最近、休日を、営業日にはできない仕事にあててばかりだったので、思い切ってGWの最中に一日臨時休業日を作ったのですが、全く構わずやってきたお客さんがいて、しかも「休暇なんだからほかの客は来ない分自分のことに専念できるじゃないか」と手間のかかる仕事を"ついで"とばかりに多重に要求され、結局臨時休暇の半分はそれで終わり。最近年中無休になりつつあります。まぁちゃんと食べてるし寝てますし疲労がたまったりはしてませんけどね。ただ遊びに行けないだけです。それだけにますます夜のテレビを中心とした趣味活動に依存しつつある今日この頃であります。
連休明けから、テレビ関連での動きと言えばソニーの有機ELテレビの発表です。さらに同社の株価が8年8か月ぶりの高値をつけていますが、それは有機ELテレビ参入により、「トップラインを伸ばす取り組みへの期待感」からだとか。と、言っても肝心のパネル自体は別途購入したもののようなので、かつて期待された有機ELのソニーという印象ではないですが、ちゃんと国内でも販売すること、4Kとしては比較的小さい55型を用意していること、現在のテレビの不要機能ナンバー1である3Dを非搭載であることなどが「本気を感じる」と思われたのかもしれません。最近ソニーのテレビ事業は万年赤字から脱出した、という話もありますし、余裕が出てくればまともな製品も作ることができるということなんでしょう。
一方、ソニーのみならず国内のテレビ市場全体も少しずつ持ち直してきているという報道もあります。
TV市場堅調の背景に非4K TVの価格下落。メーカー4強に変化も。BCN分析
堅調、と言ってもあくまで昨年同月比でプラスになった、というだけの話。ようするに昨年が過去最低のどん底で、あれ以下になったらもうテレビなんて終わりだった、ということです。とても堅調とはわたしの目には見えませんが、それでもこの分析はちょっと面白いです。表題にも書いてありますが、昨年より持ち直した原因は非4Kテレビ、つまり従来型のサイズのテレビが増加したからとはっきり書いたのが最大の注目点です。ここ最近のテレビの売り上げ、台数や価格はほとんど4Kテレビのことしか語られず、「構成比を伸ばしている」「平均単価を上げている」と言った、プラスに感じられることし書かれないものばかりでした。その結果が、特に昨年度前半の「前年同月比62.8%」という結果です。そもそも4Kテレビが売れている、という表現はあくまで過去比の話であり、まだ大きな市場を形成し、メーカーの売り上げを左右する存在になっているとは思えません。なぜなら、リンク先の資料でも売り上げ台数は指数でしかあらわされていないからです。本当に売れているのなら台数を実数で書けるはずですが、売りはじめ比の指数でしか資料を公開しないということは、微々たる台数および売り上げでしかないということなのでしょう。極端な話、指数の基準が一台なら十台しか売れなくても「十倍の伸び率」ですから。
それでも国内マイナス成長が一応止まった、というだけでもテレビ業界にとっては朗報なのでしょうが、まだまだ伸びは期待できません。なぜなら、リンク先にも書いてありますが、非4Kテレビの売り上げの主力は劣化の始まったデジタル放送切り替え時、あるいはそれ以前からのテレビの買い替え需要であるからです。ですが、今、そうした需要に応えるテレビはほとんどない、と言っていい状況です。確かにテレビのデザインそのものはやぼったい10年前のものよりよくなってはいますが、肝心のテレビの性能そのものが、ヘタすれば負けているからです。これは売れないゆえの低価格化・すなわち低性能化してしまったゆえです。10年前のハイエンドだった42型と現在の42型、どっちが総合的に優れているでしょうか? 基本的にテレビとはいえ、前持っている機種より性能の劣るものを買いたいと思う人は少ないでしょう。メーカーとしてはだからこそ性能的に優れた4Kテレビをそうした人たちに買ってほしいのかもしれませんが、55型ですら比較的小さい方、なのが4Kテレビ。