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Channel: 録画人間の末路 -
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幻のテレビ怪獣、アゴン

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メリークリスマス! 今日、12月25日はクリスマスです!!!!!!!

えー、毎年のことですが、この冒頭は書いておきます(^^;) ただ、今年は若干異変が。地上波のテレビ番組表を見る限りの話ですが、25日が一番クリスマスの文字が多く踊っているんですね。例年だと24日がクリスマス扱い(当然正しくは24日はクリスマスイブ、つまり準備日)で25日は無視されるんですが、今年はちょっと違ってました。最近はハロウィンとかの方が所謂若者向けイベント扱いになって、クリスマスはもう古臭いとか思われていて前倒しにする必要がなくなり、本来の姿に戻りつつあるんでしょうか。いや、勝手にふとそう感じただけですが。

これだけで終わるのもなんなので、この年末を飾るべく買ったBDなんぞを取り上げてみましょうか。今年のトリとなったBDは、幻の連続テレビ向け怪獣ドラマ、"アゴン"です。

放送50周年記念企画 甦るヒーローライブラリー 第26集 アゴン Blu-ray広田進司,松本朝夫,志摩靖彦,沢 明美,入江慎也TCエンタテインメント

巨大怪獣が連続テレビドラマに登場したのは「月光仮面」に登場したマンモスコングと言われています。特撮は専門外のスタッフが作ったので1958年という時代を考慮に入れてもチャチの一言ですが、マンモスコングと月光仮面が直接戦うシーンのシュールさ(アナウンサーの解説付き)がほほえましく感じます。怪獣自体が主役となるドラマとなると、「怪獣マリンコング」が1960年に作られておりますが、怪獣と名乗ってはいるものの扱いはロボットで、名前は「コング」ですが姿を見るとトリケラトプスかモノクロニウスをどことなく連想させるものとなっています。どちらにしても造形は今見ると魅力はなく、パッしません。その一方、「アゴン」は1964年と少し時代は後になるものの、見た目の格好良さは格段に上で今の水準で見てもなかなかのもの、少なくとも前例のマリンコングと比べれば圧倒的だと思います。特撮も、砲撃はあっても兵器は登場しないなどあきらかな低予算は感じられるものの決して悪くなく、特にオープニングでは口から貯めた煙を吐くような火炎放射シーンが非常に印象的(おそらく口内で火薬を爆発させて撮影している)で迫力ありますが、残念ながら本編では口の先から発射する火炎放射のみしか披露していません。また本編には実物大の尻尾も登場し、登場人物を捕まらせて迫力を出しています。テレビという媒体での映像作品と考えれば、ウルトラQ以前の作品として決して恥ずかしくない作品と思います。

ただ、残念ながらこのアゴン、全26話のうち4話しか作られませんでした。BD付属の解説書によると、東宝から「アゴンの意匠がゴジラに似ている」と横やりが入ったため、話し合いの結果製作を断念したとのことです。まぁパッと見に似ているといえば似ていますが、当時の常識だった恐竜の姿から怪獣を創造すればだいたいゴジラやアゴンのような姿になるため、それだけで似ているとは言い切れないものはあります。ただ、後ろ姿はいただけない。アゴンの背びれは小さく、ゴジラっぽくはないですが、真後ろから見たキレイに三列にならんだ背びれの印象は誰がどう見てもゴジラそのものです。恐竜に三列の背びれを持った種類は存在しないため、これは言い逃れは出来なかったでしょう。アゴンは海外への輸出を予定していたため、ゴジラをシリーズ化して海外市場に向けたドル箱にしようとしていた(アゴン製作当時は「モスラ対ゴジラ」公開直前)東宝としては、似た怪獣が輸出されるのは決して許されない話だったと思われます。
結局アゴンは製作中止になり、作られた4話だけが1968年になってようやくテレビ放映されました。アゴンそのものは過去にVHSやDVDで発売され、CSのチャンネルNECOで放送されたこともありますが、今回は初のBD化、当然画質はもっともよいものとなります。とはいえ、しょせんテレビ放送用のフィルムで撮影された作品、感度も解像度もそれほど高いわけではなく、傷も多いので期待ほどの画質ではありませんでした。また、本編以外の特典映像などは全くなく、「BDと言えば豪華特典映像」と思い込んでいたわたしとしては何か肩透かしを食らったようば気分です。正直DVDでもよかったか、せめて安く買えるDVD版同時発売してくれても良かったんじゃないかと思われてなりません。

作品の監修には「キングコング対ゴジラ」の脚本の関沢新一。出演陣の中ではウルトラマン「怪獣無法地帯」でピグモンに救出される松井所員を演じた松本朝夫が目を引きます。予定では「アゴン」は毎回前後編方式で13シリーズ26話が製作され、最終的には飛行が可能になる形態へ変化を遂げたとか。恐竜が放射能で変異し、核燃料を食糧にしたりする設定や、第4話のラストではウラン燃料と一緒に麻薬を大量に食わされ、体調を狂わされて体が燃え出すシーンがあるなどのちの「ゴジラ」シリーズを先駆けたような演出がなされるシーンを見ると、本当に4話しか作られなかったのがもったいない作品でした。


プリンプリン物語、50話で放送終了かよ!! まだ知能指数1300の人も出てないじゃん! まぁそのうち再開するのかも知れないけど、このペースだと完結は何年かかるやら・・・

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