先日チラっと書きましたが、Intel製GPU、ArcA310を搭載したグラボを買ったんです。わたしは基本GPUはほとんどCPUの内蔵しか使わないので外部を買うことは滅多にありません。買う時は特別な理由がある場合に限られます。出始めのCUDAを試したくてGeForce9800GTを買ったなんてのがその例です。最近はFluid Motion Video環境確保のためにRADEON RX 550あたりばかり買っていたのですが、気が向いてIntel製が使いたくなったので手を出してみたのです。ちなみにIntelのGPU搭載グラボを買ったのは初めてですね。昔i740が出た時はイメージが悪くて買わなかったので。購入したのはASRockの Intel Arc A310 Low Profile 4GB。A380の時も買おうか迷ったのですが、補助電源不要でかつセミファンレス動作が可能なASROCKのこれにしました。ちなみに現在Amazonではわたしが買った時よりかなり高額で売っているのでPCパーツ専門で検討するのがおすすめ。
年末なせいか、ちょっと金遣い荒くなってきたなぁ。しばらく自粛しよう。
このGPUを買った理由は一つ、動画のエンコード機能を試したかったからです。今後主力となる可能性のあるフォーマットのAV1機能はもちろん、内蔵GPUと比べてどの程度速くなるか、またIntelCPUと組み合わせれば内蔵のエンコーダーとリンクさせることで速度を上げることも可能と聞いていたので、それも試したい。なので、手元の
CPU:Core i7 12700
MOTHER:GIGABYTE B660M D3H DDR4
MEMORY:DDR4-2666 16GB(8GBx2)
CPUクーラー:IS-40X-V2
OS:Windows11
なPCで試してみます。ソフトは最近AV1への対応を高めているHandBrake。エンコード元はいつもの約49分の1440x1080のMPEG2-TSを、いつもの設定ビットレート4000Kbps。いい加減こんなにビットレートを高くする設定はやめようかと思うのですが、今回は過去の例と合わせるのを優先します。まずはH.265/HEVCを、速度はbalanceedとQualityでやってみましょう。今回はQSVのみエンコードを行います。
balanced 4分56秒quality 5分32秒
続いてAV1balanced 5分01秒quality 5分26秒
速度はほぼ似たようなものですね。ちなみに内蔵GPUでやるとどうの程度の速度になるか、も書いておきましょう。こちらはAV1は使えないのでH.265/HEVCのみ、かつqualityのみ計測してみました。これ以降は全部Qualityのみです。
5分15秒
・・・・・・・・・えー、なんか内蔵の方が若干ですが速いんですが。これはちょっと意外でした。ただ、内蔵の方が当然CPUやメモリと位置が近いのでデータ転送のロスが少なく、エンコーダーの性能が同程度ならこういうことがあっても不思議ではないですね。もっと上級のGPUを使ったものやV-RAMの容量が大きければまた違うでしょうが。さて、次は期待の内蔵・外部連携エンコード。HandBrakeではQuickSync Deep Hyper Encodeという項目をチェックすればできるらしいです。
H.265/HEVC 5分9秒AV1 5分15秒
おお、上がりました! しかも内蔵より速い!! 内蔵と比較すると若干の上昇にすぎませんが、A310単独と比べるとH.265/HEVCの方が5分32秒→5分9秒となっており、これは結構バカにならない速度アップです。肝心のAV1があまり変わっていませんが、内蔵がAV1に対応してないから仕方ないですね。
で、このAV1ですがね、間違いなく低ビットレートでは非常に圧縮率が高く、ハードウェアエンコードの常識を覆しかねないほどの画質を見せます。ビットレートを1000Kbpsまで落とし、H.265/HEVCではボロボロのブロックノイズだらけになる意地悪な映像を使ってみたのですが、多少崩れる程度で勝負にならないほど画質を保って見せてくれました。あくまでわたしの判断では、の話ですが、数十倍の時間をかけてx265でじっくりとソフトエンコードしたH.265/HEVCにも引けを取らないでものに見えました。正直ソフトエンコードなんてやめて今後はAV1を使ってQSVでみんなやってしまおうか、とちょっと思ったくらいです。しかし、Intel Arc A310には大きな欠点があります。それはresizable barを無効化すると性能がGeForce/RADEONと比べても大幅に下がるという点です。それだけならまだいいのですが、そのせいか、わたしの環境ではいくらやってもresizable barを無効化することができませんでした。もちろんAbove 4GB関連も二つありましたので無効化設定にしたのですが、再起動すると全部有効に戻ってしまいます。ひょっとしたらIntel Arcがささっているときにはresizable barが無効化できないようなBIOSになっているのかも知れません。ご存じの通り、resizable barが有効になっているとチューナーボード、PT3が使えなくなってしまうため、マザーボードによってはA310はPT3と併用が出来なくなってしまいます。つまり、せっかくの高速高画質エンコード機能も使い道がないのです。resizable bar無効化でエンコードを試したかったのですが、それもできませんでした。わたしの場合、この12700PCで使っているチューナーがPT2なので併用はできます。なので買った甲斐はそれなりにあります。が、PT3を使っていう人はやめておいた方が無難です。正直今回購入したグラボは性能よりもあるべき姿に触れたくて買ったものです。内蔵GPUと外部GPUが連携して処理を行う、これは在りし日にAMDがAPUの未来像として語った姿です。結局大した姿は見せずにAMDはAPU路線を縮小し、代わりにIntelがやってくれました。劣勢になるとこういうことがやりたくなるのか・・・という藻掻きが感じられなくもないですが、わたしは支持したいですね、大いに。