それ以下もなくはないですが、量販店店の扱いも悪いですしただ4Kというだけのものです。しかし、別に前買った時と比べて景気がよく、ずっと大きな家に引っ越すことができた、ゆえに55型以上の超大型テレビでも大丈夫、という人はごく少数でしょう。ほとんどの人は以前と同じ家が同規模の集合住宅に住んでおり、テレビのサイズを大きくできません。いくらメーカーが4Kテレビがこれからのテレビだ、と旗を振っても、サイズが大きすぎてそもそも購入対象になりえない人が大半だと思います。さらに言えば、そうした高級4Kテレビで多くの人にとって「テレビ」の概念である地上波放送を量販店で視聴すると、あまりの汚さに買う気が失せるでしょう。なまじっか液晶としては性能のいいパネルを使っているうえ、拡大されて大きく映るだけに元の画質の悪さが目立つからです。補正機能もありますがしょせん限界はあり、BSでもかなり厳しい画質になります。まともに映るのは最低でもBD、多くの場合デモ用の環境映像だけ、というのが4Kテレビです。有機ELならば液晶よりはマシかもしれませんが、それでも今使っているほどほどの大きさのテレビに比べて汚く見えるのは避けられないでしょう。
メーカーとしても、こうした買い替え需要向きのテレビを売りたい、という心境ではあるはずです。実際、安いテレビでおなじみオリオンなどは未だに40型以下のテレビばかりラインナップしており、超大型の流れに乗る気が全くみえません。しかし、それ以外のテレビメーカーは、総務省、ひいては政府の指示により、オールジャパン体制で東京オリンピックまでに日本に4K8Kテレビを普及させ、将来の海外へ日本型4K8K放送を売るための見本市にする、という使命を帯びさせられているため、非4Kテレビや4Kが目立たない従来型大型テレビのラインナップや性能を充実させるができないのでしょう。デジタル放送の買い替え需要の半独占という美味しい思いをした代償としてお上の下におかれたテレビ市場、55型以上が普通サイズのテレビで当たり前、になる日など本当に来るのでしょうか。まぁ我々はそんな思惑など無視して、自分の見たい映像と部屋にあったテレビモニターで映像ソフトを楽しんでいればいいのですが。
連休明けから、テレビ関連での動きと言えばソニーの有機ELテレビの発表です。さらに同社の株価が8年8か月ぶりの高値をつけていますが、それは有機ELテレビ参入により、「トップラインを伸ばす取り組みへの期待感」からだとか。と、言っても肝心のパネル自体は別途購入したもののようなので、かつて期待された有機ELのソニーという印象ではないですが、ちゃんと国内でも販売すること、4Kとしては比較的小さい55型を用意していること、現在のテレビの不要機能ナンバー1である3Dを非搭載であることなどが「本気を感じる」と思われたのかもしれません。最近ソニーのテレビ事業は万年赤字から脱出した、という話もありますし、余裕が出てくればまともな製品も作ることができるということなんでしょう。
一方、ソニーのみならず国内のテレビ市場全体も少しずつ持ち直してきているという報道もあります。
TV市場堅調の背景に非4K TVの価格下落。メーカー4強に変化も。BCN分析
堅調、と言ってもあくまで昨年同月比でプラスになった、というだけの話。ようするに昨年が過去最低のどん底で、あれ以下になったらもうテレビなんて終わりだった、ということです。とても堅調とはわたしの目には見えませんが、それでもこの分析はちょっと面白いです。表題にも書いてありますが、昨年より持ち直した原因は非4Kテレビ、つまり従来型のサイズのテレビが増加したからとはっきり書いたのが最大の注目点です。ここ最近のテレビの売り上げ、台数や価格はほとんど4Kテレビのことしか語られず、「構成比を伸ばしている」「平均単価を上げている」と言った、プラスに感じられることし書かれないものばかりでした。