとか少しでも取り返そうと索子一色に染めて清一色か、せめて混一色をと狙っていた程度だったのです。ところが来るわ来るわ、全く手を崩すことなく、あきれるほどスムーズに九蓮宝燈になってしまいました。さすがに純正の九面待ちではなく二索と三索のうち三索なら役満、という形でしたが。三索は使える牌なので索子に染めている気配が濃厚なわたしの捨て牌を見れば当然止める牌のはずですが、普段それほど荒い手を打たない人が魅入られたように三索を出したので、あっさり和れてしまいました。もちろん大逆転です。

相当麻雀をやり込んでいても一生和らない人が大半と言われる九蓮宝燈。仮にわたしにもう一回チャンスが巡ってきたとしても、おそらくもっと苦しい形になるでしょう。あんなスムーズな和り方だけは二度とないと思います。もしかしたら、小島武夫氏が旅立つ前に麻雀の気配を聞きつけてやってきて、力を貸してくれたのかも知れません。一面識もないのですが、そうでも思わないととてもあんなのは説明がつかない・・・。もっとも四暗刻と国士無双以外の役満はそうした奇跡がないと和れないものですが。

あるいは別の悪魔に憑かれたとか。そういえば、他でも妙についていたことが・・・。こちらは書かないでおきますが、わたしにもまだツキはあるのか、それとも残り少ないツキを一遍に吐き出そうとしているのか・・・。うーん、前者であることを祈りましょう、後が怖い。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1580

Trending Articles