年末なせいか、ちょっと金遣い荒くなってきたなぁ。しばらく自粛しよう。
このGPUを買った理由は一つ、動画のエンコード機能を試したかったからです。今後主力となる可能性のあるフォーマットのAV1機能はもちろん、内蔵GPUと比べてどの程度速くなるか、またIntelCPUと組み合わせれば内蔵のエンコーダーとリンクさせることで速度を上げることも可能と聞いていたので、それも試したい。なので、手元の
CPU:Core i7 12700
MOTHER:GIGABYTE B660M D3H DDR4
MEMORY:DDR4-2666 16GB(8GBx2)
CPUクーラー:IS-40X-V2
OS:Windows11
なPCで試してみます。ソフトは最近AV1への対応を高めているHandBrake。エンコード元はいつもの約49分の1440x1080のMPEG2-TSを、いつもの設定ビットレート4000Kbps。いい加減こんなにビットレートを高くする設定はやめようかと思うのですが、今回は過去の例と合わせるのを優先します。まずはH.265/HEVCを、速度はbalanceedとQualityでやってみましょう。今回はQSVのみエンコードを行います。
balanced 4分56秒quality 5分32秒
続いてAV1balanced 5分01秒quality 5分26秒
速度はほぼ似たようなものですね。ちなみに内蔵GPUでやるとどうの程度の速度になるか、も書いておきましょう。こちらはAV1は使えないのでH.265/HEVCのみ、かつqualityのみ計測してみました。これ以降は全部Qualityのみです。
5分15秒
・・・・・・・・・えー、なんか内蔵の方が若干ですが速いんですが。これはちょっと意外でした。ただ、内蔵の方が当然CPUやメモリと位置が近いのでデータ転送のロスが少なく、エンコーダーの性能が同程度ならこういうことがあっても不思議ではないですね。もっと上級のGPUを使ったものやV-RAMの容量が大きければまた違うでしょうが。さて、次は期待の内蔵・外部連携エンコード。HandBrakeではQuickSync Deep Hyper Encodeという項目をチェックすればできるらしいです。
H.265/HEVC 5分9秒AV1 5分15秒
おお、上がりました! しかも内蔵より速い!! 内蔵と比較すると若干の上昇にすぎませんが、A310単独と比べるとH.265/HEVCの方が5分32秒→5分9秒となっており、これは結構バカにならない速度アップです。肝心のAV1があまり変わっていませんが、内蔵がAV1に対応してないから仕方ないですね。
で、このAV1ですがね、間違いなく低ビットレートでは非常に圧縮率が高く、ハードウェアエンコードの常識を覆しかねないほどの画質を見せます。ビットレートを1000Kbpsまで落とし、H.265/HEVCではボロボロのブロックノイズだらけになる意地悪な映像を使ってみたのですが、多少崩れる程度で勝負にならないほど画質を保って見せてくれました。あくまでわたしの判断では、の話ですが、数十倍の時間をかけてx265でじっくりとソフトエンコードしたH.265/HEVCにも引けを取らないでものに見えました。正直ソフトエンコードなんてやめて今後はAV1を使ってQSVでみんなやってしまおうか、とちょっと思ったくらいです。しかし、Intel Arc A310には大きな欠点があります。それはresizable barを無効化すると性能がGeForce/RADEONと比べても大幅に下がるという点です。それだけならまだいいのですが、そのせいか、わたしの環境ではいくらやってもresizable barを無効化することができませんでした。もちろんAbove 4GB関連も二つありましたので無効化設定にしたのですが、再起動すると全部有効に戻ってしまいます。ひょっとしたらIntel Arcがささっているときにはresizable barが無効化できないようなBIOSになっているのかも知れません。ご存じの通り、resizable barが有効になっているとチューナーボード、PT3が使えなくなってしまうため、マザーボードによってはA310はPT3と併用が出来なくなってしまいます。つまり、せっかくの高速高画質エンコード機能も使い道がないのです。resizable bar無効化でエンコードを試したかったのですが、それもできませんでした。わたしの場合、この12700PCで使っているチューナーがPT2なので併用はできます。なので買った甲斐はそれなりにあります。が、PT3を使っていう人はやめておいた方が無難です。正直今回購入したグラボは性能よりもあるべき姿に触れたくて買ったものです。内蔵GPUと外部GPUが連携して処理を行う、これは在りし日にAMDがAPUの未来像として語った姿です。結局大した姿は見せずにAMDはAPU路線を縮小し、代わりにIntelがやってくれました。劣勢になるとこういうことがやりたくなるのか・・・という藻掻きが感じられなくもないですが、わたしは支持したいですね、大いに。