その結果が、特に昨年度前半の「前年同月比62.8%」という結果です。そもそも4Kテレビが売れている、という表現はあくまで過去比の話であり、まだ大きな市場を形成し、メーカーの売り上げを左右する存在になっているとは思えません。なぜなら、リンク先の資料でも売り上げ台数は指数でしかあらわされていないからです。本当に売れているのなら台数を実数で書けるはずですが、売りはじめ比の指数でしか資料を公開しないということは、微々たる台数および売り上げでしかないということなのでしょう。極端な話、指数の基準が一台なら十台しか売れなくても「十倍の伸び率」ですから。
それでも国内マイナス成長が一応止まった、というだけでもテレビ業界にとっては朗報なのでしょうが、まだまだ伸びは期待できません。なぜなら、リンク先にも書いてありますが、非4Kテレビの売り上げの主力は劣化の始まったデジタル放送切り替え時、あるいはそれ以前からのテレビの買い替え需要であるからです。ですが、今、そうした需要に応えるテレビはほとんどない、と言っていい状況です。確かにテレビのデザインそのものはやぼったい10年前のものよりよくなってはいますが、肝心のテレビの性能そのものが、ヘタすれば負けているからです。これは売れないゆえの低価格化・すなわち低性能化してしまったゆえです。10年前のハイエンドだった42型と現在の42型、どっちが総合的に優れているでしょうか? 基本的にテレビとはいえ、前持っている機種より性能の劣るものを買いたいと思う人は少ないでしょう。メーカーとしてはだからこそ性能的に優れた4Kテレビをそうした人たちに買ってほしいのかもしれませんが、55型ですら比較的小さい方、なのが4Kテレビ。それ以下もなくはないですが、量販店店の扱いも悪いですしただ4Kというだけのものです。しかし、別に前買った時と比べて景気がよく、ずっと大きな家に引っ越すことができた、ゆえに55型以上の超大型テレビでも大丈夫、という人はごく少数でしょう。ほとんどの人は以前と同じ家が同規模の集合住宅に住んでおり、テレビのサイズを大きくできません。いくらメーカーが4Kテレビがこれからのテレビだ、と旗を振っても、サイズが大きすぎてそもそも購入対象になりえない人が大半だと思います。さらに言えば、そうした高級4Kテレビで多くの人にとって「テレビ」の概念である地上波放送を量販店で視聴すると、あまりの汚さに買う気が失せるでしょう。なまじっか液晶としては性能のいいパネルを使っているうえ、拡大されて大きく映るだけに元の画質の悪さが目立つからです。補正機能もありますがしょせん限界はあり、BSでもかなり厳しい画質になります。まともに映るのは最低でもBD、多くの場合デモ用の環境映像だけ、というのが4Kテレビです。有機ELならば液晶よりはマシかもしれませんが、それでも今使っているほどほどの大きさのテレビに比べて汚く見えるのは避けられないでしょう。
メーカーとしても、こうした買い替え需要向きのテレビを売りたい、という心境ではあるはずです。実際、安いテレビでおなじみオリオンなどは未だに40型以下のテレビばかりラインナップしており、超大型の流れに乗る気が全くみえません。しかし、それ以外のテレビメーカーは、総務省、ひいては政府の指示により、オールジャパン体制で東京オリンピックまでに日本に4K8Kテレビを普及させ、将来の海外へ日本型4K8K放送を売るための見本市にする、という使命を帯びさせられているため、非4Kテレビや4Kが目立たない従来型大型テレビのラインナップや性能を充実させるができないのでしょう。デジタル放送の買い替え需要の半独占という美味しい思いをした代償としてお上の下におかれたテレビ市場、55型以上が普通サイズのテレビで当たり前、になる日など本当に来るのでしょうか。まぁ我々はそんな思惑など無視して、自分の見たい映像と部屋にあったテレビモニターで映像ソフトを楽しんでいればいいのですが。